入試問題に挑戦第45回

<問題>
 2以上の整数の中で、1とその数自身でしか割り切れない数を素数といいます。例えば、2、3、5は素数で、4は素数ではありません。
 素数を見つけるのに次のような方法があります。

    (手順1) 2から始めて、それに続く整数を順番に書く。
    (手順2) 2を残し、残りの2の倍数を消していく。
    (手順3) 3を残し、残りの3の倍数を消していく。
    (手順4) 5を残し、残りの5の倍数を消していく。
    (手順5) 7を残し、残りの7の倍数を消していく。
    (手順6) 11を残し、残りの11の倍数を消していく。
           :
           :
           :

 この手順を繰り返していくと、素数だけが消されずに残ります。
 下の「2〜95」の表を使いながら、次の(1)〜(3)の問いに答えなさい。

(1) 2以上20以下の整数の中にある素数の和を求めなさい。

(2) 2以上95以下の整数の中にある素数は全部で何個ありますか。

(3) 差が2であるような2つの素数を双子素数といいます。例えば、3と5、5と7などは双子素数です。2以上95以下の整数の組の中で双子素数は全部で何組ありますか。

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21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
41 42 43 44 45 46 47 48 49 50
51 52 53 54 55 56 57 58 59 60
61 62 63 64 65 66 67 68 69 70
71 72 73 74 75 76 77 78 79 80
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(02年浅野)

 

 

 

 

入試問題に挑戦第45回解答編

<解答>
 素数を見つけていく方法としては、この問題のように倍数を消していくのが一番です。入試ではじめて経験した生徒もいたかもしれませんが、ぜひ覚えておいて欲しいですね。

 (手順1→2)

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31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
41 42 43 44 45 46 47 48 49 50
51 52 53 54 55 56 57 58 59 60
61 62 63 64 65 66 67 68 69 70
71 72 73 74 75 76 77 78 79 80
81 82 83 84 85 86 87 88 89 90
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 (手順3)

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21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
41 42 43 44 45 46 47 48 49 50
51 52 53 54 55 56 57 58 59 60
61 62 63 64 65 66 67 68 69 70
71 72 73 74 75 76 77 78 79 80
81 82 83 84 85 86 87 88 89 90
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 (手順4)

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21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
41 42 43 44 45 46 47 48 49 50
51 52 53 54 55 56 57 58 59 60
61 62 63 64 65 66 67 68 69 70
71 72 73 74 75 76 77 78 79 80
81 82 83 84 85 86 87 88 89 90
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 (手順5)

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11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
41 42 43 44 45 46 47 48 49 50
51 52 53 54 55 56 57 58 59 60
61 62 63 64 65 66 67 68 69 70
71 72 73 74 75 76 77 78 79 80
81 82 83 84 85 86 87 88 89 90
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 (手順6→終了)

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21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
41 42 43 44 45 46 47 48 49 50
51 52 53 54 55 56 57 58 59 60
61 62 63 64 65 66 67 68 69 70
71 72 73 74 75 76 77 78 79 80
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 実際にやってみればわかりますが、7の倍数で消すのは「7×7」、「7×11」、「7×13」の3つだけです。つまり、7の場合には7未満の素数との積はすでに消えているので、7以上の素数との積を消すことになります。

 このことから、11以上の素数の場合は、最小が「11×11」になるので、この数表では入りません。
 よって、7の倍数を消した時点で、この作業は終了。残された数はすべて素数ということになります。このことに気づかずに、その他の数もチェックしてしまうと、時間をロスするので要注意。

 表ができあがってしまえば、問いを解くのは容易です。

(1) 2+3+5+7+11+13+17+19=77

(2) 24個

(3) 「3と5」、「5と7」、「11と13」、「17と19」、「29と31」、「41と43」、「59と61」、「71と73」の8組

 

<余談>
 ところで、素数を見つける数表は、この問題では10個ずつ並べてありますが、実は6個ずつ並べてみると面白いことがわかります。倍数を消す作業や双子素数を見つけるときに、10個の場合よりやりやすいことがわかるでしょう。なぜ、やりやすくなるのかを、下の表を使って実際にやって考えて見てください。

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31 32 33 34 35 36
37 38 39 40 41 42
43 44 45 46 47 48
49 50 51 52 53 54
55 56 57 58 59 60
61 62 63 64 65 66
67 68 69 70 71 72
73 74 75 76 77 78
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