NO.71

 

                      2002年 月15日

目次

学校情報

学校情報 教育情報 教育情報 その他
筑波大駒場

大妻嵐山

土浦日大

桐光学園

長野日大

東京の私学11

合同説明会

私立大学納付金

教育基本法見直し

奉仕活動と評価

教科書検定見直し

つくる会教科書

公立中学校の冷房化

国語力向上へ

国語力ピンチ

学校基本調査

学校説明会申込期間

平均寿命

数学オリンピック

入試問題に挑戦第51回

学校情報

筑波大駒場 学校説明会
1.実施日時:平成14年10月12日(土),13日(日)
 10:00〜11:30
 13:00〜14:30
 15:30〜17:00
 計6回,各回定員470名
2.会場:本校7号館3階
3.申し込み方法:
 9月1日から9月25日(消印有効)までに、参加人数(1名または2名,最大2名)及び希望日を往復はが きに記入し、本校宛に郵送して下さい。
 (いずれの回にご参加いただくかは、本校で決めさせていただきます。)
 宛て先:〒154−0001 世田谷区池尻4−7−1
 筑波大学附属駒場中学校 学校説明会係
 往復はがき記入例

http://home.catv.ne.jp/dd/tukukoma/hp/index.htm

大妻嵐山 03年より中学を新設
03年入試要項
1回 1月12日 女子50名 2科4科
2回 1月19日 女子20名 2科4科
3回 2月 5日 女子10名 2科4科
1回入試は学校の他に大宮会場(大宮ソニックシティ)も設定。
1回・2回の入学手続は2月4日16:00まで延期できる。
教育の特色
(1)“科学する心”の育成
  科学する心とは、誰もが信じているような普遍的事例に対してさえ、なぜだろうという疑問をもち、それを解き明かしていく心です。そこには知的好奇心を満足させ、未知の世界を知っていく学びの楽しさがあります。理科系の授業だけでなく、すべての授業において“科学する心”を育てることを目標にします。
実践 ア 理科の授業時数中学3ヵ年合計14時間。(標準8.3時間)
    イ 実験・実習を重視する。
    ウ 総合的学習及び教科を通して、レポート作成を習慣をつけ、3年次には卒業研究を行い、発表する。
(2)“表現する力”の育成
  コミュニケーション能力は、発信する能力とともに、相手の発信を受容する能力が必要になります。「言葉は魂を鍛える」表現する力を育成することは、豊かな人間性を育成することに繋がります。
実践 ア 週5日の朝読書を中心とした読書指導で年間50冊を読破する。
    イ 国語における表現学習の重視。
    ウ 討論、ディベート、プレゼンテーション。
(3)野外学習の重視
  本校の恵まれた自然環境を活かし、教室での座学だけでなく、さまざまなフィールド・ワークを行うことで、知識を書物の中だけのものでなく、自らの体験を通した生きたものにしていきます。
実践 ア オオムラサキの飼育、観察等のプログラムを通して、自然とのふれあいを深める。
    イ 博物館や美術館等の見学を通して、郷土や地球への理解を深める。
(4)情報教育の充実
  情報化社会に対応できる力を養成するために、コンピュータを道具として使いこなせるだけでなく、情報の分析、処理の方法を学びます。
実践 ア 情報の処理、分析にとどまらず、情報を正しく認識し活用できるようにする。
    イ PC講座を開講する。
    ウ レポート、自由研究はコンピュータで作成できるようにする。
    エ 各教科でコンピュータを活用した授業を行う。
(5)国際理解の教育プログラム
  国際化した社会で自立した女性として行動できるための、国際的視野を身につけ、異文化に対する理解を深めることをめざし、まず、世界共通語としての英会話の習熟に努めます。
実践 ア 少人数による英会話クラスを設ける。
    イ スペリング、レシテーション、スピーチ等の校内コンテストを行い、校外でのコンテストに積極的に参加できるようにする。
    ウ 高2までのTOEFL550点以上をめざす。
    エ 中2の英会話学習(国内)、短期留学、セメスター留学、1年間の長期留学など、6年間の語学習得のプログラム。
    オ 多様の国の人たちとの交流会を実施する。 
学校説明会
 9月21日(土) 10:00 体験授業あり
10月13日(日) 10:00
           13:30 体験授業あり
11月22日(金) 13:00
12月14日(土) 10:00
           13:30
体験授業参加希望者は事前に電話、FAX、E−mail等で予約が必要。

http://www.otsuma-ranzan.ed.jp/

土浦日大 03年より中学を新設
03年入試要項
1回  1月 7日 男女90名 2科4科 面接
2回  1月19日 男女60名 2科4科 面接
3回  2月 2日 男女10名 4科   面接
帰国 12月 8日 男女若干名 国語または英語、算数 面接
一般入試の面接は保護者面接
帰国入試の面接は受験生と保護者面接
2回入試の試験会場は学校の他に柏会場を用意
学校の特色
1 可能性と未来を尊重する教育
確かな人間形成を目指すため、少数指導体制にこだわりました。
週6日の充実した授業内容、6年間一貫教育、チューター制度の取り入れのほか、従来のような一斉形式の授業だけではなくゼミナール形式の授業を取り入れて実施します。
2 「対話」を重視した教育
生徒や保護者と教職員が「対話」をすることはもちろん、生徒がどんな未来と「対話」をしようとしているのか、そして、生徒が地球や大地、世界の情勢やそこで暮らす人々や多様な生物とも「対話」できるような豊かな心ある教育を目指します。
3 世界に通用する英語力の育成
社会&海外に対応する「真の学力」づくり。
1、3、5年次には全員、一ヶ月海外語学研修をおこないます。
3年次からは英語の授業で日本語を使いません。
大学合格は通過点であり、決してゴールではないことを意識し、詰め込みや暗記型ではない、本当に社会に役立つ能力の開発に力をそそぎます。
4 国内外の大学にも対応した受験指導
国内の大学進学希望者はもちろん、海外の大学進学希望者用にはそれ専用のプログラムを用意しています。世界のさまざまな大学に進む希望者のため、TOEFL対策、SAT対策の授業を英語で行います。
学校説明会
10月 6日(日) 午前・午後 土浦日大高校 
10月12日(土) 午前・午後 土浦日大高校 
10月13日(日) 午後     つくば国際会議場 
10月19日(土) 午後     ザ・クレストホテル柏 
10月20日(日) 午後     新守谷 二葉 
10月27日(日) 午前・午後 土浦日大高校 
11月 2日(土) 午前・午後 土浦日大高校 
11月 9日(土) 午後     水戸市民会館 
11月10日(日) 午前・午後 土浦日大高校 
11月16日(土) 午前・午後 土浦日大高校 
11月17日(日) 午後     つくば国際会議場 
11月23日(土) 午後     ザ・クレストホテル柏 
11月24日(日) 午前・午後 土浦日大高校 
12月 1日(日) 午前・午後 土浦日大高校 
タイムスケジュール
午前  9:30〜受付
    10:00〜概要説明
    11:00〜個別相談
午後 13:00〜受付
    13:30〜概要説明
    14:30〜個別相談会
※10/13 , 10/19 , 10/20 , 11/9 , 11/17 , 11/23は個別相談のみを13:00〜15:30まで行います。 
http://www.tng.ac.jp/chugaku/index.html

桐光学園 教育懇談会概要(02年7月23日)
創立25年目の学校
1978年に男子の高等学校としてスタート。
1982年に男子の中学校を開設。
補習から講習へ
高校開校当初はどこにも行けない生徒が入学してきた。当時、同じ頃できた公立高校の柿生西の併願校だった。
ただ入学した生徒が真面目にやってくれた。
普通の高等学校の授業をやっても消化しきれない。放課後、毎日生徒を残して中1の内容からやり直しをした。・・これが桐光学園の補習制度のスタートになっている。
その一期生が実績を出してくれて、入学者のレベルが徐々に上がってきた。
中学を開設したときも、中学校の内容のみならず小学校の内容の復習も行う。
生徒のレベルが上がるにつれ、補習自体の内容も変わってくる。
高校生は高校の授業内容を、中学生は中学校の授業内容をもう少し突っ込んだ内容に。
大学入試レベルの講習が徐々に増えていく。
生徒のレベル、ニーズに応じて講習内容が変化してきた。今いる生徒にとって何が必要なのかが明確に問われる。
本来授業が中心であることを前提として、桐光学園では講習に特色がある。
講習の面白さとして生徒が自由に選べるという点がある。
同じ講座でも集まる先生とそうでない先生が出てくる。・・普段の授業をキチンとやっていないと生徒から選ばれない。その意味では教員に取っては非常に厳しい。
また、自由に選べるということで先生と生徒の間に独特の信頼関係が生まれる。教員は選んできた生徒を何とか理解させようとする。
桐光学園の全体像
中高で約3000名の生徒が通学。
高校:中学 2:1
男子:女子 2:1
中1は9クラス(男子6クラス、女子3クラス)
40名×9クラス  男子240名、女子120名が基本的な人数。
今年は女子の入学辞退者が多く女子は33名×3クラスになっている。昨年は少なかった。
補欠繰り上げはできるだけ出したくないので、この人数でスタート。
男子は257名が入学。42名クラスと43名クラスがある。
二人担任制で各クラスに専任が二人ずつつく。
男子 6クラス・・12名
女子 3クラス・・ 6名(女子はクラス担任のうち1名は女性教員がつく)
学年担当の18名が6年間担当する。そのためキメ細かい指導ができる。
ジャガイモを洗うときに芋同士が擦れあってきれいになる。
教育も先生と生徒が擦れあって磨かれるというのが創立者の考え方。
それは生徒と先生が一緒に活動することによって成り立つ。
学校行事でも当初は生徒と先生が一緒に寝泊まりし、食事も一緒だった。
指導上のキメ細かさをどうシステムかしていくか。
1 二人担任制
2 レッスン制
例えば男子の6クラスはHRは成績に関係なく混合で編成。
入試の得点で各クラスの在籍者が平等になるように振り分ける。
英語、数学をそれぞれ習熟度別に。
3クラスを一緒にして3段階に再編成する。
一番上位クラスの成績幅が広がる。昨年から1クラスSクラスを設置。
男子は1(Sクラス)+3(3クラスを3段階)+3(3クラスを3段階)のレッスン制に。女子は3クラスを3段階に再編成する。
数学は1年前期から。英語は1年後期から。
レッスンの入れ替えは試験(年4回)の度に行われる。上位レッスンに4・5名、下位レッスンに4・5名移動。
レッスンクラスの上がった生徒にはクラス移動に伴う補習を行う。
レッスンクラスの下がった生徒をどうフォローするかがポイントになる。
3 父母との情報のやり取り
4 10分間テスト
朝のホームルーム(8:20〜8:30)の時間を利用して実施。2週間1サイクルで、3日間が試験、3日間がフォロー。
80%取れない生徒は放課後残して補習。だいたいの生徒は満点を取る。
年4回の定期試験の結果に基づく指導ではタイミングよく指導できない。
小テストで基本的な内容の理解のチェックとともに、本人の様子もチェックする。
普段問題のない生徒なのに点数が取れていなかったりすると何かあったのではないかと気にかける。短い期間の中で生徒の様子を確認していく。
行事・他
レッスンアップ補講
中学サマーキャンプ・・各学年毎に生徒が企画。キャンプリーダーが指導する。
 リーダーシップの基本はHR。HRで学校生活が決まってしまう。
 HRの40人の人間関係をどう作っていくのかが学校全体を支える角になっている。
夏期講習
 中学生の参加率95%。高校生の参加率75%。
 午後はクラブ活動を行っている。
夏期特別講習
 成績上位者対象の講習
ホームステイ・・希望者対象
 男子30名、女子30名の枠があるが最近は希望者が少なくなっている。
カウンセラー通信・・定期的に発行
 2人が交代で常駐している。
 月火水・・女性カウンセラー
 水木金・・男性カウンセラー
 最近は生徒が自主的に利用している。
 親が直接相談することも可能。
図書館・・放課後18:30まで開いている。
 女子は18:00が下校時間。
 男子は19:00が下校時間。
 土曜日も9:00〜16:00まで開いている。
夏休み中も学校全館が自由に使える。
 自分の教室で自習している生徒も多い。
 教員も出てきているので質問も出来る。
 自習室もある。
 進学で結果を出す生徒は学校にきている。
学校生活
授業、HR、学校行事、クラブ活動が学校生活の大きな柱。
クラブ活動を積極的に進めている。
中学で85%の参加。高校で70%の参加。
大学入試に現役で合格する生徒はクラブ活動に打ち込んでいる。
中1の6月頃はクラブ活動をやっていると勉強できないという相談が多いが、夏を乗り越えると中学生の体になってくるので大丈夫になる。夏まで待ってと話す。
高校生は活動日を制限することはない。
中学生は原則として週3日。
野球部・サッカー部の活躍が目立つが、文芸部・演劇部も活躍している。
学校のレベルが上がると言うことは文化部のレベルが上がること。
文化部のレベルは指導する教員のレベルに左右される。
土曜講習
2001年から土曜日を講習にあてる。
2002年、2003年の指導要領の改訂は学校の独自性を打ち出すチャンスととらえる。
まず5日制を導入して、その後あわてて土曜日の使い方を考えたのではない。
土曜日を講習制度で使いたいために授業5日制に移行。
週34時間授業が30時間授業に。
英数国を1時間ずつカット(6時間が5時間に)。・・これまで6時間でやっていた内容を5時間でやれると判断したから。
その上で土曜日に別のカリキュラムで講習を組む。
講習で授業以上の効果が得られることをこれまでの経験で実感していた。
7時限授業は組まない(50分×6時限)。・・放課後のクラブ活動、補習も行いたい。
中学の土曜講習
1・2時限目に英数国をローテンションで3週間に2回ずつ行う。
3・4時限目はユニーク講習。実験、実習、芸術、体育の関連の講習を行う。
高校の土曜講習
1・2・3時限目を使って英数国の講習を。
4時限目にユニーク講習を。
土曜講習では、教員の専門性を生かした、やりたい取り組みができる。講習に取り組む教員の意気込みが生徒の学習の動機付けになれば。
高校理数科の廃止
2003年から高校の理数科の名称を廃止する。
これまで理数科は国公立対応のカリキュラム、普通科は私大中心のカリキュラムになっており、高校進学時に希望と成績で理数科・普通科分けていた。3分の1が理数科、3分の2が普通科になっていた。
生徒のレベルアップにともない、全体を国公立対応のカリキュラムにし、届け出上の名称は普通科に。
クラス編成を高1ではSAクラス(特進クラス)とAクラス(普通クラス)に。
             内進生   高入生
 男子 SAクラス  2クラス  2クラス
     Aクラス   4クラス  2クラス
 女子 SAクラス  1クラス  1クラス
     Aクラス   2クラス  1クラス
高2から文T(国立文系)、文U(私立文系)、理T(国立理系)、理U(私立理系)の4コースに。文Tは男子3クラス、女子2クラス、理1は男子3クラス、女子2クラスを予定。
中学入試に関して
中学入試は4回実施。
複数回受験生を優遇するということは特にない。
各回とも同じレベルになるよう問題を設定している。
4回受験した生徒で4科の合計点が1回135点、2回140点、3回158点、4回195点という生徒がいた。4回目で合格。
問題に慣れたり、試験会場の雰囲気に慣れるということはある。
その他
専任率は91%。教員167名中152名が専任。
専任が多いから土曜講習等でも多様な講座が設定できる。
特別講習の上位者は英数国それぞれ男女で30名指名。
年3回実力試験があり、実力試験はレッスン制に関係なく学年共通。
高校ではスポーツ推薦で1クラス分受け入れているが、入学後の特別扱いは一切ない。
http://www.toko.ed.jp/

長野日大 中高一貫へ04年度に中学校を開設
(信濃毎日新聞 8月14日)
 長野日大高校(長野市)を運営する学校法人、長野日本大学学園は十三日、04年度に中学校を開設する計画を明らかにした。同高校と併設し、大学進学を重視した中高一貫教育を行う。県内で私立中学の開設は、学校法人佐久学園が運営する佐久長聖中(佐久市)に続き二校目。
 長野日本大学学園は県へ中学校設置を申請しており、県私立学校審議会を経て来年十月に正式に認可される見込み。
 計画だと、長野日大高校敷地内に校舎を建設し、04年4月1日に開校。体育館など高校の施設を共有する。一学年は一学級四十人で計二学級とし、初年度は一学級四十人を募集する計画だ。一年生から国公立大学への進学を意識した教育課程を組む。開校時は週六日制とする。
 樋口政利・長野日大高校長は「県庁所在地でありながら長野市には私立中学校がない。中高一貫教育で国公立大学に合格する生徒の育成を目指したい」と話している。

東京の私学11
東京家政学院中高 朝10分間の読書の時間
 「ごきげんよう」。校内を歩いていると、生徒たちがあいさつを交わす声が聞こえてくる。
1939年に建てられた東京家政学院高等女学校が起源。創立者、大江スミさんの建学の理想である「Knowledge(知)」「Virtue(徳)」「Art(技)」を教育目標としている。
かつては家庭生活の中の技術としての意味が込められた「技」。しかし今は、現代の生徒に合わせて「自分で知識を取り入れるための工夫や社会性を身に着けるための技に読み替えようと思っている」と、佐野金吾校長は説明する。
創立以来から生徒会活動は活発。生徒の自主性を育てるために、文化祭や運動会など主な学校行事は生徒たちが企画運営を担当する。
進路指導も「生徒の希望を大切にする」。最近は進路希望が多様化。東京家政学院大学、同短期大学などの併設校には、無試験での推薦入学が可能だが、現在は生徒の9割が他の大学、短大へ進む。また、理系志望者の増加により、来年から理系コースを新設する。
ここ3年ほど、朝のホームルームの前に10分間の読書の時間を設けている。若者の活字離れの食い止めと、落ち着いて授業に入るための態勢作りの意味がある。漫画以外であれば、好きな本が読める。いまは「ハリー・ポッター」が人気。
ここが自慢−−課外授業
希望者は茶道と華道を学ぶことができる。茶道は裏千家。中3以上が対象で、3年で準師範の免状を取得できる。校内には本格的な茶室も。一方、華道は大和花道で、こちらは全学年が学べる。6年で準師範の免状がもらえる。
ホームページアドレス
http://www.kasei-gakuin.ac.jp/chuko/

東京家政大付女子中高 「男社会で生きる」伝統
 JR埼京線、十条駅を降りて、女子大生が向かう方向へ一緒に歩くと、緑に包まれた校舎にたどり着いた。7万4000平方メートルもの広大なキャンパスには、中高の校舎のほか幼稚園や大学、大学院、生涯学習センターがある。子供から高齢者まで、さまざまな年代の人々が行きかう。
1881年に創立された和洋裁縫伝習所を起源とし、120年を超える伝統がある。渡辺信子校長は、「男女不平等の時代に、男に養われるのではなく、技術を持って自立しようということから始まった」と説明する。今も「男社会の中で生き抜く力の伝統は残っている」そうで、中学生でも将来の夢を語るときは具体的な職業が出てくる。
最近は実学志向が高まり進路が多様化。生徒の半数は併設の東京家政大へ内部推薦で進学。同大では栄養士、保育士、小学校教諭などの資格が取得可能。一方、他大学を志望する生徒は理系が人気。今春は薬科大や看護学校の合格者が目立ち、地震の研究がしたいと九州大へ進学した生徒も。「女子高だけど甘えがない。『生涯現役で生きられる女性』を育てることが教育理念」
数学と英語については中1では1クラスを二つに分けた少人数制授業、中2から高1では少人数の習熟度別授業を実施。朝の10分間読書や歌舞伎教室などを通じて感性も磨く。
ここが自慢−−家政ビオトープ
中高の校舎の一角にひっそりと小さな池がある。昨年の春に誕生。生徒や教諭、職員51人でつくる「家政ビオトープの会」が手入れをしている。ヤゴやクロメダカが生息。身近に自然を感じることができる。?
ホームページアドレス?
http://www.tokyo-kasei.ed.jp/

東京純心女子中高 平和学習と英語に力
 「マリアさま いやなことは私がよろこんで」 校舎内を歩くと、創立者・シスター江角ヤスの言葉である学園標語が、あちらこちらに掲げられている。岩崎淳子校長は「女性の生き方の理想として、聖母マリアを掲げています」と説明する。
1964年設立の中高一貫女子教育のミッションスクール。昨年からは学園のルーツである長崎を高校2年生が3泊4日で訪れ学園母体の「純心聖母会」が設置した原爆ホームなどを訪問し平和学習を行っている。
カリキュラムは週6日制。中学1、2年=「導入期」▽中学3年、高校1年=「展開期」▽高校2、3年=「完成期」――と3ステージに分け、きめ細かい指導を行っている。生徒は中高合わせて809人。少人数制授業で、理・芸術系は個人指導になることもある。
特に力を入れているのが英語教育だ。中学1年からクラスを半分に分けての英会話授業があるほか、中学2年は3泊4日の英語キャンプ、高校1年は24日間の海外ホームステイがある。岩崎校長は「学んだ英語を生かし他の分野でも何が出来るかを大事にしている」と話す。
毎年12月(今年は23日)には学内外の受験生の心を癒やそうと、生徒と卒業生が中心となった「クリスマス・ページェント」を開催している。「心の教育と知的教育の両立」が学園の基本理念だ。?
ここが自慢−−労作の授業
キャンパスは滝山自然公園の中腹。豊かな自然の中で花々や農作物を栽培して収穫する「労作」の授業がある。「自然から学ぶことは無限」との考えで、創立以来の伝統だ。高校3年生はサツマイモを栽培し、焼き芋にして食べたり、老人ホームにおすそ分けしている。
ホームページアドレス
http://www.t-junshin.ac.jp/

東京女学館中高 生徒20人に丁寧な指導
 伊藤博文らが作っていた女子教育奨励会が「世界の女性と対等に交際できる人材を育成したい」と1888年に創立。女性が男性の補助者としてでなく、自己実現を達成できるようにと、1世紀以上にわたって女子教育に取り組んできた。
日本人としてのアイデンティティーを確立しつつ、英語力を武器に世界の舞台でリーダーシップを発揮して活躍する女性の育成を目指す。
英語と数学を中心に、クラスを半分に分けた分割授業が実施され、教員1人が生徒20人程度を対象に丁寧な指導を行う。朝早くから放課後まで、教員室には生徒が続々と質問に訪れる。自国文化の理解、国際的視野の育成と並んで、平和教育、環境教育、情報教育、ボランティア学習の推進を重点課題として設定している。
正井進・副校長は「長い歴史の中で、大切なものとして受け継がれてきたのは『品性』です」と話す。お嬢様学校と見られがちだが、校内の雰囲気は明るく、にぎやか。「教師と生徒の距離が近いのが特徴」(福原孝明教頭)だという。
「イギリスでは高貴な人は白を着る」との理由で、1930年から制服は白いセーラー服。青いシルクのリボン、紺のスカート。シリアルナンバーが刻まれた純銀の校章、森英恵デザインのコートと合わせ、制服の人気は群を抜いている。
ここが自慢−−文化研修
「異文化相互理解」を目的に、夏休みに米国や東南アジアで研修するプログラム。アメリカ文化研修では、大学寮に滞在し、働く米国人女性についてまわり、一日の生活を同時に体験する「シャドーイング」を行う。
ホームページアドレス
http://www.h.tjk.ac.jp/

東京女子学院中高 仏、中国語、弦楽器授業も
 西武新宿線高田馬場から18分、準急で3駅目の「武蔵関」は、同線の23区内最後の停車駅。キャンパスは駅から徒歩3分の交通至便な場所に位置する。小高い丘の上に建つ校舎の窓からは、晴れた日、はるか西方に富士山が見える。
豊かな自然に囲まれた校内は、内壁、廊下、机、椅子にいたるまで、すべて木造仕上げ。創立者の「環境は人をつくる」との理念から、木の温もりを大切にしているという。本格的日本建築の礼法室や、美術館もある。山梨県明野村にもキャンパスがあり、美術研修棟や宿泊棟を備える。
第2外国語としてフランス語または中国語が必修。かつてはフランス語を選択する生徒が多かったが、現在では中国語と半々だという。
芸術性を高め、協調性を培うため、中学校では週2時間、「弦楽器」の授業を行う。バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスの4種類の中から選ぶ。これらの特設科目は、学ぶことの楽しさを体験させることと、一人ひとりの個性を発見し、才能を伸ばすことが目的だ。
日本文化の精神と調和のとれた美しさを学ぶ情操教育として、「礼法」「華道」も必修となっている。酒井校長は「豊かな人間性は素直な心、向上心、思いやりの心、忍耐心を持ち続けることにより育成される」と話している。
ここが自慢−−生活即教育
「まじめに生きることの価値を知り、充実した人生を送る」人づくりを目指し、建学の精神は「毎日の生活そのものが教育」。20日には「オープンキャンパス」で学校の特色を説明し、入試個別相談を実施する。
ホームページアドレス
http://www.tjg.ac.jp/

東京女子学園中高 「進学フェア」を手作り
 「人の中なる人となれ」が教育理念。東京女子学園中高(實吉幹夫校長、中学234人・高校426人)は来年、創立100周年を迎える。「それぞれの場で凛(りん)として輝いてほしいという願いのもと、生徒が主人公の学校、生徒の夢が育つ学校づくりを進めている」と辰巳順子教頭は話す。
中学の補講、高校の通年講習・短期集中講習などで進学指導を充実させるが、自分を知り、自然や社会を知る「進路学習」などを通じた人格の陶冶(とうや)も重視している。「自分で考え、自分を見つめ、人の意見を聞き、自分の意見を発表できる生徒になってほしい。それが『主人公』にもつながります」と辰巳教頭。
中学の英語は環境問題やボランティア活動など世界の出来事を英語で勉強し、発表する。理科は観察や実験を多く取り入れ、社会で江戸時代を学ぶには落語も聞く。体育の創作ダンスは大きな「自己表現」の場だ。
高校には多数の選択科目が用意され、希望者がいる限り、たとえ数人でも開講する。11月には大学の入試担当者を招き、生徒が自由に相談できる「進学フェア」を生徒の手作りで開催。昨年は81大学が参加した。
實吉校長は「なぜ学ばなければならないかを生徒自身に気付かせるのは難しい。それを理解し、納得させる手法の開発が課題でしょうか」と話している。
ここが自慢−−ラウンジ
「先生、聞いて」。職員室前のラウンジには机と椅子があり、休み時間や放課後はすぐに生徒たちでいっぱいになる。生徒と先生のコミュニケーションが非常に密で、先生の面倒見のよさは「預けて安心な学校」の証明でもある。
ホームページアドレス
http://www.tokyo-joshi.ac.jp/

東京成徳大中高 消極的な子にも目向け
 東京成徳大中高(木内秀樹校長)は兄弟・姉妹が同時期に通っているケースが多い。偏差値に振り回されがちな学校選びだが、プラスアルファの校風こそが本来の私学の特徴を形づくっている。それだけに「先生と生徒の仲がいい」「消極的な子にも目を向けてくれる」という保護者の声が寄せられていることが誇りだという。
新しい教育テーマとして「創造性と自律」を掲げる。「中学で基本的な生活・学習習慣を身に着け高校で発展させる。自分で考え、自分を律することのできる人材を育てることが目標です」と武井宏允教頭は言う。
中学(生徒数400人)と高校(同1116人)は一貫コースを中心とし、中学・高校3年間ずつというくくり方をせず、4年+2年という考え方を取る。進学コースの最後の2年間(高校2、3年)は文系、理系に分かれるほか、英語、情報、幼児教育、生活といった生徒の学びたいという意欲と将来の希望に応じたきめ細かなカリキュラムを用意している。
生徒同士、在校生と卒業生のつながりをメンバーシップと呼んで尊重し、クラブ活動や体育祭、文化祭などのイベントは生徒の「自主性」に任せている。本館・別館とも新しくゆったりとしており、各階にラウンジがある。現在、女子部があるが、03年度の新入生から全面共学化される。
ここが自慢−−サタデープログラム
「範囲や時間を超えて興味を追求する時間」として、週5日制を逆活用し、中学生を対象に土曜日に実施。茶道、料理、吹奏楽、スポーツ、陶芸と多彩で「時間を忘れて没頭できる自由選択のプログラム」という。
ホームページアドレス
http://www.tokyoseitoku.ac.jp/

東京電機大中高 実験や観察を重要視
 1907年創立の「電気学校」が母体で、92年に現在の場所に移転してきた。96年に中学校を併設し、99年度から学科の編成と教育課程を改めて男女共学にした。「人間らしく生きる」が校訓。大学も含めた理工系総合学園として、情報教育などに力を入れている。
生徒の進路は多様化している。これに対応するため高校2年から理系・文系のコースに分け、生徒の適性に対応した進路指導を行っている。生徒の3割は高校卒業後、文系を進路に選んでいる。
だが、高久広毅校長は「真実をきちんと認識するためには、実験と観察に触れる機会が必要」と話す。進路に関係なく、理系の知識を身に着けることを同校では重要視しているのだ。
中学では、2年生が火力発電所、3年生が江東区の「ガスの科学館」を見学するなど、理系への関心を高める教育を行う一方、観劇やクラッシック音楽鑑賞など文化教養教育も充実している。
英語教育にも力を入れている。中学では、外国人教師による午前8時からの「モーニングレッスン」、高校では学級を半分に分けた少人数教育などで、英会話能力の向上を目指している。
部活動も盛んだ。高校の自転車競技部は毎年全国大会に出場しているほか、科学部では熱気球や真空管アンプを製作するなど、大学生顔負けの活動をしている。
ここが自慢−−情報教育
パソコンが45台設置された教室が3室あり、中学からプレゼンテーション・ソフトの使い方を学ぶなど実践的な教育を行っている。中学、高校の生徒全員がメールアドレスを持ち、レポートの提出もインターネットで行っている。
ホームページアドレス
http://www.kgn.dendai.ac.jp/

合同説明会
キリスト教学校フェア(第3回)
都内のプロテスタント系のキリスト教学校17校が集まり、8月2日、3日の2日間、銀座の東京福音会センターで行われた。
生徒による学校生活の紹介や音楽の調べを通して生徒の様子を知ってもらおうとする構成になっていた。
 参加校の生徒による演奏


教育情報

私立大学納付金 授業料納付方法30私大で改善 納付期限延長も 
(毎日新聞 7月28日)
 私立大が前納させた授業料などを入学辞退者に返還しない問題で、主な私大や私立医大のほとんどが、03年度の一般入試では授業料などの納付期限を国公立大後期日程の合格発表日以降に設定し、「ぼったくり」を改善する方向にあることが、毎日新聞社の調査で分かった。文部科学省の通知に沿った措置で、推薦入学でも約6割が国公立の発表後に前納金の返還に応じるとしている。しかし、入学金はいずれの大学も返還しない方針で、受験生の不満は残りそうだ。
 調査は学生数5000人以上の大学と医科大の計116校(授業料などを全額貸与する自治医科大、産業医科大を除く)に来年度の対応を聞いた。
 一般入試では02年度、33校(28%)が、授業料などの納付期限や入学を辞退した場合の納付金の返還期限を国公立大後期日程の合格発表(3月24日)前に設定していた。このため一部の受験生は国公立大の合否が分からないうちに授業料などを納め、返還も受けられなかった。
 しかし、今年6月、関西地区の元受験生58人が28の大学、専門学校を相手取って授業料など計約5900万円の返還を求める集団訴訟を起こし、私大の「ぼったくり」が問題化。文部科学省も、国公立大の後期日程の発表後まで前納金の納付を猶予し、返還にも応じるよう通知した。
 このため、03年度は30校が従来の対応を改めると回答し、113校(97%)が納付期限や返還期限を国公立大後期の発表後に設定した。1校だけ期限をその前に設定した日本体育大も「04年度以降は国立の発表後とすることを検討」、大阪学院大と椙山女学園大は「検討中」と回答した。
 116校のうち推薦入学などを実施しているのは114校で、02年度に前納させた授業料などを国公立大後期の発表後に返還していたのは3校だけだった。03年度は70校がすべての推薦入学で国公立大後期の合格発表を待って入学辞退者に返還する意向を示した。
 一方、福岡大など9校は「推薦入学では原則として返還に応じない」と回答。南山大など15校は、他大学との併願を認める推薦入学では返還に応じるが、専願推薦の合格者には原則として返還しないとしている。
 この結果、推薦入学のない医大2校と、すべての推薦で返還に応じる70校を合わせた72校(62%)で、全合格者が国公立大後期の結果を見た後で、前納金を納めるかどうか判断したり、前納金を返還してもらえることになる。
文科系で60〜80万円
 私大の文科系では、入学金(10万〜30万円程度)と、半期分の授業料と施設費を合わせて60万〜80万円程度を入学手続き時に納付させるところが多い。理工系の納付額はこれよりやや高く百数十万円。医大では入学金だけで100万〜200万円になり、納付金は600万〜1200万円前後になる。文部科学省の01年度調査では、全私大の初年度納付金は平均128万円、うち入学金が28万円となっている。

教育基本法見直し 見直し議論概要の要旨、中教審
(毎日新聞 7月29日)
<全体について>
 現行法の普遍的な理念は残しながら、憲法の枠内で新しい基本法はどうあるべきか検討する。
<教育の目的>
 以下の新たな事項を盛り込む方向で検討。(1)個人の能力の伸長、創造性の涵養(かんよう)、個人の自己実現(2)「公」の意識、公共心、自律心、規範意識(3)国際性、伝統や文化の尊重、郷土や国を愛する心の育成
<教育の機会均等など>
 適性に応じた多様なルートの選択、もっと能力に応じた教育を推進すべきだとの意見がある。
<学校、家庭、地域の役割>
 教員の使命感や責務を明確にする。家庭の役割や責任を規定する。学校が知・徳・体を教える場であることを規定すべきだという意見もある。
<宗教教育>
 「普遍的な宗教心を教える必要」「学校では宗教教育でなく道徳教育を行うべきだ」など多様な意見がある。

奉仕活動と評価 小中高校のボランティア活動に成績評価も、中教審 
(毎日新聞 7月29日)
 青少年の奉仕・体験活動の推進策を検討してきた中央教育審議会(鳥居泰彦会長)は29日、小中高校の授業の一環としてボランティア活動を実施することや、活動内容を記録する「パスポート」を自治体が作り、入試や就職試験などに活用するよう求める答申をまとめた。学校では教育活動として実施するボランティア活動なども成績評価の対象とするとしており、事実上すべての子供の参加を求めている。文部科学省はこれを受け、奉仕・体験活動を学習指導要領に盛り込むことも検討する。
 答申は「すべての青少年に奉仕・体験活動の機会を与えることが重要だ」と提起。学校や教育委員会、国のそれぞれが支援策を講じる必要があるとした。
 具体的には、都道府県や市町村が、高校生らのボランティア活動の実績を記録する「ヤング・ボランティア・パスポート」を作成して日常的な活動を記録し、それをもとに高校で単位を認定したり、大学入試や就職に活用することを提案した。また、パスポート所持者には博物館などの文化施設やスポーツ施設の利用料を割り引くなどの特典を与えるなどして周知し、若者の活動への参加を誘導するよう求めた。
 小中高校では、教科や総合学習の時間、学校行事などの中で奉仕・体験活動を実施するとしており、事実上の全員参加を求める方針を示した。教科指導に盛り込まれれば、評価の対象になるが「奉仕・体験活動の評価は点数化せず、子供の良い面を積極的に評価する」としている。また、高校入試でも、ボランティア活動を積極的に評価することも求めている。
 このほか、大学でもボランティア講座を開設したり、ボランティア活動を単位認定するとともに、就職の際に企業や国が、学生の履歴書に奉仕活動の有無を記載する欄を設けるよう提言した。
 ボランティア活動などに詳しい「さわやか福祉財団」理事長で弁護士の堀田力さんの話 学校教育に社会貢献活動を取り入れることは、人間性・社会性を向上させる狙いからだ。だから、実施方法が重要だ。どんな活動をどのようにするか、その成果をどう記録するかなどは子供たちの自主性に任せて、自ら役立つ喜びを味わわせるべきだ。うまく自発性を引き出せば、子供たちは自ら進んで活動し、人や社会に役立つ喜びを学ぶだろう。先生の指導の仕方でどうにでもなる「両刃の剣」ともいえる。地域社会の協力を求めるのがいいだろう。

関連記事 中教審が奉仕活動の義務化答申 兵庫県内の反応は 
 中央教育審議会(鳥居泰彦会長)は二十九日、奉仕活動を小中高校の教育計画に位置付けて参加を事実上義務化した上で、高校、大学で単位として認定したり、入試や就職の際に評価したりするなどの推進策を、遠山敦子文部科学相に答申した。 

 奉仕活動の事実上の義務化を求める二十九日の中教審答申に対し、兵庫県内では戸惑いが広がっている。阪神・淡路大震災ではボランティアが大きな役割を果たし、中学二年生を対象とした「トライやる・ウィーク」は、全国の社会体験活動の先駆けとなった。それだけに奉仕活動を評価の対象とすることに、反発する意見が少なくない。 
 川西市の中学教諭(49)は「震災時、子どもたちは自主的にボランティアに参加し、だからこそ力を発揮した。それが評価の対象になれば、子どもが戸惑うのではないか」という。 
 兵庫の県立高校入試は、内申書と当日の成績を同じ比率で評価する。内申書の割合が高いため、現状でも生徒会など評価につながる活動に関心が集まるといい、「義務化によって、ボランティア精神が骨抜きにならないか」と心配する。 
 兵庫県は一九九七年、中学二年生が地域の事業所などで社会体験をする「トライやる・ウィーク」をスタート。全国から注目され、今回の中教審の議論の中でも「成功例」として紹介された。 
 「トライやる」は意欲の有無など、評価の対象となっている。しかし、期間限定の全員参加で、奉仕に限定せず幅広い活動を推進している。 
 県立高校教諭(53)は「奉仕活動を評価することは難しい。結局は回数で競うような形になる」と指摘。兵庫県教委からも「奉仕の意味が失われることになりかねない」と懸念の声が聞かれる。 
 ボランティア団体の受け止めはどうか。特定非営利活動法人(NPO)「市民活動センター神戸」の実吉威事務局長は「奉仕の義務化はナンセンス。自発的意欲のない人がたくさん来て、対人サービスにかかわるのはとんでもないこと。障害者や高齢者は教育の道具ではない」と批判する。 
 NPO法人「コミュニティ・サポートセンター神戸」の中村順子理事長は「確かに多感な時期にボランティアで得るものは大きい。学校がルートを開いてくれるのはありがたいが、ボランティアをしないことで不利益になるのはおかしい。もちろん強制は賛成できない」と話した。

教科書検定見直し 学習指導要領にない内容の記述認める 文科省の審議会 
(毎日新聞 7月31日)
 教科書制度の見直しを検討してきた文部科学省の「教科用図書検定調査審議会」は31日、小中高校の全教科書で学習指導要領の範囲を超えた「発展的な学習」を盛り込んだり、立場によって見解が異なる見方がある事項について一層「バランスのとれた記述」を求めることなどを提言する報告をまとめた。これを受けて同省は、検定基準を見直し、来年度から教科書全体のうち、小中学校で1割、高校で2割程度を上限に発展的記述を認める方針だ。
 報告では、発展的な学習として、1学年上で学ぶ内容や学習指導要領にない内容を挙げ、教科書への記述を認めた。すべての児童・生徒が一律に学習するものではないことから、本文での記述は許さず、欄外やコラムなどで扱い、発展的な学習内容であることを明記することが必要だとしている。入試の学力テストには出題しないよう求めた。
 また、教科書の内容を理解しやすくするため、従来より一層記述に公正さやバランスが求められるとし、歴史の事象などで複数の見方がある場合、さまざまな見方があることを児童・生徒がはっきり認識できるような記述を求めた。
 このほか、自治体の教科書採択についても、現在8月15日になっている期限を2週間程度延長し、時間をかけて調査できるようにすべきだと提言。教育委員会などに教科書会社が送る見本の部数を増やすことや、複数の自治体で構成される採択地区ごとに採択する教科書を決めるためのルールを定め、どの教科書を採択するかで見解が分かれた場合は、ルールに沿って手続きを進めることも必要だとしている。
 また、静かな採択の環境が必要とし、教育委員会などに対する妨害活動がある場合は、警察なども含む機関と連携して毅然(きぜん)とした対応を取るよう求めた。

つくる会教科書 愛媛県教委、来春新設の3県立中学で採択へ 公立中では全国初
(毎日新聞 8月8日)
 愛媛県教委が、中高一貫教育の導入に伴って来春新設する県立中学3校で、「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーらが執筆した扶桑社の中学歴史教科書を採択する見通しであることが7日、分かった。公立中での採択は全国で初めてとなる。同教科書は昨年、採否をめぐって支持、不支持の激しい論争が起きており、再び波紋を呼びそうだ。 
 県教委は昨年8月、「郷土を愛し、自分の住む国に誇りを持てる子供を育てるという点で、他よりも優れている」(吉野内直光・県教育長)などとして県立養護、ろう学校の一部で同教科書を採択していた。 
 県教委幹部は毎日新聞の取材に対し、「昨年と同じ教科書を審議して、別の結論を出すことは矛盾する」としている。 
 県教委は7日、採択について審議する教育委員会定例会を、採択期限日の今月15日に開くことを決定した。

関連記事 新設の中高一貫校で扶桑社版教科書を採択 愛媛県教委(朝日新聞 8月15日)
 愛媛県教育委員会(6人、委員長=井関和彦・大洲商工会議所会頭)は15日、来春開校する県立中高一貫教育校3校で使う歴史教科書に「新しい歴史教科書をつくる会」主導の中学校歴史教科書(扶桑社版)を採択した。昨年に県立の養護、ろう学校の一部で採択したのに続く決定だが、文部科学省教科書課によると、国公立の普通中学校で扶桑社版を採択したのは全国初。 
 扶桑社版を採択したのは、中学を併設する形で03年4月に開校する県立の中高一貫教育校の今治東(今治市)、松山西(松山市)、宇和島南(宇和島市)の3校。来春から計480人が使うことになる。 
 この日、教科書審議は非公開で実施された。事務局が各教科の採択候補リストを示して内容を説明。歴史教科書では扶桑社版を事務局案として示し、承認した。委員には6月に検定合格8社の教科書が配布され、個別に検討を進めていた。 
 今回は7月ごろから、扶桑社版に賛成、反対の両派が県教委や委員らへの陳情・要請を続けていた。このため、県教委は「混乱を避けたい」として、採択の期限となっている15日に委員会を開いて審議した。 
 昨年は東京都立養護学校の一部と愛媛県立養護、ろう学校の一部が採択した。昨秋の同省の調査によると、今春から使用される扶桑社版は私立校を含めて521冊で、全国シェアは0.039%だった。

扶桑社歴史教科書 千葉・麗澤中で使用(産経新聞 8月15日)
 千葉県柏市の私立麗澤中(横谷映治校長)は14日までに、新しい歴史教科書をつくる会のメンバーが執筆に加わった扶桑社の歴史教科書を来春から使うことを決めた。扶桑社の採択は首都圏一都三県の私立中では初めて。
同校は「知力・道徳力・体力のバランスのとれた生徒の育成」を教育方針に掲げて今春開校した。
姉妹校の麗澤瑞浪中(岐阜県瑞浪市)はすでに今春から扶桑社の歴史教科書を使用している。
麗澤中を経営する廣池学園は「手続きを踏んで教科書を比較検討した結果、決定した。すでに保護者に説明し、了承を得ている」としている。
 扶桑社の歴史教科書は私立中七校と東京都立養護学校二校一分教室、愛媛県立養護学校二校、同聾(ろう)学校二校で今春から使用されている。
 同校によると、他の教科書と比較した結果、扶桑社の歴史教科書は「自国の歴史・文化に誇りを持つことができ、生徒が歴史に対して興味や関心が持てる内容である」として決めたという。
=これからは学校選びの際に、自主教材を持っているかの他に、どんな教科書を使っているかも判断基準の一つになるであろう。=

公立小中学校の冷房化 文科省方針 
(日経新聞 7月31日)
 涼しい教室でしっかり勉強してね――。文部科学省は31日、2003年度から公立小中学校の普通教室の冷房化を進めていく方針を固めた。当面は新増築や大規模改修に限るが、将来的には順次対象を拡大していく考えだ。 
 家庭や職場、私学は冷房化が当たり前になるなか、公立学校の普通教室は取り残された形だった。文科省によると、騒音地域などで一部例外はあったが、基本的に冷房化の対象は従来、職員室のほか音楽室、コンピューター室など特殊教室に限られていた。 
 普通教室については「最も暑い季節は夏休みで生徒がいない」などと財務省側が難色を示していた。しかし、都市部ではヒートアイランド現象など、盛夏以外でも気温は高い。また、今年からは完全学校5日制の余波もあり、「夏休みの補習なども目立つ」(文科省)ことも冷房化検討のきっかけになった。 
 施設整備費用は特殊教室同様、3分の1を国庫負担でまかなう方針。冷房化は7月の高松市のタウンミィーティングで、遠山敦子文科相が強い意欲を示していた。

国語力向上へ 推進校200校を指定、読み・書き・討論も、文部科学省
(毎日新聞 8月3日)
 低下が心配される子供たちの「国語力」を向上させるため、文部科学省は来年度から、全国の公立小中高校の中から「国語教育推進校」約200校を指定する。授業では、読書や作文などのほかに、討論の時間などももうける。また、先生の日本語力を高めるため、アナウンサーなど話し方のプロによる研修講座も実施する。同省が本格的に国語力向上策を打ち出すのは初めて。
 今年1月に文化庁が実施した「国語に関する世論調査」によると、日本人の国語力低下についての質問に、「書く力が低下している」と回答した人は9割に上り、「読む力」は7割、「話す力」は6割が「低下している」と答えた。こうした結果から、中央教育審議会や文化審議会は「国語教育の重視」を答申していた。
 「国語教育推進校」では、子供たちの文章力や要約力、表現力を養うことに焦点をあて、作文指導や読書の推進、討論、発表会などを授業に積極的に取り入れる。さらに小中高校約10校でモデル地区を作り、地域に住む文学や俳句などの専門家の力を借り、子供たちに直接指導してもらう。文学作品や古典の朗読、暗唱も推進する方針だ。
 一方、学校の先生に対しては文化庁と共同で「国語指導力向上講座」を実施。授業で子供たちに分かりやすい日本語を使って教えられるよう、文章の書き方や話し方をトレーニングする。講師にはアナウンサーや国語研究者のほか、落語家など「プロの話し手」を想定。すべての教科の先生を対象に実践的な研修を行い「分かりやすい授業作り」に役立てる。
 同省は今年度から、高校で理数教育を実施する「スーパー・サイエンス・ハイスクール」や英語力向上を図る「スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール」を設置しており、すべての基礎となる国語力を充実させることで、子供たちのいっそうの学力向上を図る。

国語力ピンチ 高校生、図書館で本借りたことない41% 「積む」と書けない46%
 「図書館で本を借りたことがない」「宿題や授業でしか本は読まない」という子どもがそれぞれ2割前後いて、中学・高校教師の8割は「子どもの国語の学力が低下している」と感じている――。そんな実態が、文部科学省国立教育政策研究所の研究者が行った「読書教育に関する調査」で明らかになった。読書離れの傾向は学年が上がるに連れて深刻になっており、教師の多くは「大人や教師が本を読まなくなった」ことを原因に挙げた。同時に行った漢字の書き取り調査では、小学4年で習う「積む」を書けない高校生が5割近くに上った。
 調査は、有元秀文・同研究所総括研究官のグループが昨年度、全国の小学4年以上高校2年までの2120人と小中高の教師259人を対象に行った。
 児童生徒への質問では、「楽しむ読書」は71%が好きと答えたが、22%はそのために図書館で本を借りたことが全くなかった。中学生はこの数字が30%、高校生は41%にも達した。「宿題や授業でしか本は読まない」は全体で18%だが、高校生は33%。「教科書より厚い本を読んだことがない」も全体では16%だが高校では23%いた。
 家にある本は「20冊から100冊」が48%で一番多かったが、「1冊から10冊」も21%いた(高校生は28%)。
 また、小学校教師の41%、中学、高校はともに78%が「自分のころに比べ国語の学力が下がったと思う」と答え、「高学年でも単語でしか話せない」(小学)、「日本語が通じない」(中学)、「あまりに字が書けない」(高校)など、国語力の“崩壊”を嘆く声が数多く寄せられた。
 その原因については、「大人や教師が本を読まなくなったから」が39%、「教師が厳しい指導をしなくなった」22%、「家庭教育が厳しくなくなった」19%の順(複数回答)。自由記述に、テレビゲームの弊害を挙げる声も目立った。
 子どもには書き取りなどの国語力調査=表参照=も行ったが、小学4年で習う「積んだ」が書けたのは小学生35%、中学39%、高校生54%。1年で習う「川下」を、小学生の18%が間違えた。 
子どもに対する漢字書き取りテストの正答率(%)
          習う学年     小   中   高 
川下(かわしも)    小1    82   83  90 
晴(は)れて      小2     74   83  90 
着物(きもの)     小3     67   92  94 
屋根(やね)      小3     59   93  93 
拾(ひろ)って     小3           60   68  79 
積(つ)んだ      小4     35   39  54 
墓地(ぼち) 墓=   小5
        地=   小2     34   66  81 
道端(みちばた) 道=小2
          端=常用漢字   2   55  81 
腐(くさ)った      常用漢字   1   45  65 
濁(にご)った     常用漢字   1   33  59
※常用漢字は、高校までにだいたい読み書きができるよう求められている。調査対象は、小学生が4年生以上、中学生は全学年、高校生は1、2年生

学校基本調査 大卒2割は就職・進学せず 不登校中学生は36人に1人
(朝日新聞 8月10日)
 今春、大学を卒業した人の2割、高校を卒業した人の1割が就職も進学もしなかったことが、文部科学省が9日発表した02年度の学校基本調査速報でわかった。留学や浪人なども含まれるが、同省は多くは職にも就かず、学校へもいっていないとみている。一方、不登校の小中学生は過去最多の13万9000人に達した。最近10年で倍増し、中学校では36人に1人が不登校ということになる。
 速報によると、今春の大学卒業者は過去最多の54万8000人。うち6万人(全体の10.9%)が大学院などへ進学し、31万2000人(56.9%)が就職した。
 進学も就職もしなかったのは11万9000人(21.7%)で、00年度の12万1000人(22.5%)に次ぐ多さとなった。これとは別に、アルバイトや契約社員など1年未満の一時的な仕事に就いた人も過去最多の2万3000人(4.2%)いた。
 短大も、卒業者13万1000人のうち、進学も就職もしなかった人は2万5000人(19.5%)、一時的な仕事に就いた人は1万1000人(8.5%)を数えた。
 高校では卒業者131万5000人のうち就職したのは22万4000人で、就職率は過去最低の17.1%だった。大学・短大や専門学校など高等教育機関への進学は62.8%。進学も就職もしなかった人は前年より8000人多い13万8000人(10.5%)で、現在の分類法になった76年以降で最多だった。
 バブルが崩壊した90年代前半以降、就職率は急速に低下、逆に就職も進学もしない人が増えている。文科省は景気低迷に加え、「定職に就かなくても構わない」という意識が広がったと見ている。
 一方、01年度に30日以上学校を欠席した不登校は、小学校で2万7000人(前年度比0.5%増)、中学校で11万2000人(同4%増)。計13万9000人で、前年度より4000人(3.3%)増えて過去最多を更新した。
 教育委員会は学校に復帰するのを待つ「適応指導教室」の拡充などの対策を講じているが、増加傾向に歯止めはかかっていない。文科省は9月、民間団体も交えた協力者会議を初めて立ち上げ、早期対応や家庭支援などを考えるとしている。

関連記事 小中学生の不登校、最多13万9000人 (毎日新聞 8月10日)
 01年度に不登校を理由に30日以上学校を休んだ小中学生が、前年度を3・3%上回る13万9000人に達し、過去最多を更新したことが9日、文部科学省が発表した「学校基本調査速報」で分かった。 
 この形で調査を始めた91年度から10年連続の増加で、初年度の2倍以上に増えた。同省は学校にスクールカウンセラーを配置するなどの対策を講じているが、不登校の増加に歯止めがかからないことから、来月にも識者による会議を設け、これまでの対策を見直すことを決めた。 
 速報によると、不登校の小学生は2万7000人、中学生は11万2000人で、小学生は前年度より130人、中学生は4300人増えた。91年度に比べ、小中学校ともに倍増しており、中学校では36人に1人、小学校は275人に1人の割合で、中学では1クラスに1人以上の不登校生徒がいる計算だ。


その他

学校説明会申込期間
申込方法については各学校のホームページかアクセスレポートのバックナンバーでご確認ください。
駒東説明会申込期間        8月21日〜31日
  アクセスレポートNO.65参照
http://www.komabatoho-jh.ed.jp/

開成説明会申込期間        9月 2日〜20日
  アクセスレポートNO.62参照
http://www4.justnet.ne.jp/~kaisei/

雙葉説明会申込受付開始     9月10日
  アクセスレポートNO.61参照
http://www.futabagakuen-jh.ed.jp/

女子学院説明会申込受付開始 10月 2日
  アクセスレポートNO.67参照
http://www.joshigakuin.ed.jp/

平均寿命 男女とも世界一に
(日経新聞 7月31日)
 日本人の平均寿命は男性が78.07歳、女性は84.93歳となり、過去最高を更新したことが31日、厚生労働省がまとめた「2001年簡易生命表」で分かった。男女とも世界一となる見込み。2001年に生まれた赤ちゃんのうち、男性の半数以上、女性の4人に3人が80歳の誕生日を迎える計算になり、今世紀後半の長寿社会が浮かび上がった。 
 10年前(1991年)に比べ、平均寿命は男性は約1.96歳、女性は2.82歳延びた。特に高齢層で寿命が延びる傾向があり、厚労省は「昨年は大きな感染症が流行しなかったり、男性のがんの死亡率が下がったりした影響が大きい」と分析している。 
 平均寿命は前年より男性は0.35歳、女性は0.33歳延び、格差が広がる傾向があった男女の差は縮まった。男性ががんの死亡率が下がり、0.12歳程度平均寿命を押し上げたのに対し、女性は交通事故などによる死亡率が微増した影響とみられる。

数学オリンピック 日本は16位
(朝日新聞 8月2日)
 84カ国・地域の高校生以下の生徒が参加して英国で開かれた第43回国際数学オリンピックで、日本は16位だった。数学オリンピック財団(東京)が2日発表した。去年の13位より下がり、93年などの20位に次ぐ低成績に終わった。個人では、参加481人中、成績が最も優秀なグループに今井直毅さん(灘高3年)が入り、金メダルを獲得した。 
 優勝したのは中国で、4年連続。2位がロシアで、3位は米国。アジア勢ではベトナム、韓国、台湾、インドがベスト10入りした。日本は14位のトルコ、ベラルーシに次ぎ、カザフスタンと同じだった。 
 日本は90年に初参加し8位が最高。来夏は日本で初めて開かれる。 
 今井さんのほか、大島芳樹さん(筑波大付属駒場高2年)、尾高悠志さん(同)、近藤宏樹さん(開成高3年)の3人が銀メダル、横田知之さん(同2年)が銅メダルを獲得した。

入試問題に挑戦第51回

<問題>
図のような道を、A地点からB地点まで後もどりせずに行きます。

(1) A地点から必ずC地点を通ってB地点へ行くには何通りの行き方がありますか。

(2) A地点からD地点を通らずにB地点へ行くには何通りの行き方がありますか。

(02年森村学園)



入試問題に挑戦第50回解答編

<問題>
ある仕事をするのに、Bは1日にAの3分の1、CはAの4分の3の量の仕事をします。2人ずつ組になって仕事をしたところ、Aは4日間、Bは3日間、Cは3日間の仕事をしてちょうど仕上げることができました。次の問いに答えなさい。

(1)AとBが1組になって仕事をしたのは何日間ですか。

(2)Aだけがこの仕事をしたとすると何日かかりますか。

(02年世田谷学園)

<解答>
(1)3人で、のべ10日間、仕事をしているが、1日あたり2人ずつなので、
   (4+3+3)÷2=5(日間)

  このうち、4日はAが仕事しているので、残りの1日がBとCの2人になる。
  よって、Aが仕事した4日間は、BとCが2日ずつ仕事したことになる。

  以上から、AとBが一緒に仕事をしたのは、2日間

(2)A,B,C3人の1日あたりの仕事量の比を求めると、

 A : B : C
 3 : 1
 4      : 3
 12 : 4 : 9 

  また、仕事量全体は、
   12×4 + 4×3 + 9×3 = 87
   87÷12=7 あまり 3
  よって、7日では終わらないので、8日かかる。