NO.65

 

                      2002年 6月 15日

目次

学校情報

学校情報 学校情報 教育情報 公開模試情報
浅野中

開成高

駒場東邦

芝浦工大中

聖光学院

明大明治

鴎友学園

大妻多摩

佼成女子

潤徳女子

清泉女学院

東京女学館

三輪田学園

八雲学園

立教女学院

駒込中

自修館

合同説明会

学力格差

山梨県

公立高入試

授業料納付

絶対評価

私立推薦共通試験

京大は低レベル

四谷大塚6月

首都圏模試4月

 

その他

出生率

寄稿

入試問題に挑戦第45回

学校情報

浅野中 02年大学入試結果
        東大 京大 一橋 東工大
02年現役  13   2   5   8
01年現役  17   5   4  10
        早大 慶大 上智 明治 青山 立教 中央 法政 理科大
02年現役  66  69  18  16  26  14  17   8  65
01年現役  97 100  16  13   5   9  17   4  76
卒業生数(262名)に対する東大、早慶上の現役合格者数の割合は63.4%。昨年は86.8%。

開成中 開成高の生徒114人、北方領土を視察
(毎日新聞 6月4日) 
こんなに近いなんて… 
 東京の私立開成高の2年生114人が修学旅行で根室市を訪れ4日、納沙布岬から北方領土を“視察”した。3日には元島民の話を聞いた。市が領土問題に関心を持ってもらおうと5月から始めた啓発事業の一環で、初の受け入れとなった。関係者は「こうした形の平和教育が広まってほしい」と期待している。 
 早朝から晴れ上がった4日、納沙布岬からは歯舞群島がくっきり見えた。貝殻島まで約3・7キロ。山口優夢(ゆうむ)君(16)は「こんなに近いとは思わなかった。ロシアが北方領土を外交カードにするのは仕方ないが、日本はもう少し、毅然(きぜん)とした態度で臨むべきだ」と話した。 
 3日夜には、色丹島の元島民、中田勇さん(73)から引き揚げの苦労話を聞いた。中田さんは「一番困っているのは返還運動の後継者がいないこと。なぜ固有の領土なのかを勉強してほしい」と話した。生徒からは「返還されたら、住んでいる人はどうなるのか」などの質問が出た。 
 開成高は進学校として知られる。佐藤郁教諭(33)は「東京に住んでいる人の関心はゼロに近い。生徒が問題意識を持ついい機会になるでしょう」と話していた。
http://www4.justnet.ne.jp/~kaisei/

駒場東邦 学校説明会申し込み方法
駒場東邦中学校の入学希望者および保護者を対象とした学校説明会、施設見学会を次のように計画いたしました。本年度も《往復はがきによる申し込み制》として開催いたします。開催日程は以下の通りです。
1.実施日時: 平成14年10月19日(土)、21日(月)、22日(火)
19日(土)
 1回目 10:30〜12:00
 2回目 13:00〜14:30
 3回目 15:00〜16:30
21日(月)
 4回目 13:00〜14:30
 5回目 15:00〜16:30
22日(火)
 6回目 10:30〜12:00
 7回目 13:00〜14:30
 8回目 15:00〜16:30 
計8回、各回の定員は300名です
なお、施設見学は説明会終了後になります。個別の質問を受けるコーナーもあります。
2.会  場: 本校講堂
3.申込方法: 往復はがきに、以下の事項を記入のうえ、郵送してください。
(1) 往信裏面: 希望日と説明会番号(1回目〜8回目を第3希望まで)
          参加者氏名(1家族2名まで)、住所、電話番号を必ず記入して下さい。
(2) 返信表面: 参加者の宛て先を必ずご記入ください。
(3) 返信裏面: 記入不要(決定日時等を記載して返送します。このはがきは当日の入場券になります。必ず、ご持参ください。)
4.申込期間: 平成14年8月21日(水)〜8月31日(土)
  (お願い:申込期間をお守りください。)
  当日消印は有効です。その後のはがきについては無効となりますのでご注意ください。
  また、電話での日時等の変更については一切お答えできませんのでご了承ください。
5.申込先 : 〒154-0001 世田谷区池尻 4-5-1
                駒場東邦中学校 学校説明会係 宛
http://www.komabatoho-jh.ed.jp/

芝浦工大中 小学生ロボットセミナー開催
日時 7月26日(金)〜28日(日) 10:00〜16:00
場所 芝浦工大中学校
費用 8,000円
定員 30名
対象 小学校5年生・6年生 3日間続けて参加できる人
主催 芝浦工大生涯学習センター
申し込み 申込書に必要事項を記入してFAXで送付するか、ハガキにて申し込み。
      応募者多数の場合は抽選。
締め切り 7月12日(金)必着
http://www.shibaura-it.ac.jp/itabashi/

聖光学院 聖光学院を知る会(02年6月1日)
午前、午後の2回開催。申し込みは午前1300名、午後1200名。
生徒による司会で
1 姉妹校の静岡聖光学院の紹介
2 5教科の教員による入試問題作成の狙い
3 高1、中3の生徒による入試体験、学校生活
の順に進行。
1 静岡聖光の紹介 ピエール・ロバーツ先生
45年前、聖光学院の創立に立ち会い10年間勤務。その後、静岡に。
静岡聖光は寮のある学校。1/3が寮に。
寮生活を通じて育まれる自立、友情、明るさがある。
アカデミックな環境の学校。
毎年、神奈川県から25〜30名が入学。
(当日は聖光学院の一角を借りて、静岡聖光学院の相談コーナーも設けられていた。)
2 5教科教員による入試問題作成の狙い
(当日の配布資料に各教科の詳しい狙いと、入試問題を使った分析が載っている。)
国語
国語の勉強の仕方がわからないとか、国語の成績を上げるにはどうすればよいかとの質問を受けることがよくある。
国語の力は毎日1時間机に向かえばつくというものではない。
12年間の言語生活の積み重ねで言葉を身につけてきている。
起きている時間全ての中で言葉とどうつき合っているかが大切。
言葉は薄紙を重ねるように身についていくもの。
親も子供とわずかな単語でしか言葉のやり取りをしていないのではないか。
子供にとって言葉の環境が貧しくなっていないだろうか。
6年生も12年後には社会に出ている。そう思うと親と過ごせる時間は短い。入試までの8ヶ月を受験のためだけに過ごして欲しくない。
聖光学院ではプレゼンテーション能力(人前できちっと話せる能力)をつけるよう指導している。中1では群読の時間を設け、講堂の舞台上で、みんなの前で詩の朗読を行ったりする。尻込みしていた生徒が徐々に堂々と読めるようになる。そのために専門の俳優を特別講師として呼んでいる。
国語科としては長い視野で子供の力を伸ばすことを考えている。
算数
来年度入試の内容は今年度と同じ。大問6題構成。帰国入試を含め3回とも難易度は同じに。
出題分野・・計算問題、数の性質、場合の数・確率、比、速さ、平面図形、立体図形等。
入試では普段解ける問題を確実に解くことが大事。
問題を読みとり、整理して考える。その後計算間違いをしないように。
子供に聞かれても考え方を教えられないのであれば教えない方がよい。答を教えるのではなくて考え方を教える。
目先のこと(答が合っているか、何かに役立つから)のために数学を勉強するわけではない。数学を通じて目には見えない大事なこと、物の見方・考え方を磨いていく。
新聞に、数学を取った人と取らない人の年収の差が載っていたが、年収が良くなるから数学をやるというものではない。
小さくて丸い3種類(オレンジ味、アップル味、グレープ味)のガムの入っている箱に、「3つのガムで7つの味」と書いてあった。その後、「3つのガムで10種類の味」に変わる何故7つの味や10種類の味になるのか書き出してみることが大切。
最近の理数離れの最大の原因は子供がガマンできないところにあるのではないか。
高校までは生き方、学び方の原理原則を学ぶ時期。
聖光では、勉強のできる子ではなく、勉強もできる子を育てようとしている。
理科
出題内容は従来どおり。
問題集を解くときに、解答を見てわかったことにしないで自分で解く。
わかった、わからないの区別をつける。
わかったということは自分の言葉で人に説明できること。
わからないことをはっきりさせる・・どこまでわかってどこからわからないのか。わからなさの区別をはっきりさせる。
手を動かして考える。
時間を見つけて本物に触れる機会を持つ。その観察結果を残す。
社会
何故と思える子供に来て欲しい。
今は情報があふれているが、一瞬何故と立ち止まれる気持ちを持って欲しい。
何故と思えることがたくさんあるはず。何故今日は天気が良いのか、何故最近お父さんは家にいることが多いのか、何故救われる会社とそうでない会社があるのか。
そして疑問を身の回りの人に聞くこと。
親も一緒になって考えてあげる。
英語
今年から帰国生入試を実施。
来年もにたようなレベルで、想像力を問う問題を出題したい。
帰国生入試のための試験勉強は特に必要ない。
英語圏でない子は英語をやらなくてよい。英語ができなくても不利にならない。
英語は読む、書く、聞く、話すの4つをバランス良くやる必要がある。
聖光では中学は音声を重視。高校は読解力、作文力を重視。
日本人は読み、書きはできるように思っているが読み、書きもできていない。
文法も大事にしている。
理系は英語で論文を読み、書きできるように。
文系はEメールやプレゼンテーションを英語でできるように。
中3の希望者対象に英国、カナダへのホームステイ(3週間)がある。
英検からTOEICにシフトしていく。
TOEICブリッジ(TOEICのjr版)を中2・中3で。TOEICを高校生に。
今の日本人は日本語を話せない。国際人になるということはアメリカ人のようになることではない。日本人としてのアイデンティティーを失わないようにしたい。
3 生徒座談会(生徒が語る聖光学院)
司会の先生の質問に5人の生徒が答える形で進行。
高1生2人、中3生3人。(午前の部と午後の部で発言する生徒は別)
@ 受験勉強を始めた時期。
小3の2月が2人。小4春、小5春、小6春が各1人。小6春から始めた生徒は帰国生。
A どんな勉強をしていたか。
小6から始めた生徒は好きな算数を中心に。
学校の宿題は学校で済ませていたという生徒や、塾の授業のない日も塾の自習室に行っていた生徒。小学校でみんなの話題についていけるように、テレビを見ながら勉強していたという生徒も。
B 受験中、お父さんやお母さんにしてもらってうれしかったこと。
勉強机の上を整理しておいてくれた。毎日弁当を作ってくれた。成績が悪いとき励ましてくれた。飲み物を差し入れてくれた。あまり期待されていなかったせいか、焦るなと言われた。
C 嫌だったこと。
テストの点数を他人と比較されたこと。
D 入試当日の心構え。
自分を落とすような学校には入りたくない。
何も考えないようにしていた。
やってきたことをやればもしかして受かるかもしれないと思って受けた。
E 入試で印象に残っていることは。
直前は寝られなかった。
成績のいい人はもし落ちたらと考えるのかもしれないけれど、自分はもしかしたら受かるのではと思っていたので気楽だった。
F 君にとって中学入試とは。
そのときは人生の全てのように思っていたけれど、通過点にしかすぎない。
勉強すること自体を勉強の内容以外に学ぶことができた。
G 聖光の入学前と入学後の印象
進学校でガリ勉で暗い生徒が多いのかと思っていたが、明るい人が多い。
スポーツをやる人が多い。
男子校で男の生徒しかいない。
H 聖光で楽しかった行事
夏休みの猪苗代キャンプでの炊事やテント張り、テントでの宿泊。
古都研修旅行での班行動。
カナダでのホームステイ。
I 好きな科目、嫌いな科目。
J 入学して良かったこと。
高校受験がなく、中学3年間好きなことに熱中できた。
友人関係に恵まれた。
授業がわかりやすく、質問を受けてくれる。
K 志望理由
親に勧められて。小5で一時帰国したとき聖光の先生と話をして。小4の時文化祭に来て。兄が聖光に通っていて、進学校であり明るそうだったから。
L 期待通りか。
自分には合っていると思う。
校則が厳しくなく自由。
勉強はかなりやる。
M キリスト教について。
1週間に1度キリスト教(倫理)の授業があるが、行事は少ない。
日本人は宗教を軽く考えている。
倫理観、価値観の違いで戦争が起きているが、根本に宗教があると思う。宗教の理解が必要。
キリスト教の授業で物事の考え方を学べる。
N 受験生に一言。
遊びを交えながら勉強した方がよい。
自分の得意なものを伸ばすようにした方がよい。
時間数より勉強の質にこだわってやるように。
入試は通過点にすぎないから、落ちても気にしない。
負けん気とコンディションが大切。
受験勉強だけやってもしょうがない。受験勉強もやるという気持ちで。
(報告 A.A)
  生徒による学校紹介

  自主教材の展示

http://www.sphere.ad.jp/seiko-hs/index.htm

明大明治 調布移転は2008年
 更に充実した教育がしたい。もっとひとりひとりを大事にする教育がしたい。そんな思いから2008年度より、本校は調布に移転することになりました。校地は現在の約6.5倍の広さになり、最新の施設と緑豊かな環境で今まで以上に充実した教育を行います。
2003年度高校受験生には直接関係がありませんが、2003年度の中学受験生(現在小学6年生)の方は高校3年のとき1年間新校地に通学することになります。
2003年入試要項
1回 2月3日 男子100名 4科
2回 2月5日 男子 50名 4科
2002年度中学入試結果
        第1回 第2回 
志願者数   769  613
受験者数   630  392
合格者数   166   67
合格最低点  212  212
(第1回)教科 満点 受験者平均 合格者平均 最高点 最低点 足切り点 
     国語 100   71.5    81.0    97   13   36未満 
     算数 100   39.3    53.1    94    0   20未満 
     社会  75   37.6    46.6    65    4   19未満 
     理科  75   40.8    48.6    66   13   21未満
     合計 350  189.3   229.3   282   44
(第2回)教科 満点 受験者平均 合格者平均 最高点 最低点 足切り点
     国語 100   60.7    68.4    88   18   31未満
     算数 100   35.2    53.3    84    0   18未満
     社会  75   44.8    51.9    64    8   23未満
     理科  75   42.2    52.0    70    7   22未満
     合計 350  182.9   225.5   260   33
http://www.meiji.ac.jp/ko_chu/index.html

鴎友学園 03年入試要項(予定)
1次 2月1日 女子 80名 4科
2次 2月2日 女子110名 4科
3次 2月4日 女子 30名 4科
各回とも入学手続は2月14日まで。
3月31日までに入学辞退を申し出た場合は、納入金を全額返金。
http://www.ohyu.ed.jp/

大妻多摩 塾対象説明会報告(02年5月28日)
 会場は、正面玄関から階段を上がり、大妻コタカの肖像を横目に中学1年の教室の前を通っての会議室。芝生のグランドに面していて、渡ってくる風が心地よい。グランドからは、体育祭の練習の授業らしく、元気な声が窓を開け放った会場にも響いてくる。
説明会次第は下記の通り。以下、個別の質問事項なども織り交ぜて、順に詳細を記述。
 1 学校長挨拶       校長 安川瑛子先生
 2 カリキュラムについて  教頭 鈴木先生
 3 入試問題出題傾向   国語 舩橋邦章先生
                 算数 小澤剛先生
                 社会 野村真人先生
                 理科 辻豊仁先生
 4 進路指導   進路指導部主任、入試委員長 舩橋邦章先生
 5 授業見学
1 安川校長
(1)理念は女性の自立、積極的に他大学を受験
 「皆様、ご機嫌よう」の挨拶から安川校長の話は始まった。理念は90年前から変わらず「女性の自立」。生徒、保護者の様々なニーズを反映して、今や女子大は逆風の時代。大妻多摩校は、大学と共にある。しかし、その良さは肯定するが、生徒の進路は別である。「大学は大妻多摩中学高等学校の付属校だ」と言う校長の言葉は印象的だった。本年度卒業生132名中、大妻女子大への進学は指定推薦枠利用で10人、一般受験で8人の計18名。他大学への「進学実績こそ、学校の勢い」と、校長は進学校であることを強調する。また、そんな中でも「躾」に関する生活指導は、充実させたいと語る。生き甲斐を大切にする指導を行いたい。上品だが、熱意の感じられる話しぶりであった。
(2)入試変更点
6月に都へ申請、7月11日の審議会で決定が下される「内容」の一部を紹介。
募集人員を120名 → 約140名(4クラス体制) 申請中
このため、すでに校舎の増築計画が立っており、新規教員も2名採用が決定。少人数制の良さを保ちながら、さらなるグループダイナミクスの増強をねらう。
第1回 2月1日 女子55名 2科
第2回 2月2日 女子65名 2科4科
第3回 2月4日 女子20名 2科4科
試験時間・配点 算数(60分100点)国語(60分100点)社会・理科(あわせて60分100点)
(3) 完全週六日制
現状では、変則週五日制が取られているが、これを完全週六日制に変更。ウィークデイの時間を有効に利用するため。
(4) カリキュラム改訂(後述)
(5) シラバスの作成
三割削減などはもちろん行わない。単なる先取りカリキュラムではなく、定着をねらったものにする。
(6) 清掃工場の存在
清掃工場が近くにあるが、学校のある地域ということで排煙システムは都が特別に配慮したものになっている。
2 鈴木教頭
(1)カリキュラムについて
中学 1〜3年とも 週35時間
英語6時間、数学6時間(中1は5時間)、国語5時間
高校1年37単位(うち2単位は「情報」。これは時間割内に入れず、長期休暇時などに集中講義型で単位を出すとのこと。)、2年35単位、3年34単位
3 入試問題傾向(各教科責任者の先生方より)
(国語)
基本的には昨年までと同じ傾向。(1〜3回とも)
・長文読解2題形式
小説などの文学作品1題、説明文・論説文や随筆など1題
・漢字の書き取り(100点中20点以内)
・詩・短歌・俳句などを独立設問では出題しない。
(報告者より)国語の平均点は、1〜3回で受験者平均と合格者平均の差は約6〜9点(別表参照)。漢字の採点は、受験者の熱意を評価し、必要以上に厳しくはしていないとのこと。また、抜き出し問題に関しても、途中点を設けるなど、受験生に歩み寄った採点方法といえる。「落とすテスト」ではなく、「引き上げるテスト」という印象。
(算数)
毎年、同じメンバーで作問するので、量・レベルともに傾向は例年と同じ。答えのみを書く最初の計算問題(30点分)、途中式を書かせて、その経過も評価する大問が5〜6題という構成。すべてが埋まる生徒は希で、60〜64点の合格者平均レベルは、最初の計算をはじめ手堅くとれる問題をきちんととり(30点のうち、正答率は8〜9割)、地道に大問に相対するのがポイント。大問は難問というより、数えたり、条件を整理するなどの地道な作業を要するもの(場合の数、平面図形、空間図形、周期算など)なので、じっくり設問に取り組んでほしい、とのこと。○×式の解答のみの採点では実力を測定できるとは思わない。余白は途中式以外に筆算などが書いてあってもかまわない。ただ、どういう経路で答えを得ようとしたのか、それが読みとれれば加点する。最近は途中点でかなりの得点を稼ぐ生徒もいるという。なお、一つの問題に対し、専属の採点官がつくので、公平に部分点が与えられる。通常×になる『約分』ミスを、「減点にする」という話なので、国語同様、「引き上げるテスト」という意味合いが濃い。
(社会)
2回・3回で出題。地理・歴史・公民分野がそれぞれ2:2:1の割合で出題される。曰く「標準問題」。ただし、歴史上の人物や用語などは漢字で書けるようにしたい。また、短答だが、記述式も出題。時事問題にも関心を持ってほしい。
(理科)
やはり、標準問題。知識の量を見るのではなく、グラフの推移や観察力などを試す設問が主眼。昨年までは、計算結果なども選択式で解答させる方法だったが、今年からは選択肢以外の出題も考えている。計算の結果は分数では不可、単位の付け間違いは×とする。
2001年度 入試結果(学校資料より)
           第1回  第2回  第3回
募集人数       50    50    20
出願者数2科   129    90   103
      4科         135   176
      計    129   225   279
受験者数2科   126    59    58
      4科         106    79
      計    126   165   128
合格者数2科    63    12    11
      4科          68    29
      計     63    80    40
手続者数       59    53    31
入学者数       49    49    31
合格者データ
配点(第1回〜第3回とも)
国語 100点  算数 100点  理科 50点  社会 50点
合格者得点(( )内の数字は受験者全体)
第1回    最高点  最低点   平均点
   国語   80    49(30)  63.8(57.1)
   算数   93    40( 5)  63.3(51.8)
   計    162   110(44) 127.2(108.9)
第2回    最高点  最低点   平均点
   国語   94    46(23)  67.4(58.4)
   算数   94    32( 0)  59.2(48.7)
  2科計  167    97(35) 126.6(107.0)
   理科   50    18(15)  40.8(37.4)
   社会   49    21( 9)  36.8(33.8)
  4科計  262   167(76) 203.4(182.8)
第3回   最高点   最低点   平均点
   国語   84    42(26)  58.8(52.8)
   算数   84    40( 0)  60.2(42.3)
  2科計  154    95(43) 119.0(95.1)
   理科   44    21(10)  34.1(29.0)
   社会   46    25( 8)  38.2(34.1)
  4科計   224   169(74) 190.0(160.8)
4 進路指導部長・舩橋先生
(1) 中学入試結果について
2科4科選択制受験では、最初に定員の約70%の人数を、受験科目数にかかわらず、2科目で判定し、その後、残りの人員を4科目受験者の成績順で決定する。結果として、4科生の方が有利な形になった。(前出「入試結果」参照)
各教科の試験時間が50分から60分へになる。算数以外の教科に関しては時間の余った生徒も多かったように見受けられるので、対処を考えている。
(2) 進路指導について
大学受験が前提となる進路指導だが、単に大学名で選ばせるのではなく、卒業後の進路もイメージさせる指導を行う。
 中学では、「職業調べ」を行い、目標の持ち方の指針とする。社会科見学としての職場訪問や職業人の保護者の講演なども行った。
 高校では、大学受験を前提とした指導が中心になる。成績不振者に関しては、朝7時30分からの早朝や放課後に取り出し補習を行う。また、今年いっぱいの土曜の午前中(前述の通り、現在のカリキュラムは隔週週休二日制)には補習を行っている。
 昨今の本人や保護者のニーズは、「自宅から通える」という条件の大学であることが多い。勢い、首都圏では国公立、私立を問わず難関大学であることが多い。学部や大学の内情もよく研究して、地方にあるよい大学にも着目するような指導も考えている。
 大学全入時代の現在、成績低迷者であっても進学は可能である。しかし、長引く不況の中、解体、または消滅する大学が出現することも予想される。中堅以下の大学も実情などを調べて、「将来の彼女らの母校」が消滅するような事態を避けさせてやりたい。
(3) 行事等
6月1日(土)  体育祭  予約不要
6月29日(土) オープンキャンパス (HP/Faxにて告知)
予約不要。訪問者の学年は問わず。訪問者を少人数のグループ化、中3〜高1の生徒が案内。校内見学や体験授業などの行事を予定。保護者には教員より学校説明会。
9月15〜16日(日・祝) 文化祭
5 授業見学から
 感心したのは、生徒たちが、塾の先生の訪問に対して浮き足立ったり、騒いだり、気が散ったりしないことである。安川校長は、ご挨拶をなさる時、隣のグランドで行われていた体育の授業の「鬨の声」に対して、「躾がなっていなくてお恥ずかしいのですが……」とおっしゃっていたが、いやいや、生徒たちはきちんとルールをわきまえて行動しています。再会した子たちは、みな学校が楽しくてたまらないという感想ばかりでした。
 数学は、中学1年生の「文字式」の授業を参観した。文字式のルールを懇切丁寧に指導し、「正負の数」との関連、これから学習する「方程式」の導入として、生徒が理解しやすいように話を組み立て、しかも女子に対する適切で穏和な話し方、とてもが工夫されていた。数学が得手、不得手な生徒が混在しているにかかわらず、「生徒に優しい授業」という感想を持った。いたずらに難問を解かせるのでなく、学生の資質にあわせた授業で、問題集では時間の余る生徒に対しては板書で即興の問題を出し、机間巡視の際に問題を解くのが覚束ない理解力の子に対して傷つけないような配慮をしながら適切な指導をしているあたりに、大妻多摩の指導方針が如実に現れていると感じられた。「除法と分数の関係」の指導の仕方は、我がアクセスの指導方針とマッチしていて、アクセス卒業生としては理解のしやすい授業であると思う。40人規模の授業では、全員が同じペースで授業についていくのはなかなか大変であろうと思われるが、朝や放課後の取り出し補習を行って補っているとのことで、次の機会には、その授業も是非参観させていただきたいものだと思う。また、受験間近の受験生に対する授業も拝見させて頂けたらと思う。
英語は、中学2年のリーダーの授業。内容は「韓国を訪れた」というもので、動詞の不規則変化などの文法事項を混ぜながらの授業。教師の手製と思われる「韓国クイズ」のプリントで盛り上げている。ずいぶんとにぎやかなクラスだったが、実は秩序のあるにぎやかさだった。「塾の先生が見ている」という多少の学校側のプレッシャーはあったとしても、興味のあることには食いつく、聞くところは聞くというのは、生徒の資質もさるところながら、教師陣の常日頃の授業のおもしろさ・工夫のたまものだろう。(チマチョゴリとオンドルの関係について教師が説明を始めたとき、さっとざわめきが静まったのには驚いた。)生徒たちがワールドカップで身近な印象を持っている韓国に対して、それをさらに深める教材研究・工夫がなされている。また、この若い女性の先生は、女性から男性へのプレゼントのエピソードにも言及していたが、これが「ベルトを贈り物にするというのは、『あなたを締めて離さない』という意味なの」と中学生を惹きつけるツボをおさえた脱線。頭の固いベテランからは本文内容には関係ないと多少の誹りは免れないだろうが、生徒に近しい教師の生み出すパワーが生徒たちに及ぼすものは計り知れないだろう。教師の発音もきれいで、中学生向きに聞き取りやすい発音。テープも用意していたようだが、報告者が参観している間は使わなかった。生徒たちの斉読もなかなか見事でした。好感度大。
 もう一クラス、高校2年の授業。こちらは若い男性の先生で、高校生向けでやや早めの口調で話している。授業内容は、青山学院大学の過去問らしい。リスニング教材で、生徒たちはヘッドフォンを着用。おそらく、リスニングの正誤問題だろう。一通り聞き終わった後、本文のポイントに注意を喚起するような内容を教師が質問、生徒の受け答え。もちろんすべて英語。高校生なのに(失礼!)、生徒の集中力はなかなかのもの。
 心残りというか、報告者の手落ちというか、英検とTOEFL、TOEICなどについてへの英語科教務として考え方をお聞きしなかったのが残念。(英検の取得者数は以下の表を参照) いずれの試験も「スコア」を得るテクニックが優先されて、実際の英語力が伴わないことも多いので、世にはこれを否定される先生方がいらっしゃる学校もある。そのあたりの話も含めての生徒のキャリアプランニングについてのインタビューは次回の訪問で。(シラバスでは、「実践的英語運用能力」を明文化) 今回は、英語一辺倒になることも多い女子校の中で、偏りのない学習のさせ方をされているという印象を持った。
2001年度英語検定合格者数(学校配布資料より)
      中学 高校 合計
4級    93      93
3級    89   6  95
準2級    49  37   86
2級    2  24  26
社会に関しては見学と言うほど長い時間は拝見していないので、詳細は述べられないが、中学2年の歴史は、教科書に忠実に、やさしいレベルで展開されていた。2科目生への配慮が伺われるが、今後、4科目生の割合が増えれば、そのレベルを上げることも可能だろう。
(感想)
 専任率は高くない(専任28(男性16女性12)名、非常勤講師22(男性7女性15)名、英語科外国人講師3(男性2女子1)名)ものの、授業運営や各生徒の元気で学習に向かう様は、多少の学校側からの演出があったとしても、高い教務力の表れであると思う。シラバスを拝見すると、副教材(主に問題集)として数研、育伸社、教育開発などの学校用教材が目立つ。オリジナル教材開発には時間もコストも人員もかかるわけだが、そのへんは高校3年生重視と言うところだろうか。教科によっては中学部でも使用されている。ただし、使われている購買教材は、高校生のものなら受験用に定評のあるものだし、中学生が使うものは基本的なワークから高校受験用教材までと、「わかっている人」が運用すれば、得意、不得意をいずれもフォローできるものであるのは間違いない。誰が見てもわかりやすい特徴よりも、あえてスタンダードでも中身のしっかりした学習スタイルを優先した授業という印象。教師と直接話をしても、確信と自信にあふれているのに、尊大ではないのがまたよかった。
(報告 A.O)
http://www.otsuma-tama.ed.jp/

佼成女子 03年入試要項
1回A 2月1日午前 女子20名 国・算または国・英 面接
1回B 2月1日午後 女子20名 国・算または国・英 面接
2回A 2月2日午前 女子20名 国・算または国・英 面接
2回B 2月2日午後 女子20名 国・算または国・英 面接
3回  2月3日    女子10名 国・算または国・英 面接
4回  2月5日    女子10名 国・算または国・英 面接
3回、4回は2科目のうち高得点の1科目で判定。
入学手続は各回とも2月6日16:00まで。
中学入試説明会
第1回  7月13日(土)  11:00〜 
第2回  9月21日(土)  11:00〜 
第3回 10月20日(日)  10:00〜 
第4回 11月17日(日)  10:00〜 
第5回 12月14日(土)  11:00〜 
第6回  1月11日(土)  11:00〜 
小学生、一般対象の英会話教室を開設・・・詳細はホームページをご覧ください。
<LET'S TALK!>(英会話教室のお知らせ) 
■対象:小学生 
場所: 佼成学園女子中学・高等学校オレゴンルーム 
講師: ネイティブスピカーの選任講師陣 
*日本人の先生もサポートします。 
費用: 無料 
■対象:一般(中学生・大人) 
場所: 佼成学園女子中学・高等学校オレゴンルーム 
講師: ネイティブスピカーの選任講師陣 
*日本人の先生もサポートします。 
費用: 無料 
申込み方法: 本校まで電話(03−3300−2351)でご連絡ください。ご希望の方が多い場合は先着順とさせていただきます。
*ご不明な点がございましたら、担当の中野までご連絡ください。 
http://www.kosei.ac.jp/kosei_joshi/

潤徳女子 03年より中学募集を停止
(挨拶文より)
拝啓 初夏の候 貴社にはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
 平素は中学校の募集活動に対してご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
 本学園中学校では生徒の豊かな人間性を育むことを重視し、教育内容の充実ときめ細やかな指導で、生徒一人ひとりを大切に指導する教育活動を展開しておりますが、残念ながらここ近年の生収容に際しては極めて少人数の入学数を余儀なくされております。
 このことから平成15年度は中学校の生徒募集を行わず、中学校の抜本的な検討を行うことと致しました。昨今の教育状況と今後の教育の方向性をつぶさに検討し、中学教育発展の道を探りたいと存じます。
 敬具
http://www.juntoku.ac.jp/
=これで来春から中学募集を停止する学校は東京で2校となった。=

清泉女学院 03年入試要項
2回入試を新設。
1期 2月1日 女子70名 4科 面接
2期 2月4日 女子20名 2科
2期入試は面接を実施せず。
http://izumi.seisen-h.ed.jp/

東京女学館 03年入試要項
2回入試に。募集定員も190名から170名に。
1回   2月1日 女子120名 2科4科 面接
2回   2月3日 女子 35名 2科4科 作文 面接
帰国生 1月中  女子 15名 詳細は後日発表
1回の面接は受験生本人のみ。2回の面接は保護者同伴。
2回の作文(30分)は、面接のための資料として、志望理由等について書いてもらう。
行事日程
オープンスクール・・・事前予約・上履きは必要ありません。 
 第1回  6月22日(土)10:00〜13:00
 第2回 10月26日(土)10:00〜13:00 
学校説明会・・・事前予約・上履きは必要ありません。 
 第1回  9月21日(土)10:00〜12:00
 第2回 10月18日(金)13:30〜15:30
創立114周年記念祭・・・事前予約・上履きは必要ありません。
 11月 9日(土)11:30〜16:30
 11月10日(日) 9:00〜16:30 
 受付にて受験生親子であることをおっしゃっていただければご入場いただけます。
 クラブの展示や発表、試合、中2の各クラスや有志による発表、学校紹介や体育祭のビデオ上映、入試 相談コーナーなど盛りだくさんの内容です。
個別学校見学会・・・要事前予約
 11月30日(土)10:00〜15:00
 12月14日(土)10:00〜15:00
 上記説明会等にご参加できなかったおもに6年生の方のために、本校見学の機会を設けました。
 事前にお電話にてお申し込みください。時間をお約束させていただき、1時間程度で校内をご案内し、ご 質問・ご相談を承ります。親子でご来校いただける機会です。
 電話のお申し込みは、 11月14日(木)より、平日(月曜から金曜)の8:30〜16:30に中高事務室  (03−3400−0861)にてお受けいたします。 
http://www.h.tjk.ac.jp/

三輪田学園 03年入試要項
前号(NO.64)でお知らせした入試要項に定員の訂正がありました。
1回 2月1日 女子100名 2科4科 面接 
2回 2月3日 女子 50名 2科4科 面接
3回 2月5日 女子 20名 2科4科 面接
帰国 1月10日 女子若干名 算数、作文、面接
http://www.miwada.ac.jp/

八雲学園 03年入試要項
4回入試に。面接を廃止。
1回 2月1日 女子40名 2科
2回 2月2日 女子50名 2科
3回 2月4日 女子20名 2科
4回 2月6日 女子10名 2科
入学手続は各回とも2月10日16:00まで。

立教女学院 03年入試要項
一般 2月1日 女子90名 4科 面接
帰国生入試は1月7日面接(保護者同伴)、1月9日筆記試験。
=東洋英和、東京女学館、日本女子大附属、清泉等が2回入試に移行していく中で1回入試にとどまる。新校舎が完成し、45分授業から50分授業への移行、ARE学習の中学から高校への発展、立教大学への推薦方法の変更等、入試方法の変更に頼らず、内容の充実で受験生に評価される学校であろうとする姿勢に好感が持てる。=
新校舎建設に際して
@ 生活空間にゆとりを持たせる。
廊下やバルコニーを広くとる。各校舎の間にセントラルコート、グリーンコート(中庭)、ロータリー等の緑の空間がある。
A ガラス面を大きく取り開放感とオープンな雰囲気を持たせる。
B 既存の高校校舎(1930年建設)と統一性を持たせる。
高さも3階建てにおさえ、瓦も同じ赤瓦に。
C 各階に総合教室を置く。
D 学習スペースと運動スペースの領域分けができる。
E 図書館の充実を図り、資料検索もコンピューターでできる。
F 中高の教員室を一緒に。
全員にノート型パソコンを配布し、連絡事項はメールで。
G 校内に光ファイバーをめぐらし、IT化を意識した建物になっている。
H トイレの水も雨水利用で。
公開行事日程
オープンスクール(授業公開)
 7月13日(土) 第1時限(8:45)〜放課後(16:30)まで
 通常の金曜日の時間割をこの日に実施します。
 通常の1校時は50分ですが,この日は45分で行います。
 (時間割ホームページを参照) 
 当日の授業内容は7月にお知らせします。 
 当日は部活動の見学もしていただけます。 
 昼食は生徒食堂をご利用いただけます。(11:00〜12:00) 
 パイプオルガンミニコンサートも開催いたします。(チャペルにて 12:30〜13:00)
体験模擬授業・・・要事前予約
 7月22日(月) 9:00〜11:45
 プログラム 
  8:50       受付(中学校生徒玄関) 
  9:00〜 9:10 朝のショートホームルーム(出欠点呼)
  9:20〜 9:35 礼拝
            Aコース Bコース Cコース Dコース 
  9:45〜10:25 英語    英語   英語   英語 
 10:40〜11:20 理科    体育   音楽   家庭科
 11:35〜11:45 終礼 
 対象    本校受験希望の小学校5・6年生 
 申込方法 往復はがきに「児童氏名」・「学年」・「保護者氏名」・「住所」・「電話番号」・「希望コース(第2        希望まで)」を明記し,お申し込みください。 
 申込締切 6月25日(火)消印有効
学校説明会
 10月 5日(土) 13:00〜公開授業 14:00〜学校説明会
 11月30日(土) 14:00〜帰国生のための学校説明会
 12月 7日(土) 13:00〜公開授業 14:00〜学校説明会
マーガレット祭
 11月3日(日) 12:20〜16:00
 11月4日(月)  9:00〜16:00
 入試相談コーナーあり。
チャペルコンサート
 11月 9日(土) 14:00〜
クリスマス礼拝
 12月14日(土) 15:00〜
=公開行事に関する案内が教室受付にあります=
 図書館の様子

http://www.rikkyo.ne.jp/grp/jogakuin/

駒込中 03年入試要項
1回 2月1日 男女60名 2科3科
2回 2月2日 男女40名 2科3科
3回 2月4日 男女20名 1科
3科は国語、算数に社会または理科選択しそのうちのよい2科目で判定
1科は国語、算数のどちらかを選択
http://komagome.netty.ne.jp/

自修館 03年入試要項
A日程1 2月1日午前 男女25名 2科4科
A日程2 2月1日午後 男女20名 2科
B日程  2月2日    男女30名 2科4科
C日程  2月4日    男女15名 2科4科
http://www.jishukan.ed.jp/

合同説明会
文京区私立中学高等学校進学説明会
日時  7月14日(日) 10:00〜16:00
会場  文京シビックホール2F
参加校(中学校のみ)
 郁文館 京華中 京北中 獨協中 日大豊山
 跡見学園 桜蔭中 京華女子 淑徳学園 貞静学園 文京学院大学女子中
 駒込中 東邦音大付属東邦中

千代田・中央私学フェア私立中高連合相談会 
日時 7月20日(土) 11:00〜15:30 
会場 アルカディア市ヶ谷(私学会館)・・・JR・地下鉄市ヶ谷駅徒歩2分 
参加校(中学校のみ)
 暁星中 明治大学付属明治
 大妻中 嘉悦女子 神田女学園 共立女子 麹町学園 女子学院 白百合学園 千代田女学園
 東京家政学院 日本橋女学館 雙葉中 三輪田学園 和洋九段女子

東京私立女子中学校合同説明会
都内の女子中学校16校が参加して、6月9日に渋谷で行われた説明会の模様です。
当日の参加者は昨年より増え350組に。
  各校の展示を見る参加者

  個別相談の様子


教育情報

学力格差 「公私で学力格差」48%、5日制で授業時間に差
(読売新聞 6月3日)
 読売新聞社が今年度、継続的な現場報告などを依頼している全国282の「定点観測校」へのアンケート調査(243校回答)で、公立と私立学校との間で学力格差、いわゆる「公私格差」が起きるかどうかを聞いたところ、「既に格差は起きている」と答えた小中高校が49校(20%)、「恐れがある」と答えた学校も68校(28%)に上った。
 今年4月からの完全学校週5日制について、私立の小中高校の45%が導入を見送っている。このため、格差を懸念した学校のほとんどが「授業時間に差が付く」ことを理由に挙げた。特に私学の集中する大都市部で危機感は強く、「いわゆる学力格差は入学時点からあると思われる」(東京・港区立六本木中)などと、意見が相次いだ。
 一方、「恐れは少ない」が28校、「恐れがない」は10校だけと少なめ。「その他」「実感がない」が75校だった。
 また、アンケートでは、文部科学省が最近、「学習指導要領は最低基準」「伸びる子には発展学習を」と、事実上の方針転換を打ち出したことについてどう受け止めるか、複数回答で聞いた。「方針に『ゆれ』『ぶれ』を感じる」が135校(56%)と最も多く、「現場の混乱を呼びかねない」が78校(32%)、「学力低下などの不安があるのでやむを得ない」が68校(28%)と続き、「これまで『ゆとり』が強調されすぎていたので妥当な方針転換」も58校(24%)だった。

山梨県 県立13高校が土曜補習を導入
(読売新聞 6月6日) 
 完全学校週五日制の実施に伴い、土曜日に補習を導入した県立高校は全三十四校のうち十三校に上ることが、県高校教職員組合のまとめでわかった。週六日制を維持している私立高校への対抗策ばかりでなく、学力低下論議の高まりを背景に、公立高校間の競争も激化しているようだ。
 県高教組によると、土曜補習を実施しているのは韮崎、甲府一、甲府西、甲府南、甲府東、白根、市川、身延、石和、日川、塩山、上野原、吉田の十三校。また、山梨も導入の方向で検討中という。
 十三校のうち甲府一と日川を除く十一校が午前中のみの実施。内容では「自主学習」が最も多く六校。講師は教諭、予備校講師、卒業生の三類型。
 予備校講師を活用した課外講座を行っているのは甲府南と市川の二校。甲府南は英語、数学、国語の三教科で習熟度別講座を開講。市川は予備校の衛星授業を利用している。
 一方、OBの大学生らが指導にあたっているのは白根、市川、日川の三校。そのほかの高校では教諭がローテーションを組んで担当する輪番制をとっている。参加費を徴収する高校は五校で、一教科当たり四百―千円だった。
 県教委のまとめでは、週五日制による授業時数の減少に対応し、県立の七高校が平日に七校時を導入している。県高教組では「土曜補習によって教師も生徒も五日制実施前より負担が大きくなっている。五日制の趣旨からいって、土曜日に教師が勤務するのは問題」としており、県教委に何らかの対応を求める方針。
 これに対し県教委高校教育課は「過度の負担にならない程度に自習の場を提供するのであれば構わない」との立場をとっている。

公立高入試 推薦廃止し、複数受験や独自問題も
(毎日新聞)
 公立高校の入学者選抜で、中学校による推薦制度を廃止し、代わりに生徒が自由に応募できる選抜制度を導入するところが増えている。一般入試の前に自己推薦書や面接、小論文などで選考するもので、高校は一般選抜では分からない能力を独自に判断できる。不合格になっても、もう一度5教科の一般入試を受験できるため、公立高校受験のチャンスも広がる。受験生も中学校に縛られずに受験できるため、推薦入学に代わるもう一つの入試として今後も拡大しそうだ。
 この入試は、一般入試より早い2月初めごろ行われ、高校が一般入試とは異なる独自の基準で合格者を選考するため、「特色化選抜」や「前期選抜」などと呼ばれる。最初に導入したのは群馬県で、2000年春に推薦入学を廃止し、自己推薦型の選抜を導入。岐阜県も今春から同様の入試を始め、千葉、静岡県も来春から実施する。福島、神奈川、徳島など各県も04年春以降の導入を検討している。
 ◇受験生が行きたい学校選べる
 千葉県では定時制を含む全高校・学科が、学校の判断で定員の10〜50%を「特色化選抜」に充てる。受験生は中学校長の推薦書の代わりに、志願の動機や自己PR、部活動やボランティアなどの活動実績を書いた「志願理由書」と調査書を提出する。高校は調査書と面接、作文などのほか、独自に基本や応用力を試す問題や、教科横断的な総合問題などを出題することもでき、これらを総合して合格者を選考する。
 従来の推薦入学は「中学校長が責任を持って推薦し得る」生徒だけが応募し、各高校は面接や作文、調査書などをもとに合格者を決めていた。しかし、推薦する生徒の数やレベルなどは中学校ごとにばらばらだった。県内の中学校の進路指導担当教諭らでつくる県教育研究会進路指導部会の昨年度の調査では、千葉市内の52中学校の中に学校推薦を受けた3年生が60%を超える学校もあれば、10%に満たないところもあった。
 推薦者を絞って内定率(合格率)を上げるか、生徒の希望を尊重して多くの子供を推薦するか、学校の考え方が異なるためだが、「学校を選べない公立中で推薦の受けやすさに格差があるのはおかしい」という批判があった。推薦する生徒を選ぶ基準も不明確なため、生徒の間にも「なぜ、あいつが推薦されたのか」などの不満が出ていた。
 「新制度なら、受験生は『行きたい高校』を選べるし、高校側も『ほしい生徒像』を示して学校ごとの特色を出せる」と千葉県教委の白鳥秀幸主幹は強調する。しかし、中学校の推薦をもらわなければ高校に入れないというプレッシャーが、生徒の勉強離れや校則無視などを抑える役割も果たしていた一面も否定できない。このため、中学校では「学校推薦を廃止すると、生徒指導上の歯止めがなくなる」という不安が
強い。
 千葉市内の中学校長は「新制度では生徒や保護者が主体的に高校を選び、責任も負うので、透明度は高まる。推薦の基準をめぐる不満も解消される」と歓迎する一方で、「『志願理由書に校長が押印する仕組みだけは残すべきではないか』という校長もいる」と話す。
 ◇絶対評価への不安から導入
 静岡県では来春の入試から各校が面接や作文、総合問題、実技試験などを組み合わせて選考する「前期選抜」を学校の判断で実施できるようにする。前期選抜では学区の枠を取り払い、県内全域からどの高校にも志願できるようにした。新制度を導入した一つの理由は成績評価の方法の変化だった。中学校では今年度から生徒の成績を教科ごとに絶対評価で表すことになり、調査書も絶対評価に変わる。
 従来の相対評価では5段階の場合、学年の中の順位をもとに成績が「5」「4」などと表されるが、絶対評価は目標を達成したかどうかで評価するため、極端な場合は全員が「5」ということもある。
 静岡県教委高校教育課の岩城明指導主事は「調査書が絶対評価になると、進学校の推薦入学の志願者は5教科が『オール5』ばかりでほとんど差がなくなる恐れがある。『これでは体育や家庭科などの成績の差がボーダーラインの合否を決めることになる』という不安が高校側にあった」と説明する。

授業料納付 国公立大発表後に、文科省が私立大に要請
毎日新聞
 私立大学が入学を辞退した合格者の納付した授業料や施設費を返還しない問題で、文部科学省は3日開いた来年度の大学入試に関する関係者の連絡協議会で私立大に対し、入学金以外の納付金を国公立大の合格発表前に納付させないよう要請した。前納させた場合は返還するよう求めている。
 協議会では同省担当者が、1975年に出されている同様の通知を読み上げ、「大学の授業を受けない者から授業料を徴収、施設設備を利用しない者から施設費を徴収することは国民の納得を得られない」と強調。「国公立大学の後期日程試験の合格発表日以降に納入期限や返還期限を設けることが望ましい」と述べた。募集要項でも、後期試験の合格発表前に授業料を徴収し、「事情のいかんを問わず返還しない」などと表現しないよう求めた。

絶対評価 愚行再び 
(毎日新聞 6月3日)
 「こんなものをつくった人間の顔が見たい」と思った。国立教育政策研究所が作成した絶対評価のための参考資料のことである。 
 4月から小中学校の成績の評価方法が、ほかの子供と比較して評価する相対評価から、学習の到達度を見て評価する絶対評価に変わった。通知表から内申書まで全部変わるから学校の混乱は必至。そこで「こうしたらどうか」と具体例を示したのがこの資料だった。 
 中学校のある教科では、授業ごとに一人一人の子供を「関心・意欲・態度」「思考・判断」「知識・理解」の三つの観点から評価する。各観点はさらに三つに細分されているから、生徒1人当たり9項目。それぞれ「十分満足」「おおむね満足」「努力を要する」の3段階の成績をつける。実際には授業の内容に応じて1人3〜4項目程度に絞るというが、それでも40人のクラスなら1時間授業するごとに120〜160項目の評価が必要になる。 
 「そんなことできるわけないから、教員はみんな適当にやるさ」と、知人の中学教師。 
無理難題を押しつける国。従ったふりをする現場。教育界で長年続いてきた愚行が、また繰り返される。

関連記事
学力絶対評価 悪平等主義の変革が必要だ
(読売新聞 6月11日)
 狙いはよくても、理想通りにいくかどうか、不安を抱かざるを得ない。
 全国の小中学校に、今年度から絶対評価が導入された。生徒の学習到達度で学力を評価するシステムだ。文科省が学習指導要録記入に際し、集団の中の順位に基づく相対評価から切り替えるよう通知した。
 相対評価には、全体のレベルが高ければ生徒を努力しても成績は上がらないなどの問題が指摘されていた。絶対評価だと集団レベルに関係なく、各生徒の達成度を見ることができるとされる。
 しかし、高校入試で中学から高校に提出される調査書(内申書)まで、絶対評価で記されることには、高校側や保護者に懸念が強い。
 絶対評価は個々の中学教師の判定にするため、客観的な評価がなされないのではないかとの不信感があるからだ。
 調査書が大きな比重を占める公立高校入試では、東京都や宮城県が来年度入試で絶対評価を導入する一方、鳥取県が判定材料としないことを決めるなど、地方教委の対応は二分されている。
 東京私立中学高校協会は、推薦入試では調査書だけを判定材料とはせず、独自に共通試験を行うことを打ち出した。
 推薦入試はペーパーテストでは測れない、生徒の多様な能力を見るものだ。だが、だからといって、学力評価をあいまいにはできないといることだろう。
 絶対評価を導入する以上、こうした不安を一掃する取り組みが不可欠だ。中学教師間の評価のばらつきをなくす努力が求められる。一人の教師に任せきりにしないチェック体制も必要だ。
 具体的な学力評価の仕組みとしては、地域ごとの学力テストを実施することを考えてもよいのではないか。イギリスでは、すべての生徒を対象とする全国一斉テストが行われてもいる。
 障害となるのは、適正な学力評価を、「差別・選別につながる」として、忌避しようとする傾向が、中学教師の一部に依然としてあることだ。
 授業の進め方には、教師の独自性発揮が期待される。しかし、その成果の判定にはやはり、共通性、統一性が求められる。基礎的な学力がどこまで備わっているかを見るために、客観的な物差しを設定することは、教育の根幹だ。
 学力評価は適正を行い、生徒一人ひとりの適性や特賞も加味して、合否判定する。それが入試の原点である。
 そこに立ち戻るには、学力評価をあいまいにすることが生徒の個性尊重になるという、教師の“悪平等主義”の変革が必要となる。

私立高推薦共通試験 都教委は反対の見解
(読売新聞 6月13日)
 都内の全私立高校が加盟する東京私立中学高等学校協会が、私立高の推薦入試に早ければ今秋から共通試験の導入を検討している問題で、東京都教育委員会は13日、反対の見解をまとめ、同協会に伝えた。
 中学の調査書の学力評価が相対評価から絶対評価に変更となったことについて、都教委は「絶対評価は、生徒の学習意欲を高め、指導の改善、充実につながる」と強調。共通試験は、〈1〉絶対評価の意義を否定しかねない〈2〉入試準備が早まり生徒や保護者を混乱させる〈3〉行事や部活動を含め中学3年の学習に大きな影響を与える――としている。
 共通試験を巡っては、都内の公立中学の校長らで組織する都中学校長会も先月末、反対を表明した。 
関連記事
共通テスト 都教育委員会が反対表明 
(毎日新聞 6月14日)
 東京私立中学高等学校協会が私立高推薦入試の資料にするため実施予定の「共通テスト」について、東京都教委が「反対」を表明したのに対し、同協会は13日、「絶対評価を否定したり、偏差値を求めるものではない」との反論のコメントを出した。
 私学協会側は「絶対評価による調査書だけでは、入試判定に必要な学力評価が十分でないため、補完するデータとして共通テストが必要だ」と説明。都教委が反対理由に挙げた「入試日程が早まる」との指摘については、「共通テストを導入しなければ、業者テストに依存するなど、かえって早期化が起こる」としている。

京大は低レベル 米大が学生交流を保留
(読売新聞 6月11日)
 京都大が、5年前に学生交流協定を結んだ米カリフォルニア大から「教え方のレベルが低い」などと、協定更新を保留されていることが10日、わかった。
 同協定は両大学から毎年各6人を相互に1年間留学させるもの。カ大生は、京大生と一緒に受講する学部留学か、英語プログラムを選択できるが、このうち日本文学や歴史など約20科目を学ぶ英語プログラムは、毎回、教官が変わる科目もあり、「内容に深みがない」「一貫性がない」などと批判が続出。半年で帰国する学生もおり、カ大は最初の更新期だった今年3月を前に、京大側に「更新しない」と伝えた。京大側は、プログラムの見直しなどの改善を約束。カ大側は、京大生を受け入れたものの、京大側の改善を見届けるまでは更新を保留し、自校生の京大派遣を控える措置を取った。


公開模試情報

四谷大塚6月 合不合判定予備(6月9日)
前年比12.9%の増加。首都圏の参加者数は前年比14.0%増。
          02年    01年    00年
男子 4科  4387    3876    4075 
    2科   391     383     447
女子 4科  3238    2632    2694
    2科   869     978    1159
合計      8885    7869    8375

首都圏模試4月 統一合判(4月21日)
前年比26.1%の増加。
          02年    01年    00年
男子 4科  2658    2206    1844
    2科   432     422     417
女子 4科  2228    1420    1346
    2科  1195    1115    1214
合計      6513    5163    4821
=首都圏模試、四谷大塚ともに第1回目の公開模試で参加者を大幅に増やす。2002年問題は今春の入試での受験生増には結びつかなかったが、実際に学校週5日制、新学習指導要領が実施され、その内容の薄さに不安を感じ、塾に通わせる保護者が増えているのが参加者増につながっているものと思われる。ただし、この増加が中学入試の増加に直接結びつくかは、説明会を含めた私学の今後の対応にかかっている。=


その他

出生率 01年は過去最低1.33 結婚数は増加
(朝日新聞 6月7日)
 1人の女性が生涯に出産する子どもの数の平均を示す合計特殊出生率が、01年は1.33と戦後最低を記録したことが、厚生労働省が7日発表した人口動態統計の概況でわかった。新世紀にあやかったとみられる結婚の増加で、結婚数は前年より増えたが、生まれた子どもの数は統計が残っている1899年以来、最低になった。
 昨年の出生数は、前年を1万9882人下回る117万665人。母親の年齢別でみると、20歳代で2万5103人も減っており、とりわけ20歳代後半での減少が目立った。出生率でみると、最も減少したのは30歳代前半。最初の子どもを出産する平均年齢は28.2歳と前年より0.2歳上昇し、出産年齢が遅くなる「晩産化」の傾向が続いている。
 出生率は、今年1月に公表された将来推計(中位推計)の1.34を下回っており、急速な少子化を裏付ける結果となった。とりわけ首都圏や京阪神地域で低い傾向を示している。最も低かったのは東京都の1.00。逆に、出生率が最も高かったのは沖縄県(1.83)、次いで佐賀県(1.62)だった。

寄稿 都内私立高校「推薦入試統一試験」の若干の問題 (彷徨庵)
 5月21日の朝日新聞の一面に「私立高推薦に統一試験」という記事が掲載された。「東京170校の大半で、今秋から実施」「中学教科絶対評価・調査書に不信感」というサブタイトルや中見出しがつけられた一面トップの大きな記事だった。仄聞はしていたが、報道記事を読んで感じたことといくつかの問題をまとめてみた。

  推薦入試の目的は、 第一志望で入学を希望する受験生に対し、各高校が用意している教育内容や教育目標に向き合える生徒を選抜することにある。選抜するからには、選抜をより効果的に機能させるために、客観性のある「ものさし」が求められるのは当然であろうし、今回のような具体的な方策がうちだされるのも必然の成り行きとも考えられる。聞くところによれば、入試選抜を担う現場からの強い要望(「高校入試日程等検討委員会」の答申に沿っての実施という)によって打ち出されたという。しかし、現在の入試状況全体を見たとき、「統一試験の実施」には、幾つか問題点があり、ことの運びはそんなに単純ではないように思える。どこに落ち着くかは別にして、実施についての幾つかの問題点にふれてみる。
「統一試験」の実施は、大きくは次の二点が目的であろう。
一つは、15年度入試から導入される「絶対評価」に基づく内申点への対応であろう。つまり、「相対評価」から「絶対評価」に移行する中学校からの内申点をチェックする機能を持たせることである。「絶対評価」への移行の問題が、「推薦入試では学力試験を行わない」という申し合わせをしている東京の各私学にとって、「学力は内申点で見る」という選抜の基本が揺らぐことへの不安が生まれていた。この不安に対し、私立中高協会は対策を促されてきた。
二つには、公立志向の高まりの中で、私学が共同で取り組むイヴェントを新たに設けることで、私学への関心を高めるきっかけを作り、私学志望の生徒を増やすことである。このために東京の私学は近年、新しい取り組みをもいろいろしてきている。池袋サンシャインや東京国際フォーラムでの協会主催の「私学フェア」。あるいは加盟全校のホームページの立ち上げ。そして支部であったり任意であったりするが、それぞれに参加校を集い「合同入試相談会」の実施の増加、等々。
上記の二つの目的に通底するものは、先の見えない経済不況と急激な少子化の中で、私立高校の募集が厳しい現実に直面していることにある。独自の教育を展開することで実績を挙げ、結果を出すことからの成果を謳ってきた先進私学の取り組みの多くが、近年の都立高校の再編と改革・改善のプログラムの中に、臆面も無く取り込まれている。公立志向の高まりの原因は、授業料の格差ばかりではなく、教育内容においても多様なニーズ(進学実績から不登校まで)に応えるとともに、競争原理に則った特色つくりを各校に義務付け、その特色を積極的に打ち出すことで改革イメージを先行させているところにもある。いわば都立校自身の生き残りをかけた取り組みとして、今までにない新しい局面を迎えている。こうした中で各私立高校は、入学生徒の資質の維持に神経を尖らせざるを得ない。しかも、現状は推薦入試の比重が高く、13年度入試では高校からの募集は241校中、推薦入試を実施している学校が172校。入学者は全体のほぼ半数に近い47・8%を占めている。加えて、一般入試を含めても女子校を中心に相当数の定員割れの状況がある。
以上、「推薦統一試験」を必要とする私学側の状況や背景を述べてきた。だが実施を現実の状況においてみると、果たして実現が可能であろうかという疑問を持たざるを得ない。実施の時期・方法・処理・運用といった一連の流れののなかで、それぞれにかかわりあいながらの困難な問題が幾つも考えられるからである。
私学志望の受験生を取り込むイベントにすること自体も、発想はいいのだが、推薦受験や志望校の決定時期を早めることを考えると、それだけの吸引力が生まれるのかという危惧を抱く。今の私学のどこにそんなエネルギーがあるのか。また、実施すること以上に問題なのは、このテストの運用であろう。厳しい募集状況にある私学が、以下にあげるような問題点をクリヤーして公立中学校の進路指導と整合させていく力が本当にあるかということである。端的に言えば、「絶対評価の内申」を公立高校側では「信頼性は十分ある」と受け入れを表明しているのに対し、私学側の「統一テスト」の実施・利用は、公立中学校の作成する「絶対評価」を認めないと宣言することを意味する。生徒確保のための広報や入試対策活動にしのぎを削る私学が多い中、その多くの私学が、個人の達成度をみる「絶対評」を認めるか、新しいハードルを設ける「統一テスト」をとるか、あるいは第三の道を探るか、といったジレンマに立たされることは必定であろう。

以下に「推薦統一試験の実施」に伴う具体的な展開に即して、問題になりそうなことを思いつくままに並べてみた。(問題は相互に関連しており、繰り返しが多くなることをご容赦願いたい。)
1.実施の時期
当初の案では11月実施であったが、遅すぎて現実的ではないとの異議が出て10月実施になったという。確かに、試験を実施し、採点とデータ処理を考えれば、11月実施では使われ方が限定されてしまう。データ作成には最低20日位はかかるであろう。各私学の受験生との「個別相談」の時期、12月15日解禁の「入試相談」などにどう対応させるか。
2.入試会場・各校での実施とのこと
上記1の実施時期とも関連するが、志望校での受験ということになると10月、11月実施のどちらにしてもそれまでに志望校が決まっていない生徒への対応をどうすべきか。また、志望校の決定を早めさせたり、予備的な受験を促すようなケースが出ることも考えられる。その際に必ず出てくる“青田刈り”との批判にどう対処するのか。
また、早い段階での志望校での実施が入試へのモチベーションを高める場合は良いが、受験者数の多寡で逆効果の虞はないか。
3.問題作成。
統一試験の問題の内容=レベルをどこにおくか。各校で行われる一般入試は、各学校がそれぞれ求める生徒のレベルに応じて問題を作成することにより試験が成り立っている。統一試験のレベル設定をどうするのか。各学校の求めるレベルを問題内容にどう反映させるのか。問題の内容しだいでは、参加しない学校が出てくるのではないか。また、第一志望優遇で生徒を集めている学校が多い現状では、試験の内容次第では学力低下を招く要因になる可能性もあるのではないか。
4.試験の採点とデータ作成
試験の結果を受験者に返却するまでに、採点を会場校が担当し、自校で独自な判定材料にすることは可能であるが、その後の志望校変更への対応が必要であろう。そのための全体の中でのレベルとかランクとかのデータ処理をどうするのか。噂ではある受験業者に丸投げという話もあるようだが、この辺の公正さと迅速さをどうするのか。  
5.試験の結果をどう活用するのか
一番に考えられるのは推薦入試本番での内申点との比較資料としての活用であろう。しかし、現実は、12月15日以降の中学校の進路担当教師と「入試相談」での資料としての活用の有無がある。偏差値追放の論拠から見れば問題視されるであろうが、便利な資料(道具)があれば使われる可能性が大である。最近、埼玉私学の入試に対抗して実施する学校が増えている「個別相談」の資料としての活用(これこそが使われ方としては本命ではないか)も考えられる。
6. 中学校進路担当教員との「入試相談」と受験生・保護者との「個別相談」
前述したように「個別相談」を取り入れる学校が多くなってきている中で、中学校との「入試相談」との兼ね合いをどうするのか。
7.入試本番での扱い
内申点に変わるものとしての位置づけができるのか。現状でも「推薦入試」実施校の4割が募集定員に満たない中で、有効な活用が可能なのか。かえって受験者を減らす結果を招きかねないのではないか。
さらに、統一試験を受験してない生徒は推薦受験資格を喪失してしまうのか。となると志望校決定は遅いが、確実に入学志望を持つ生徒をみすみす逃すことにならないか。
その他.他県からの受験希望者の問題をどうするのか。
8.その他
この「推薦入試統一試験」が実施された場合に、学校のランク付けに新たな資料になるのではないか。各校とも合格の目安となる、成績のランクを、得点にしろ、偏差値にしろ、何らかの形で公表しなければ志望者の目を自校に向けさせることができない。その上、翌年からは会場テスト業者の対策模試が行われるようになる。これが私学の推薦入試の雰囲気を盛り上げることにつながるであろうか。どうも諸刃の剣でなないか。いや、私学自体を傷つける可能性の方が高いのではないか。そんな危うさを感じるのは私だけであろうか。

言い遅れたが、この「推薦入試統一試験」そのものに対する東京都中学校長会(5月30日の読売新聞によると反対を表明)、都の学事部、あるいは教育庁・教育委員会といった部署からの注文や反対が、大きく影響を与えるであろう。いやそれ以上に大きなものとして、石原都知事の即興的な反応の方が決定的な要因になるだろう。(02年6月6日)

入試問題に挑戦第45回

<問題>
 2以上の整数の中で、1とその数自身でしか割り切れない数を素数といいます。例えば、2、3、5は素数で、4は素数ではありません。
 素数を見つけるのに次のような方法があります。

    (手順1) 2から始めて、それに続く整数を順番に書く。
    (手順2) 2を残し、残りの2の倍数を消していく。
    (手順3) 3を残し、残りの3の倍数を消していく。
    (手順4) 5を残し、残りの5の倍数を消していく。
    (手順5) 7を残し、残りの7の倍数を消していく。
    (手順6) 11を残し、残りの11の倍数を消していく。
           :
           :
           :

 この手順を繰り返していくと、素数だけが消されずに残ります。
 下の「2〜95」の表を使いながら、次の(1)〜(3)の問いに答えなさい。

(1) 2以上20以下の整数の中にある素数の和を求めなさい。

(2) 2以上95以下の整数の中にある素数は全部で何個ありますか。

(3) 差が2であるような2つの素数を双子素数といいます。例えば、3と5、5と7などは双子素数です。2以上95以下の整数の組の中で双子素数は全部で何組ありますか。

10
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
41 42 43 44 45 46 47 48 49 50
51 52 53 54 55 56 57 58 59 60
61 62 63 64 65 66 67 68 69 70
71 72 73 74 75 76 77 78 79 80
81 82 83 84 85 86 87 88 89 90
91 92 93 94 95

(02年浅野)

入試問題に挑戦第44回解答編

<問題>
 図の四角形ABCDの面積はいくらですか。ただし、点Aは半径2cmの円の中心で、B,C,Dはこの円の周上にあります。(02年東大寺学園)


<解答>
 次の図のように、四角形ABCDを対角線ACで、三角形ABCと三角形ACDに分けます。

三角形ABCは直角二等辺三角形なので、面積は 2×2÷2=2(㎠)です。

また、三角形ACDは頂角30度の二等辺三角形なので、ACを底辺としたときの高さDHは1cmです。
これは、三角形AHDが正三角形の半分であることからわかります。

三角形ACDの面積は 2×1÷2=1(㎠)です。

これより、四角形ABCDの面積は、 2+1=3(㎠)となります。