NO.60

 

                      2002年 4月25日

目次

学校情報

学校情報 教育情報 教育情報 その他
光塩女子学院

恵泉女学園

実践女子学園

カリタス女子

日本女子大附

桐光学園

洗足学園

渋谷教育幕張

聖園女学院

聖光学院

栄光学園

宝仙学園

東京の私学4

合同説明会

5日制に関して

公立中高一貫

関西経済同友会

割合は苦手

秋田県教委

中教審

早稲田大学

私立校人気

国立大学協会

高校生のバイト

入試問題に挑戦第40回

学校情報

光塩女子 03年入試要項
1回も4科目入試に。
1回 2月2日 女子60名 4科 面接
2回 2月3日 女子30名 4科 面接
面接は保護者同伴。1回の面接は1月25日。2回は入試当日。

行事日程
4月21日(日) 光塩祭 9:00〜15:30 事前予約不要
          個別相談(11:30〜14:00)、ミニ説明会(11:00〜11:30、14:00〜14:30)
7月22日(月) オープンキャンパス 13:00〜15:00 事前予約不要
          クラブ活動見学・参加、模擬授業、生徒によるミニ説明会
9月20日(金) 運動会 見学希望者は9月に入ってから電話で申込を
11月3日(日) バザー 事前予約不要
          相談コーナー開設
学校説明会
9月27日(金) 10:00〜  授業参観も可
10月19日(土) 14:00〜
11月17日(日) 13:00〜

02年大学入試結果
       東大 一橋 東外語 学芸大 お茶水 東医歯  国公立計
02年現役  6   1   1    2     2    1     32
01年現役  3   3   0    0     1    1     21
       早大  慶大  上智  立教 理科大   
02年現役 32   19   21   38   16 
01年現役 33   17    9   28   18
東大、早慶上への現役合格者数の卒業生数(137名)に対する割合は56.9%。昨年は47.7%。
http://www.koen-ejh.ed.jp/

恵泉女学園 03年入試要項
1回 2月1日 女子120名 2科4科 面接
2回 2月4日 女子 60名 2科4科 面接
面接は保護者同伴。
http://www.keisen.ac.jp/high/index.htm

実践女子学園 03年入試要項
1回も2科4科選択に。
1回 2月1日 女子200名 2科4科
2回 2月4日 女子120名 2科4科
http://www.jissen.ac.jp/

カリタス 03年入試要項
1次  2月2日 女子70名 4科
2次  2月3日 女子35名 2科
帰国 12月5日 女子 5名 2科 面接(受験生・保護者)
繰り上げについて
合格発表のあと、欠員が生じた場合に、合格しなかった受験生の中から繰り上げを行う可能性があります。
繰り上げは1次の欠員は1次から、2次の欠員は2次から繰り上げることを原則とします。
繰り上げは電話で直接家庭に連絡します。不在の場合はかけ直します。
繰り上げに際し、1次・2次をともに受験した受験生を優遇します。
繰り上げは2月中旬までで、それ以降は行いません。
帰国入試の対象
海外に2年以上滞在し、2001年9月以降に帰国または編入した現在小学6年生の児童。(2001年の夏休み期間中に帰国した児童は対象に含まれます。)

学校説明会
6月21日(金) 10:00〜11:10(説明会後、「授業風景」を見学できます。)
10月26日(土) 10:00〜11:40(説明会後、校内を見学できます。)
11月16日(土) 10:00〜11:40(説明会後、校内を見学できます。)
12月14日(土) 10:00〜11:40(説明会後、校内を見学できます。)
10月、11月、12月の学校説明会では、最初の30分間は「生徒の発表」を行います。(コーラス部、ダンス部などの発表を考えています。)
10月、11月、12月の学校説明会では、説明会の時間と並行して、児童対象の「体験授業」を行います。
学校説明会の事前予約は不要ですが、「体験授業」は電話で予約をお願いします。
詳細は後日ホームページでお知らせします。

文化祭
9月28日(土) 11:00〜16:00
9月29日(日)  9:30〜15:30
「説明会」を行います。両日とも、11:00からと、14:00からです。
事前予約やチケットは不要ですが、受付で記名をお願いします。

見学日---「授業風景」を見学できます。また、必要に応じて説明もいたします。
10月 8日(火)14:00集合
11月 5日(火)14:00集合
11月29日(金)10:30集合
2003年1月10日(金)10:30集合
見学時間は約1時間です。
電話で「予約」をお願いします。

02年大学入試結果
       一橋 東外語 東北 お茶水 東工大
02年現役  2   2    1   1     0
01年現役  1   2    0   1     1
       早大 慶大 上智 明治 青山 立教 中央
02年現役 12  11  11  15  13  13  10  
01年現役 14  12   9  13  15  12  16
東大、早慶上への現役合格者数の卒業生数(159名)に対する割合は21.4%。昨年は20.7%。
http://www.caritas.ed.jp/

日本女子大附 03年入試要項
2回入試に。願書受付方法等の詳細は後日。
1回 2月1日 女子90名 4科 面接
2回 2月3日 女子35名 4科 面接

02年入試結果のご感想をいただきました
1.2002年度入試の全体的な感想
 2001年4月に100周年をむかえ、改めて本校の教育理念や教育方針が時代をこえ普遍性をもつ豊かな人間教育であることを痛感しました。又、この豊かな教育内容をもっと広く人々に知ってもらう必要を感じ、より積極的に広報活動を開始しました。塾への説明会をはじめオープンスクール、説明会、授業公開等をよりわかりやすいものにするために検討を重ねました。
十月祭や運動会等の生徒の生き生きした活動等、実際に学校生活を送るとわかっていただける教育内容の濃さを少しでも感じていただけたならと願いました。
公開授業のアンケートには校風のすばらしさ、生徒の明るさと積極性、教師と生徒の一体感などに共感される方がほとんどです。生徒がのびのびと明るいのは、自主性と個性が尊重されているからです。
今年度は教育内容を理解して志望された方がほとんどでしたので大変良かったと感謝しています。
2.応募者数、受験者数に関して
 応募者数は帰国入試44名、一般入試293名で昨年より帰国入試で17名減となりましたが、これは帰国入試の入試日1月9日が他校と同じ日になったためと考えられます。少子化の中、昨年より一般入試応募者数が1名減であったことは広報活動を通し、教育内容を理解し、受験して下さったからだと思います。
3.合格者数、手続者数について
 帰国入試では27名(昨年より11名減)一般入試では135名(昨年より12名減)の合格発表を行いました。実質倍率は帰国入試で 1.59 一般入試で 2.08 でした。
手続者数は一般入試で110名、帰国で11名でしたので、一般入試で15名、帰国入試で4名のくり上げ合格を行いました。
4.入試問題に関して 教科チェック
 例年、基本的な問題の中に考える力を問う部分が入ります。
国語
[一]環境保護についての新聞の対談記事からの出題
       出典   朝日新聞
[二]人間の「横顔」についての説明的な文章からの出題
       出典   『これが「わたしの顔」』村澤博人
自分のことばで表現する力は年々弱くなってきている。しかし、文章全体から総合して考え、それを文中から抜き出したり、与えられた選択肢から選ぶ問いの正答率は高い。
算数
[T]計算
[U]小問(場合の数、割合、虫食い等、規則性、平均、推理、面積)
[V]速さの問題(グラフを読み取る)
[W]図形の移動
計算や基本的な問題はよくできていた
図形などの問題は工夫する力が弱く、正答率が低かった。
理科
[1]サクラの成長の観察
[2]生物の仲間分け
[3]地層の観察
[4]星の日周運動と流星
[5]酸とアルカリの中和
[6]実験器具の取扱い
[7]てこ
[8]運動 エネルギー
[9]リニアモーターカー
基本的問題を広い範囲から出題した。
暗記はできているが、考える力が弱い
社会
[1]過去におきた「4月20日に関する出来事」
[2]日本人の食生活について
[3]日本列島の形
[4]地方自治
文章で答える問題は正答率が低かった
資料の読解力が弱かった
山脈や川の名称の問題で差がでた
生活体験から解答できる問題はよくできていた
          国語    算数    理科    社会    合計
満点       50     50     50     50     200  
受験者平均   23.80  26.01  29.28  31.68  110.78 
合格者平均   26.42  32.27  32.51  35.40  126.71
6.2003年入試に向けて
 2回入試の方向で検討しています。日程、人数等、確定いたしましたら、ご連絡いたします。
http://www.jwu.ac.jp/at_entr/at_guide_js.htm

桐光学園 02年大学入試結果
       東大 京都 東工大 一橋 北大 東北大 東外語 学芸大 国公立計
02年現役  1   1   1    0   3   3    0     3     46 
01年現役  0   0   7    3   0   0    1     3     71
       早大 慶大 上智 明治 青山 立教 中央 法政 理科大   
02年現役 35  30  17  73  57  26  78  50  45
01年現役 58  35  36  73  61  31  91  29  34
東大、早慶上への現役合格者数の卒業生数(621名)に対する割合は13.4%。昨年は21.5%。
http://www.toko.ed.jp/

洗足学園 行事日程
学校説明会 予約不要
7月13日(土) 10:00〜12:00 児童の体験授業あり
10月8日(火) 10:00〜12:00
11月6日(水) 10:00〜12:00
12月7日(土) 10:00〜12:00 児童の体験授業あり

帰国生対象説明会 予約不要
10月22日(火) 10:00〜12:00
11月22日(金) 10:00〜12:00

体育祭 見学自由
5月18日(土) 9:00〜15:00 入試相談コーナー設置

オープンキャンパス 要予約
10月26日(土) クラブ活動体験・見学、体験授業
           詳細は9月以降に

洗足祭(学園祭) 見学自由
9月21日(土)22日(日) 9:00〜15:00 入試相談コーナー設置

学校見学・個別相談 随時実施 希望者は事前に連絡を
月〜金 9:00〜16:00
土    9:00〜1300
問い合わせ 洗足学園中学校入試広報委員会(044−877−3214)
http://www.int-acc.or.jp/senzoku/

渋谷教育幕張 02年大学入試結果
千葉高の今年の東大合格者数は現役9名、浪人12名の21名。総数でも渋谷幕張が千葉高を上回る。
03年からは高校募集が今年の95名から30名に。高校入試は相当厳しくなりそう。
02年大学入試結果
       東大 京都 一橋 東工大 東外語 北大 東北大 国公立計
02年現役 14  1   6    2    4    2    1    96 
01年現役 12  0   7    3    1    0    3    58 
       早大 慶大 上智 明治 青山 立教 中央 法政 理科大   
02年現役 84  52  45  18  10  38  11  14  46  
01年現役 71  58  53  26  11  35   9   7  39
東大、早慶上への現役合格者数の卒業生数(358名)に対する割合は54.5%。昨年は59.3%。
http://www.shibumaku.jp/

聖園女学院 オープンスクール
5月18日(土) 10:00〜12:00 予約不要
受験生・・各種プログラムの中から1つ選び体験
      プログラムの詳細は検討中
保護者・・5つのコース説明会に参加するか受験生の体験の見学
     @ 入試に関する説明会
     A 国語(入試)に関する説明会
     B 算数(入試)に関する説明会
     C 英語(授業)に関する説明会
     D 宗教教育に関する説明会
http://www.misono.jp/

聖光学院 行事日程
聖光祭 予約不要
     4月27日(土)、28日(日)
     10:00〜15:00
     入試相談コーナーあり
聖光学院を知る会 要事前申込
     6月1日(土)
     午前の部 10:00〜11:30
     午後の部 13:00〜14:30  (午前、午後とも同じ内容)
     在校生が語る聖光学院
     教員が語る聖光学院
     個別相談コーナーあり
     申込は往復葉書に必要事項を記入して、4月22日から5月25日まで。
     =申込方法の載った案内が教室受付にあります。=
入試説明会 予約不要
     10月 5日(土) 14:00〜
     10月26日(土) 14:00〜
     帰国生入試説明会は10月5日、10月26日の10:00から。
http://www.sphere.ad.jp/seiko-hs/index.htm

栄光学園 行事日程(予定)
栄光祭(文化祭)  5月11日(土)・12日(日) 9:00〜
 入試相談コーナーを設定( 9:30〜16:30) 
体育祭 10月5日(土) 9:00〜
 雨天の場合は10月6日(日)に延期 
入試説明会 10月17日(木)・18日(金) 10:30〜12:00
 保護者のみ参加可。
 小学生は来校しないでください。 
オープンスクール 10月26日(土) 14:00〜16:00
 小学生とその保護者を対象。 
いずれも事前連絡不要。オープンスクール以外上履きも不要です。
http://www.eiko.ed.jp/

宝仙学園 新校長インタビュー
(全私学新聞 4月13日)
 宝仙学園中学・高等学校(東京都中野区)の校長に砂田芳宏氏(元淑徳与野高等学校副校長)が四月に就任した。砂田校長は私学の教育に対する基本的哲学をこう語る。
 「私学の教育の使命は建学の精神に基づく特色ある独自な教育の推進にあるが、私学といえども公共的使命もある。そこで、宝仙では『仏教の精神を基調に、知識と情操を兼ね備えた品格ある人を造る』という創立者の建学の精神を教育の柱とし、時代や生徒・保護者の二−ズに応える教育の推進を基本姿勢にしている」と。
 宝仙の建学の精神は創立者,冨田 純氏の「教育は人を養成するものであって、知識のみ植えつけるものではない」という全人教育に基づいている。
 「人を造る」教育は戦後最も欠如していた教育といわれる「心の教育」そのもので、同校では、「人づくり」の第一歩として、人と人とのコミュニケーションのきっかけとなり、心と心との触れ合いともなるあいさつを大切な教育活動として位置づけている。
 宝仙では、宝仙の教育を一八○度変革しようとさまざまな改革に取り組んでいるが、学校改革にあたり砂田校長は「教育力の向上にむけた改革が最大の課題である。その教育力とは、一の学力を三の学力に伸ばし、進学実績をあげるだけではない。人として生きる上で大切な他者への思いやりの心を育み、さわやかなあいさつができる生徒の育成も教育力である。
 また、人には誰にも生まれながらにして備えている素質としての能力や適性がある。その能力や適性を伸ばし、生かすことのできる進路の実現をしてやることも教育力である」と力説。
 教育力が生徒の募集力に大きな影響を与えることを考えると、まさにその通りである。少子化による就学人口の減少を思うとき、私学として大切なことと思われる。
 生徒の学力を伸ばすための伸学指導は、北辰図書の「システムD」による「生徒による教師の授業評価」で、教師は常に授業改善し、わかる授業を心がけているとともに、放課後の個別学習指導で更に補うこともされている。
 砂田校長の強力なリーダーシップで、宝仙の教育は大きく変わると思われる。その改革の成果に期待したい。
http://www.hosen.ed.jp/

東京の私学4 毎日新聞で連載中
慶應義塾中等部 「半学半教」の精神くむ
 慶應義塾中等部(平良木登規男部長)の大教室では、埼玉県川越市に社会見学に出かける1年生への説明会が開かれていた。複数の施設を見学できる「通行手形」には「慶應」と書かれている。 
 「君たちのことを信用して出してくれたんだよ。楽しむ所は楽しんでいいけど、そのことを忘れないで」と若い女性教諭が注意を促す。生活指導というより、近所のお姉さんが諭す雰囲気だ。 
 2年生の教室では、帰宅前のHR。教師に呼ばれた男子生徒が「佐藤さん」と返した。教師を「さん」づけで呼ぶのと、教壇のない教室は開設以来の伝統。創立者、福澤諭吉の「半学半教」の精神をくむ。学問は果てがなく教師と生徒は切磋琢磨(せっさたくま)するものだとの姿勢が表れている。 
 受験を気にせず部活動や学校行事に専念できる。クラブは文化系、運動系一つずつに所属する生徒がほとんど。阿部基行教諭は「中学の間は楽しいと思えることがたくさんある方がいいのでは」と話す。問題集を解くような宿題はほとんどなく、課題はリポート。年間10本前後が課せられる。定期テストも記述重視。すべて、大学での学問につなげるためだ。 
 校舎の老朽化が課題で、冷房だけは今夏、設置されることになった。2年前に新設した「フューチャー館」で英語劇や社会科のディベートなど活動的な授 
◇ここが自慢
同窓会−−卒業生が誇りを持ち、25年、40年、50年と集まる。学校運営にも協力的。国語の授業とセットで行う「歌舞伎教室」では、OBの中村信二郎さんらの解説を学校で聞いた後、国立劇場に移動して本人主演の演目を鑑賞している。 
★ホームページアドレス 
http://www.kgc.mita.keio.ac.jp/

京華中高 人間教育にも力を注ぐ 
 校訓は創立者・磯江潤が臨終の際に家人に伝えたと言われる「ネバーダイ(Never Die=決してあきらめない)」。1897年創立の男子校で、中学に257人、高校に769人が在籍する。 
 松下秀房校長は「本来ならば家庭で学ぶべき内容に、学校が踏み込まねばならない状況が増えている」と最近の教育環境の変化を分析する。そのため、机上の学習だけでなく、しつけやあいさつなど人間教育にも力を注ぐ。「広い意味で面倒見をよくする必要がある」と松下校長。01年度から教育相談室を設け、教職員OBが生徒の相談を受け付けている。 
 「面倒見のよさ」はもちろん学習面でも発揮される。夏期には中高全学年で1週間程度の集中講習を実施。中3と高1は、八ケ岳で進学教室を開催する。今年度からは卒業生や外部スタッフも駆使して少人数学習を始める。15分間の朝学習や、放課後のキャッチアップ講座など指導は木目細やかだ。 
 生徒の自主性を伸ばす「調べ学習」も、修学旅行、文化祭、体験学習の際に自分たちなりに調査、研究した資料を文集にまとめる。保護者との連携も密に取り、年に5回は担任、生徒を交えて懇談を行う。 
 部活動は吹奏楽部が都大会で金賞の常連。伝統ある柔剣道部も関東・全国大会で活躍する。 
◇ここが自慢
鑑賞教室−−春と秋に映画、芝居、音楽などを鑑賞する。「芸術性の育成も広い意味での学力」ととらえ、分野、新旧を問わない。映画監督の黒澤明や作曲家・武満徹、指揮者・岩城宏之ら芸術家を輩出した背景もこの辺にある。 
★ホームページアドレス 
http://www.keika.ac.jp/

恵泉女学園中高 自由と責任を基本に 
 自己責任の取れる自由――。安積力也校長は教育の基本をこの一言に集約した。最も顕著な例は、生徒会にあたる「信和会」の運営だ。01年度の最大の課題は、月額220円の会費を30円値上げすることだった。いったん総会で否決されたのち、役員は生徒を対象にアンケートを行い、値上げが必要な理由を説明する資料を作り直して生徒に支持を訴えた。議論の末、最後の総会で値上げ案はようやく承認された。古谷槙子会長は「自分の意見を自由に言えるところがいい」と学校の魅力を笑顔で語った。 
 自由であるからこそ、自分のしたことの責任を取る。自分たちで実行することを学ばせるため、教師は一歩引いて見守る。「遠い将来に結果が出るように、原因を与えることが大事。『待つ』ことでしか育たないことがある」と安積校長。 
 津田塾大創始者・津田梅子に続く日本の女子教育の先駆者・河井道子が1929年に創設した。聖書と国際、園芸が三つの柱になっている。週1時間の聖書の授業は全学年必修。自然とのふれあいが教育の基本という発想も河井の教育観によるもので、園芸は1、4年生で週2時間必修。約300平方メートルの農園で土作りから始める。校内には収穫された花が飾られ、絶えることがない。 
 中高一貫教育が始まってまる3年。6学年1156人が在籍する。 
◇ここが自慢
感話−−心のうちを文章にして、礼拝の時間に他の生徒の前で読む。自分の内面を言葉にする作業は自己理解に役立ち、同年代の心の葛藤(かっとう)を聞く経験も人格形成に大きな役割を果たす。不登校体験をつづったものなど内容は極めて真摯(しんし)だ。 
★ホームページアドレス 
http://www.keisen.ac.jp/high/index.htm

京北中高 大学との連携を模索 
 創立者は「妖怪博士」と呼ばれる思想家・井上円了だ。帝国大学では外国人講師が外国語で舶来の学問を講じた明治期、円了は日本人が日本語で考える重要性を説き「諸学の基礎は哲学にあり」と1887年に哲学館(現東洋大学)を創設、98年に京北中学校を開校した。1948年に中学・高等学校に改編。生徒数は中学182人、高校584人。川合正校長。 
 東洋大とは優先入学制度や工学部見学で密接に交流。「東洋大に限らず、他大学を含めて高大連携を模索している」と濱徹夫教頭は言う。 
 中学・高校と京北学園白山高は生徒会が一体、部活も一部合同だ。施設も充実し、体育館には柔道・バスケット・卓球・体操・レスリング場や温水プールまで完備。放課後は一般向けスイミング教室を開いている。 
 高校2年の音楽でギターを習う。ギターが“心の友”になり、手放せなくなる生徒もいるとか。このほか、京北中生が短歌を共立女子中に送り、女子中から感想文の“返歌”をもらうなどユニークな交流学習もある。 
 「学祖」円了は自らつくった中野区の哲学堂公園の隣に眠るが、6月の命日ごろには中学1年生が墓参。校内には胸像もある。「天狗や幽霊は迷信には違いないが、その中に真理を含んでいる」と“理外の理”を追求した哲人は今も「京(みやこ)の北」を見守る。 
ここが自慢
いぶし銀のOB−−武田泰淳、日夏耿之介、飯田蛇笏らの文学者や写真家の大竹省二、俳優の植木等、「大辞林」の編者・松村明、名車「ブルーバード」の名付け親で日産元会長の川又克二らがずらり。「派手さはないがひと味違う」が京北流か。 
★ホームページアドレス 
http://www.keihoku.ac.jp/j/j-top.htm

京華女子中高 毎週土曜に「心の教育 
 「ウェルカム」通された部屋のドアには、愛らしいキルトでつづられた飾りが揺れていた。ピンクのじゅうたんが敷かれた明るい部屋にはテーブルやソファが並び、売店もある。 
 広瀬和昭校長は「生徒も教師も区別なく、誰が使ってもいいサロン。勉強をしても、食事をとってもいい。差し障りのない話の場合、親子面談をここでやることもある」と言う。強制せずに、自然に公共のルールを身につけてほしい。そんな願いを込めている。 
 グラウンドではマーチングバンド部がステップの練習に精を出していた。東京五輪のパレードのために創部された「老舗」。ただ今は、部員不足が悩みだ。 
 全校340人という小規模ならではのきめ細かさが特徴。毎週土曜を「心の教育」に費やす。担当教諭が通年のスケジュールを決め、ケナフを栽培する環境学習、将来の職業観を養うキャリアプラニングなど多彩なプログラムを組む。 
 「大学に合格させるだけでは駄目。職業にきちんとつながる進路を考えてもらわなければ」と狙いを話す。 
 すべり止めで入学した子の目的意識の薄さを課題に挙げる。「何となく入ると、校内生活にいろんなメニューがあるので生徒も困る。第1志望で入学する子が増えるよう募集を工夫したい」という。 
◇ここが自慢
時代に合った女子教育−−創立当時は西洋文化の導入に積極的で、靴、ブレザーを採用。今は読み書きに力点を置き、毎朝の10分間読書のためにベストセラーは学校で購入。視点を広げる文化講演会とセットにして小論文講座も行っている。 
★ホームページアドレス 
http://www.keika-g.ed.jp/

啓明学園中高 帰国生徒の教育に実績 
 校内の案内板には、日本語とともに英語が併記されている。40年に帰国生徒のための学校として創立。現在は帰国生徒が中学(全生徒数336人)の25%、高校(同388人)の36%を占め、「帰国生徒の教育には62年の実績がある」と平野吉三学園長は胸を張る。 
 帰国生徒教育で特徴的なのが「取り出し授業」だ。帰国生徒もいつもは一般の生徒と同じ教室で授業を受けるが、現地で身に着けた語学力を維持・向上させるため、特別に外国人教師が語学指導を行っている。同校には英語、中国語、ドイツ語、フランス語など6カ国語の教師がそろっている。 
 欧米や中東、アフリカなど世界各地からの留学生も受け入れており、一般の生徒は、身近に「生きた外国語」や異文化に触れることができるのが強みだ。外国の「感覚」が知らず知らずに身に着くため、30年以上にわたって毎年実施されている校内スピーチコンテストでは、「帰国生徒に負けないぐらいの英語力を持つ生徒も目立つ」(平野学園長)という。 
 「広い視野のもと豊かな人間性と独自の見識を持ち、世界を心に入れた人を育てる」が教育理念で、卒業生には堂本暁子・千葉県知事らがいる。ビートルズのメンバーだった故ジョン・レノンさんの妻オノ・ヨーコさんも2年間在籍した。 
◇ここが自慢
北泉寮−−10万平方メートルの広大な学校敷地内でも目を引く明治時代の日本家屋。首相官邸にあったものを創設者・三井高維氏の父が購入し、留学生の日本語教室として使用している。99年に文化庁が登録有形文化財登録。 
★ホームページアドレス 
http://www.keimei.ac.jp/

光塩女子学院中高 「共同担任制」で手厚く 
 紺色のジャンパースカートに、グレーと紺の斜めのストライプ柄のネクタイが映える。オシャレな制服だ。 
「光塩女子学院」(尾崎越子校長)は中等科460人、高等科417人。昨年、創立70周年を迎えた。13世紀から今に至るスペイン発祥のカトリック、メルセス宣教修道女会が設立母体。スペイン、メキシコ、コンゴなどに姉妹校がある。学校名の「光塩」とは、「あなたがたは世の光です。あなたがたは地の塩です」というキリストの言葉が由来という。朝礼の最初はお祈り。ボランティア活動も盛んだ。 
 生徒への対応は手厚い。まずは「共同担任制」。通常は1クラスに1人の担任だが、同校は中等科(4クラス)、高等科(3クラス)それぞれの学年ごとに担任6人ずつが就く。1965年に本格的な制度としてスタートした。また、1学期に最低1回は教師と生徒の個人面接があり、話す内容は自由。最初は決められた教諭が相手だが、その後は悩みの内容によって、どの担任にでも相談できるようにした。だが、「6人が画一的になってはいけない」と尾崎校長。 
 62年からは習熟度別授業を実施している。「力の差が開きやすい教科は生徒の力に応じてやらないと不親切」という。中等科では英語と数学、高等科は理科が加わる。 
ここが自慢
特注の黒板−−教室には大きな黒板が目立つ。窓側以外の三方の壁に黒板がある。のぞいた演習室には、正面に理科、右と後ろは数学の授業の跡があった。赤いチョークで「消さないで下さい」と書けば次の授業もそのまま使えて便利。 
★ホームページアドレス 
http://www.koen-ejh.ed.jp/

晃華学園中高 週1時間、福祉精神学ぶ 
 「他人の痛みをきちんと感じられる人間になる。それが最も大事なんです」。 鎌倉正幸教頭は、カトリック精神に基づいた教育方針をこう語る。痛みを理解し、困っている人がいれば喜んで助ける。その精神は中1から週1時間、福祉に必要な技術を学び、ボランティアに取り組む学園の特色になっている。 
 中高一貫の女子校。外国語教育に熱心で、高1の夏に英米語学研修が行われる。文化祭、スキー教室、合唱コンクール、イースター(復活祭)と生徒同士のきずなを深める行事も充実している。 
 同校のもう一つの特色が63年の開校当初から設けている「カウンセラー制度」だ。専門のカウンセラーが3人体制で、交友関係や家族、進路などあらゆる相談に乗る。もちろん守秘義務は徹底しており、緊急事態を除き秘密厳守。多感な生徒の心を全面的にサポートしている。 
 高2までに高校の授業を終え、100%が進学希望という進学校だが、居合道などユニークなクラブ活動も盛んだ。 
 学園のシンボルの「聖堂」は、武蔵野の面影を残す緑の中でも一際目立つ。自然光を取り入れた設計で、週に1度、学年ごとの朝礼に使われる。広い芝生では明るい笑い声が絶えない。外部からの来客にきちんとあいさつできる生徒たちの姿も印象的だった。 
◇ここが自慢
卒業後−−卒業生が大学で提出した福祉についてのリポート内容に、教官が感銘したというエピソードがある。晃華時代のボランティア体験を書いただけだが、それを知らない教官には驚きだったようだ。「むしろ卒業後に、学校の真価が分かります」(鎌倉教頭) 
★ホームページアドレス 
http://www.kokagakuen.ac.jp/

合同説明会
試触会 
日時 6月6日(木) 12:00〜16:00
場所 洗足学園オーディトリアム
参加校による個別相談
講演とパネルディスカッション
参加校 男子校 攻玉社 世田谷学園 高輪学園
     女子校 鴎友学園 品川女子学院 洗足学園 八雲学園
     共学校 渋谷教育渋谷 桐光学園 森村学園
http://www.shishokukai.com/

私触会
日時 5月14日(火) 11:00〜14:00
場所 横浜エクセルホテル東急3F グランドホール
パネルディスカッション
個別相談コーナー・ビデオ上映
参加校 男子校 鎌倉学園 藤嶺藤沢 横浜
     女子校 神奈川学園 洗足学園 横浜女学院
     共学校 桐光学園 森村学園 山手学院

教育情報

5日制に関して
週5日制 不安のスタート
(読売新聞 4月5日)
 子どもが自ら学び考える力を育てようという新しい教育課程が5日、公立小中学校で本格的にスタートした。土曜日をすべて休みとする「完全学校週5日制」と、学ぶ内容大幅減の「新学習指導要領」の実施がその柱だが、子どもたちはともかく、保護者には5日制を歓迎するムードは低い。
 「まさか、土壇場で5日制に反発を食らうとは思わなかった。不況の中での実施というタイミングが最悪だった」。文部科学省の幹部が浮かぬ顔で言う。
 先月の読売新聞の世論調査では、完全5日制への反対意見が6割を占めた。背景には、「テレビゲームの時間が増えるのでは」「学力が低下するだけではないのか」との懸念がある。
 保護者の不安に敏感な私立の小中高校では、45%が完全5日制実施にそっぽを向いた。あわてた同省は先月末、5日制の趣旨をうたったパンフレットを作り全国にばらまき始めたが、「家族の触れ合いを大切に」「子どもは地域で育てましょう」といった内容は、共働きや、週に2日も休めない家庭も多い現状にはむなしく響く。
 そんな中、自治体レベルでの、公立校の“反乱”が始まった。東京都教委によると、都立高の約2割が今年度から土曜の「補習」を予定しており、検討中のところも5割ある。これらは原則自主参加だが、進学校の八王子東高は全員参加の“土曜授業”を年12回行う。地域の中学生や父母らへの「公開授業」という行事の扱いにすることで実施可能になったという。
 殿前康雄校長は、「完全5日制では授業時数が短く厳しい。正直、私立との競争も意識した」と話す。小中学校でも、補習の動きは続出している。
 これまで「ゆとり」路線に執着してきた同省が、最近になって「学力向上」を強調し始めたことも、5日制への不信を増大させた。
 同省は当初、新課程での「学習内容厳選」にこだわり、それ以上の内容を子どもに教えることは想定していなかった。5日制と、体験活動重視の「総合的な学習の時間」の導入で授業時数が減る。それは「生きる力」を植え付けるためなのだから、知識や技能などの「旧学力」の低下は容認する――そんな姿勢だった。
 しかし今は、「伸びる子は伸ばして」と旗を振っている。小野元之次官は「土曜に授業の延長のようなことをするのは好ましいとは言えない」とするが、地域のニーズに応じた取り組みに「NO」とは言わない。
 千葉県野田市は、新指導要領などへの不安から独自の副教材の作成を決めた。「他の市町村の子どもと学力差がつくような事態には絶対にさせない。これからの教育は自治体間でも差が生じるだろう」と根本崇市長は予言する。
 同省初等中等教育局の幹部は、「我々は、自治体の取り組みを抑え込むようなことはしない。土曜に補習をしようが、『総合学習』の時間に計算ドリルをしようが、ニーズと信念があるなら構わない」ときっぱり。最近、「校長が土曜の補習に現職教員を動員しても問題はない」との見解まで用意した。それは土曜授業復活の容認を意味する。
 完全5日制とは何だったのか。早くもその根底が揺らぎ始めている。

大阪府 教諭がボランティア出勤し土曜講座も 
(毎日新聞 4月13日)
 大阪府内有数の進学校、府立北野高(大阪市淀川区)の教室は、平日と変わらない雰囲気。基礎学力づくりや大学進学に備えた「土曜講座」がスタートし、生徒たちは黙々と机に向かっていた。
 土曜講座は「生徒の学習意欲に応えたい」と、午前中の3時間、毎週実施する。英語、数学、国語の3科目を中心に演習や読解などを行う。希望者を募ったところ、1年生はほぼ全員の約320人、2年生は約8割の約320人、3年生は約6割の約220人が参加を希望した。同高は「3年生は1、2年生に比べ、自宅や予備校などで各自で勉強する生徒が多いのではないか」と推測している。
 教壇に立つのは同高の教諭だが、勤務認定されないため、「ボランティア」で出勤。教諭の一人は「生徒の熱意に応えるためです」と語った。中垣芳隆校長は「土曜講座で、生徒に勉強する習慣づけをしたい」と話している。

休みの受け皿「学習型」と「ゆとり型」に二分 
(毎日新聞 4月13日)
 完全学校5日制の導入後、大半の地域で最初の土曜休みとなった13日、各地で子供たちを対象にした催しが開かれた。教科学習以外の野外体験や文化活動に取り組む自治体、民間団体が目立つ一方で、補習を始めた都立高校もあり、子供たちの休みの「受け皿」は「学習型」と「ゆとり型」に分かれた。今後も休日増に対応する準備が進み、20日以降は小中学生に補習をする自治体も登場するなど、さらに多くの受け皿が用意される。
 都立国分寺高(佐藤徹校長、983人)では13日、学校外の学習塾を使って予備校講師が国語、数学、英語を教える土曜講習がスタートした。保護者の会が主催する希望制の講習で、全校で約310人が参加した。
 会場の一つとなった国立市内の塾には2、3年生約120人が「登校」し、午前9時から真剣な表情で90分の講習に臨んだ。2年生の女子生徒は「普段は塾に通っていないけれど、個人で塾に行くより安いし、部活と両立できそうなのでやってみようと思った」と言う。国語、数学、英語から2科目まで選べ、1科目につき年間5万5000円を支払う。
 八王子東高(殿前康雄校長)は20日から今年度12回、全員参加の土曜授業を実施する。
 文部科学省は「授業の延長のような補習は望ましくない」と難色を示しているが、殿前校長は「土曜授業は運動会などと同じ学校行事と位置づけた。進学を意識すれば、土曜を完全に休みにしてカリキュラムを組むのは無理」と話す。
 同校では、生徒の多くが土曜授業に納得している。生徒会のアンケートでは生徒の64%が「授業時間数を維持してほしい」と希望した。2年生の女子生徒(16)は「1日7時間の授業よりも、土曜に授業をしてくれる方がいい」と話す。
 東京都は、都立高の「復権」を目指す石原慎太郎知事の意向を受けて、進学指導重点校に八王子東など4校を指定しており、重点校では西高も第1、3土曜日に教師による特別講習を実施。日比谷高、戸山高では卒業生が土曜日に生徒の自習をサポートする。
 このほか、茨城県立鉾田一高も20日から国分寺高校と同じように外の会場で予備校講師による補習を行う。
 一方、希望者を対象に自治体が補習を開く例もある。千葉県野田市が20日から始める小学生対象の算数補習「サタデースクール」には、事前アンケートの2倍を上回る約2400人が殺到した。東京都台東区や茨城県古河市も、国語、数学など基礎科目の補習を実施する。
 多彩な取り組み
 仙台市と周辺市町村では、小中学生が学校が休みの日に動物園や科学館など21の社会教育施設に無料で入場できる「どこでもパスポート」を配布した。主要な施設の入場者は昨年の2倍以上に増えているという。
 このほか大学生が小中学生に工作や科学実験を教えたり、なぎなた教室や映画会、人形劇など多様な催しが各地の自治体で用意されている。
 休日の増える学校の先生を相手にした講座もある。大手予備校「代々木ゼミナール」(東京都渋谷区)は、春休みに続いて5月25日から4週連続で、土曜日に高校教員に受験指導のノウハウを教える講座を開く。予備校講師が先生になって板書方法やカリキュラムの組み方などを教える。

野田市 「サタデースクール」申し込み急増
(毎日新聞)
 公立小中高校の週5日制に合わせ、千葉県野田市が20日から始める「サタデースクール」に、事前アンケートの2倍を上回る申し込みがあり、同市教委は急きょ講師を追加募集するなど対応に追われている。同スクールは小学生を対象にした算数の補習授業。申し込み急増の背景には、慣れない週5日制への保護者の不安があるようだ。
 同市教委は2月、市内15校の保護者を対象に「4月からの土曜日の過ごし方」についてアンケートを実施した。その結果、「サタデースクールに参加させたい」22%(1450人)▽「自然・社会体験をさせたい」18%(1189人)▽「友達と遊ばせたい」17%(1117人)――などだった。このため同市は、少人数学級
のため採用していた講師17人と、PTAなど地域の講師44人の体制で、同スクールの指導に当たる計画だった。
 ところが、実際に申し込み受け付けを始めると、アンケート結果の2倍以上の46%から申し込みがあった。このため、40人以上の講師補充を決定。アンケートでは秋から参加する1年生を除いていたため、今後さらに講師を追加することも検討しているという。
 同市教委は「申し込みが増えた要因は、親の心配と補習内容が具体的になったためではないか。スタートしてから希望者が増えることも予想されるので、さらに講師の募集が必要になるかもしれない」と話している。

小野事務次官 私立への5日制実施要請は強制ではない
(全私学新聞 4月13日)
今年四月から完全学校週五日制が始まったが、これまで文部科学省は、私立学校に対して公立学校との足並みをそろえての実施を求めてきた。しかし四月一日、同省の小野元之事務次官は、記者会見の席で、「私立学校への実施要請通知は強制ではない」と発言した。四月四日、その発言の真意を小野事務次官に伺った。
−−私立学校へ五日制実施は強制しない旨の発言をされたようですが。
事務次官 そのとおりです。新しい学習指導要領は学校週五日制を前提にカリキュラムが組まれている。そうしたこともあるので五日制の趣旨を三月四日付で各都道府県教育委員会に通知した。その折、各都道府県知事にも私立学校の積極的取り組みへの指導を要請した。これに対して一部の方々から「私学に強制しているのではないか」とのご批判が上がっているが、この通知を見ていただけれぱ私学への実施要請は強制ではない、ということが分かっていただけるはず。
 もともと私立学校は自ら休業日を定めることができることになっている。国が五日制を実施する前からキリスト教系の学校等では五日制を実施していたし、現在、月一回、二回のところもある。いろんな形があっていい。
−−五日制を実施しないことでペナルティーを受けることを心配する私学関係者もいますが。
事務次官 今のところ五日制を実施していないからペナルティーということは考えていない。
−−国が五日制を強制しないにもかかわらず、都道府県が公私立足並みをそろえての実施を求めることはありませんか。
事務次官 それは都道府県の考えだろうが、たぶんそうしたことをおっしやる県はないだろう。
−−父母の間には公立学校が週五日制なのに私学は土曜日も授業をする。公立は大学入試等で不利との声もありますが。
事務次官 学校五日制の実施で教える中身、知識の量は少し減るが、基礎・基本を徹底し自分で判断できる、自分で行動できる、自らクリエイティブにものを考えられるということが「生きる力」につながる。新しい学習指導要領と学校五日制の趣旨をご理解いただき、子どもたちにはぜひそうした力を身に付けてほしい。
−−公立で五日制の扱いはどうなるのですか。
事務次官 国公立学校に関しては、学校五日制を実施してほしい。
−−公立学校で土曜日に補習を行う学校が現れていますが。
事務次官 正規の授業としてやっているのではなく、補習だとか、PTAが教師を呼んできてということではないか。
−−土曜日も勉強ではまずいのでしようか。
事務次官 もちろん土曜日に自主的に勉強することは自由です。土曜日に個人が任意で学校の施設を使って勉強することはよいが、全員一律に月曜日から金曜日と同じような授業を土曜日にも行うことはどうかと思う。
−−かつて文部省は五日制に関して国公私立学校が足並みをそろえて実施してほしいと言っておられましたが。
事務次官 そのような指導をしてきたことは事実です。学校週五日制の通知を出しているのも、なるべく私学もご協力くださいというお願いで、学校五日制の趣旨を理解していただければありがたい。しかし私学の自主性は尊重する。
−−近く都道府県の私学担当者を集めて説明会を開くのですか。
事務次官 近く、日程は未定ですが、各都道府県の私学行政の担当者、私立学校(団体)関係者などに学校五日制の趣旨を説明したい、と考えている。新しい小・中学校の設置基準も定めたので、その趣旨や、場合によっては新学習指導要領の説明もあるかもしれない。その中で五日制の趣旨のご理解をいただきたい。

群馬県 生徒・父母ら、歓迎と反対が交錯−−学力維持に躍起
(毎日新聞 4月19日)
 学校5日制が完全実施され、学力低下が懸念されるなか、一部の県立高では、土曜日に補習授業を行ったり、平日の授業数を増やすなど、学力維持に躍起になっている。受験を控えた生徒や親からは歓迎の声が上がる一方、「ゆとり教育」に逆行するとの反対意見もあり、現場の教員も賛否両論。進学校の“土曜日対策”を追った。
 昨年度まで授業があった第1、3、5の土曜日に補習授業を行うのは、前橋高、高崎高など。高崎では、英語、数学などの主要科目について、過去の大学入試問題などを使って学習する。通常より長い1コマ100分の授業を、2コマ行う。参加は希望者のみだが、大崎博章教頭は「ほとんどの生徒が参加すると思う」と話す。太田高、中央高なども5月下旬以降、実施を検討している。
 渋川高では、1コマ当たりの授業時間を5分削減して、平日の授業数を7コマとし、昨年度より1コマ増やした。田中睦夫教頭は「コマ数を増やしたため、教科数が多くなり、効率的な学習ができる」と説明する。
 また、前橋女子、高崎北、館林の各高校は、始業式などの行事を削減することで、授業時間をより多く確保しようと、今年度から前、後期の2期制を導入した。
 こうした土曜日対策について、前橋高2年の男子は「(5日制導入で)私立との学力の差がかなりできてしまうと不安だったので賛成」と歓迎する。一方、「事実上、補習は強制で、生徒の負担が増えている。もっと部活に時間を充てたい」(同校3年の男子)といった疑問の声も。
 「休日出勤」となる教員側も意見は割れる。同校の児島修教務主任は「生徒が不安にならないよう、努力するのが教師の使命」と主張するが、渋川高の男性教員は「5日制でゆとりを生むつもりが、かえってゆとりをなくしている」と勉強に追われる学校生活に懸念を抱く。
 一方、県教委は「土曜日については、各学校の生徒の実態に任せている」(学校指導課)と現場任せにしているのが実情だ。

富山県 富山中部高で土曜授業 県内高校トップ切り
(富山新聞 4月21日) 
 完全学校週五日制に伴う授業時間減を補うため、富山県内の高校のトップを切って富山中部高で二十日、「土曜特別授業」が始まった。内容は授業の復習と入試対策に重点を置いた問題演習で、年間に一、二年生は十四回、三年生は七回実施する。原則として自由参加だが、第一日となったこの日は、病欠や運動部の大会出場者を除いてほぼ全員が出席した。模擬試験実施などを含めると事実上の学校週六日制続行となるが、ほとんどの生徒が進学を希望しており「自分のためだと思っている」という声が多かった。
 授業内容は一年生が英語、数学、国語、二年生は文系が国語、数学、公民、理系は数学、英語、地歴、三年生は文系が国語、数学、英語、理系が理科二科目と地歴となっている。
 富山中部高では昨年八月、同校生徒の保護者による「教育振興会」から「週五日制の対応を考えてほしい」との要望があった。学校側は土曜特別授業を実施する方針で検討を重ね、富山県教委に教員の兼職願いを提出、承認を得ている。教員に対しては同会から謝礼が出る。
 授業時間減の対策として同校では土曜日のほか、月、水、金曜日に五十分間の七限授業を実施している。同校では、都市部の私立の中、高一貫校が完全週六日制を実施していることから学力差がつくことを懸念して特別授業の実施を決めた。喜多埜昭博教頭は「週五日制になっても学習の習慣を維持させたい」としている。
 生徒は平日と変わらぬ真剣な表情で授業を受け、「大学進学を希望する以上、授業は受ける必要がある」(一年)、「もし、(土曜日が)休みだったとしても自主的に勉強する」(同)などと話した。

福島県 県立高校の6割が週5日制に対応
(福島民報 4月18日)
 1日から始まった学校完全週5日制を受けて、県立高校98校のうち約6割の59校が補習授業など何らかの対応をしていることが分かった。一方、小中学校などを持つ90市町村のうち対応するのは12市町村だった。17日開かれた県市町村教育長会議で県教委が明らかにした。 
 複数回答で「対応する」とした県立高校のうち、平日に対応するのは25校。1週間の時間割の中で、7校時授業や早朝、放課後補習の回数を増やしたり、新たに実施する。土曜日に対応するのは28校で、補習のほか生徒に学校を開放して自主学習を勧める。このほか、夏休みなど長期休業中の補習時間の追加を検討している学校も19校ある。 
 「対応する」と答えた市町村のうち、平日に対応するのは郡山市と会津高田町の2市町。会津高田町では複式校に対し常勤講師を配置し、指導の充実を図る。土日に対応するとした市町村では、学校や公民館の図書室を自習室にしたり、美術館を開放する取り組みを実践する。 
 県教委は調査結果に対し、「始まったばかりの制度で具体的な問題点が不明確。当分は各市町村、県立高校の取り組みの中で、県として支援できるものを検討していく」と話している。 
 学校関係者の話では、週5日制の実施による学力低下への不安は児童・生徒の保護者から多数寄せられており、「学力を身に付けるため補習を増やしてほしい」、「学力の高い子と低い子の格差が拡大するのでは」などの意見が多いという。 

塾に通う子、再び増勢に
 完全週五日制など本年度から導入された小中学校の新学習指導要領を受け、大手・中堅学習塾の約半数が、土曜日を使って新コースを設けたり、授業時間を増やしたりすることが五日、神戸新聞社が兵庫県内の主な学習塾を対象に行ったアンケート調査で分かった。また、少子化にもかかわらず児童・生徒数が最近一、二年で「増えた」とする回答が37%。「変わらない」も32%あり、新要領への移行を機に、塾に通う子が再び増勢に向かいつつある実態も浮かび上がった。 
 アンケートは、複数の教室を広域的に開く県内三十四の学習塾に郵送で実施し、十九塾から回答を得た。 
 二〇〇一年度、すでに土曜に授業をしていたのは「毎週」「隔週」を合わせて84%。〇二年度は、37%が「土曜のみの新コースを設置」し、11%が「土曜を利用して授業時間を増やす」と答えた。新要領の導入で「学習塾間の競争が高まる」とみる塾が68%に上り、その三分の二が「新コース設置」「授業時間増」に取り組んでいた。 
 また、「今後、塾通いが増える」との予測も68%に上り、新要領による「学力低下」への保護者の不安から、自分たちへの期待が高まる、とみる塾が多かった。 
 文部科学省は、民間教育機関として学習塾の存在を認めつつ、週五日制の趣旨に沿った「節度ある対応」を塾に要請。今年二月には、体験学習など学校授業の「受け皿」としての役割に期待を表明していた。アンケートでは、新たに科学実験に取り組むとの回答が一つの塾からあったが、全体として同省の要請は、一部でしか受け入れられていないといえそうだ。
過熱、宣伝合戦 
 学習内容が3割削減される小中学校の新学習指導要領で、一部で懸念の声が上がる「学力低下論」を材料に、進学塾が生徒獲得の攻勢をかけている。チラシやホームページには親の心を揺さぶる刺激的な文句が踊り、説明会でも「新要領は無視します」。少子化の中で生き残りをかける塾からは「新要領のおかげで有利になった」との声も出る。文部科学省の対応のぶれも格好の材料となって、宣伝合戦を過熱させている。 
 「受験対策のニーズにこたえるため、授業内容は変えません」。三月半ば、西宮で開かれた進学塾の説明会。塾長の言葉に何人かの保護者がうなずいた。「補習や宿題の奨励」を盛り込んだ一月の文科相アピールにも触れ、「文科省が本当にしっかりしていれば塾はいらない。しかし現実には揺れているんです」。熱弁は続いた。 
 この塾では、少子化の影響で減っていた生徒数が、新学習指導要領が発表された一九九八年を境に底を打ち、増加に転じた。「ゆとり教育への不安でしょう」と塾長。関西一円に教室を持つ別の塾も「新要領の中身をPRすることで塾生が増えた」と話す。 
 進学塾の最大の武器は学力低下論だ。「最低基準で満足しますか」「教育改革から子どもを救う」。新学期を前に、刺激的な宣伝チラシが日増しに増えた。ホームページ上で問題提起してきた全国大手塾の担当者も「今回の改革は学力低下の総決算。中高一貫の私立校こそ理想の教育」とした上で、「その私立中受験に備えて塾に」と勧誘の仕方を語る。 
 神戸新聞社のアンケートでは、新要領で「勧誘が有利になる」と考える塾は47%。一方で「授業増は批判を招く」との慎重意見や、「新要領を批判するだけで、本当の学力対策を取っている塾は少ない」と自問する声もあった。 
 ぶれている、との指摘に文科省は「基礎・基本を大切に、理解の進んでいる子は発展的な学習でより伸ばす、との立場は不動」と反論している。

公立中高一貫 岡山や静岡でもスタート
 岡山の県立校で初めての中高一貫校として岡山操山高校(岡山市)の敷地内に岡山操山中学校が開校した。同校は併設型中学校で、第1期生は120人(男子53人、女子67人)。県内の中高一貫教育の実践は3例目となる。
 入学式で奥津竹彦校長は、発明家・エジソンの言葉を引用し「伝統ある学校で伸び伸びとスケールの大きな人間になってほしい」と述べた。高校には入試なしで進学でき、受験競争に悩まされずに学校生活を送れるため、定員120人に1600人が応募する人気だった。
 また、静岡県でも、県内の公立校で初めて中高一貫教育に乗り出した浜松市の県立浜松西高校で、同校中等部の開校・入学式が行われ、競争倍率約6倍の「狭き門」をくぐり抜けた1期生、159人が出席した。
 中等部は、高校受験の壁を取り払い、中高6年間を一貫した理念で教育できるよう、同校に併設して開設された。1クラスを20人程度に分割して少人数態勢で教えるほか、より密度の高い教育を目指した55分間授業や選択科目の設置などのカリキュラムがある。
 石田校長は「西高にとっても、今日は船出の日。厳しい訓練と幅広い経験を重ね、努力を怠らない覚悟を持って学んでほしい」と1期生に声援を送った。そして、新入生代表の原田貴仁君(12)が「1期生として高い志を持ち、6年間努力します」と誓いの言葉を述べた。

関西経済同友会 義務教育に競争原理導入を提言
(毎日新聞)
 関西経済同友会の教育社会委員会(委員長、村尾弘毅・UFJ銀行副頭取)は、公立を含めた小中学校の教育現場に競争原理を導入することを柱とする提言をまとめた。教職員や学校同士が競い合うことで現場が活性化し、国際社会で通用する人材育成が可能になるとしている。
 提言は、教職員の処遇が、能力にかかわらず一定であることについて、「事なかれ主義をまん延させ、教員として不適切な人材が存在する原因」と断じる刺激的な内容。第三者による学校教育のチェック機関を設け、実績に応じて給与格差をつける給与体系や教員免許の更新制、期限付き免許制を導入することを求めている。
 また、学校間競争を促すためには、公立学校の学区制廃止、他校への編入自由化の必要があると提言。子供や保護者が自由に学校を選べるようになれば、学校ごとの教育理念の明確化、情報公開の促進、保護者の教育に対する意識の向上につながるとしている。
 提言は「企業のマネジメントを参考にしたいとの声は教育現場からも強まっている」と指摘。村尾委員長は「人材の提供などで経済界も積極的にかかわっていきたい」と教育改革への貢献に意欲を示した。

割合は苦手 小4レベル算数、中1の半数が間違う−−昨夏、東京都調査 
(毎日新聞 4月17日)
140人中の56人は…「56%」「25%」 
 東京都教委が小学4年生を対象に同1〜3年レベルの、中学1年生を対象に小学4〜6年の内容の算数テストを行ったところ、単純計算の正答率は高かったものの、表やグラフを使った「割合」「倍率」の問題の正答率が目立って低かった。新学習指導要領や完全週5日制の実施で学力低下を心配する声が出ているが、子供たちに数や量の概念が身に着いていないことが浮き彫りになった。
 この学力テストは、新指導要領に移行する前と後の学力の変化を調べるため、継続的に行うもので、昨夏初めて都内の公立の小4と中1各9000人前後を対象に実施した。 
 テストは四つの解答例から正しいものを一つ選ぶ4択方式で、正答率は小4が平均81・4%、中1が同70・3%。8割の正答率を想定していた都教委では「学力はおおむね定着している」と評価した。 
 しかし、単純な計算問題は9〜8割できたのに、「倍率」や「割合」の問題は正答者が半数に達しなかった。 
 例えば、校庭でけがをした56人が、けがをした合計140人の何%にあたるかを表を示して尋ねた問題=例参照=では、中1の22・9%が「56%」と答え、「250%」を選んだ生徒も3・9%いた。 
 算数の新しい教え方を試みている東京都世田谷区立八幡小の滝井章教諭(44)は「授業では、教科書が解き方を順番に示してくれたり、教師がヒントをくれたりする。それをなぞることばかりやっているから、自分で段階を踏んで思考する必要がある問題で混乱する」と話している。 
 ■中1の出題例 
 表は、けがをした人数を場所別に表したものです。校庭でけがをした人数は、けがをした人の合計の何%にあたりますか。 
ア・25%(20・5%) 
イ・40%(49・3%) 
ウ・56%(22・9%) 
エ・250%(3・9%) 
※正解はイ。かっこ内は選んだ生徒の割合 
「分数ができない大学生」の著者、西村和雄・京大経済研究所教授の話 
 早い段階で子供たちに算数の能力が定着していないということは予想していた。今回の結果はこれを裏付ける興味深いデータだ。割合などは日常でもよく使うし、論理的思考の基になる算数ができないと社会に出て困る。考える力とは、どういうものかを真剣に社会で論議してほしい。

秋田県教委 私立学校の所管を知事部局から教育委員会に、私立校5校の存続が危機
(全私学新聞 4月13日)
 一般にはあまり知られていないが、私立学校は、その自主性を尊重する観点から、公立学校を所管する教育委員会ではなく、都道府県の知事部局(例えば私学振興課や学事文書課等)の所管となっている。公立のように必要以上に型にはめては私学の創意工夫が発揮できないからだ。自主性は私学の生命線と言えるもので、昨年度、四十七都道府県で私学の自主性を守る体制が取られていた。
 しかし今年の四月一日、秋田県で私学の主管課が突然、知事部局(企画振興部学術振興課)から教育委員会総務課に変更された。この動きを事前に知った秋田県私立中学高等学校協会(江畠清治会長)は、再三、変更の理由を教委側に尋ねたが、説明は一切なし。そして折衝は時間切れ。四月に所管が変わってしまったのだ。何事につけても説明責任(アカウンタビリティー)を求められる現在。秋田県教委の姿勢は時代に逆行しているとしか言いようがない。
 そもそも秋田県教育委員会の“専横ぶり”にはあきれるばかりである。通常、生徒の受け入れや入試制度の変更などについては、私学関係者と教育委員会関係者で構成する「公私立高等学校協議会」で協議、協調を図ることになっているが、平成十三年度の県立高入学定員に関する協議では、私学側の質問にも高校教育課長らは顔を背けて一言も応答しない有り様。そればかりか「私学は公立学校の不足時に補完学校としてあるのみ」と発言する教委関係者もいるほどだ。平成十三年度の入学者選抜では教育委員会側は就学人口の減少を反映して二十学級減を公表していたが、終わってみれば県公立高で十三学級減にとどまり、中卒者の滅少のダメージは、県公立高校(全日制高校五十八校)が約二○%、私立高校(全五校)が約八○%を引き受けるという結果となっってしまった。私立高校にとっては、まさに学校存続の危機だが、こうした状況がここ数年続いているのだ。
 その一方で、教育委員会は県立中高一貫教育校設置の準備を着々と進めており、県民の子弟が通う私立高校については無視の姿勢をとり続けている。県教育委員会は平成十二年七月に「第五次秋田県高等学校総合整備計画」を策定したが、ここに私立高校の記載があるはずもなく、このままでは秋田県から私立高校がすべて消えてしまう事態となる。

中教審 奉仕活動に単位認定促す、入試反映も提言 
(毎日新聞 4月19日)
 中央教育審議会(鳥居泰彦会長)は18日、生徒・学生の「奉仕活動」を高校、大学の入試や企業の採用選考で積極的に評価するよう求める中間報告をまとめた。若者に奉仕活動を行うことを促す狙いで、高校、大学では卒業単位として認定することも提言した。
 ◇大学の改編自由化も 
 報告は、奉仕活動を「自分の時間を提供し、対価を目的とせず、自分を含め地域や社会のために役立つ活動」と定義。こうした活動に「踏み出すきっかけや後押し」する環境整備を提言した。 
 具体的には、各学校で校長を中心に奉仕活動を推進する体制をつくるよう提案。小中学校の総合的な学習の時間や特別活動の時間などを奉仕活動にあてるほか、高校ではガイドラインを策定したうえで、生徒の自主的な奉仕活動を積極的に単位認定するよう求めた。 
 高校入試では、調査書に奉仕活動の有無を記載する欄を設けたり、推薦入学で活動体験のリポートを提出させるなどして、奉仕体験を選考に反映させ、大学入試の論文試験も、高校時代に奉仕活動を行っていることを前提にした出題を交えるよう求めた。 
 大学でもボランティア講座などを開設し、奉仕活動を単位として認定するとともに、就職・採用で奉仕体験の実績を重視するため、企業や国の行政機関が学生の履歴書に奉仕活動の有無を記載する欄を設けるよう提言している。 
 また、中間報告は大学改革について、公私立大の学部、学科の新設や定員変更などを大幅に自由化することを求めた。社会の変化に対応して大学独自の組織改編をしやすくする狙い。国の規制によって大学の質を確保してきた従来の大学政策を転換するもので、大学間競争が一層加速することになる。 
 これまで公私立大の新設、改廃、定員の増減や学科の改編は国の許可・認可対象になっているが、こうした国の「事前チェック」を緩め、組織改編後に、第三者機関が教育研究が適格かどうかチェックし、結果を公表する。 
 大学の新設は従来通り認可対象とするが、既設の大学については、学生に与える学位の種類が変わらなければ、学部や大学院研究科の新設でも届け出で済むよう制度改正を求めた。 
 このほか、ビジネス分野などで高度な専門職業人を育成する「専門職大学院」の創設も盛り込んだ。金融や経営分野などの専門職業人の養成が目的。教員には相当数の実務家を採用し、学生は実習や討論など実践的な授業を受け、研究活動は行わない。修業年限は分野に応じて決め、修了者には修士や博士とは別の新たな学位を与える。 
[解説]
生徒・学生の奉仕活動、単位認定促す−−かけ離れる奉仕の原点 
 青少年の奉仕活動については、00年12月に、首相の私的諮問機関「教育改革国民会議」が「小中学校で2週間、高校で1カ月、共同生活などによる奉仕活動を行う」などと提言した。中教審はこれを受け、子供たちの間に奉仕活動を定着させるための条件整備に力点を置いて審議した。 
 しかし、奉仕活動を卒業単位に認定したり、入試などで評価するのは、子供たちを「エサ」で釣ることでもある。「対価を目的としない」という奉仕活動の定義と矛盾することは明らかだ。 
 準備なしに福祉施設などに子供たちを送り出せば、受け入れ先はかえって迷惑する。奉仕活動を推進する学校は、綿密な計画と子供への入念な事前教育が必要になる。しかし、多くの学校は生徒指導や部活指導などに時間をとられており、奉仕活動まで手の回る学校がどれだけあるかは疑問だ。

関連記事
学校と奉仕活動 受験とからめるのは安易(毎日新聞 4月20日)
 「自分の時間を提供し、対価を目的とせず、自分を含め地域や社会のために役立つ活動」中央教育審議会が18日にまとめた「青少年の奉仕・体験活動の推進方策」の中間報告は奉仕活動を、そう定義している。「できる限り幅広くとらえた」という。
 異論の少ない定義であろう。しかし、この視点から提案したはずの推進策は、定義とかなりずれがある。とりわけ、小・中・高校でのあり方で目立つ。
 自発性の尊重より、子供たちの参加の拡大を重視したせいだろう。森喜朗首相(当時)の私的諮問機関「教育改革国民会議」以来の画一的で、強制的な姿勢が伝わってくる。
 中間報告の核心は、「奉仕活動をどのように推進していくのか」である。現状を「ボランティア活動に興味・関心は持つものの、経験は少ない」と分析する。「もう一歩を踏み出すきっかけや後押しとなるような仕組みや、子供が参加しやすい環境を作ること」を求めている。
 問題は小・中・高校での具体策である。目を引くのは、高校、大学の入試で受験生のボランティア活動の実績を評価の対象にするよう提案していることだ。特に高校入試では「積極的に評価する工夫」を求めている。
 中学生や多くの高校生にとって入試は最大の関心事だ。受験とボランティア活動を結びつければ、参加の強い動機づけになり、活動に加わる生徒は増えるだろう。
 しかし、受験を有利にしようとの思いから、形式的な参加となる恐れが十分にある。それは、ボランティア活動で最も大事な自発性が薄れ、強制的な作用が働くことを意味する。
 さらに、受験での対価を求めた活動が出てくる。「自分の時間を提供し、対価を目的とせず」という定義と矛盾している。
 文部科学省は98年から、高校に校外での活動を単位認定する制度を設けている。しかし、参加は全国高校の2%にしか過ぎない。
 受験とボランティア活動をからめたのは、こうした現状を打ち破りたいからだろう。しかし、安易な発想ではないか。もっと工夫が必要だ。さらに、生徒の校外での活動を受け入れるには、地域社会の態勢が極めて不十分なことも考えねばならない。
 政府が児童、生徒の奉仕活動を積極的に打ち出してきたのは、教育改革国民会議の提言以来のこと。最初、義務化を掲げた。しかし、奉仕に義務化はなじまないとの批判が強く、00年12月の最終報告からは義務化の表現が消えた。
 文科省は、その後、国民会議が目指した路線で動く。昨年の通常国会で、奉仕活動の促進を盛り込んだ改正学校教育法を成立させている。中教審への推進策の諮問も、この路線に沿ったもので、中間報告の基調には、「公」が「個」に優先する姿勢が感じられる。
 ボランティア活動で優先すべきは、「個」の方である。「個」が尊重されない活動は、量が増えても、形だけのものになる。

早稲田大学 教育ボランティア:学生を小中学校に派遣 単位認定せず
(毎日新聞 4月22日)
 早稲田大学は教師を目指す学生を、東京都新宿区内の公立小中学校に派遣して、授業や部活動の指導を補助する「教育ボランティア」事業を5月から始める。中央教育審議会が、学生の奉仕活動の単位認定を提言する中間報告を出したが、同大では「本来の意味のボランティアでなくなる」と単位に認定しない。“代償”のない募集だが、同大は「学生は集まってくれると信じたい」と話している。
 同事業は、教育学部の教職課程を履修している学生が対象で、5月下旬までに約260人を募集する。区内の小学校30校、中学校13校に月〜金曜日の間で週1回程度派遣する。学生は、実際の教育現場を体験でき、同区側にとっても、子供への指導がよりこまやかなものにできるという期待がある。
 同様の制度では、八王子市内の5私立大学が、同市の呼びかけで市内の小中学校で授業を体験する「学校インターンシップ」制度があるが、同制度では単位認定している。
 準備を進める早大教育学部教職課程委員会(同学部教員など30人)では「単位認定すると、ボランティアの趣旨が変わってしまう」との意見で一致したという。
 教育学部の鈴木慎一教授は、「教師を目指す学生が人生選択をするうえでの重要な経験になる」と話している。 

私立校人気 理由は生活指導
(日経新聞 4月20日)
学校選択理由
都立高校 1位 学費が安い
       2位 通学の便がよい
       3位 男女共学だから
私立高校 1位 生活指導がキチンとしている
       2位 学習指導が充実
       3位 進学指導に実績がある
 東京都が昨年公表した「都立高校に関する都民意識調査」は、都民に都立・私立の選択理由を尋ねている。グラフは都立私立それぞれの上位三位(十二項目中)を示した。「生活指導がきちんとしている」は、私立では「学習指導の充実」「進学指導に実績」を抑えてトップなのに、都立では十位だった。
 私立人気の要因として進学指導や学習指導の実績をあげる人が多いが、実は生活活動面の評価も見逃せない。同調査では十七の具体的項目について都立高校の印象を聞いている。「生活指導が徹底している」という項目で、「そう思う」「多少そう思う」は合計七・九%で、全項目中最低。
 都立の公立中学教師からこんな話を聞いた。「私立人気というが、うちの中学では断然都立の人気が高い。都立の方が生活指導が厳しくないので自由な高校生活が送れると思っている生徒が多いから。」都立高校復権に課題は山積している。

国立大学協会 2004年度からの国立大法人化を了承
(日経新聞 4月19日)
 国立大学協会は19日臨時総会を開き、法人化の基本制度をまとめた文部科学省の最終報告を賛成多数で了承した。長尾真(京大学長)国大協会長は「今回まとまった法人像は21世紀の国際的競争環境下で国立大学の進むべき方向としておおむね同意できる」とのコメントを発表した。国立大は2004年をメドに法人化に向け改革に踏み出す。
 総会では地域間格差や現状での経営体力の格差などを巡り、地方大学から不安の声が多く出た。また、予算配分システムの根本ともなる各大学が策定した中期計画を「文部大臣が認可する」としている点について、大学自治の観点から疑問視する声もあった。
 競争原理の導入を評価し、賛成を表明する学長もいたが、意見を表明するのは反対する学長が多かった。このため、全会一致が原則の国大協としては異例の挙手裁決を実施、賛成多数で国立大学法人への移行を了承した。 

その他

高校生のバイト 8割がバイトし月収平均5万円
(毎日新聞)
 神奈川県川崎市の高校生の8割近くがアルバイトを経験し、平均5万円の月収を洋服や携帯電話に使っている――。同市川崎区の教育関係者らでつくる川崎区地域教育会議が行ったアンケートで、こんな実態が明らかになった。
 調査は、昨年12月に同区内の公立4高校(県立川崎、県立川崎南、県立大師、市立川崎)の生徒364人を対象に実施した。 
 それによると、アルバイト経験のある生徒は283人で全体の78%、その8割が平日に働いていた。アルバイト先は、複数回答でコンビニエンスストアが74人と最も多く、ファストフード店の62人、ファミリーレストランの39人が続く。1カ月のアルバイト日数の平均は14・3日。平均月収は約5万円だった。
 アルバイトの長所について、62%が「お金の重要性や使い方が学べる」と回答したが、使い道(複数回答)は「洋服」が158人、「携帯電話」が146人で、「学費、免許のための蓄え」は20人だった。51人が、「アルバイトのために遅刻や早退をしたことがある」と答え、39人が「成績が落ちた」と回答した。
 調査担当の宮越隆夫さん(54)は「高校生がフリーターとの中間的な存在になりつつあり、消費文化に振り回されている様子が分かった」と分析している。

入試問題に挑戦第40回

<問題>
 掲示板が等しい間かくで立っています。掲示板にはポスターを1枚はるタイプと2枚はるタイプがあります。掲示板に1枚のポスターをはるのに3分かかり、掲示板の立てられている場所から次の掲示板の場所まで移動するのに10分かかります。
 最初の掲示板にポスターをはり始めてから全部の掲示板にはり終わるまで、一人では2時間38分かかり、二人では2時間14分かかります。ただし、ポスターを2枚はるタイプの掲示板の場合には、掲示板に先についた人が2枚とも必ずはるものとし、掲示板が立てられている場所に二人が同時に着いたときには、どちらか一方の人がはり、もう一人は次の掲示板へ進むものとします。
 最後の掲示板はポスターを1枚はるタイプで、一人がはり終わると同時にもう一人が到着しました。このとき次の問いに答えなさい。

(1)すべての掲示板にポスターをもれなくはるには、ポスターは何枚必要でしょうか。

(2)ポスターを2枚はるタイプの掲示板が置かれている場所は何ヶ所ですか。

(02年東大寺学園)


入試問題に挑戦第39回解答編

<問題>

ある国語辞典では、次のようなきまりにしたがって見出し語をならべています。

@     見出し語をかな書きにして、あいうえお順(五十音順)にならべる。

A     一字めが同じ発音の場合は二字めで、二字めも同じ場合は三字めで決めるというふうに、五十音順にならべる。

B     濁音の「ば」「ぶ」「ぼ」などは清音の「は」「ふ」「ほ」のあとに、半濁音の「ぱ」「ぷ」「ぽ」などは濁音のあとにならべる。

C     拗音の「ゃ」「ゅ」「ょ」や促音の「っ」などのような小さい文字で書くかなは、ふつうの「や」「ゆ」「よ」や「つ」のあとにならべる。

D     のばす音(長音)をふくむ言葉は、たとえば「コーヒー」を「コオヒイ」と考えるように、その上の母音をくり返した形におきかえてならべる。

E     見出し文が同じ発音の場合は、ひらがなを先に、カタカナをあとにならべる。

F     見出し語の読みが全く同じ場合は、あてはまる漢字の一字めの画数が少ない方から順にならべる。漢字の一字めの画数が同じ場合は二字めで、二字めも同じ場合は三字めで決めるというふうに、画数の少ない順にならべる。

問 次の1〜5の語群の言葉を、右のきまりにしたがって、それぞれならべかえて記号で答えなさい。

1 ア 不安     イ ファンファーレ  ウ ファミコン

2 ア  ( ひょう )       イ 美容       ウ 費用

3 ア しょっぱい  イ 食器       ウ しょっちゅう 

4 ア ヒント    イ びんづめ     ウ ピンセット

5 ア 成果     イ 正価       ウ  生花 ( せいか )  

2002年度 聖光学院 一次 より)

<解説>

国語辞典を使った学習ができているか、条件に従って整理できるか、そんな「国語」以上の能力を測定するような問題です。単純に、Bの条件だけにしたがって4を解くとむちゃくちゃになりますね。つまり、「並べかえ」とはいうものの、単なる整理ではなく、辞書に載っている順という「条件整理」ということです。辞書に載っていることを想定して解く必要があります。たとえば、問題には書いていませんが、ピンセットの前後の言葉を思いうかべてみましょう。「ひんしつ」→「ピンセット」→「ひんそう」などの並びがあって、三文字目の「サ行」→「タ行」への移行があるということです。決して一文字目の「ひ」「び」「ぴ」の順番で決まるわけではないですね。国語辞典によって、語のでてくる順序やルールは若干の違いがあるわけですが、国語辞典を使ったことがあるか、その経験値が正解を出す正確さと安定感を生みます。5には画数の問題なども潜ませていて、作問者のセンスの良さが光る良問と言えましょう。

<解答>

1 ウアイ  2 ウアイ  3 イウア  4 ウイア  5 ウイア