NO.276
2008年 6月 5日
アクセス教育情報センター
目次
学校情報 |
学校情報 | 学校情報 | 教育情報 | その他 |
浅野中 | 共立第二 | 東京農大一中 | 大学での補習 | 名言・迷言・冥言 |
学校情報
浅野中 教育懇談会要旨(08年4月26日)
淡路校長先生
説明に熱の入る淡路先生
親は子どもに何とか勉強させたいと思っているが、やらせる方法はない。子どもが自分で目標を持てばやる。そのためには、勉強したらこうなるよではなく、君は何をやりたいのかを問う。最初は答えがないが、徐々に出来てくる。
文系に進むか、理系に進むかという場合、科目の得意不得意で決めるものではない。
いろいろな生徒を一緒にするとお互いに刺激し合う。似たような生徒を集めた方が効率的かというとそうとも限らない。何がプラスに作用するかわからない。
一人部屋に閉じこめておくより、いろいろな人と交流した方がよい。
自主性を認めていると応用のきく子になる。管理が強いとやれと言われたことだけはやる子になる。かといって放すだけではだめ。バランスが大事。いわば母性と父性のバランスが大事。
授業の中で生徒が何をキャッチするかわからない。生徒に授業を聞いて何に気がついたかを書いてもらうと、自分の意図したのと全く違う受け止め方をしている生徒もいる。
今年の入試(2月3日)は大雪だった。受験生には必ず入試をやるから何があっても学校に来てくださいとホームページ等を通じて案内。保護者や受験生の協力で予定通りに入試が実施できた。中2の生徒が入試の手伝いをしているが、校門担当の生徒が「すべらないように気をつけてください」と言うのはまずいから何と言えばいいですかと相談される。「足元にご注意ください」と言ってあげればと答えたが、受験生の立場に配慮できる生徒のセンスはうれしい。その上に教科の知識を身につけていって欲しい。
中1、中2に「何で勉強しているの」と聞くと「テストで点数を取るため」と答える。高校生でも、○○大学に行きたいけれど不得意科目があって厳しそうですと言う生徒がいる。
点数のよい生徒は頭がよくて点数の悪い自分は頭が悪いからだとか、自分ができないのはこの教科は不得意だからと思いこんでしまう。生徒の成績を見ていると、中1、中2は8、9の評価が多い。中3、高1になると5、6、7が多くなる。これは家庭での学習時間の差。家庭での学習時間が取れている生徒は点数が取れる。勉強(復習)にやりすぎるということはない。
テスト対策といって1週間前から勉強を始める。それで60〜70点取れればたいしたもの。普段の時間の使い方を工夫して、30分を作り出して、あと30分学習時間を増やすようにと言っている。生徒の中には、朝、早く来て自習している生徒もいる。
学習時間をかけている生徒はちゃんと点数が取れている。点数が取れないというのは、不得意や能力がないわけではない。時間が足りないだけ。
わからないところをわかるようにするのが勉強。
生徒指導に際して、育ち方や家庭環境がそれぞれ違う生徒が集まって来ているのだから、問題が起こるのは当たり前という意識でいる。
子供達は、なぜ勉強できないのとか、あなたはダメねと親や周りから痛めつけられている。
なぜ大丈夫よと抱えてあげないのか。お母さん方は自分の肌には気を使うが、子どもの心がカサカサになっているのに気がつかない。子どもだって、くつろげる、楽しいわが家に帰りたい。それが、帰ったとたん、今日の勉強はどうだった、早く食べて勉強を始めなさいと言われたら帰るのが辛くなってしまう。子どもを片目で見てあげてください。両方の目で見るといろいろと見えすぎてしまう。全く見ていない親もいるが。
子どもをどう育てるのかにマニュアルはない。マニュアルはないが基準はある。
同じ話でも注意と対話では受け止め方が違う。注意は右から左に抜けてしまう。
生徒指導も、生徒の心に残る話ができたときに初めて指導になる。
勉強は机に向かっているだけが勉強ではなく、人との付き合い、集団生活も勉強の場。
学校の勉強は80%できればよい。100点を取らせようとするから大変。
50点でも、よかったねと言ってあげる。80点なら、素晴らしいねと言ってあげればよい。ちょっとした対話の中にきっかけになることはたくさんある。
生活体験の中で育てて欲しい。知識として覚えるのではなく、体で習得したものは消えない。何も考えていない者に答えをすぐに伝えてもすぐに忘れる。
まず、君はどう思うの、どう考えるのを聞く。それに対して考えがまとまるようになると自信が出てくる。そうすれば意見が言えるようになる。たくさんの知識はあるが、人の前で意見の言えない子が増えている。
AO入試が出てきたのも、教科の点数だけでは大学が望む生徒が採れないから。自己主張、自己表現できる生徒が欲しい。
教員採用をしていても自己主張できる人が少ない。何十年か後に、あの時、この先生を採用しておいてくれてよかったと言われるような人を採用したいと思っている。そう思うとなかなかこの人ならという人がいない。
生徒を育てるには家庭の協力が必要。小学校のときからの家庭と子どもとの関わりも含めて。入試はそこまでの学習到達度のチェックでしかない。
入試問題は各学校とも難問が少なくなってきた。
60〜70%の平均点が出る問題でないと、受験生の力がわからない。
国語・・自分の意見が表示できる問題を入れるように指示している。自分の意見と言っても12才の言葉でよい。
算数・・計算力が落ちている。手を動かすことが大事。
理科・社会・・生活の中から出題するようにしている。
生活の自己管理ができる子は勉強の自己管理もできる。
親の対応はその逆になっている。親が全部してあげる。
落とし物があっても自分が落としたのかがわからない。
生活力のある子は勉強のしかたも工夫している。生活力があるということは、自主性、主体性、積極性が身についている。
普段、積極的に育てているか、消極的に育てているかが関わってくる。
子どもは体験して身につけたことは忘れない。知恵となっている。
生活体験の差は普段の生活の中でついてしまう。
何でもしてあげるのではなく、壁を作ることも大事。それを乗り越えることが自信やたくましさにつながっていく。何かを聞くと、すぐ「わかんない」と答える子は、そういう育てられ方をしている。
中学入試には12才の葛藤がある。
思春期の子どもとの対応は凧あげと同じで、糸をひいたり、ゆるめたりのタイミングが問われる。
ご自分の子どもを見た上で、学校の生徒に対する接し方をよく見て学校を選ばれたらよい。
=5月17日から22日の春の学校説明会に、2900名を超える申し込みがあり、2800名が参加。5月20日は台風の影響下にもかかわらず、500名の申込者のうち350名が参加される。当日、参加できなかった人も他日に振り替えて参加されたとのこと。=
http://www.asano.ed.jp/
海陽学園 体験入学
日程 1回 8月2日(土)〜3日(日)
2回 8月5日(火)〜6日(水)
3回 8月9日(土)〜10日(日)
対象 小学校6年生
申込 6月3日より受け付け(海陽学園入学試験関連ウェブサイトにて)
参加費 10,000円
1日目午後、もしくは2日目午前にハウスマスター・教員と保護者との個別懇談の時間あり。
校内施設の見学も可能。
http://www.kaiyo.ac.jp/
城北中 塾対象説明会報告(08年5月29日)
1) 校長挨拶 帖佐先生
先日、新入生がオリエンテーション3泊4日で長野県の山荘に行ってきた。これは大切な行事で、第2の入試と位置づけている。この山荘は7月には中2が夏期林間で使い、高3は勉強会でかんづめになる。
このオリエンテーションでは、1年生に、まず、自分の居場所を作り、友人を作ること、そしてなにより学習に遅れないようにすることと話す。
今年2月1・2・4日の3回入試において、2日は、御三家や筑駒との併願が大変多い中、150名定員に215名手続きし、175名が入学した。補欠繰り上げはなしだった。大変歩留りが高く、激戦であったが、一定の成果を得られた。
また、今春の大学受験にあって、2月1日入試での入学生は、2月2日入試からの入学生と比べて国立・私立大とも遜色なく健闘したが、2日生は苦戦した。
来年度入試は、変更なし。募集計画をおくれることなく、2010年に向けて、現在入試改革に取り組んでいる。
高校入試について、今後とも配点などきめ細かく配慮していく。
城北中の沿革について。旧制城北中は、府立四中との云々・・・いつもの決まった話。・・・マナー、モラルも育てていきたい。本校の目的は、人間形成と大学進学である。生徒には、何か一つ達成感をもたせて、人間形成を果たしたい。教職員一丸となって、生徒の夢の希望にこたえたい。
2) 各教科の出題の基本的な考え方。 各科主任
1.国語科主任・松井先生
昨年度と同レベル・形式レベルも変化なし。
配点を参考にしてほしい。文学的文章40点、説明的文章40点、言葉に関する問題10点と漢字が10点。
オーソドックスな対策で充分。合格者平均70点、受験者平均60点で、差が10点くらいつくのが例年通り。全般的に合格者はよくできている。不合格者は全体的にできていない。総合的に対策をたててほしい。特別な対策はいらない。
高校入試では、古文が差がつき、合否の決め手になる。オーソドックスな勉強の中にプラス古文をやってほしい。重要古語を覚えるとか。
2.数学科主任・鳥井先生
従来通りのパターンを引き継ぐ。出題傾向、問題数、揉んだ院p配列、平面図形または空間図形等。
1回目は、塾のテキスト、参考書に必ずあるような例題を取り上げる。
2回目は、上位校との併願を意識し、難しい。
3回目は、問題のレンジ幅が一番大きい。
正答率ひとけたの問題は今後も引き継ぐ。
約分のし忘れは半分の得点を与えている。
2回目・3回目の図を描かせたり、グラフをかかせたりする問題は、今後も部分点を与える。
多少、平均点のゆりもどしがあるかもしれないが、適切な作問に心がけたい。
3.英語科主任
4.理科主任・高橋先生
配点は物20・化20・生15・地15の計70点満点。
毎年の内容に変わらず。基本+α、少し手ごたえのある問題を出す。
問題集によくある問題を出す。突飛なものはなし。
実験・観察を扱ったところに力点を置いて演習対応してほしい。
触れて確かめて気付くような力をみたいと思っている。
例えば、最近話題の硫化水素。教科書には腐った卵のにおい、と書かれているが、腐った卵のにおいを嗅いだ生徒はいない。しかし、実際に嗅いでみれば、大方、温泉のにおい、と答えが返ってくる。
実体験で得られることを重視して取り組めば対策になる。
あと、例年のお絵描き問題も出す。その辺にあるもの、犬とか。草花についても同じ、雑草ではなく。具体的に名前の出るもの、オオバコ、タンポポetc・・・
いわゆる練習していればできるはずのものができていない。練習問題+αで充分。
5.社会科 田中先生(女性)
地25・歴25・公20の計70点で昨年と同様。
正答率は各分野とも6〜7割。地・歴の用語は漢字で書いて欲しい。ごく基本的なものを出す。漢字が書けない。地理ではカタカナがあるが、ツかシか区別できない。区別できる文字を書くよう指導してほしい。
数社の塾テキストの内容を参考にしている。ニュース・新聞・日頃から気をつけて頂く習慣がほしい。
歴史で、その年の発見・発掘も大事だが、その時代背景、流れを勉強してほしい。
3) 08年大学入試結果(抜粋)(4月15日現在)
東大 一橋 東工大 北大 千葉 東医歯 東北 京都 首都 横国 国公立計
総数 12 12 16 1 4 1 5 3 8 11 109
現役 8 6 7 1 3 0 2 1 5 4 54
早大 慶大 上智 明治 青山 立教 中央 法政 理科大 ICU 学習院 成蹊
総数 121 94 24 97 12 34 58 28 122 3 14 14
現役 56 44 7 31 9 12 23 12 66 1 8 8
1.国公立大
東大12名で現役は8名合格。昨年より5人減。
東工大昨年より2人減、一橋昨年より2人減、京大昨年同数、横国11名、首都大8名、東北大5名。
全体で昨年より減少、東工大、一橋の現役生は健闘。文系は1クラスしかなくもともと受験者が少なかったが、全体としても昨年より1クラス少なかったにもかかわらずこの数は健闘している。ちなみに東工大は全国3位、一橋大は6位であった。
2.東大への一極集中が進んでいる。関西からの東大受験進出、後期入試三分の一減がひびいた。
3.首都圏の私立が全体的に国公立の合格者を減らしている状況の中で同じ傾向にある。
私立・理科大増加はセンター模試との今年からの併用が本校生に有利にはたらいた。早稲田、慶応、明治…
マーチクラスの減少はセンター模試との併用で受験した実人数が少なかったから。その上を狙う生徒が増えたこともある。
4.国立医学部が増えた。
私立医学部と浪人生も含め、複数合格しているのが特徴といえる。
5.指定校推薦は33大学に90名の枠を持っている。
うち早大6人、北里医科大2人と全員合格している。
安易に頼らず、自分の実力を信じて力強く受験をしていくようにと指導している。
6.進路指導・・一人一人が希望する大学に進学できるようさまざまな取り組みを行っている。六年間を三期(基礎期、錬成期、習熟期)に分けて指導している。
7.外部模試について
昨年から中1、中2からも受けさせることになった。
少しでも早く校外の実力を知らせる必要もある。
8.夏期講習について
大学別の名前をコース名につけてクラス編成したりしている。医学部コースとか。
9.センター試験のあとは、国立二次試験対策など、とれるようにきめ細かくしている。
あくまで第一志望に合格させるのが本校の主眼になっている。
10.中学からの生徒で現役合格率70%、高校からの生徒では65%。
11.入りたいという大学を受けさせている。
面倒見がいいだけでなくて、クラブ活動と勉学を高い次元でやらせる。難関国立大合格者は全員クラブを一生懸命やっていた。半分は運動部(サッカーなど)であった。文化部も全国的に活躍しており、囲碁将棋部は全国大会優勝もしている。
4) 09年度募集について・教頭笹川先生
09年度募集について現在改革中である。今年度は、2月2日入試では補欠合格者0であった。昨年度は18名であった。
第3回も大変厳しい入試となった。募集30名に対し合格31名となった(補欠について発表していない。高校は補欠を発表している。)。
複数回受験した受験生で、3回または2回受験し、ボーダーだった受験生14名を正規合格者として発表した。
09年度入試について変更は一切なし。もちろん足切りもなし。
(報告 GK.Wa)
http://johoku.ac.jp/
藤嶺藤沢 塾対象説明会報告
1) 学校長挨拶 濱谷先生
中学校の方は8期生を迎えました。そして2年目の卒業生を輩出しています。その結果を進路指導部としてどう捉えているのか。そして反省点としてどういうことが挙げられるのか、このことも今日はどこかで話をしようと思っています。八年を迎えたことで、学校の内容部分の改革も推し進めていきたいと思っています。
従来、校長が一人、そして教頭一人という体制でしたが、今年度は教頭を二人体制という形にしました。カリキュラムは中高一体ですが、現場あるいは生徒の掌握、しっかりとした責任体制を取って中学校の生徒、高等学校の生徒をきちんと指導していくことで二人教頭体制にしました。中学校の教頭を小林、高等学校の教頭を松井とし、入試広報部長を広瀬とし中高を統括しています。そして中学校の入試委員長として林、高等学校入試委員長を荒、進路指導進学指導を香西とし、責任をしっかりと内部の中で明確にした形の態勢を今年度から作り上げています。
神奈川県では中等教育学校が来年度から2校開校します。そのうち1校が平塚に開校します。さらに、近くにある私学が中学校を開設していきます。湘南地区はかなりの混戦が予想されます。藤嶺は93年の歴史、伝統を持っています。しかしその伝統がなかなかうまく利用できない部分もあり、いろんな部分で制度疲労も出てきております。学校を作り替えることによって、いままで藤嶺が担ってきた運動部も弱くなってきているという部分も見え隠れしています。これも変革していくなかでの過渡期の表れであるということでOB等に理解してもらい、藤嶺藤沢としては規律ある進学校をしっかりと目指しています。しかしながらまだまだ充分な結果が出てきていません。私の言う結果というのは進学実績ということに相成ってくるわけであります。お預けになった保護者の方たちも結果への期待を持っていることはすべての教職員が真摯に受け止めているところであります。
本日は私が日頃考えていることをお話申し上げて藤嶺藤沢の方向性という風にご理解いただきたいと思います。
一貫生が957名。在校生の約7割の人数を一貫生が占めることになってきました。その中で生徒達に求めているのは、基礎基本をしっかり身につけることです。そのために、自分自身でしっかりと学ぶことができる生徒の育成というのが中1中2の基礎期の内容です。ロッカーには鍵をつけない、あるいは自分たちの教室はしっかりと清掃し、きれいな環境のもとで学ぶ。そのためには通学バッグはしっかりと机の足元に置きなさいとか、勉強をするための習慣作りというものを徹底しています。学年が上がることによってその習性が崩れていくことも事実であります。どうして学年が上がっていくことによって1・2年生で指導してきた生活習慣が崩れていくのか考えてみますと、動機付けが充分にできていないのではないかという風に推測しています。歴史を見ていきますと勉強指導の中で学校が教育の義務化というものを行ってきました。将来のために良い大学に行くんだという受験戦争の時代もございました。こういう事態が1980年代の後半に変わっていく。それは大学全入ということが叫ばれるようになってからだと思います。80年代までの外発的な動機付けによって学校というもの、あるいは生徒というものが勉強に向いていったのだろう。しかし80年代後半からは個人主義の流れが出てきたように思います。全国生活指導研究協議会という全国組織の生活指導の会議の中で、授業が危なくなってくるという提言が既に80年代の後半からされていたようです。集団主義から個人主義への社会的な変化、あるいは消費社会が生まれてきた。その移る過程の中で社会の中で起きた部分が学校の中でもクラスの中でも同時に起きてきたということで授業崩壊という言葉も盛んに90年代から使われるようになりました。外発的な動機付けで私たちも確かに生徒指導して参りました。今の生徒を見ていますとその外発的な動機だけでは指導ができ得ない状況へとなってきていると私は全体の中で感じています。外発的な動機付けだけでは彼らは勉強の方に向いていかない。内発的な動機付けが必要になってきているのだなと感じています。まさしく内発的な指導を今学校が本当に模索していると私自身校長としても感じることであります。外発的な動機付けとしての特進コースや理数コースや英語コースというように様々なコースに、自分がそこに内発的な動機付けを求めて大学進学実績を上げていこうという取り組みが一つの流れだという風に感じています。
しかし、それが果たして私立学校には良いのかと自問自答しますと適正ではないんだという風に気がついているところであります。サービス業を中心とした付加価値が求められる知識産業社会へと移行してきているわけです。社会人といえば人との関係を作るコミュニケーション能力、協調性が必要である。課題を見つけ取り組む実行力、あるいは創造力も求められる。責任感、積極性、あるいは柔軟性、こういうものが今、社会人になるための基礎素養として要求されている。中学高校の6カ年教育の中で、こういうコミュニケーション能力、協調性、実行力、創造力、責任感、柔軟性というのを上げていかなければならない。本校もまさしくそういうプログラムを組んでいるわけであります。茶道教育を6年間続けていく。あるいは剣道を中心とした武道、礼儀作法のしつけをしていく。高等学校に入ってくれば僧侶を招いての修養の時間を作っている。それはまさしく人を信頼すること、目上の人を尊敬するということ、こういう基本的なことを修養の時間の中で身につけさせていく。その根底にあるのは耐性、がまんをするということ。これですべて決まってくるのだということです。社会が求めている社会人の基礎素養というのは、耐性力であろう、がまんをする力をまず我々がやっていかなければいけない。それが基礎となり、大学進学実績としてもより飛躍的に伸びていくのだろうと思い、中高一貫の中でこれらを柱とした形で生徒たちに手を施しているわけであります。精神修行という時間を通じて社会人の基礎となるものをしっかりと身につけさせていこうと考えています。
そして今後は、そうしたプログラムをやることだけではなく、学科教育、国語、数学、社会、理科・・・9教科との連動性がこれから益々本校にも求められていくと思っています。茶道経験、剣道経験、あるいは修養で学んできた耐性力、がまん力というのが学科教育の中にどういう相乗効果を作り上げていくのか。「そんなのやっているよ」では、それだけやっていればよいと考えてしまいますので、生徒達の内発的な動機付けというには薄い。学科教育までにもその影響を与えながら、相乗効果を作りながら、耐性力というものを鍛錬していくのが私ども私立学校に求められていると言うよりも私立学校が公教育よりも先にそれをカリキュラムの中に反映していく。これが私教育に期待されているものと私は感じています。
藤嶺藤沢は今後、学科教科との連動性を行っていくプログラムを約束し、連動するまでの協調性、創造性を指導していく。それが進学実績に結びついていくことと考えています。これからの社会人基礎力を充分につけていきながら高い進学実績を求め、そして次世代に役立つリーダーシップが取れる、打たれ強いタフネスさを持った知恵を堅実に養成していきたいと考えています。これが藤嶺藤沢が求めていく方向性であります。
2) 08年度中学入試結果報告および09年度入試概要説明 中学入試委員長 林先生
08年度入試は8回目の入試となりました。いままでは本校の教育方針や取り組み、内容をお話しする説明会を経て入試を行ってましたが、今年度は一期生が卒業しましたので、一期生の大学進学結果を含めて説明会を行ってきた点が今までとの違う入試でした。現在の中学2年生が4クラス募集のところ5クラスでスタートした関係でキャパシティの限られている構造上、今年の中1は4クラスで納めなければいけないという入試でした。受験志願者数は順調に増えてきております。特に08年度入試において、1回目2回目の入試で男子の志願者数が増えてきている学校は、桐光学園の男子と浅野中と本校の3校だけでした。1日の入試に関しては昨年比受験者数36名増加。2日の入試では16名の増加。志願者が増えてきている分、合否判定は少し厳しめにならざるを得なかった。ただし、1日の入試に関しては前年度と同数の74名の合格者数。ただ2日の入試では昨年40名募集のところ50数名の入学がありましたので、今年度入試では合格者数を昨年より33名減らした発表数となり倍率が0.8ポイント上がました。1日入試も受験者数が増えたけれども合格者数は同じと言うことで2科目3.5ポイント、4科目0.4ポイントと倍率が上がりました。ただ、男子受験生は上位の学校に関しても割と収まるところに収まったと言えるでしょう。入りやすいとは言えませんが、男子校で昨年より応募者が増えた学校が少なかったことは、07年度に比べればおそらく合格しやすかったと思います。入学率は07年には1日では70%あったのが、08年では63%と下がりました。2日目の入試でも入学率は下がり、最終的には12名の追加合格を出し140名の募集定員に対して143名の入学者となりました。今年は12歳の児童数が少なかったことと共学校が志願者を増やしてたことで、男子受験生が流れてしまったのではないかと感じています。1日2.5倍、2日が2.9倍と倍率が3倍を切っているので、本校の志願度合いが高い受験生には1日から受験して欲しいと思っています。今年度入試の総合格者数は274名。07年度で21名、08年度で11名を各入試の得点の良い部分を取り出して判定する合格を出しました。追加合格に関しましては、複数回受験者でなおかつ4回目の入試まで受験している生徒を条件に12名を対象としました。
入学者の住居分布は、神奈川の東側部分に集中しています。入学者へのアンケートによると、併願校として挙がる学校は、鎌倉学園の175名、逗子開成の168名、横浜中の89名が上位を占めている。
※08年度入試は志願者総数1193名、受験者総数821名、志願者実数515名、受験者実数463名、合格者総数274名。実質倍率1.69倍。
次年度入試に関して、いままで午前入試に関しては2科・4科の選択入試を行ってきましたが、近年、2科受験生からの合格が極めて少なくなって参りました。本校でも2科入試の役割も一区切りついたのだろうと考えています。以前よりお知らせしてきた通り、来年度入試では午前入試(1日、4日、5日)の2科受験を廃止します。午後入試に関しましては今まで通り2科入試です。1月の出願期間を通常受付と呼んでおりますが、1月30日まで毎日出願を受け付けてきましたが、1月の前半と後半の2回に分けて出願を受付するように変更します。また、入学手続きを1日、2日、4日の入試に関しては2月5日15時まで。5日の入試は6日の15時までに一次手続きをすることになっておりますが、二次手続きの締め切りに関して2月12日15時とします。
3) 09年度高校募集の変更点について 高校入試委員長 荒先生
高校入試の部分は割愛させていただきます。
4) 進路指導および大学入試結果について 進路指導主任 香西先生
卒業生数 179名(271) ( )内は昨年の数字
合格者総数 424名(513)
現役合格者総数 318名(406)
現役合格者実数 144名(193)
推薦入試合格者 31名( 44)
センター利用 58名( 71)
国公立合格者数 12名( 9)
早・慶・上智合格 7名( 7)
GMARCH
+理科大合格 57名( 59)
合格者総数424名、昨年数513より減少していますが、卒業生数が271名→179名と約100名少ない状況での数字です。その中で現役合格者実数144名。179名の中で144名となかなか健闘していると思います。推薦入試ですが、AO入試で23名、指定校推薦が5名あり、指定校を利用する生徒が少ない。横浜市大、中央大、明治大、法政大、理科大…とありますが、法政と理科大の指定校推薦枠は使っていない状況です。本校の生徒は指定校を使う生徒が少ないというのも特徴です。理科大は一昨年も使用していません。国公立は昨年を超えて二桁出したいという目標を達成できました。
一貫生77名のうち、現役合格者数62名。国公立4名、早慶上2名、MARCH+理22名と36.4%を占める結果になりました。絶対数は少ないですが、指標とされるMARCH+理だけでも28.6%という結果には、6年前、この二期生たちは偏差値39からのスタートでしたので、本当に良くやってくれたと思います。
理数、T類、U類と学校全体としてもMARCH以上に合格するのは19%となりましたが、今後、一貫が中心になっていくのを考えるとさらに伸びていくことと思います。今後は国公立、早慶上への合格者を増やして、近いうちに東大、一橋を常にねらえる学校にしていきたいと思っています。
藤嶺藤沢の進路指導ではすべての進路イベントを独自(自校の教員)で行っています。
職業講演会(中学2年3学期)
OBによる進学講演会(高校1・2年3学期)
大学キャンパス見学会(高校2年1学期)
大学出張講義(高校2年2学期)
勉強合宿(中3・高校1・2年)
補完授業(中・高)
などがあります。その中でも特徴的なのは、職業講演会があります。中学2年3学期に行われるもので、キャリア教育の一環として中学のうちに職業の意識付けをしていき、中学のうちにどんな勉強をしていったらいいのかとか部活も大切なんだよとか、保護者の方に語ってもらうというパネルディスカッション方式で行うユニークなものです。他には勉強合宿があります。中学3年生は全員必修、高校生は希望制。高校受験はなくても学習に取り組む緊張感を与えます。高校では全コースで合宿が行われます。そのほかには補完授業。中学校では、基礎補習(全学年)と発展学習(中3のみ)が用意されています。テストでふるわなかった生徒は基礎補習を、さらに理解を深めたい生徒は発展補習を選んで参加しています。高校生は学年を前後期に分け、補習を実施しています。主要5教科から選択でき難関大学を目指す生徒から苦手科目の克服を課題とする生徒まで、きめ細かく柔軟に対応しています。また、夏休みには夏季補講を開講しており、多数の生徒が受講しています。
5) 09年度生徒募集要項(予定)
第1回 2月1日 50名 4科目入試
第2回 2月2日午後 40名 2科目入試
第3回 2月4日 30名 4科目入試
第4回 2月5日 20名 4科目入試
※09年より第1回、3回、4回の2科目入試の廃止
※11年入試より
@第2回の午後入試を午前入試に
A2月4日入試の廃止で3回入試に
B当日出願受付を2月5日入試のみに
オープンスクール(授業体験)
日時 6月21日(土)
対象 小学6年生
内容 剣道、茶道、コンピュータ、数学講座、理科実験、英会話から3つを組み合わせたA〜Fのコースに分かれて実施。
各コース定員25名。
申込 5月31日(土)から開始。
(報告 A.Sg)
http://www.int-acc.or.jp/fujisawa/
大妻多摩 08年大学入試結果(抜粋)(5月28日現在)
国公立計
現役 10
早大 慶大 上智 明治 青山 立教 中央 法政 理科大 成蹊 日大 東女 日女 大妻
現役 20 9 8 15 19 21 14 18 3 8 22 7 22 11
卒業生115名に対する東大、早慶上への現役合格者数の割合(A率)は32.2%
MARCHへの現役合格者の割合(B率)は75.7%
国公立への現役合格者の割合(K率)は8.7%
5年間のA率推移は 45.1%−19.5%−17.2%−48.4%−32.2%
5年間のB率推移は 57.8%−37.4%−73.3%−91.1%−75.7%
5年間のK率推移は 9.8%−11.4%−11.2%−10.5%− 8.7%
http://www.otsuma-tama.ed.jp/
共立第二 塾対象説明会概要(08年5月15日 三校合同説明会より)
本校は明治19年に設立し、建学の精神である「女性の自立」、そして校訓である「誠実・勤勉・友愛」を基に、高い品格を備えた女性の育成を目標としている。入学者が共立女子第二中学校中でのびのびと学んでいって欲しいと思う。
入試広報より
今年度の大学入試に関しては、内部進学が半分以上だが、外部も4割近くいる。しかし、昨年のこの時期に実績に期待して欲しいと言っていたのだが、少々残念な結果となった。こうした流れをたつべく、優秀な生徒をとる方向で現在も動いている。今年度は、出願者はほぼ例年通りであったのに対して、入学手続き者は151名と昨年193名の手続き者から減少してしまった。来年度はテストの日程を変更し、入学者を増やした上で、さらに優秀な生徒をとりたいと考えている。3回入試を廃止し、2回午後入試を新設する。 受験科目は、国語と算数の2科目で難易度はほぼ同じにする予定で入試対策は過去問で十分可能な範囲。1回PM入試は例年通り、得意な1科目で入試を行う。しかし、2009年入試でもこれを続けるかどうかは今のところ未定である。
全体の傾向として、これまで通り上位校受験の生徒の併願校として優秀な生徒を集めていく方針。また、インターネットを大いに活用して、学校情報などは、ホームページから全てを発信していく予定。とても力を入れているので、是非、ホームページを一度見て欲しい。これを見れば共立女子第二中学校のことがよくわかると思う。
〈参考〉大学進学データ(進路概要2008)
進路 人数 割合
外部大学 81 38%
外部短期大学 11 5%
共立女子大学 88 41%
共立女子短大 15 7%
専門学校 5 2%
進学準備・他 14 7%
卒業生総数 214
(報告 G.Ta)
http://www.kyoritsu-wu.ac.jp/nichukou/
横浜雙葉 学校行事日程
全ての公開行事は往復ハガキでの事前予約が必要。記入例の詳細はホームページを参照。
1) 学校説明会・・申込は開催日の1ヶ月前から1週間前まで。
第1回 6月24日(金) 10:00〜11:30 保護者対象
第2回 9月30日(火) 10:00〜11:30 保護者対象
第3回 11月 1日(土) 10:00〜11:30 保護者、小学生対象
14:00〜15:30 保護者、小学生対象
午前、午後とも小6対象のプログラムあり
2)オープンキャンパス
7月18日(金) 13:30〜16:30 小学生とその保護者対象
3)雙葉祭 入試相談コーナーあり
10月18日(土) 10:00〜16:00
10月19日(日) 9:00〜16:00
4)土曜日学校案内
9月20日、10月11日、11月29日、12月6日、12月13日
各日とも、1回目9:00〜10:30、2回目10:00〜11:30、3回目11:00〜12:30
受験希望の小6とそのご家族対象。
原則として一人1回の参加。
予約の際は希望の日程と時間を第五希望まで記入。
土曜日学校案内に参加の際は上履き持参。
http://www.yokohamafutaba.ed.jp/chuko/index2.html
公文国際 08年大学入試結果(抜粋)(4月12日現在)
東大 一橋 東工大 北大 千葉 東医歯 東外語 お茶水 京都 首都 横国 国公立計
総数 11 6 1 1 3 1 3 1 2 1 5 52
現役 7 5 1 1 1 1 3 1 1 1 4 38
早大 慶大 上智 明治 青山 立教 中央 法政 理科大 ICU 東女 日女
総数 50 44 18 21 16 28 31 9 24 4 6 7
現役 32 34 14 16 12 24 24 7 22 4 4 4
卒業生165名に対する東大、早慶上への現役合格者数の割合(A率)は52.7%。
MARCHへの現役合格者の割合(B率)は50.3%。
国公立の現役合格者数の割合(K率)は23.0%。
5年間のA率推移は44.9%−61.8%−40.5%−64.5%−52.7%
5年間のB率推移は38.9%−60.6%−26.4%−67.1%−50.3%
5年間のK率推移は20.3%−14.5%−24.1%−21.5%−23.0%
http://www.kumon.ac.jp/k-gakuen/kokusai/
工学院大学附属 塾対象説明会概要(08年5月15日 三校合同説明会より)
太田校長
宮城教育大学から、工学院を何とかしてくれと頼まれ呼ばれてきた。しかし、それは非常に難しく体力も必要なので、最初は断った。それでも頼まれたので、大学に辞表を出し、こちらに来た。着任してすぐは、前任の校長の5か年計画があったり、教職員達との意思疎通を図ることにとても苦労をしたが、ようやく今は色々な意味での下地もでき、これからが本番。まずは内容の充実。具体的には、生徒達の家庭学習の定着。どんなにすばらしい授業をし、いくら7時間目をつくり補習をしても、家に帰ってからその内容を自分で再構築しなければ全く意味がない。PDCA(Plan・Do・Check・Action)を軸に進めていく。次に、カリキュラムの改訂。そして、文理特進コースの設置。最後に、教員の教育力の向上。共学校になってから、ここにくるまで色々あったが、これからを見て欲しい。
08年中学入試の総括(入試相談室長 高橋先生)
来年度の募集定員をどうするか検討中。08年と07年の比較すると、募集定員変わっていないが、全日程で出願者・受験者が増えた。これは嬉しい悩みなのだが、教室にも限りがありクラスはこれ以上増やせない。高校は1クラス増えてしまった。原因として、はっきりとは言えないが、公立中高一貫の立川国際が影響しているかもしれない。
入試の難易度は少し上昇した。しかし、偏差値がほとんど変わらないことから、生徒のレベルが少しあがったと考えられる。基本方針として、家庭学習の推進。授業時間は7時間目や補講などで多くとるようにしているが、家庭での勉強時間による学んだことの再構築が大事。
今年3月に共学化して初めての卒業生が出る。まだまだ実績は乏しいが、2〜3年後には結果が出せる。その理由として、今年の卒業生は、当時の偏差値で30〜40の間の生徒だった。2、3年後の卒業生は低迷時から脱却したころの生徒。
08年入試結果
1回A 1回B 2回 3回
入試日 2月1日 2月1日午後 2月2日午後 2月6日
募集人数 男女32 男女20 男女20 男女8
応募者数 179 276 280 295
受験者数 153 256 181 126
合格者数 43 74 31 25
実質倍率 3.6 3.4 5.8 5.0
来年度の入試について
まだはっきりと決まっていない。09年度募集要項は6月初旬から中旬にかけて正式に決定する予定。
(報告 G.Ta)
http://www.js.kogakuin.ac.jp/chugaku/
相洋中 行事日程
学校説明会 第1回
日時 6月14日(土) 10:00〜
内容 学校長挨拶・平成20年度入試総括・教科指導説明[国・数・英]
相洋中学の1日・施設見学
オープンスクール 第1回
日時 6月24日(火) 10:00〜
内容 授業見学・個別相談会
※共に事前予約が必要です。予約は、ホームページまたは電話・FAXにて。
http://www.soyo.ac.jp/sjh/index.html
東京農大一中 09年入試要項概要
募集定員を100名から175名に。
2月3日を2月2日に移行し午後入試に。
1回 2月1日午後 男女75名 2科4科
2回 2月2日午後 男女60名 算・理
3回 2月4日 男女40名 4科
http://www.nodai-1-h.ed.jp/
日大三中 体験イベント
1回 7月20日(日)6年生対象
集合 9:15
全体会 9:30(当日のイベント説明)
授業体験 10:00〜10:50
クラブ体験 11:10〜12:00
2回 9月13日(土)5・6年生対象
申込 ホームページまたは専用FAX用紙
http://www.nihon3.ed.jp/
広尾学園 08年大学入試結果(抜粋)(5月28日現在)
07年より共学化。まだ女子の卒業生のみ。
学芸大 首都 国公立計
総数 1 2 3
現役 1 2 3
早大 慶大 上智 青山 立教 中央 法政 学習 成蹊 日大 ICU 東女 共立 実践 昭和
総数 2 1 2 1 2 1 2 1 1 4 2 1 4 1 4
現役 2 1 2 1 2 1 2 1 0 4 2 1 4 1 4
卒業生130名に対する東大、早慶上への現役合格者数の割合(A率)は3.8%
MARCHへの現役合格者の割合(B率)は4.6%
国公立への現役合格者の割合(K率)は2.3%
http://www.hiroogakuen.ed.jp/
森村学園 オープンスクール
日時 7月12日(土) 10:00開会(9:30受付開始)
申込 電話、FAX、メール、葉書等にて
申込期間 6月2日〜7月5日
詳細はホームページを参照
http://www.morimura.ac.jp/
教育情報
大学での補習 33%が実施、講義ついていけない学生増えた
(産経新聞 6月4日)
学生に高校時代の学習内容を教える補習授業を取り入れている大学は平成18年度時点で33%にあたる234校に上ったことが3日、文部科学省の調査で分かった。前年度より24校増え過去最多。「学生の質」向上に苦心する大学の現状が浮かぶ。調査結果によると、通信制大や短大、学部生がいない大学院大を除いた国公私立大710校のうち234校が補習授業をしているほか、36%にあたる258校が学力別のクラス編成を導入。リポート作成や図書館利用の方法などを新入生に学ばせる「初年次教育」は71%にあたる501校が取り入れており、必要単位の取得とは別に進級・卒業試験を実施しているのは136校(19%)あった。
国立では香川大工学部が18年度から、新入生を対象に数学と物理の補習授業を始めた。「専門教育についていけない学生が増えてきた」(学務グループ)のが理由という。信州大の経済学部は同年度から、卒業試験を年4回実施している。メディア教育開発センターの小野博教授は「入試の多様化や推薦・AO入試の増加により、同じ大学・学部でも学生の水準がばらつき授業が成立しづらくなっている」と指摘。「勉強を習慣づけるため補習授業にも成績評価を取り入れたほうが良い」と話している。
立命館大学 補助金15億円を減額
(時事通信 6月4日)
立命館大が今春の入試で定員超過となった生命科学部の新入生を不当に他学部に転籍させたとして、日本私立学校振興・共済事業団は4日までに、学校法人立命館(京都市)に対する今年度の経常費補助金を25%減額すると決定した。文部科学省が「入試の公平性を欠く」と認定したことを受けた措置。減額幅は15億円に上る見通し。文科省によると、立命館大は3月、今年度開設した生命科学部(定員280人)の新入生が定員の1.48倍に当たる415人と見込まれたため、転籍希望者を25人募集。8人がこれに応じ、他学部に移った。
入学者数が定員を超過した場合、私立大学への経常費補助金を不交付とする条件がある。今年度は「定員の1.40倍以上」が不交付の基準だった。
都立高卒業式 校長の命令は合憲
(毎日新聞 5月30日)
04年3月の東京都立板橋高校の卒業式で、君が代斉唱時の起立に反対して式の進行を妨害したとして、威力業務妨害罪に問われた元同校教諭、藤田勝久被告(67)の控訴審判決で、東京高裁(須田賢裁判長)は29日、罰金20万円とした1審を支持し、元教諭の控訴を棄却した。1審は斉唱時の起立を命じる校長の職務命令について憲法判断しなかったが、高裁は合憲とした。元教諭側は即日上告した。
弁護側は「校長の起立命令は思想・良心の自由を保障する憲法に違反し、対抗した元教諭の行為は罪に当たらない」と主張した。判決は「君が代の伴奏命令は思想・良心の自由を害しない」とした07年2月の最高裁判決を引用し「斉唱時の起立命令にも当てはまる」と合憲判断した。さらに判決は「憲法は表現の自由を絶対無制限に保障したものでなく、他人の権利を不当に害することは許されない」とし、「式直前の厳粛な状況下で、卒業式を『異常な式』と決めつけて大声を上げ、会場内を喧噪(けんそう)状態に陥らせた元教諭の行為は社会的相当性を欠く」と非難した。
その他
名言・迷言・冥言
(毎日新聞 5月29日)
パラサイト・ミドル=定年まで今の組織にしがみつくしかないと腹を決め、会社に寄生する中間管理職
パラサイト化チェックリスト
□ 定年まで波風立てずに過ごしたい
□ 給与カットされた分、働かないぞ
□ 転職や起業で成功している同世代には正直、やっかみがある
□ でも、それが外国人なら別に焦らない
□ 若手のコミュニケーション能力のなさに腹が立つ
□ 体力に自信がなくなってきた
□ 認めたくはないが、現場感覚が鈍ってきた
□ 分からないことは、その場で知ったかぶりをしてやりすごそう
□ やり手の熱血漢タイプを見ると、思わず冷笑してしまう
□ 実力のピークが過ぎていく。どうしたらいいかわからない
□ そういえば、しばらく公私ともに深い議論をしていない
□ これからの若い人は大変だ。自分は何とか逃げ切れるが
□ 最大の関心は人事情報だ
□ 今は自分にポストが回ってくるのを待っているところだ
□ 若手の激務は自分には関係ない
※「はい」が五つ以上でパラサイト化の「黄信号」、10以上なら「赤信号」で、あなたは重症です。
温暖化による被害 2030年の日本、被害年1兆円増
(毎日新聞 5月30日)
豪雨急増、大都市を襲う洪水・高潮
大学や国立研究所など14機関の研究チーム「温暖化影響総合予測プロジェクト」(代表=三村信男・茨城大教授)は29日、地球温暖化が及ぼす国内の被害予測結果を発表した。2030年には、豪雨増加による河川のはんらんで被害額が現状より年間1兆円増えるほか、東京、大阪、伊勢湾岸と西日本で高潮による浸水が2万9000ヘクタールに及び、52万人が被害を受けるなど甚大な災害が起きる可能性があると推定している。
水資源、森林、健康などの分野別に、研究者44人が温暖化の影響を初めて総合評価した。温室効果ガス削減が進まない最悪のシナリオを基に、平均気温は30年に90年比で1・9度上昇するなどの仮定で試算した。その結果、「100年に1度」の集中豪雨が30年には「50年に1度」の確率に増え、特に三重、高知県などの太平洋沿岸や北陸、中国地方などの山間部で洪水被害が広がることが判明。東京、大阪など大都市圏も洪水が避けられず、被害額は急増すると試算した。また台風の強大化と海面上昇が進み、高潮による浸水面積が拡大。浸水被害を受ける人口は00年(29万人)の倍近い52万人に及ぶと推計した。気候変化による森林への打撃も深刻で、今世紀半ばにはブナ林が現在の44%と半分以下の面積に減少し、西日本や本州の太平洋側ではほとんど消滅。世界遺産の白神山地(青森、秋田県)のブナ林も、今世紀末ごろにはなくなってしまうと考えられるという。
研究グループはこのほか、熱中症や光化学スモッグによる死亡リスクの増大も指摘。気温が一層高まる2100年には、感染症のデング熱を媒介するネッタイシマカが、千葉県南部まで北上するとしている。
アフリカ子供白書 500万人が5歳前に死亡
(時事通信 5月28日)
国連児童基金(ユニセフ)のベネマン事務局長は28日、横浜市内で記者会見し、「アフリカ子供白書」を発表した。同事務局長は、アフリカにおける5歳未満の子供の死者数が500万人に上り、ミレニアム開発目標(MDG)の達成が困難になっているとして、「アフリカの子供の生存を地球規模の緊急課題とすべきだ」と訴えた。白書は横浜で開催中のアフリカ開発会議(TICAD)に合わせて公表された。アフリカに焦点を絞った子供白書の出版は初めて。
白書によると、2006年に5歳の誕生日を迎える前に死亡した子供は世界で970万人、うち半数以上をサハラ砂漠以南のアフリカが占める。5歳未満児の生存率が最も低いのはシエラレオネで、1000人当たり270人が死亡した。
北朝鮮の平均寿命 12年で10歳縮む
(時事通信 5月29日)
29日付の韓国紙・東亜日報は、1995年に74.5歳だった北朝鮮住民の平均寿命が2007年に64.4歳になったと報じた。韓国保健社会研究院がまとめた報告書の内容として伝えたもので、食糧難や貧困による影響とみられる。報告書によると、食糧不足が深刻化した90年代後半に平均寿命が短くなった。韓国の平均寿命は78.1歳で、南北間で約14歳の差が出ているという。報告書は、北朝鮮当局の資料や世界保健機関(WHO)などが同国と共同調査した内容を基にまとめられた。
公務員不祥事 懲戒免職でも匿名発表、個人情報保護盾に
公務員らが犯罪やそれに準じた行為による不祥事で懲戒免職・解雇処分になりながら、処分時に匿名で発表される事例が相次いでいることが、毎日新聞の全国調査で分かった。個人情報保護を名目にした官庁などの情報隠しが依然、改善されていない実態が浮き彫りになった。調査は、昨年4月から今年3月までの1年間の事例を対象に実施した。
長崎県佐世保市は07年7月、競輪の収益金435万円を着服した職員を懲戒免職にした際、匿名で発表した。市が根拠としたのが、行政機関個人情報保護法が成立した03年に人事院が出した「懲戒処分の公表指針について」という通知。指針は「被処分者の属性に関する情報は、個人が識別されない内容を基本とする」と原則を規定。「事案の社会的影響や被処分者の職責などを勘案して別途の取り扱いをすべき場合がある」と例外にも言及しているが、中央官庁や多くの地方自治体が、原則を盾に匿名発表を続けている。
日本新聞協会は今年2月、「個人情報保護に関する基本方針の一部改正案」に関する意見で、この傾向を批判している。一方、佐世保市は5月の市議会で、刑事事件にかかわる懲戒免職は氏名公表すると方針転換を表明した。
このほか、公務員の性犯罪に絡み、「被害者が特定される」といった理由で匿名発表するケースも目立つ。和歌山県教委は、教え子に無理やりキスなどをしたり体を触ったりした49歳の県立高校教諭を懲戒免職にしたが、匿名で発表した。強制わいせつ容疑で5月に逮捕した際、県警は「被害者保護のため匿名報道を条件に実名で公表する」と提案したという。
国民の財産を預かる金融機関も情報提供に消極的だ。茨城県に本店のある関東つくば銀行は31歳の元行員が約3000万円を着服・流用したとして懲戒解雇を発表した際、匿名にした。「個人情報保護の観点」「不祥事のあったほかの地銀も公表していない」と支店名すら公表しなかった。北陸銀行も顧客の定期預金から1200万円を着服した元パート職員解雇を匿名で発表した。