NO.229

2007年 1月15日 
アクセス教育情報センター

目次

学校情報

公開模試情報 入試情報 教育情報 教育情報
栄光学園

吉祥女子

11月度志望者分布比較

07年三模試日程

応募状況1 早大系列中高一貫校

図工の復権を

ゼロトレランス

進学校厚遇

教育再生会議

役得台湾旅行

 

   その他

名言・迷言・冥言

小学生のお年玉

学校情報

栄光学園 教育講演会(06年6月6日)
教務主任 伊藤先生(社会科)
1)栄光学園の概要
1947年創立。初代校長がグスタフォ・フォス神父。
今年4月の入学生が60期。自分は今年中1を担当。
栄光=「すべてはより大きな神の栄光のために」から取る。
イエズス会(カトリック修道会)の教育理念に基づく6年一貫教育を行う。
歴史に出てくる、16世紀に日本に布教活動に来たフランシスコ・ザビエルもイエズス会の修道士。
創立以来60年経つが、学校の基本的な姿勢、家庭的な雰囲気は現在も継承されている。
当初は横須賀市の田浦に。1964年に現在地の大船に移転する。
栄光学園の教育理念はMEN FOR OTHERS(他者のために生きる人間に)。
人を押しのけていくのではなくともに成長しようとする姿勢を持ち、他人の痛みに平然としているのではなく、自らのものとして思いやり手をさしのべることの出来る人を育てる。
将来、自分の夢を実現するとともに、自分に与えられた役割を果たす真のリーダーを育てることが栄光学園の教育活動の中心。どうやって育てるのかに1つの方法はない。これから説明するさまざまなことが有機的に結びついて生徒は育っていく。
例えば、栄光学園では習熟度別クラス編成はない。いろいろな人が身の回りにいることのメリットを取りたいため。自分一人が勉強できればよいというのではなく、集団の中でお互いに成長していって欲しい。
習熟度別にした方が授業の効率はよいかもしれないが、子育ては効率ではない。
我が子を最短経路で勝利に導くというような番組があったが、効率を追求していくと大きな過ちを招くおそれがある。子供は工業製品ではない。子供を育てるということは工場でモノを作るのとは違う。最短経路で育てようとしても思い通りにはならない。仮に最短経路を通ったとしてもそこにひずみが出てくる。子育ては最初から思い通りにならないものと思っていれば不満が出てこない。だからといって初めから投げ出すのではなく子供と向き合って一緒に成長を楽しむことが大切。
効率のよさだけで教育は成立しない。
英語の授業でも、英語のできる生徒というと英語の試験で点数を取る生徒となりがちだが、ペーパーテストで点数を取る生徒が英語の能力に秀でているわけではない。英語には聞く、読む、書く、話すの4つの能力が必要。スピーチになると張りきる生徒もいる。そういう生徒から影響を受けることもある。いろいろな生徒がいることのプラスを授業の場でも大切にしている。
学習だけでなく、いろいろな場面で他の生徒からの影響を受け、自分もやってみようかなと思うこともある。そう言う意味で、どんな生徒が欲しいかと言われれば、いろいろな生徒がいて欲しいと思う。
1学年180名、45名×4クラス。校長が全生徒の顔と名前を知っている。それができる人数。ある学年を担当するとその学年のクラス全部の授業を持つので、その学年の生徒は全部知っている。教員と生徒の距離が近い。また、6年間毎年クラス替えがあるので、ほとんどの生徒と同じクラスになる。そのため同じ期の結びつきが強い。
6年間の中でお互いのことを知ることにより人間関係が深くなる。生徒間の人間関係が良いというのは栄光学園の大きな財産。
最近の世の中の歪んだ面の一つとして、自分が幸せになる努力をしないで、他人の不幸を見ることによって相対的に自分の幸せを感じるということがある。いやがらせなどはその一つ。他人の幸せをうらやむのではなく他人の幸せを共有できる人間関係が自分の成長に大きく影響してくる。
相手の立場に立てるということは学習においても基本となる。勉強の仕方を自分で見つけるということは難しい。他人のやり方を見ながら学んでいく。
学習活動の中で生徒に示しているのは自学自習。自学自習ということは学習面で自立するということ。試験で良い点数を取るために勉強するというのは自立的な学習ではない。勉強の目的は目の前の試験をパスすることではない。本来、勉強は自分の成長に結びつくもの。試験のために勉強するという考え方では、勉強が必要悪になってしまう。
生涯学び続ける姿勢が大事。生涯学び続ける基本を中高の間に身につけて欲しい。
卒業生が「何で大学ではみんなが勉強しないのだろう」と嘆く。栄光の卒業生は学習姿勢が身についているのではないかと思う。
何のために勉強するのかを考え、学習習慣を身につけるために真面目に物事に取り組むことが将来の財産になる。学習習慣は運動の基礎トレーニングと同じ。
中1の地理では、地図を見ながら地図からいろいろと発見する授業を行っている。社会科というと覚えるというふうに思われがちだが、単に覚えただけでは知識としても役に立たないことが多い。考える=連想することにより、知識をつなげていく能力を育てる。
地図を見ているといろいろなことが浮かび上がってくる。そこからいろいろな発見がある。
そのためには何でも教えてしまわない。教えないであえてそのままにしておくと、後日、他のものを見ていて気づくことがある。
それぞれの分野、教科で見方の違いや学習の方法、考え方の違いがある。その違いを身につけていくのが勉強。
こういう姿勢がしばしば面倒見が悪いと思われることがある。何でも教えてしまうのは、一見、面倒見がよいように思われても、生徒の能力を潰してしまうことになりかねない。その場でつじつまを合わせて答えを出すような指導はしない。今はその場だけを切り抜けられればよいという風潮になっている。最近の耐震偽装事件や社会保険庁の事件、株の売買事件などはその現れ。
栄光では目先の成果だけを求めないということをいろいろな場面で徹底している。すぐに答えを出さないけれど、その先のことも考えており、実は面倒見がよい。
2)英語の授業の特徴
英語の授業では4つの能力を育て、将来、英語を使う場面で不自由しないようにするのが栄光の英語の目標。英語の授業は0からスタートする。入学前に英語をやる必要はない。なまじっか知らない方がよい。
プログレスを使用。最初はCDを使い、音声を重視。
辞書は最初は使わない。入学前に辞書を買う必要はない。特に電子辞書は不要。
授業の進度はそれなりに速いので、授業にキチンと取り組むことと指示された家庭学習に取り組むことは必要。
中2、中3で週1時間、1クラスを2分割にした授業を行なっている。
6年間のうち外国人教師が2〜3年間担当する。
英語の力がどのくらいついているかをはかるために、今年、TOEICからGTEC(ベネッセ)に変える。4つの力を総合的にはかるのにふさわしい。学校独自の問題も。
3)栄光のカリキュラム
幅広く学習し、総合力を養うように組まれている。
どの教科を学習する上でも総合的な力が必要。
高3では大学入試に必要な科目以外も履修する。
高2までは、生物か物理の選択はあるが、基本的に全員、同じ教科を同じ時間数だけ履修する。
早くから大学の入試科目に特化した方が大学の入試問題を解くという一点では効率がよいかもしれないが、ゴールはそこではない。幅広く学ぶ中で大学入試に対応する力も養われる。
生徒の進路はいつ決まるかわからない。高3で文系、理系分けを行うが、高3になっても決まらない生徒もいる。判断を早く迫ることで、進路を狭めてしまうことになりかねない。
進路が決まるのが早い生徒もいれば、遅い生徒もいる。生徒によって違う。そうしたことに対応できるようにしたいと思っている。
学習の進度を速めればよいというものではない。国語、英語、数学などは学習指導要領の基準より時間数が多いので進度はその分速くなる。中3の段階で高校内容に入るし、高2終了時に高校内容はおおよそカバーできているが、全ての教科でそうすることが適当かどうかわからない。理科、社会も必ずしも早くやればよいというものではない。世界史や日本史では大人の頭が必要。早い時期にやると暗記にしかならない。子供の成長に合わせた科目の配置が必要。高3の授業は演習だけではない。
幅広く学ぶことが結果として国公立大学に強いという結果にもなっている。
最近、大学側の姿勢が変わり、どういう生徒が欲しいかがはっきりしてきた。入試問題の質もよくなってきた。高校生活をキチンと送って解ける問題になってきている。
昨年の東大の地理の入試問題で、高3が授業でやったのと同じ問題が出題される。大学が目指す方向と、栄光学園の考えている地理として何が大事かという方向が一致している。
大学の入試問題は解けば終わりだが、授業の方はさらに広がりを持たせることができる。
4)栄光の授業
6日制。当面、土曜日も授業を行う。月〜金6時間、土4時間。週34時間授業。
高2までは34時間授業。高3は選択により少ない生徒もいる。
授業だけでできるようになるわけではない。基礎トレーニングの部分としての家庭学習を中1で毎日2時間はやるように指導している。やっている生徒は少ないが。1時間から1時間30分が多い。まず、授業にキチンと参加して、家庭学習をやってくれれば心配はいらない。そうすれば塾・予備校に通う必要はない。大学入試結果は、塾や予備校に通う、通わないで差はない。塾・予備校を禁止はしていない。ただ、行くならよく考えなさいと言っている。
ギリギリで入学して授業について行けるか、力不足の生徒にはどう対応してくれるのかという質問がよくある。入学後の成績と入試の点数はあまり関係ない。授業をキチンと受けて、家庭学習をしているかにつきる。成績不振は能力の問題ではなく、やるべきことをやっていないから。まずやらせるためにどうしたらやるかを時間をかけてさがしていく。
進級は進級規定にそって対処していく。高校に進むと進級基準が厳しくなる。
高校で進級規定にかかる生徒は中学での基礎ができていない生徒。中1、中2で学習習慣、学習姿勢ができているかどうかが大事。
本人に勉強しようという気持ちが出ない場合は長い目で見てあげるしかない。帳尻を合わせるために、無理して6年間学校にいることはない。本人にとってよい道をさがす。
成績不振者の対応に関して、決まった制度はない。生徒によって対応が違う。
中1、中2は担当者が個別に対応。長期休暇中に指名補習をすることもある。
中3、高1は指名して学校で自習をさせる。週3日間、自習の課題は教科から与える。
自習に参加するか否かは、部活との関係もあるので、本人に任せる。無理に押さえつけて自習をやらせても本人のためにならない。参加しない場合は、自分でどうするのかの方針を表明してもらう。
5)生活面でのけじめ
地道な勉強と規則正しい生活があって学習能力の向上があり、自立的な人間への成長がある。どうしたら規則正しい生活が送れるかという決まった方法はないが、学校での取り組みがいろいろと結びついている。
授業の初めと終わりに瞑目(目を閉じて姿勢を正す)を行う。授業と休み時間とのけじめをつける。
時間には厳しい。遅刻すると生徒指導部の先生に理由を言って入室許可証をもらい、それを教室で教科担当者に見せてから授業を受ける。入室許可証は最終的に担任に届ける。3人の先生からチェックを受けることになる。
中間体操を2時間目と3時間目の休み時間に、原則として冬の間も上半身裸で行う。以前から比べればやらない日が増えているが。
放課後の掃除当番では、トイレをはじめ自分たちで使うところは自分たちで掃除をするという趣旨で取り組んでいる。
6)クラブ部活動
部活動は勉強との両立をはかるため週2回だが、学校が部活動として認めているのは週2回ということで、自主トレーニングは自由。朝、休み時間、放課後の時間を使ってトレーニングを行っている生徒も多い。
逆に週2回と決められている分、時間を無駄にせずやっているところがある。
テニス部はテニスコートが限られているので、学年別にして毎日活動を行っている。
校地が広いので、野球、サッカー、陸上などの運動部の活動も重ならずに行える。
クラブ活動が週2回なので、委員会活動も部活を休まず並立することもできる。
部活に熱中しすぎて勉強がおろそかになる生徒もいるが、そんな時期を持つことも人生には大切なこと。ある時点でおろそかになっていても後で取り返すことは充分可能。むしろ集中することの大切さを学ぶことができる。ただ、それが勉強からの逃避だと問題があるが。
7)倫理、宗教、奉仕活動
カトリック校として宗教がバックボーンにあり、何を善とするか、何を悪とするかという価値観が栄光学園の精神的な文化を作っている。
栄光学園では独自の科目として、倫理の時間が中1で週2時間、中2以降週1時間。中1の1時間は校長が担当する。キリスト教の倫理感に基づいた幅広い判断力を持てるように。
聖書研究会や行事の前のミサは自由参加。学校として正規に宗教を教えることはないが、キリスト教的な考え方に触れる機会はある。
信者になることは強制しないが、キリスト教は西洋社会の根底にあるものであり、キリスト教的なものの考え方に触れておくことも大事だと思っている。
これも参加自由だが、愛の運動として、施設訪問、募金活動なども日常的に行っている。他者のために活動するわけではあるが、実際に活動して生徒が感じることは、他者のためにというよりも、自分が社会の中でどんな立場にいるかを知る機会になる。他人ことを自分のこととして捉える機会になる。
8)校外施設・行事
三浦の臨海教室では中1の夏休みに2泊3日で海のキャンプを行う。
仲間作りが上手でない生徒が増えてきたので、昨年から4月末に1泊のオリエンテーションキャンプを行い、お互いをよく知る機会を作っている。
丹沢に栄光ヒュッテという山小屋ある。電気は引いておらずランプ生活。中2が2泊3日の山のキャンプで利用する。電気のない生活というのも貴重。トイレも汲み取り式。自然の中で生活するということを体験してもらう。
中3以上は希望者が臨海教室や栄光ヒュッテをグループや部活動で利用できる。
歩く大会では10月末に秦野から渋沢まで20数キロを歩く。中1から高3まで全員参加。
9)進路・進学指導
中高では広く学びながら、段階的に自分の進路を考えていく。
進路進学指導=大学合格だけを考えるのではなく、段階的に自分の進路について考える機会を持たせる。
高1以上には、進路ガイダンスで卒業生による話を聞く会を設け、大学の先にあるところを見た進路指導を行う。
高1・・40代半ばの卒業生に、仕事というものについて話してもらう。
高2・・30代の卒業生に、文系、理系の視点から仕事について話してもらう。
高3・・大学卒業したばかりの卒業生に学部、学科の内容について話してもらう。
単にどこの大学に行きたいかだけでなく自分自身を知ることが求められる。自分は何をやりたいのか、自分はどう生きるのかを知るために自分を正直に見つめることが必要。自分を正直に見つめれば自分の足りないところがわかってくる。それを認めることは勇気がいる。自分が不十分であることを知ることがさらに自分を高め一層の成長につながる。
若いうちは自分は何でもできると思っているが、それは錯覚であるということを早いうちに知り、その上で自分はどうするかという謙虚さが必要。
大学を選ぶにあたって、この大学の校風が好きだでもよい。何かを選ぶと言うことは他のことを捨てることになる。その大学でなければ得られないものを求めていくのであればそれでよいと思う。自分が行きたい所を生徒が自分でさがす。
学校は生徒の希望を手助けする。学校で受験する大学を振り分けることはない。
06年春の大学入試結果の数字は良かった。ただ、それが続くというものではない。
今年の学年はキチンとした学校生活を送った学年だった。授業をしっかり受けそれに伴う予習、復習をしっかりやった学年。また、中学時代は非常に遅刻の少ない学年だった。
ふだんやることをやっている学年は強い。
高2のときの成績と大学入試結果との相関関係が高い。高2のときの履修科目は必ずしも受験科目に限らないが、そういった科目も含めた成績との相関関係が高い。普段やることをやっている。
高3で授業中に内職している生徒は希望校に合格しない。自分の受験科目に関係なくても総合的に学ぶ意欲のある生徒は合格していく。
高3まで部活を続けた生徒は合格の可能性が高い。野球部を高3の6月までやった生徒は、部活を引退してからの伸びがあった。気持ちや時間の切り替えが上手くできる。
受験勉強だけという姿勢はいろいろな面でマイナスが大きいと感じている。
生徒が行きたい大学の受験を応援するという姿勢なので、現役合格にこだわるわけではない。ただ、学習の取り組みを見ていると、本人が行きたい大学に現役では及ばないかなと思う生徒もいる。そういう生徒には生徒の取り組みを見ながら相談にのる。卒業生の50〜60%が現役で進学していく。
理系・文系はほぼ半々だが、ここ数年は若干理系が多い。
10)家庭の協力
生徒がよい学校生活を送るためには家庭との連携、協力が必要。
学年別父母会 年2〜3回、土曜日の午後に。
地区別懇談会 年1回。20地区に分かれて。
栄光会(PTA)総会  年1回。
個人面談 できるだけ機会を設けて。中1、中2の間は全員と面談を行い綿密な連絡が取れるようにしている。
授業参観 年2回、父母会の前に。(中1は別に授業参観の日がある)
11)受験生にむけて
子供には自分のことは自分でできるように習慣をつけていって欲しい。
親の言うことだけで動くのではなく、自立した子に育っていって欲しい。
親にとってよい子が必ずしもよいとは限らない。
生徒は徒に生きると書く。子供に投資した分を取り返そうなどと思わないこと。
子供のことを考えることは大事だが、子供の生活は親のものではない。
子供自身がキチンと話をすることができるか。親が代弁しているケースが多い。
ペーパーテストでは書くことが問われるので、話す、聞くということがあまり評価されないが、話す、聞くことが授業でも大事になる。聞けないということは授業が受けられないということになってします。家庭の中でもお互いに話を聞く、話す習慣をつけたい。問題を解くということは、問題文を受け止めてそれに対して答える。それは人の話を聞いてそれに対して答えるのと同じ。
試験の対策としては問題文をしっかり読むこと。問題文を読んでいない答案が多い。
中学を受験するにあたっては、子供の入りたいという気持ちを大事にして欲しい。それを保護者が肯定的に受け止めてやること。第一志望の学校でなくても家庭で肯定的に受け止めてあげることが学校生活の中で伸びていく上でも重要。
家庭との生活の両立をはかるために、80分以内の通学時間制限を設けている。
学校の環境として大都市か山の中どちらがよいか。大都市はブラックホール。山の中は大都市のような危険性がなく、広々している。
冷房は当面設置しない。高校の教室棟には今春に扇風機がついた。中学は来春に設置予定。
どうしても冷房が必要な期間というのは長くない。夏は暑いもの。暑さをガマンすることも大事だと思っている。人生全て思い通りにならないことの一つ。温度差の大きいところを出入りするのは健康上もよくない。都市の中心部の学校に比べれば、周りを木に囲まれていてそれほど暑くはない。
大船駅までの行き帰りの栄光坂は急な坂道だが、通学で体力がつく。体力測定をすると、中1では全国平均を下回っているが、中2では上回る。
敷地が広いので、生徒はノビノビとして明るく生活している。
不登校やいじめには担任中心に対応する。カウンセラーも常駐ではないが、教員や家庭が相談できるようになっている。個々のケースを解決すればよいというのではなく、長期的に人間関係を良くしていくという視点で取り組んでいる。
不登校の原因は学校だけでなくいろいろなことが関係してくる。家庭の協力もお願いしなければならない場合もある。
07年入試は大きな変更点なし。
国語70点、算数70点、社会50点、理科50点。
小学校の学習範囲から基本的に出題。それを応用した問題もあるので難しい問題もあるが、難しい問題は考えてもらうために出題している。問題を解く手がかりをさがしてもらうことが狙い。
合計点で判定。帰国生への特別な対応はない。 
http://www.ekh.jp/

吉祥女子 入学試験及び入学手続きについてのお知らせ
1.入試当日のご案内
(1)当日の時程
 点  呼         8:30
 諸注意・アンケート    8:30 〜 8:45
 国  語         8:55 〜 9:45(50分)
 算  数        10:05 〜10:55(50分)
 社  会        11:10 〜11:45(35分)
 理  科        12:00 〜12:35(35分)
 ※3回とも共通の時程です。
 ※2月4日(日)は中央線快速電車は西荻窪駅には止まりません。
(2)試験開始まで
@当日、悪天候や交通機関の乱れがある場合には時程を遅らせることがあります。入試が定刻に行われるかどうか下記の電話番号におかけ下さると、音声によるメッセージが流れます。TEL 0180−99−3932(午前6時〜)
A万一、時程を遅らせて実施した場合に備えて、昼食(軽食)をご用意なさることをお勧めします。
点呼から30分後までの遅刻は認めますが、国語の試験が始まっている場合は残り時間で受験することになります。
C必ず受験票を持参し、ビニールケース等から出して、机の右上に置いて下さい。
D机の上には鉛筆・シャープペンシル(及びペン)と消しゴムだけ出しておいて下さい。筆箱等はすべてかばんにしまい、机の中は空にしておいて下さい。
E教室には時計がありますが、腕時計をする場合はアラームを切っておいて下さい。
F携帯電話は受験会場への持ち込み禁止です。
G風邪などのためティッシュペーパーを使うかもしれない人は、包装紙から中身だけを出して机の上に置いておいてもかまいません。
H耳せんは、試験監督の指示等が聞き取れないことがありますので使用できません。
I試験会場は暖房が入っていますが、コート・マフラー等を着用してもかまいません。
J座布団・ひざ掛けを持参して使用してもかまいません。ただし、語句や数式の柄のないものに限り  ます。
Kかばんは語句や数式の柄のないものにして下さい。
L試験終了まで学校内でお待ちになりたい保護者の方には、控室(ホール)をご用意してあります。ただし、いったん校外に退出した後は、試験終了まで再入場はできません。
(3)試験中
@解答用紙は黒の鉛筆または黒のシャープペンシルのみの使用となりますが、問題用紙には蛍光ペンなどを使うことができます。
A下敷き・コンパス・定規は使用できません。
B試験中に具合が悪くなった場合は手を挙げて試験監督の指示に従って下さい。保健室での受験が認められた場合は、残り時間で受験を続けることができます。
C試験中にトイレに行きたい場合は手を挙げて試験監督の指示に従って下さい。ただし、試験中にトイレに行った場合は、どのような理由でも、その時点でその科目の試験は打ち切りになります。次の科目は普通に受験することができます。
D試験中にティッシュペーパーをかばんから出す必要が生じた場合は、手を挙げて試験監督の許可を受けてから使用して下さい。
E試験中は、たとえ、せき止め用の飴等でもあっても飲食はできません。
(4)休憩時間
@持参した飲み物や、あめ・チョコレート等おやつ類の飲食をしてもかまいません。
A受験生は携帯電話の持ち込みは禁止ですので、通話をはじめメールをしたり見たりすることは認め  られません。
B保護者の方は受験生と会うことはできません。
(5)試験終了後
@試験終了後、受験生は一斉に試験会場から退場しますので、保護者の方は敷地内の正門付近でお待ち下さい。
A試験終了後、持参した昼食を校内で食べて帰りたい場合は、控室(ホール)を午後2時まで利用することができます。
2.合格発表
(1)掲示(本校)
 第1回2月1日(木)午後8時〜8時30分と2月2日(金)午前9時30分〜午後4時
 第2回2月2日(金)午後8時〜8時30分と2月3日(土)午前9時30分〜午後4時
 第3回2月4日(日)午後8時〜8時30分と2月5日(月)午前9時30分〜正午
 ※駐車場はございませんので、お車でのご来校はご遠慮下さい。
(2)その他
@インターネット URL http://www.schoolguide.ne.jp/kichijo/
A携帯電話    URL http://www.schoolguide.ne.jp/kichijo/gokaku_kt.html
  第1回  2月1日(木)午後8時〜2月2日(金)正午
  第2回  2月2日(金)午後8時〜2月3日(土)正午
  第3回  2月4日(日)午後8時〜2月5日(月)正午
  ※一部機種によりお使い頂けない場合があります。
  ※回線混雑等のため、つながりにくくなることがあります。
  ※電話・ファックス等による学校への合否のお問い合わせにはお応えできません。
3.入学手続
(1)入学手続書類の交付
 合格者は受験票を提示して、入学手続きに必要な書類をお受け取り下さい。
 書類の受け取りは、入学手続きの時でもかまいません。
(2)締め切り
 2月7日(水)正午が縮め切りとなっております。日時の詳細につきましては、「入試要項」をご  確認下さい。
(3)納入方法
 入学手続納入金につきましては、振込みをお勧めいたしております。事前に振り込んで頂き、各金融機関(郵便局は除く)の振込控を、合格手続き書類「平成19年度入学手続」に添付し、本校の事務所窓口に提出して頂くことで手続きが完了いたします。
なお、本校の事務所窓口にて現金で納入することも可能です。
※インターネットバンキング・モパイルバンキング・テレホンバンキングはご利用頂けません。
  お振り込みに関しましては、下記〈お振り込みに関するご注意〉をご参照下さい。
【平成19年度入学手続納入金】
 入学金   250,000円
 施設拡充費 150,000円      合計 400,000円
【納入金振込口座】
 三井住友銀行 西荻窪支店 普通預金 1098735
 学校法人 守屋教育学園総合口(ガッコウホウジン モリヤキョウイクガクエンソウゴウグチ)
【お振り込み人】
 受験番号・受験生氏名をご記入下さい。
 例)1999 キチジョウ ハナコ
〈お振り込みに関するご注意〉
 平成19年1月4日から、本人確認手続きに関する法令の改正により、金融機関において10万円を超える現金の振り込みを行う場合には、本人確認書類の提示が必要となります。
@ATMをご利用の場合
 10万円を超える現金の振り込みはできませんが、預金口座を通じて振り込む場合は、従来通りです。
A現金の場合
 振り込みの手続きを行なう方の本人確認書類(運転免許証・健康保険証・パスポートなど)をご用意のうえ、金融機関の窓口をご利用下さい。
 ※保護者の方などが、振込名義人(受験生・入学者など)に代わって振り込みの手続きを行う場合には、金融機関では、振り込み目的(入学金・授業料などであること)をお尋ねすることがあります。
http://www.schoolguide.ne.jp/kichijo/index.html

=出願すると多くの学校で、入学試験や発表、手続に関して、上記のようなプリントが渡されます。よく読んで確認しておきましょう=


公開模試情報

11月度志望者分布比較 (四谷大塚、首都圏模試より)
学校別志望者の成績分布前年比較表(抜粋)をアクセス教育情報センターの会員のページに掲載しております。
下記をクリックしてご覧ください。
  男子   女子

07年三模試日程 6年生対象
      首都圏         日能研          四谷大塚         学研新傾向模試
 4月  15日統一合判     8日実力判定      8日合不合予備     21日(22日)
 5月                 6日志望校選定
 6月                 3日志望校選定
 7月   1日統一合判     1日志望校選定   15日合不合予備      14日(15日)
 9月   9日統一合判     2日合格判定     23日合不合判定
10月   8日統一合判     7日合格判定     21日合不合判定      27日(28日)
11月   3日統一合判     4日合格判定      3日学校別判定
     23日最難関プレ                  18日合不合判定
                                 24日学校別判定
12月   2日統一合判     2日合格判定      9日合不合判定
                   23日合格判定


入試情報

応募状況1
都内国立大附属中応募者数推移

            07年  06年  05年   04年
筑波大駒場  男 927   878   892   960
お茶の水    男  45    37    44    58
          女 376   421   551   652
筑波大附    男 336   323   371   498
          女 275   266   427   457
学大大泉    男 288   109   117   217
          女 男女    89   109   177
学大小金井  男 152   164   159   222
          女 146   152   154   200
学大世田谷  男 195   194   261   291
          女 176   232   240   306
学大竹早    男 269   262   426   473
          女 239   314   287   485
東大附属一般 男 250   194   210   245
          女 288   214   269   280
    双生児 男 105    85   116    86(双生児は男女計)
          女
      推薦 男 230   126   147   185
          女 314   199   240   229
合計        4611  4259  5020  6021
=一昨年は、事前抽選がなくなり、昨年は都・区立中高一貫校の影響を受け出願者が減る。今年はやや出願者が増えるものの、出願者の中には都・区立中高一貫校との重複出願者も多いのでは。=

公立中高一貫校応募者数
                 定員  07年応募  06年   05年
市立稲毛高校附属 男子 計40   694    −−    −−
             女子       939    −−    −−
さいたま市立浦和  男子  40   925    −−    −−
             女子  40  1093    −−    −−
伊奈総合       男子 計80  1232    1352   1206  
             女子
=伊奈総合は市立浦和の影響で多少応募者が減っているが、今春から募集を始めた2校は予想以上の出願になっており、公立中高一貫校の人気の高さを証明している。=

寮のある学校の東京入試 (各校とも東京会場1回目入試の応募者数)
           07年  06年   05年   04年
函館ラ・サール  752   660   565   568
函館白百合    334   253   758   309
静岡聖光     −−   −−    126    92
那須海城     1292  1204  1032  1029
土佐塾中     2987  2138  2119  2225
西大和       520   448   379   223
佐久長聖     1055  1263   867   651
秀光         334   335   306   131
香川誠陵     −−   275     95   −−
長崎日大    1136   395    −−   −−
=函館白百合は06年から千葉の市川での入試に。今年の中学入試は受験生の増加により厳しくなると言われているため、1月の東京入試を受験しておこうという層が増える。出願者数は昨年の6971名から8410名に。=
 佐久長聖入試風景(工学院大学ロビー)


教育情報

早大系列中高一貫校 佐賀県に、09年開校目指す
(朝日新聞 1月6日)
 今秋、創立125周年を迎える早稲田大学(東京)の関係者が、早大創設者大隈重信の出身地である佐賀県に、同大系列の中高一貫校「大隈記念・早稲田佐賀学院」の設立を目指していることが6日、わかった。建設予定地は唐津市が有力。早ければ09年春にも開校し、卒業生を早大に受け入れてもらう考えだ。早大系列の中高一貫校は九州では初めて。今月中にも正式に発表する。
 この計画には、主に早大大学院公共経営研究科長の石田光義教授や奥島孝康・同大前総長、同大OBの森喜朗元首相らがかかわっているという。建設や運営は新設する学校法人が担い、早大の系列に加えることを同大が検討する予定だ。すでに、設立準備理事会のメンバーが佐賀県内の6市町を視察。5日に開いた理事会で、福岡までの交通の利便性が高く、玄界灘をはさんでアジアに面している唐津市に建設予定地を絞った。アジアで活躍できる人材育成に力を注ぎ、中国や韓国から留学生の受け入れも行うという。

図工の復権を 復権求め先生ら署名
(朝日新聞 1月6日)
 子どもたちは大好きなのに、保護者や社会からはあまり期待されていない科目ってなーんだ? 答えは、図画工作だ。授業時間が3割減った上、昨今の「学力向上」ムードで国語や算数に押され、肩身が狭くなっている。しかし、このままでは、日本のお家芸である「ものづくり」の未来が危ういと、先生や学者たちが復権に乗り出した。 
 「すごーい」「もう1回やってみよう」 自分たちで撮影したビデオを逆再生する「逆転時間」というメディアアートに歓声が上がった。東京のNPO「学習環境デザイン工房」が12月27日、仙台市で開いた図工のワークショップだ。馬跳びをしたり紙風船をふくらませたりする姿が、時間をさかのぼることで思いがけない映像になる。子どもたちは次々とアイデアを思いつき、挑戦を繰り返した。 
 文部科学省が05年に実施した意識調査によると、図工が「とても好き」と答えた児童は43%で体育に次いで多かった。その一方で、保護者の期待は低い。「芸術面の能力や情操」を学校で身につける必要性が「とても高い」という答えは22%にとどまった。東京都図画工作研究会副会長で都内の小学校に勤める楚良浄(そらじょう)教諭は「少子化で、保護者が子どもに結果を求め、おおらかに見守ることができなくなっているように感じる」。仙台市の小学校教諭も「算数について意見を言ってくる親御さんはいるが、図工はいない。算数には集中できない子が図工では黙々と取り組んでいるのを見ると、子どもを多面的にとらえる上でも大切だと思うのだが……」と打ち明ける。 
 図工は1947年以来ずっと高学年で年70時間(週2時間)あったが、98年の学習指導要領改訂で初めて50時間に減った。次回の改訂でさらに減らされるのではないか――。学力低下問題で注目を集める国語や算数、体力作りを担う体育などに比べ、話題になることすら少ない状況に関係者は危機感を募らせる。 
 メディアアーティストとして知られる藤幡正樹・東京芸術大大学院教授は「素材と1時間向き合うプロセスに価値がある。自分を表現するという意味で作文と一緒にしてもいいのでは」と話す。藤幡さんは06年10月、工学系の研究者とも語らって、「がんばれ!図工の時間フォーラム」を発足させた。「図工がこれ以上減らされると、何十年か後の日本のものづくりはどうなるのか」という思いは共通している。同フォーラムは、図工の時数増を求める署名を集め、2月に文部科学省に提出する予定だ。問い合わせはフォーラム事務局(03・5842・5377)へ。 
◇ 図工の授業内容の変遷 
47年 学習指導要領(試案)発表<生活実用性を重視> 
55年 図工の教科書使用始まる 
58年 学習指導要領告示<系統主義的カリキュラムに> 
・各地で民間教育団体が結成され、生活風景を描く「生活画」や素朴な描画から子どもを育てようとする運動がさかんに 
68年 学習指導要領改訂<絵画、彫塑、デザイン、工作、鑑賞の5領域に> 
・小学生に高度なデッサン力をつけさせる実践。作品の題材が機関車や動物などにパターン化される問題が起こる 
77年 学習指導要領改訂<表現、鑑賞の2領域に> 
・ものを作る行為自体を楽しむ「造形遊び」を低学年に導入 
・光や風を材料に使うなど実験的な授業が東京や大阪で試行される 
・鉛筆を削れない子どもが問題に 
89年 学習指導要領改訂<造形遊びを中学年まで延長> 
・子ども中心的な考え方が強調される 
・4本足のニワトリを描く子どもが問題に 
・コンピューターやデジタルカメラを使った実践が登場 
98年 学習指導要領改訂<造形遊びを高学年まで延長> 
・各地方に公立美術館ができ、鑑賞教育が模索され始める 
・絵を描けない、枝が折れないなど実体験の不足が指摘される 

ゼロトレランス 規律厳守の生徒指導、高校で試み
(朝日新聞 1月14日)
 規律を厳しく守らせる「ゼロトレランス」(寛容度ゼロ指導)という米国の生徒指導法が全国の高校に広がり始めている。違反が一定回数に達すると出席停止などの罰を定め、必ず守らせる「ぶれない指導」が特徴だ。厳しい指導が日本の教育風土にどこまでなじむのか。現場を訪ねた。
 静岡県立御殿場高校(生徒数約620人)では毎朝、教師が校門に立って、生徒の服装を点検している。違反を見つけると、チケットを渡して注意する。この枚数に応じて、段階的な指導をする。8枚たまると、3日間の謹慎だ。化粧を見つかり、チケットを渡された1年生の女子は「むかつく。すっぴんなんて小学生までだよ」と怒った。一方、「縛られてる感じはするけど、確かに雰囲気が落ち着いてきた」と話す2年生の女子もいた。05年9月に始めるまで、学校には、生徒の服装やマナーについての悪評が地域住民からも頻繁に寄せられていた。パソコンを使った情報教育に力を入れる同校の生徒の多くは、卒業と同時に地元で就職する。地域の評判は重視せざるを得なかった。チケット制を始めた当初、「うちの子だけなぜ」「どうしてこの学校だけこんなに厳しくするんだ」といった苦情が保護者から相次いだ。教師からも「言い返されたときに厳しくしきれるかどうか……」という不安があがった。そこで、保護者とは徹底的に話し合うこと、2人1組で指導することを申し合わせた。チケット制の対象は服装や化粧など外見だけだ。ところが、指導を繰り返すうちに、遅刻や欠席も減ってきた。前年度比で、欠席者数が延べ約200人減った月もあった。植松悟校長は「教師がはっきり指導でき、自信を持てるようになった。学校がまったく違う雰囲気になった」という。 
 岡山市の私立岡山学芸館高校は01年から始めた。自転車の二人乗りはレベル2、喫煙はレベル3、教師への暴言はレベル5などと規律違反を5段階に分けた。レベル5は一度でもやれば、無期謹慎か退学処分となる。謹慎者は特別教室で自習する。カウンセリングで反省を促し、教室に戻れるよう指導する。全校約1100人のうち、導入前の98年度に年間90人いた退学者は、05年度は9人と10分の1に減った。同校の取り組みは全国からも注目を集め、昨年12月だけで11校が視察に来た。 
 子どもによる凶悪事件の多発を受け、文部科学省は05年からゼロトレランス方式を調査し、昨年5月に報告書をまとめた。場合によっては出席停止も認める内容だ。森嶋昭伸・生徒指導調査官は「社会の厳罰化が進んでいるのだから、学校でもそれを実感させなければならない」と話す。 
 しかし、厳しい指導は万能ではない。鹿児島県霧島市の県立牧園高校は、3年間続けたゼロトレランス方式を昨年3月でやめた。交通違反の点数のように、問題行動を重ねると罰則が重くなり、10点分繰り返すと退学にする仕組みだ。暴力や教室を出て歩き回る生徒はいなくなった。一方、点数がたまれば、最後の違反が比較的軽い遅刻でも退学となることには教師の間で賛否が分かれた。だが、「決めたルールは守る」と退学処分にした生徒が何人か出た。「もう少しチャンスを与えても良かったのでは」と、揺れる気持ちが教師たちに生まれた。庵之下武志・生徒指導主任(34)は「我々は警察ではない。子どもを育てる現場で、機械的な対応で良いのか」と振り返る。新たに指導内容を細かく定めた。謹慎中は、登校して読書をさせたり、毎日書かせた反省日誌を保護者と見ながら話し合ったり。どうすれば立ち直れるかを重視するようになった。 
 〈ゼロトレランス〉 米国で90年代後半に広がった生徒指導の方法。直訳すると「寛容度ゼロ」だが、「毅然(きぜん)とした対応」などとも訳される。学校での銃乱射事件などを背景に、クリントン大統領が97年に導入を呼びかけて、法制化する州が相次いだ。重大な違反者には、放校処分やオルタナティブスクール(他の特別な教育施設)への転校も定めている。
=穎明館の久保田校長が、穎明館はゼロトレランスではなくフルトレランスでとことん生徒を信頼していくという話をされていたのを思い出す。信頼がなければ教育は成り立たないのではないか。=

進学校厚遇 福井県教委
(朝日新聞 1月12日)
 福井県教委が県立高校15校(普通、総合学科)を対象に、大学入試センター試験の受験者数に応じて高校の教員を増員(加配)する制度を導入している。西川一誠知事のマニフェスト(政策公約)の一つ、「高校生の学力全国10位以内」に基づく事業で、県教委はセンター試験受験者の成績が年々上昇しているとして成果を強調する。しかし、加配ゼロの高校も3校あり、制度を疑問視する声もある。 
 04年度から実施している「高等学校学力向上教員配置事業」。04年度は、同年のセンター試験の受験者数がいずれも約360人だった県北中部の上位3校に各3人を加配。地域性を考慮し、約190人の南部の高校にも3人を増員した。受験者数の多い順に05年度は別の4校に各2人、今年度はさらに別の4校に各1人を加配。04、05年度の継続分と合わせて計12校に計24人が増員された。受験者数が1ケタ台(04年)の3校は増員はないままだ。 
 「高校標準法」では1学級の標準的な生徒数を40人とし、これを基に必要な教員数を確保。加配は、各県教委が独自に予算を組めば可能という。 
 必修科目の履修漏れは県立11校で判明。うち加配を受けている高校が10校を占めた。西川知事は今月6日の県議会で「必修科目の履修は当然で、別問題。(公約は)県内の生徒が大都市の子どもに比べて不利にならないように、しっかりと学業を高めてもらおうという意味だ」と説明した。 
 県教委は知事公約を検証するため、センター試験の5教科の平均点の都道府県別の全国順位(大手予備校などが作成)を指標に設定。03年は25位だったが、06年は15位となり、徐々に順位は上がっているという。 
 05年のセンター試験では、全国順位を上げるため、県教委が各県立高校に、すでに推薦合格が決まった生徒の自己採点結果を予備校に提出しないよう指示したことが明らかになっている。 
 県教委によると、同事業による加配教員は他の教員と同じように授業を受け持つほか、センター試験対策や進学指導の計画立案で中心的役割を担っているという。 
〈浦野東洋一(とよかず)・東大名誉教授(教育行政)の話〉 知事公約の数値目標を、教委が忠実に実現しようとする姿勢に疑問を感じる。教委は独自性を保ち、専門家らの意見を聞いた上で施策を決めるのが本来のあり方だ。加配するなら、学習に困難を抱える生徒が多い高校を優先するべきではないか。

教育再生会議 高校で社会奉仕活動を必修化
(毎日新聞 1月15日)
 政府の教育再生会議は14日、今月とりまとめる第1次中間報告に、高校で社会奉仕活動を必修化するよう明記する方針を固めた。安倍晋三首相の自民党総裁選の公約だった。19日に全体会議を開いて決める。学習指導要領に盛り込むかどうかなどの実施への制度作りは、その後さらに議論する。
 学校での社会奉仕活動については、森内閣の教育改革国民会議が00年、小中高校で共同生活をしながら行うことなどを提唱した。しかし「憲法が禁じる苦役につながる」との指摘や受け入れ態勢の問題があり、実施は見送られてきた。ところが、安倍首相は昨年の総裁選で「公の概念が大切」と大学入学の条件にボランティア体験を義務付ける考えを示し、著書「美しい国へ」で「最初は強制でも、若者に機会を与えることに意味がある」と主張。これをきっかけに社会奉仕活動の導入論が再浮上し、再生会議でも「奉仕の義務化が必要」(池田守男座長代理)などの意見が出て、報告に明記する方向となった。ただし、具体的に何をするのかは「高校や地域の清掃、校内のトイレ掃除」といった程度の議論しかされていない。既に東京都は07年からの必修化を決めている。
 一方、報告には教育委員会や学校を評価する独立行政法人など第三者機関の設置の検討も盛り込む。モデルは英国の教育水準局。サッチャー元首相の教育改革をきっかけに発足した国の機関で、イングランド地方の小中学校すべてを監査し、評定結果を公表している。昨年発覚した高校の履修単位不足問題で、再生会議で「教育委員会に文部科学省が指導できるようにすべきだ」との意見が出たのがきっかけだ。このほか、ゆとり教育を見直し公立の小中学校の授業時間数を現在より1割増やすことも明記する。

役得台湾旅行 校長ら60人、修学旅行誘致へ当局招待
(朝日新聞 1月15日)
 高校の校長や教師ら教育関係者約60人が、昨年末に修学旅行誘致の目的で催された台湾旅行に参加し、全日程4泊5日分のホテル代、飲食費、現地交通費を台湾当局に負担してもらったことが朝日新聞の調べで分かった。妻の分まで支払わせた教員もおり、複数の参加者が取材に「台湾による接待旅行だった」と認めた。「役得」旅行に便乗する教師たちのモラルが問われそうだ。
 修学旅行誘致のために日本の高校長らを招待する格安旅行はアジア諸国を中心に広がっており、今回その一例が明らかになった。多くの生徒や父母に知らされぬまま、「役得」旅行が繰り広げられており、国外修学旅行の行き先選定の不透明さが浮かび上がった。この旅行は台湾当局が主催し、台湾観光協会東京事務所が窓口だった。 
 台湾側は日本国内約3000の高校に参加案内を配布。「多くの生徒に台湾への修学旅行や観光をしていただくよう努力する」などと誘致の目的を明確にしている。参加案内によると、参加費は、往復の渡航費用の5万4000円余だけ。手配をした旅行会社「JTB」の関係者は「通常なら航空機代を入れて1人15万円程度のコース」と算定し、パック旅行としても異例の安さだ。名簿によると、校長7人、副校長・教頭7人、教職員39人、国土交通省職員、財団法人「日本修学旅行協会」幹部らが参加。東京、神奈川、長野3都県の教員で半数を超え、全体の3分の2近くが公立校の教員だった。一行は昨年12月26日に台湾入りした。滞在中、交流のためのシンポジウムと学校訪問もあったが、そのほかは観光地を見学。東部のタロコ峡谷や礁渓温泉を回る「東台湾コース」と、高雄や台南をたどる「南台湾コース」に分かれた。台北では故宮博物院や観光夜市、高さ508メートルのタワー「台北101」を訪れ、修学旅行に使うにしては割高な高級ホテルに宿泊した。幼稚園や小学校の教師を務める妻と参加し、妻の滞在費も負担させた教師たちもいた。参加者の一部は帰国後、取材に対し、「ハイシーズンなのに普通のツアーの半額以下なので、台湾から接待されているという認識はあった」と話した。こうした台湾旅行は4回目。参加者は03年が約70人、04年が約40人、05年は約100人だった。台湾を訪れた日本の修学旅行生は04年度が1153人、05年度は2424人で倍増している。公立校が海外旅行を検討する場合、国内での説明会に参加したり、渡航実績のある学校から情報収集したりするケースもあり、「役得」旅行に行かない学校も多い。 
 台湾観光協会東京事務所は「歓待するのは常識で、日本も含め他の国も同じことをしている。われわれの負担額は多くはなく、先生に迷惑がかからないように考えた」と話している。 
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中国へも役得旅行 修学旅行誘致(朝日新聞 1月16日)
 高校の校長らの「役得」旅行は、台湾だけでなく、中国でも催されていたことがわかった。台湾とほぼ同時期に実施され、台湾を上回る約100人が蘇州と上海を3泊4日で訪問。滞在費はすべて中国政府に負担してもらっていた。対象は教職員や生徒だったが、生徒に募集をかけずに実子を同伴したり、元教師が参加したりしており、格安旅行への便乗ぶりが改めて浮かび上がった。 
 この中国旅行は、日中韓の観光担当大臣が昨夏に青少年交流の拡大を合意したことを踏まえ、中国政府が修学旅行の誘致を主な目的に主催した。航空券を手配したJTBによると、参加費は往復渡航費の4万8000円だけで、現地ホテル代、飲食費、交通費は中国政府が負担した。複数の旅行会社は、通常なら渡航費を含め12万〜15万円と試算。参加者の一人は「修学旅行としては豪華すぎるコースだ」と話した。日本からは校長を含む教職員・生徒ら98人が参加。名簿によると、公立校は東京、神奈川、千葉、大阪、兵庫、三重などの校名があり、30人程度だった。一行は昨年12月26日に上海入りし、学校訪問やシンポジウムのほか、蘇州の観光地などを訪問した。 
 中国側は10月に日本全国の約3000校に案内状を送付。参加対象を「教職員、生徒、父母等」とし、生徒の参加が無理な場合は教職員の子も可としたが、中高生に限定していた。ところが、参加した教師4人は校内で募集することなく、実子を同伴。大学生を連れて行った人もいた。子の同伴について教師は「案内が終業式直前に来たので募集できず、自分の子を連れていった」などと説明した。校長に無断で生徒と一緒に参加した教師もいた。また、以前勤めていた私立高校名で参加した教員OBもいた。「旅行会社から誘われ、旧知の校長に相談したら『うちの校名を使っていい』と言ってくれた」という。 
 全国各地の教育委員会は15日、台湾への「役得」旅行が報道されたことを受けて、事実関係の確認を始めた。 
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日修協幹部は旅費全額 渡航費も負担(朝日新聞 1月19日)
 高校の校長らが現地滞在費丸抱えの台湾旅行に参加していた問題で、旅行を後援した財団法人「日本修学旅行協会」の幹部が過去4回の旅行の際、渡航費を含む旅行代金全額を台湾当局に負担してもらっていたことがわかった。日修協は台湾への修学旅行を推進する見返りに校長以上の厚遇にあずかっていた形だ。 
 日修協は、日本交通公社(現JTB)の呼びかけで、1952年に文部省、運輸省、国鉄(いずれも当時)、東京都の4者で設立された財団法人。修学旅行の調査・研究などを業務とするが、「旅行のあっせんはしていない」といい、行き先選定にはかかわっていないという立場だ。だが、日修協は、03〜06年に修学旅行の誘致を目的に台湾当局が主催した教員対象の「格安」旅行を後援。事実上のトップである河上一雄理事長は03〜05年の台湾旅行でいずれも団長を務め、この間、日修協は、河上氏を含む延べ8人分の全額負担を受けた。06年は、河上氏が中国への旅行に参加したため台湾へは行かなかったが、代わりに参加した2人は丸抱えを受けた。その際、一般参加者は往復渡航費を支払ったのに、日修協幹部は渡航費だけでなく、シングルへの宿泊に必要な追加料金3万8000円も払わなかった。便宜の見返りに日修協は海外交流に熱心な学校を台湾側に紹介。台湾の魅力を伝える国内セミナーも後援した。 
 日修協は、全国の学校に販売する月刊情報誌「教育旅行」(2万3000部、年間購読料6120円)で毎年、台湾旅行を詳細に紹介。台湾側が修学旅行を呼びかける全面広告も掲載した。一連のやり方に対し、教育関係者からは「修学旅行の行き先に肩入れしすぎではないか」との声も出ている。台湾側の全額負担について河上氏は「情報誌で旅行を紹介することで相殺されていると考えている」と話している。河上氏は、元東京都立日比谷高校長で、都公立高校長協会会長も務めた。


その他

名言・迷言・冥言
(加川良 教訓1より)
命はひとつ 人生は一回
だから 命を すてないようにネ
あわてると つい フラフラと
御国のためなのと いわれるとネ

青くなって しりごみなさい
にげなさい かくれなさい

御国はおれ達 死んだとて
ずっと後まで 残りますヨネ
失礼しましたで 終わるだけ
命の スペアは ありませんヨ

命をすてて 男になれと
言われたときには ふるえましょうヨネ
そうよ 私しゃ 女で結構
男のくさったので かまいませんよ

死んで神様と 言われるよりも
生きてバカだと 言われましょうヨネ
きれいごと ならべられた時も
この命を すてないようにネ

小学生のお年玉 過去最高に、平均2万5千円
(時事通信 1月15日)
 今年のお正月に小学生がもらったお年玉は一人平均2万5293円だったことが、小学館が実施したアンケート調査で分かった。好景気を反映して前年より766円増え、調査開始(2004年)以来初めて2万5000円を超えた。調査はアンケート会員(1〜6年生)を対象に行い、全国の585人から回答を得た。