NO.226

2006年12月15日 
アクセス教育情報センター

目次

学校情報

公開模試情報 教育情報 その他 その他
筑波大駒場

開智中学校

桐光学園

玉川学園

日能研模試12月

首都圏模試12月

塾の安全管理

履修単位不足問題5

東大生

名言・迷言・冥言

郵政造反議員復党

都心の新議員宿舎

生活保護

タウンミーティング

学校情報

筑波大駒場 学校説明会(06年10月8日)
1)中学副校長 宮崎先生
今回が今年最後の説明会。6回で3000名以上が参加。
駒場東大前駅の横に学校の田んぼがあり、1週間後に中1と高1が稲刈りを行う。
都心の学校で田んぼを持っている学校は珍しい。田んぼは1887年創立の駒場農学校からの流れ。
1947年に創立。来年60周年に。最初は東京教育大附属として。現在は筑波大附属に。
筑波大駒場が一貫して目指してきたものは自由と闊達(=広い心)。
校則がなく、制服もない。授業も先生が教えたいことをプリントを作成して行っている。先生は中学でも専門科目を担当する。教養主義的なカリキュラム編成を組み、中高時代に幅広い教養を身につけて欲しいと思っている。
5教科だけでなく、全てについて広く学んで欲しい。
理系、文系の選択は高3になって。必修が多い。
学校行事を重視している。学校行事は生徒が自主的に運営し、先生はそれをサポートする形。
授業、学校行事、クラブ活動を充実させ、心と体の全面的な発達を促す全人教育を行ってきた。
札幌農学校のクラーク博士は、「ボーイズ・ビー・アンビシャス」という言葉をのこしたが、細かな校則は不要として「ビー・ジェントルマン」の一言を校則としたり、「紳士たれ」という人間性の陶冶の面から、リベラルアーツを重視した全人教育を重んじた。これは筑波大駒場がやってきたこと同じ。
当時の大学教育には東京大学を中心とする国家主義と、札幌農学校を中心とする人間教育、民主主義の流れがあった。筑波大駒場は札幌農学校の流れの一翼を担って来た。
これまでの説明会後の質問で、進路指導の話が出てこなかったがどうなっているのかという質問があった。
大学入試に関しては学内ではあまり話題にならない。どの大学に何人入ったかより、10年先、20年先に彼らがどうしているかが重要。
以前は、OBによる講演会で、大学合格者に入試に関する情報を話してもらっていたが、6年前からもっと先のことを話してもらうようにしている。高2の進学懇談会では、卒業後10年経ったOBに自分の職業について話をしてもらう。そこでは、9〜10の分科会を設けて、少人数で話を聞けるようにしている。OBの中には後輩のためにと自分で立候補してくれる人もいる。筑波大駒場の財産は、こうしたOBや同期の人材。
建物等の施設は古い。今年の夏から冷房設備がついた。
国から5千万円の補助があるが年々減らされている。
任意の寄付金を入学時に3万円、毎年4万円お願いしている。
2)学校紹介ビデオ
1.入学式・・東京オリンピックの時、東洋の魔女が練習で使った体育館で。
2.中1校外学習・・3泊4日で。生徒の旅行委員が栞を作成。登山、飯ごう炊さん、棚田見学などを行う。
  中2は東京周辺の地域研究、中3は東北の地域研究。
3.水田学習・・苗床作り、田植え。
4.音楽祭・・校内各所でクラス毎の練習風景が見られる。
5.夏休み・・夏休み中のクラブ活動。
6.体育祭・・2日間にわたり、同時にいろいろな競技が行われる。
7.稲刈り
8.文化祭
9.授業風景
10.脱穀、籾すり、餅つき
11.ロードレース・・中学生は4キロ。高校生は8キロ。
12.卒業生インタビュー・・筑波大駒場の感想として、先生が問題をなげかけ生徒にレスポンスを求まる授業で、考える習慣ができた。
3)学習内容 教務部長 関口先生

他校と違う点として、@大学の附属であること、A中高一貫であることがあげられる。
@ 大学の附属
前身の大学が東京教育大学で教師の養成を目的としていた。付属校は教育研究の目的のために、生徒に試して成果を検証する場であった。教育実習生の受け入れや、新しい試みの取り組みを行う。
現在もSSH(5年目)や筑波大学との連携の取り組みを行っている。
A 中高一貫
規模の小さい学校。中学は1学年3クラス、高校は1学年4クラス。中高で850名程度の生徒数。
中高の生徒が日々一緒に活動することも多い。年齢差のある生徒が一体となって学校生活を送っている。
上級生を見て得るものや、下級生に対する対応の中で得るものがある。
教員は中高の授業を担当する。中1の授業の後高3の授業いうことも。
カリキュラム表にある各教科の時間数は文科省の指導要領に近い数字。ある教科に時間数を多く配当するということはなく、まんべんなく学習する。
中3の補習選択・・高校受験がないので学習がおろそかになる生徒もいる。生徒の希望で中学の段階で苦手な教科を見直しておく。国語、数学、英語各30名程度。教員はそれぞれ3名ずつつく。
総合的な学習の時間が中1、中2、中3各2時間ずつある。中3のテーマ学習はいくつかの専門的なテーマわ学校側で用意し生徒が選択する。ゼミ風の授業。
週5日制、30時間で授業内容をやるのは困難。04年から隔週で土曜日を登校日に。総合学習、生徒会活動、校外学習、行事の準備等を行う。代休日を適宜入れる。
筑波大駒場の教養主義の例として、SSH(優秀な科学者の卵を育てる)に取り組む他校では理系の生徒を対象に行っているが、筑波大駒場は全教科の中で取り組む。各教科が絡むことによって、優秀な研究者になっても他人とコミュニケーションが取れないということのないように、また、研究の成果が他にどういう影響を及ぼすのか、研究がどういう意味を持つのか考えられるようになって欲しい。目の前の課題に取り組むだけのただの専門家を作るようなことはしたくない。他者にも目を向けられることが教養。
入学した生徒には自分のやりたいことは何か、自分の関心は何かを見つけて欲しい。入試のためにやってきたことや、学んだことを積み上げていくやり方は楽だが、それを壊して、自分で考えることをして欲しい。
本校の校長はカビの研究者。カビが好きで好きで研究したくて仕方がない。そいう姿を生徒に見せている。
4)学校生活 生徒部長 市川先生
筑波大駒場では生徒部となっていて、生徒指導部ではない。
生徒部は生徒が行う行事を側面から支援する。
@ クラブ活動・・さまざまなクラブが活動。同好会は生徒会から予算が付かない。
コーチ制度・・学校から委嘱された卒業生がコーチとして指導。
A 行事
音楽祭・・審査はプロの人が行う。批評は厳しく、手が抜けない。
体育祭・・体育祭実行委員が17競技のスケジュールを管理・把握している。今、どこで何が行われているかすぐに答えてくれる。
文化祭・・1万人を越える来場者に対応する。クラス参加、クラブ参加だが、高3はクラスを解体し4つの班に分かれて参加。
B 生徒会・自治会
高校で名称が自治会になる。自治会が実行委員会やクラブを束ね、予算の配分を行う。
各クラブ等との予算折衝のやりとりは公開される。予算折衝のために自治会は全ての部の活動状況を調べている。
C その他
学校の中は汚い。徹底的に汚すが、キレイにするときは徹底的にキレイにする。やるときにはやるということがしっかりしている。
筑駒生の中1の体力レベルは全国平均を下回っている。保健体育科や保健室が、科学的な根拠を示して、成長に必要なアドバイスを行う。食べ物や寝るときの姿勢までアドバイスする。中3から高1には全国平均を上回る。
中高生が6年間同じ屋根の下で過ごすことにより、学校生活やクラブ活動でのノウハウを伝授し、リーダーシップを身につける機会がある。
学校目標の挑戦し、創造し、貢献するは謳い文句ではなく、学校、生徒が本気になってそれに取り組んでいる。
5)中学入試  総務部長 丸山先生
1.出願資格
出願の時点で、通学区域に保護者と同居し、そこを生活の本拠とする者。・・海外在住者と転勤の場合の例外がある。
筑駒は行事やクラブ活動がさかん。長時間の通学は負担が大きいので考慮して欲しい。
中学は入学後の通学区域外の転居は退学になる。
帰国生に対する別枠はない。
2.選考方法
第一次選考(抽選)・・1月16日予定。6年間実施していない。
 抽選は応募者が募集人数の約8倍を超えたら行うとしているが、なるべく実施したくない。ただ、校内で入試を実施するので、スタッフ、会場との兼ね合いで、1000名程度までなら対応できる。
第二次選考(学力試験)・・2月3日
 試験時間帯 9:00〜12:40。
 国、算、理、社 各40分。
 各教科100点+報告書100点の500点満点。
 報告書100点は体育、図工、音楽、家庭の評価を換算。
 報告書のその他の記載と合わせて総合的に判定。
 入試問題は小学校の学習指導要領に沿って出題。ただし、断片的な知識を問うものではない。
3.入試の流れ
11月20日〜 入試要項配布 無料
1月10日、11日 願書受付 9:00〜15:00
          願書・検定料(5000円)振り込み証明書
          転勤を伴う人は出願の際書類を渡す
1月12日   抽選の有無を発表 掲示、HP、特設電話にて
1月16日   第一次選考(抽選)・・抽選実施要項に従って 抽選を行わない場合は来校の必要なし
1月23日、24日 抽選合格者出願手続
        住民票・・学区域内の居住を確認するため
        報告書
2月 3日   学力検査
2月 5日   合格発表
2月11日   合格者説明会 欠席者は合格辞退と判断する
4.06年入試結果
募集定員  120
第一次選考応募者数  878
       合格者数  878  抽選実施せず
第二次選考応募者数  865
       受験者数  734
       合格者数  130
       入学者数  123
合格者のうち例年10数名の辞退があるので募集定員より多く合格者を出す。
合格発表時に繰り上げ合格候補者を速達で連絡。06年は12名に連絡。
繰り上げ合格がある場合はTELにて連絡を入れる。06年は16名辞退があり、繰り上げで9名が入学。

開智中学校 中3自殺で両親が提訴
 越谷市で7月に起きた私立開智中3年、杉原賢哉さん(当時14歳)の自殺を巡り、同市に住む両親が30日、同中を運営する学校法人「開智学園」(さいたま市)と教師ら6人を相手取り、約7760万円の損害賠償訴訟をさいたま地裁に起こした。両親は「自分の子がなぜ死んだのかを知りたい」と話している。
 訴状によると、今年6月、賢哉さんは校内であった盗難事件を「目撃した」と教師に打ち明けた。7月3日にも教師に話し、母親にも事件を告げたが、その際に「学校で大変なことが起きている」などと言った。同4日、賢哉さんは普段通り家を出たが登校せず、午後1時45分ごろ、越谷市内の駅で電車に飛び込んだ。
 両親は▽盗難事件の全容解明を怠り、賢哉さんに精神的苦痛を与えた▽自殺した日の午後まで教師が欠席確認を保護者にしなかったのは安全確認義務違反−−などと訴えている。
 一方、記者会見した同学園によると、賢哉さんが目撃したのは盗難事件の現場ではないことが分かり、7月3日に本人に再確認したという。自殺に関しては「原因も分からず予見もできなかった」とし、「両親には慎重に対応してきたが裁判になったのは残念。道義的責任は感じるが法的責任はない」と話した。

桐光学園 教育懇談会(06年10月23日)
校長 伊奈先生

1) 概要
1.歩み
1978年 男子高校でスタート。
1982年 中学を開設。
1991年 中・高に女子部を開設。
2001年 土曜講習制度開始。6年間目に。このときの中1が現高3。
2003年 高校で新コース制に移行。新コース制の最初の学年が今春卒業。
学校改革を行う中で桐光学園に入学してくる生徒もだいぶ変わってきた。
2.施設・環境
学校の周りに塀がない。
小田急線栗平駅から徒歩12分。初めて学校に来た人は「遠いですね」が第一声。
ただ、通学路は四季折々の変化を感じることができる。6年間その変化を感じながら通学できることは生徒にとって大きいのでは。
周りの環境に恵まれていることもあるが、安心できる防災体制になっている。
最近、自家発電装置を設置。電気が止まっても3日間から1週間の電力を確保できる。
井戸からの飲料水も確保できる。何かあっても学校にとどまれる。
スクールバスの運行を始める。朝、夕に京王線若葉台−小田急線黒川−学校の間を往復。
1回80円〜90円。利用者はまだ1台に数名。生徒は通学時に友達と歩きながら話をしたいらしい。
2) 教育内容
1.リーダシップの育成
ただ人の先頭に立つということではなく、周りの人とコミュニケーションがとれ、豊かな人間関係の中で自分の能力を発揮できることが必要。
中高で、自分の魅力を作り、他人との人間関係を作れる人になって欲しい。その意味ではホームルームが学校生活の中で大きな役割を持つ。ホームルームの中で切磋琢磨し合いながら、友人や担任との関係を作っていく。
2.男子・女子別学
ホームルーム、教科指導は別。
行事、生徒会、実行委員会、クラブ活動は一緒。昨年の生徒会長は女子だった。
教科指導を別にしているのは男子と女子の授業展開は違う。
男子は演繹的な授業が可能。法則を説明してから事例に、体系を説明してから具体的事例を説明することができる。
女子は具体的事例から法則を説明した方が理解しやすい。
古典や英語についても、新しい単元に入る場合、男子はまず音読し、その後に意味や時代背景を説明する授業でいけるが、女子はまず単語や時代背景を説明してから文章の全体像をつかむやり方の方が効果がある。
同じ先生が男子クラス、女子クラスを教える学校は少ない。そういう経験をしているのは桐光学園くらいではないか。その経験から男子と女子では授業のやり方を変えた方がよいと思う。
先生の服装にしても、男子校と女子校の先生の身なりが違っているが、実際、女子クラスで授業をする場合、先生は服装がきちっとしていないと受け入れてもらえない。男子クラスでは汚い白衣を着ていてもなんら抵抗がない。
高1で物理、化学、生物が男女とも必修。物理は女子向けの物理を行う。
男女別学を意識した授業を行っている。
3.学習指導
1学年 男子6クラス、女子3クラス。2人担任制(女子部は2人のうち1人は女性教員がつく)。
担任は6年間持ち上がり。9クラス×2名=18名がその学年を担当する。
このやり方が定着することにより学校が大きく変わる。生徒と教員との親密度が高くなる。生徒の家庭との親しさも増す。
3〜4まわり目の教員が多くなってきた。
ほとんどの教員が各学年を経験しているため、生徒にとって中1では何が、中2では何が必要かということを、自分なりに理解している。(中1では最初の人間関係とホームルームでの居場所をどう作るかが重要)
教員間の信頼関係も厚くなる。同じ学年担当者同士だけでなく、他の学年担当者に対しても、あの人は中3を担当しているが、中3の指導が一番大変だということが自分の体験として理解できる。
教員間の雰囲気を生徒は肌で感じる。教員同士に信頼関係があると生徒も安心できる。
一人の先生が10倍成長することは大変だが、お互いの信頼関係で教育効果を10倍にすることはできる。例えば、校長の話を担任がフォローすることにより、話の重みが変わってくる。
こうした取り組みは専任教員が多いからできること。専任教員の比率が92.2%。
4.新コース制
3年前から
高1でSAコース(特進クラス)、Aコースに。
高2から文Tコース(国公立文系対応)、文Uコース(私立文系対応)、理Tコース(国公立理系対応)、理Uコース(私立理系他欧)の4コースに。コース選択は生徒の希望で。
それまでは理数科が国公立対応で普通科が難関私対応のカリキュラムだった。理数科、普通科の選択は高1で決まってしまっていた。
国公立志望が多くなってきており、高1のSAコース、Aコースともそれまでの理数科のカリキュラムを行っている。
5.レッスン制
英語、数学に関して男子は6クラスを7つのレッスン(S、α×2、β×2、γ×2)に。女子は3クラスを4つのレッスン(S、α、β、γ)に分けて授業を実施。
γは人数を少なくして、一人一人の様子を見ながら指導している。
6.土曜講習
当時、5日制の導入が問題になっていた。
土曜日を休みにするのではなく、特別講習の日にして、授業でできなかったことをやることに。自由参加にしても、それまで放課後講習を行っていたので、7割くらいの生徒は自主的に参加するだろうと予測。
1・2時限目・・英・数・国の演習中心の講習。
3・4時限目・・ユニーク講習=教養・趣味・実験・観察の講座を設置。
スタートしたら98.6%の受講率。
父母向けの陶芸教室も人気が高く、現在は週4回に分けて実施している。
7.大学の先生による訪問授業
今年は早稲田大、東大、東工大、横浜国大など18回実施。
大学で行っている研究をわかりやすく説明してもらう。
生徒の参加は自由なので、中学生で参加知る生徒もいる。
大学に入るためではなく、大学に何をしに行くのかの参考になる。
話を聞いていると、理系でも文系の素養が求められる。理系・文系の境目がなくなってきていることを感じる。
8.クラブ活動
野球やサッカーは部員が多いので、学年別に顧問がついている。
生徒はクラブと勉強の両立をどうするかが課題になる。学校としては両立できる体制作りをしてあげることが必要。
卒業生による進路座談会でも、受験勉強より、クラブと勉強の両立の方が大変という話が出る。
子供がクラブに打ち込んでいると、保護者からは「勉強をしないからクラブをやめさせたい」言ってくる。それに対しては、もう少し我慢して見ていてあげてくださいと話す。保護者の意志でクラブをやめても、その時間、勉強するようにはならない。
9.行事
新入生歓迎会、サマーキャンプ、ホームステイ、文化祭、体育大会、ボランティア活動、スキースクール、合唱コンクールなど多くの行事がある。
行事を通してリーダーシップを養っていく。
サマーキャンプは準備の方が時間がかかる。リーダーを中心にキャンプは運営されるが、他の生徒の協力態勢が重要。サマーキャンプでは現地の自然調査を行い、それをまとめて文化祭で発表する。
スキー教室は中1から高2まで5年間行く。神奈川の学校でスキーの平均レベルは一番高いのではないか。
10.進路指導
中1・・人間関係作り
グループエンカウンター・・友人関係の作り方を学ぶ。
他人のいいところを出し合い、それをそれぞれの個人に戻す。みんなが自分をどう見ているかを知る。
サマーキャンプと文化祭の連動。
校長が道徳の授業を担当。
中2・・自己と他者
クラブ、委員会活動への積極的な取り組み。
さまざまな職業を知る。
中3・・自己と社会
社会との関わりを知る。
ディスカバーマイセルフ=生徒アンケートで希望の多かった職業にたずさわる人(卒業生、保護者)に来てもらって、仕事の内容について話してもらう。
高校進学に向けコース選択。
高1・・自己と社会参加(進路選択)
学習とクラブ・学校行事の両立。
適性検査の実施。
文・理コース選択。
高2・・自己の能力・適性をみつめる
進路オリエンテーション。
三者面談。
得意教科の発見。
高3・・自己実現に向けて
大学による訪問授業。
三者面談。
模試結果分析。
受験までの学習計画の作成。
専任のスクールカウンセラーが2名いて、カウンセラー室にいるだけでなく、中1のHRでは担任とともにグループエンカウンターの手伝いも行う。
3) 大学入試結果
今春の卒業生は新コース制の第一期生。国公立の現役合格者数が伸びる。
国公立合格者数  03年 04年 05年 06年
       総数   90  100  82  116
       現役   66   67  59  104
06年大学入試結果(抜粋)
     東大 京都 東工大 東北 北大 東学芸 電通大 横国 首都大 国公立計
総数   6   2   8    2   6   5     9   19   24   116
現役   6   1   7    2   6   4     8   19   22   104
     早大 慶大 上智 明治 青山 立教 中央 法政 理科大 ICU 津田 東女 日女
総数  90  37  39  139 74  70 128  59  94   3   6   6  15
現役  73  29  30  112 64  56 120  45  86   3   4   5  12
卒業生579名に対する東大、早慶上への現役合格者数の割合(A率)は23.8%。
MARCHへの現役合格者の割合(B率)は68.6%。
国公立の現役合格者数の割合(K率)は18.0%。
4年間のA率推移は21.0%−21.6%−23.2−23.8%%。
4年間のB率推移は42.1%−48.2%−60.2%−68.6%。
4年間のK率推移は10.6%− 8.1%−11.2%−18.0%。 
現高3が刺激を受けている。
指定校推薦枠は私立コース(文U、理U)の生徒を優先する。
4) 07年入試
ここ数年、入試要項を変更し4科目入試への移行を行ってきた。国公立大学への対応ができるように。
07年入試ではこれまでの4回入試を3回に。帰国生入試を新設。
07年入試要項
1回 2月2日 男子100名 女子40名 4科
2回 2月3日 男子 70名 女子40名 4科
3回 2月5日 男子 50名 女子20名 4科
帰国 1月11日 男子若干名 女子若干名 国、算、英から1科目 面接 
ここ数年、第一志望の受験生が増え、合格するまで何回も受験される。同じ集団が数回受験するようになってきた。それであれば回数を減らして各回の合格者を増やした方が、桐光学園だけでなく他の学校も併願できるようになる。
学校としても入試日程を1日減らすことができる。
単日出願者(その日だけを受験する)は2月1日が1番少ない。06年入試では、男子は出願者386名中23名。女子は出願者124名中1名。他は複数回を出願している。
2月1日、2日、3日、5日のうち2日の入試をやめても授業を入れられない。1日なら授業日数を1日増やせる。
以上から2月1日の入試をやめ3回入試に。
07年の2日入試では、男子は定員100名に対して2倍の200名ぐらいの合格者を出せると思う。女子は手続率が高いので2倍の80名は厳しいかもしれない。
帰国生は海外の厳しい教育事情の中で過ごしてきている。1科目なら得意という生徒がいる。1科目しっかりしていれば入学してから何とかなると思い、1科目の選択に。
5)質疑応答
1.併設の小学校からどのくらい上がってくるのか。
小学校は1学年約60名(男子40名、女子20名)。中学では各クラスに均等に入る。
2.繰り上げ合格は。
ここ数年繰り上げ合格は出していない。繰り上げは出さない方針。そのため、四苦八苦しながら合格者数を決めている。現高2は120名定員のところ入学者が95名だったが繰り上げを出さなかった。
もし繰り上げ合格を出す場合があれば、複数回受験者を優先したい。
3.レッスン制のクラス替えは。
年4回の定期試験(前期、後期各2回)毎に入れ替えを行っている。だいたい1割の生徒が入れ替えになる。入れ替えになった生徒(特にレッスンが上がった生徒)には放課後補習をして対応している。
4.中学で塾や予備校に通う必要性はあるか。
塾や予備校に行かなくてもよいと明確に言っている。それでもアンケートによると中学で1割近くが行っている。
中学では毎朝10分間テストを実施。英、数、国、社、理を1科目ずつ。(5分実施、5分採点)
10分間テストで点数の取れない生徒には面談、補習、追試を行う。定期試験語のフォローでは手遅れになるので、10分間テストの結果でこまめにチェックしている。
それ以外に課題のたまった生徒は、担任が放課後に面倒を見ている。
5.高校への進学について。
成績だけが理由で留年や退学になることはまずない。
出席日数のうち1/3以上欠席があると進級できない。
話し合って、本人にやる気がない場合もある。
6)入試問題傾向 (06年入試用 配布資料より)
国語《出題のねらい》
国語では
@早く正確に文章を読み、文脈に沿ってその内容が理解できているかどうか
A選択肢の微妙な差異を読み分ける力
B説明的文章では、筆者の主張をとらえて読解することができたか
C文学的文章では、場面の展開に沿って登場人物の心情の変化をとらえて読解することができたか
を確認したいと考えています
国語《ワンポイント・アドバイス》
1.例年同様、大問が2題あります。
2.漢字・語句の意味、接続詞や副詞の空欄補充、全体の文意を問う問題などを出題します。
3.長文の出題が最近の傾向の1つです。長めの文章をスピード感を持って読み、展開に注意しながら文章全体の構成や著者の主張をつかむ練習をしましょう。
4.登場人物の心情の変化に気をつけましょう。
算数《出題のねらい》
算数では
@計算の正確さ
A特殊算の基本的な考え方を理解しているか
B規則性を考える問題や場合の数に関する問題では、問題に根気よく丁寧に取り組めているかどうか
C応用問題では問題を整理し基本的な考えに結び付けられるかどうか
を確認したいと考えています。
算数《ワンポイント・アドバイス》
1.出題する分野は、ほぼ例年通りです。
2.規則性・場合の数・割合・速さなどに関して大問(文章題)を出題します。
3.基礎レベルの問題は全問正答、標準レベルの問題は6割以上正答できることを目標にしてください
4.時間内に9割解答できる計算の速さ、考えの熟練が必要です。
5.実際に図やモデルを書いて考えることが大切です。
社会《出題のねらい》
社会では
@現代社会を正確に見て理解する力【見る】
A社会がとのように成り立っているかの知識【知る】
B身の周りの生活と地理・歴史・公民がどのように関わっているかを考察する力【考える】
を確認したいと考えています。
社会《ワンポイント・アドバイス》
1.例年同様、大問が3題あります。
2.外交や国際関係について出題します。
3.社会を「総合的にとらえる」という観点から地理分野と歴史分野、歴史分野と公民分野といった融合問題を出題します。
4.身近な社会や生活に関することがらに関心を持つようにしましょう。
5.新聞やニュースなどを通じて、時事問題にも関心を持つようにしましょう。
理科《出題のねらい》
理科では
@身の周りの小さな出来事や自然現象について関心を持っているかどうか
A学校での実験・実習に積極的に参加しているかどうか
B理科に必要な計算力が身についているかどうか
C異なる単元のことがらを関連づけて、結論を導き出すカ
を確認したいと考えています。
理科《ワンポイント・アドバイス》
1.例年同様、大問が3題あります。
2.物理分野、化学分野、生物分野、地学分野から2〜3分野の融合問題も出題します。
3.応用問題は基礎的なことがらを組み合わせた問題です。筋道を考え問題を解きましょう。
4.実験結果がもとになって作られたグラフ・表などの見方に慣れておきましょう。
5.教科書にのっている図・絵・写真などもしっかりとチェックしておきましょう。

玉川学園 教諭体罰に賠償命令、東京地裁
(毎日新聞 12月14日)
 私立玉川学園(東京都町田市)の中学部に通っていた女性が「男性教諭に平手打ちされて心身が不調になり自主退学に追い込まれた」として、男性教諭と学園に500万円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁は14日、50万円の支払いを命じた。山崎勉裁判官は判決で「平手打ちは教育上の必要性を欠いた違法な体罰。学園も体罰禁止の指導が不十分だった」と述べた。判決によると、女性は中学部2年だった01年10月、黒板の字を消すよう男性教諭に頼まれて断ると「それでも玉川の生徒か」などと左ほおを2回平手打ちされた。この後、学校への恐怖感から吐き気を催すなどして不登校となり、高等部に進んだ後の04年3月に自主退学した。


公開模試情報

日能研模試12月 合格判定テスト(12月3日)
前年比2.0%の増加。男子は0.9%の増加、女子は3.2%の増加。
          06年    05年     04年    03年     02年
男子 4科   7925    7924    8126    7510    8175
    2科    936     856     743     905     677
女子 4科   7487    6977    6757    5806    5929
    2科    796    1051    1373    1599    2184
合計      17144   16811   16999   15820   16965

首都圏模試12月 統一合判テスト(12月3日)
前年比7.9%の増加。男子は8.9%の増加。女子は7.0%の増加。
02年は四谷大塚と同日程。03年は単独での実施。04年からは日能研と同じ日程に。
          06年    05年     04年    03年     02年
男子 4科   7477    6617    5798    5701    4481
    2科   1118    1274    1283    1455    1530
女子 4科   7269    6234    4965    4718    3281
    2科   2309    2714    2992    3192    3457
合計      18173   16839   15038   15066   12749


教育情報

塾の安全管理 講師の犯罪やまず
(京都新聞 12月8日)
 京都府宇治市の学習塾「京進宇治神明校」で昨年12月、当時小学6年だった女児が、アルバイト講師の萩野裕被告=公判中=に刺殺されて、10日で1年がたつ。事件は「塾の安全」を問い、塾各社は、講師の採用・管理体制を強化したが、「講師の犯罪」は続いている。「京都の事件では監視カメラもあった。でも、いるはずのない日に講師がいた」「タイムカードを押さない塾がまだある」「面接も研究を」。11月27日、宇都宮市内のホテル。業界団体の全国学習塾協会が開いた「学習塾等に通う子どもの安全対策セミナー」で、同協会の関志郎理事は講師の選考管理の重要性を説いた。
*最大の課題は人
 宇治の事件で京進宇治神明校は、萩野被告が窃盗、傷害事件を起こして停学中であることを知らずに講師に採用。女児の両親が被告の”異常性“を塾側に再三訴えていたにもかかわらず、有効な対策が取れなかった。
 京進は事件後、上半期だけで約5000人に上る全講師に在学・卒業証明書を提出させ、ストレス対応などの研修を実施。校長には「危機察知研修」を行い、講師の言動や保護者の訴えを本部が直接チェックする体制も設けた。「人は最大の課題」(社長室)。採用時に保護者以外の第三者から保証印を求める(成基学園)、法令順守研修の導入(浜学園)…。「塾の安全」に保護者の関心が集まる中、同業他社も対策を進める。だが、講師による犯罪はその後も続いた。大津市内の塾では7月、非常勤講師が宿題を忘れた生徒に暴行したとして書類送検された。大阪市内の塾でも11月、講師が生徒の胸を触ったとして逮捕されている。
*背景に人材不足
 講師の事件はなぜなくならないのか。京進に6年間勤めた経験のある教育ライターの山口照美さん(33)は、「事件当時、京進の講師採用率は7割以上だったと聞く。正社員の離職率も高く、安くて頭数が確保できる大学生に塾業界は依存してきた」と、正社員化や昇給などの待遇改善をせず、人材不足とそれに伴う過酷な労働条件が慢性化している業界の矛盾を指摘する。全国学習塾協会が塾5000社を対象に昨年3月に実施した「学習塾業の雇用管理に関するアンケート調査」によると、過去3年間の採用で、講師がすべて非正社員の社は43%に達し、75%以上の社も36%あった。業界の人材不足にさらに追い打ちをかける事態も進んでいる。大手塾各社は近年、生徒2人に講師1人が付く「個別指導」タイプの塾を軒並み増やしている。「事件後、新規開校は自粛した」という京進でさえ、個別指導校は全310校のうち210校を占める。30人に1人で済んだ講師が、個別指導では15人必要になる計算だ。
*「風化」の兆候も
 一方、事件は早くも風化の兆しを見せている。冒頭の「安全対策セミナー」は京都市内で3月に初めて開かれ、定員いっぱいの200人が会場を埋めた。だが、大阪市など9月から全国七都市で開いたセミナーは参加者が毎回減少。最終回となった冒頭の宇都宮市では、北関東全域が対象だったにもかかわらず参加はわずか30人で、講演後の質問もゼロだった。

履修単位不足問題5 都教委、未履修科目の受験対策振り替えを容認
(毎日新聞 12月12日)
 全国の高校で必修科目の未履修が発覚した問題で、東京都教育委員会が都立高の一部で必修科目の「総合的学習」の授業を受験対策に振り替えたり、「理科総合」の教科書を使用していなかったことを把握していながら容認していたことが分かった。都教委は「未履修には当たらない」と判断し補習は求めないが、学習指導要領の拡大解釈があったとして、近く文書で改善を指導する。都教委の対応は議論を呼びそうだ。
 都教委は10月に八王子東高(八王子市)で「倫理」の未履修が発覚したことを受け、都立高全校207校の履修状況を調査してきた。その結果、進学指導重点校を含む約20校が「総合的学習」を数学や英語など受験対策に振り替えていた。また、約10校で基礎的な「理科総合」の教科書を使用せずに、選択科目の「物理1」「化学1」の授業に充てるなどしていた。3年生の総合的学習に英語や数学の大学入試問題を解く講座を設けていた立川高校(立川市)は、「進路指導として生徒の希望が多く、履修漏れとは考えていない」と説明。理科総合を化学1と生物1と合わせて授業を行ってきた富士高校(中野区)は「内容が重複しており、授業数が少ない中で、学校の実態に応じた指導をしてきた」としている。調査結果は14日の教育委員会の定例会に報告される。都教委高等学校教育指導課は「総合的学習を受験指導に充てるのは望ましくない。理科については学校側が学習指導要領を拡大解釈した点は問題だと認識しているが、いずれも履修漏れとは判断していない」と話す。
 一方、伊吹文明文部科学相は12日、閣議後会見で「総合的学習は幅広い解釈がある。どう運用していたのか事実関係を調べるように(事務方に)言った」としたうえで、「君が代、日の丸についてはあれほど厳しい指導をしている教育委員会が、このこと(履修問題)については随分、裁量の範囲が広い指導をしている」と語った。
関連記事
履修単位不足問題 03年度から急増(読売新聞 12月13日)
 高校の必修逃れ問題で、文部科学省は13日、各高校が必修逃れを始めた年度についての調査結果をまとめ、公表した。必修逃れのあった公私立663校のうち、44・2%に当たる293校が2003年度から必修逃れを行っていた。文科省では「完全週5日制などで授業時間が減ったことなどが背景にあるのではないか」とみている。開始年度で最も多かった03年度は、学習内容が大幅に削減された現在の学習指導要領が実施された年度で、02年度の30校から一気に増えた。次いで多かったのは04年度の116校で、全体の17・5%。1993年度以前から必修逃れをしていたと回答した高校も11校あった。

東大生 まじめだが悩みすぎ、3割がニート不安 
(産経新聞 12月14日)
 よく勉強する半面、将来の進路などに思い悩み、不安や無気力に苦しむ学生が増えている−。東大が13日公表した学生生活実態調査で、こんな東大生の姿が浮かび上がった。調査は昨秋、学部生約3500人を対象に実施(回収率39%)。83%の学生が進路や生き方に悩んでおり、自分がニートやフリーターになる恐れがあると感じている学生も28%に上った。一方、睡眠時間は平成9年に比べ約30分減り、毎日の勉強時間は約1時間増加。東大は「よく勉強するのは歓迎すべきことだが、まじめすぎて悩みを深めているようだ」と心配している。


その他

名言・迷言・冥言
(一瞬の風になれ 佐藤多佳子 講談社)
課題が見えている。このきつさが何のために必要かがわかっている。そうすると、きつさは敵じゃなく味方になる。楽しいとすら思えてくる−−はずだ。

郵政造反議員復党 11人の復党正式決定
(毎日新聞 12月5日)
 自民党は4日、党本部で党紀委員会(笹川尭委員長)を開き、郵政民営化法案に反対し同党を離党した堀内光雄元総務会長、野田聖子元郵政相ら無所属議員11人の復党を正式決定した。11人については、郵政民営化に賛成する誓約書など執行部が提示した復党条件を満たしているとして、審査の結果、満場一致で認められた。誓約書の提出を拒んだ平沼赳夫元経済産業相は審査の対象外となった。安倍晋三首相(総裁)は党紀委後の同日夜、党本部総裁室に11人を呼び、郵政民営化を含む政権公約などの実現に向けて協力を要請し同意を得た。この際、11人のうち4人が誓約書に違反した場合の対応を「議員辞職する」から「自ら身を処す」と修正していたことについて、中川秀直幹事長が「同じ趣旨か」と質問。4人は「その通り」と答え、違反した場合の議員辞職を確認した。
 堀内氏は「首相から『しっかりこれからも一緒にやっていこう』という話をいただいて非常に力強く感じている」と記者団に語った。11人の復党で同党所属衆院議員は305人に増え、衆院議員480人のうち3分の2に迫る勢力となる。来年の同党への政党交付金は約2億5500万円増額される。
 党紀委では、郵政法案に反対し党員資格や党役職の停止(いずれも1年、執行猶予が2年)となった参院の造反議員18人についても、執行猶予期間を1年間短縮し、10月27日付で処分を解除した。党紀委に先立ち、安倍首相は首相官邸で「最終的には総裁として私が責任を持って判断した。批判は甘んじて受けるが、新しい仲間を受け入れ政策を推進させていくことによって国民の理解を得たい」と記者団に語った。復党を求める落選議員については、来夏の参院選への対応をにらみながら調整を進める。中川氏は党紀委後の会見で「参院選の準備作業を考えれば、年内から来春の早い時期に調整をしていく。(落選組が)参院選に出る場合、県連で公募のような仕組みで上げてもらう方が望ましい」と述べ、現職より厳しい復党条件を課す考えを示した。このうち藤井孝男元運輸相が参院岐阜選挙区、衛藤晟一前衆院議員が比例代表での出馬を検討している。
 ◆復党した11人(かっこ数字は衆院の当選回数、敬称略)
 保利耕輔(10)(佐賀3区)今村雅弘(4)(佐賀2区)保坂武(3)(山梨3区)古川禎久(2)(宮崎3区)森山裕(2)(鹿児島5区)=以上津島派▽堀内光雄(10)(山梨2区)=古賀派▽古屋圭司(6)(岐阜5区)武田良太(2)(福岡11区)江藤拓(2)(宮崎2区)=以上伊吹派▽山口俊一(6)(徳島2区)野田聖子(5)(岐阜1区)=以上無派閥
=信念よりも選挙と政党助成金。議員個人の欲と政党の欲が臆面もなく露出したような復党。朝日新聞の川柳欄に”何となく立派に見えるやせ我慢”というのが載っていたが、国会議員である前に人として通す筋があるのでは。=

都心の新議員宿舎 3LDK、家賃9万2000円
(毎日新聞 12月9日)
 東京メトロ・溜池山王駅から徒歩3分の一等地に完成間近い<衆院赤坂議員宿舎>は、地上28階、地下2階、部屋数300、スポーツジムや展望ラウンジも備わる豪華マンションだ。先日、衆院議院運営委は、各党に新宿舎の家賃試算を示した。国家公務員宿舎法の規定に5%上乗せして9万2213円ナリ。来春4月には、旧赤坂宿舎や取り壊し予定の高輪、青山両宿舎から与野党議員が大挙して引っ越すことになる。
 これに、ただ一人、「とんでもない億ションなんかワシは断じて入らん。入居した議員が、税金の無駄遣いを主張したら、ワシは腹を抱えて笑ってやるぞ」と宣言したのが、民主党の河村たかし議員、いまは青山宿舎に家賃1万4000円で住んでいる。河村は、<永田町の変人>を自称し、同じニックネームの小泉純一郎前首相と変人争いをしてきた。小泉が中元、歳暮など贈答品をいっさい拒否しているのに似て、河村も長年、議員特権の不当を追及してきた。「ワシは子供のときから威張ってるヤツが嫌いだった」と言う。名古屋市の古紙業の長男に生まれ、一橋大を出ていったん家業を継いだが、春日一幸元民社党委員長に師事して政界に転じた。愛知1区、当選5回、58歳。
 新赤坂宿舎に関心を持ったのは、いまの住居の青山宿舎が築40年ながら頑丈で、間取り(2DK)もなんの不自由もないのに、取り壊されると聞いたのがきっかけだった。河村の調査では、新宿舎の建設費は334億円、国有地なので土地代はいらない。時価に換算すると、約500億円の超高級マンション、1世帯が1億6000万円の勘定だ。それが議員特権で格安入居できる。同じ条件の家賃相場は50万〜60万円というから、6分の1である。衆院法務委で、河村がこの宿舎問題を質問すると、「小さい問題だ」とヤジが飛んだ。
 「日本の政治家貴族の頭は、いよいよ末期症状になってしまった」と怒る。河村はこれまで特権の最たるものといわれた議員年金の廃止法案を作り、年金未納騒動の端緒になった。また、衆院の国会等移転特別委員会の委員長ポストが舞い込んだ時は、委員長に与えられる黒塗り公用車を、「そんなもの、いらんがや」と断った。委員長手当1日6000円も返上、徹底している。
 <諸悪の根源は国会議員にある。議員が職業になってしまって、理不尽を改める力を失ってしまったからだ。議員改革をすすめるためになすべきことは一つ、私が総理大臣になるしかない>が持論で、テレビなどを通じ、早く首相になりたい、と言い続けるただ一人の議員でもある。民主党代表選のたびに、名乗りを上げようとしたが、<20人の推薦>が壁になり、果たせていない。こんな反骨の異端が一人でも二人でもいたほうがいい。政治の透明度もあがる。
 政界入りを志した時、先輩の春日から「とりあえず、雰囲気出してこい」と言われたのが印象に残っているというが、河村の語りはあの春日節をしのばせる。野人派の雰囲気も独特だ。以上のことは、新著「おい河村!おみゃぁ、いつになったら総理になるんだ」(KKロングセラーズ刊)にくわしい。一読、笑いっ放しだ。
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超優遇新議員宿舎 (スポーツニッポン12月10日)
 「豪華すぎる、安すぎる」と批判の的になっている衆議院赤坂議員宿舎(来年2月完成予定)に、入居をためらう動きが一部議員の間で広まっている。家賃が、相場の5分の1(約9万2000円)という試算に対し、国民からブーイングが起こる中、民主党の若手・中堅議員らは「入ったらつるし上げに遭ってしまう」と民間の住居を探して情報交換。豪華住居は一転「恐怖の館」とささやかれている。 
 新しい宿舎は東京メトロ・溜池山王駅から徒歩3分の一等地に建つ。5日に明らかになった衆院事務局の試算では、3LDK(82平方メートル)で家賃は約9万2000円。スポーツジムや食堂、最上階には夜景が楽しめるラウンジもある。
 周辺の不動産業者によると、同じような条件のマンションの家賃は約50万円。「ひどい特権だ」と国民の怒りが爆発している。それだけに、民主党議員たちは「入居すれば出口で報道陣にマイクを向けられ、名前、選挙区まで出されて国民の前でつるし上げに遭ってしまう」と危ぐする。ある議員は「入るのが怖い。恐怖の館になっている」と打ち明けた。
 総事業費は約334億円で国民の税金からまかなわれた。「税金の無駄遣いだとの声が上がる中、野党議員として堂々と入るのはどうか」との声も。民主党の若手・中堅議員たちは、別の物件をインターネットで検索するなどして「(東京メトロの)有楽町線沿線にいい物件を見つけた」などと情報交換を活発化させている。
 国会へは車で5分前後。議員は早朝から会合に出ることが多いため、住まいは国会に近い場所が譲れない条件のようだ。入居は4月の予定。ある議員は「物件の家賃と世論を見て決める」と話している。
 与党は対照的。永田町関係者は「森喜朗元首相も入るとの話が流れている。自民党ではちゅうちょしている議員の話など聞いたことがない」と指摘。仮宿舎に住み、入居待機組の自民党の杉村太蔵衆院議員は「入りますよ」と断言。「社宅と同じイメージ。でも確かにスポーツジムはいらないだろうって思った。僕が決める段階にいたらジムは造らない。精いっぱい仕事で結果を出します」としている。ほかの自民党若手議員も「入居する。社宅でもっと優遇されている人も多いと思う。批判はおかしいのでは」と首をひねった。
=彼らにとって国会議員というのは割のいい(いわゆるおいしい)仕事なんだろう。=
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新議員宿舎 スポーツジムやスカイラウンジ設置見送る(毎日新聞12月14日)
 衆院議院運営委員会の庶務小委員会(原田義昭委員長)は14日の会合で、来年4月から入居が始まる衆院赤坂議員宿舎(東京都港区)の建設計画に含まれていたスポーツジムや最上階(28階)の「スカイラウンジ」設置を見送ることを決めた。「厚遇批判」を意識したものだが、議員宿舎の賃料は当初予定通り月額9万2000円とした。
 赤坂宿舎は地上28階、地下2階建てで、300世帯が入居できる。間取りは3LDKの82平方メートル。この地域の同程度の新築マンションの家賃相場は45万円前後と言われている。原田委員長は記者団に対し「東京での議員の生活環境を最低限確保すべきだ。国有地でもあり、民間住居の家賃との比較は当たらない。世論を危惧(きぐ)する声は会合でも出たが、家賃を上げるべきだとの声はなかった」と説明した。

生活保護 母子加算を廃止へ
(NHKニュース 12月10日)
生活保護を受けている世帯のうち親が1人で子育てをしている世帯に支給される「母子加算」について、厚生労働省は、来年度から段階的に額を減らし、3年間で廃止する方針を決めました。生活保護の制度では、15歳以下の子どもを親が1人で育てている世帯には、負担を軽くするため、子どもが1人の場合で月に2万円余りの「母子加算」が支給され、9万を超える世帯が給付を受けています。厚生労働省によりますと、母子加算をあわせた保護費は1世帯あたり月に14万円近くになり、働きながら1人で子育てをしている世帯の毎月の平均支出、およそ12万円を上回っているということです。このため厚生労働省は、不公平感を解消する必要があるとして、母子加算を来年度から段階的に減らし、3年間で廃止する方針を決めました。一方で、自立を促すため保育所に子どもを預ける費用などを補う新たな支援制度を検討することにしています。母子加算をめぐっては、16歳から18歳の子どものいる世帯に支給されている加算も、学費を支援する制度が設けられた代わりに来年度には廃止されることになっています。生活保護に詳しい法政大学の杉村宏教授は「母子加算は、子育てに最低限、必要な費用で、打ち切られると自立がますます難しくなるおそれがある。一般の母子家庭の生活が、生活保護を受けている世帯より苦しいとしたら、そうした人たちへの支援こそが必要で、これを理由に母子加算を打ち切るのは本末転倒だ」と話しています。
=新議員宿舎に見られる国会議員の厚遇に比べ、中国残留孤児の帰国後の不十分な自立支援といい、生活保護の引き下げといい税金の使い方があまりに違っているのではないか。=

タウンミーティング やらせ問題で首相、報酬約100万円を返納を表明
(朝日新聞 12月14日)
 安倍首相は13日、政府主催のタウンミーティング(TM)の「やらせ」質問などを調べていた調査委員会(委員長・林芳正内閣府副大臣)の最終報告書を踏まえ、自らに対する「処分」として、首相報酬約100万円を国庫に返納する意向を表明した。首相自らが不祥事の「けじめ」として報酬をカットするのは極めて異例。14日にも幹部ら関係者の処分を行い、塩崎官房長官や伊吹文部科学相ら関係閣僚も報酬を返納する方向だ。 
 首相は13日夜、首相官邸で記者団に「首相の俸給3カ月分を返納したい。当時の官房長官としての私の責任の取り方だ」と語った。首相の報酬は月約234万円だが、財政再建のために3割を自主返納している。さらに議員としての歳費分約130万円は受け取るため、今回の返上は3カ月分で計約100万円となる。 
 一方、報告書では、「やらせ」質問15回や一般参加者を装った発言依頼29回、国から自治体への「動員依頼」71回に加え、主催者側が入れたくない参加希望者を排除する「抽選工作」が1件行われていたことが新たにわかった。 
 05年11月の「文化力親子TM イン 京都」で、共催者である京都市教育委員会の担当者が「ほかのイベントで会場内でプラカードを掲げ、指名されなくても大声を発したことのある人物とその関係者が応募している」と事前に内閣府に連絡。担当者と上司が協議し、該当者の応募受付番号と同じ末尾の数字を持った応募者が落選するよう工作した。これに連動して、無関係な約50人も抽選から振り落とされたという。報告書では「必要ならば警備を強化するなどの措置を検討するべきであり、作為的な抽選は決して認められるものではない」と指摘した。 
 政府は「運営改善が急務」とした報告書の提言を踏まえ、来年1月にも安倍内閣としてTMを開始したい考えだ。内閣府のTM担当室は廃止し、経費を抑えて無理に参加者集めをしないで済む規模で開催する方針。インターネットで国民の関心を呼ぶテーマを探ることなども検討している。
=首相にとっての月34万円3カ月分がどの程度のものかわからいが、その程度の「けじめ」なのかというのが正直な感想。=
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首相気色ばむ 野党指摘に(毎日新聞 12月14日)
◇野党「金で済ます、美しくない」
 タウンミーティング(TM)の「やらせ質問」問題の責任を取り、首相給与3カ月分の返納を決めた安倍晋三首相が14日の参院教育基本法特別委員会で、「お金で済ます問題ではない」との野党議員の指摘に「失礼ではないか」と気色ばむ一幕があった。
 神本美恵子氏(民主)が給与返納を「お金で済ませる問題ではない。美しいやり方ではない」と皮肉交じりに追及。これに首相は「『お金で済まそうとした』と言うのは失礼ではないか。(公務員のけじめのつけ方は)減給などの処分方法が決まっている」と反論した。一方、TMに関しては「質素でも中身のあるTMに改善したい」と運営方法を改め、再開させる意向を示した。
当時の担当閣僚処分は見送り(毎日新聞 12月14日)
 政府は14日、タウンミーティング(TM)問題で「やらせ質問」などがあった当時の担当閣僚の処分を見送る方針を決めた。現行法では閣僚の懲戒処分規定がないうえに、すでに閣僚を辞めた議員が給与を返納するのも不可能との判断からだ。一方、担当ではなかった塩崎恭久官房長官ら現職閣僚は問題の責任を取り給与を国庫に自主返納することが決まっており、ちぐはぐな「けじめ」となった。
 やらせ質問は02年11月〜06年9月の文部科学省、法務省、国土交通省がかかわるTMで発覚、当時の閣僚は南野知恵子法相、北側一雄国交相、小坂憲次文科相らだった。政府は当初、責任の取り方を検討したが、現行法では現職も含めて閣僚を処分する規定はなく、国会議員が歳費を国庫に返上することは公職選挙法の「公職の候補者等の寄付の禁止」に抵触すると判断した。現職閣僚は法的規制のない閣僚給与を自主返納する。
 13日に公表された内閣府のTM調査委員会の最終報告書は「閣僚が出席することを踏まえ、失敗が許されないとの認識で運営してきた可能性がある」とし、官僚が閣僚のために躍起となっておぜん立てをしようとしたことが問題の背景にあると指摘した。政府は当時の官僚を処分対象としているが、最高責任者だったはずの閣僚は「おとがめなし」の幕引きとなる。
タウンミーティング担当者、幹部を処分(毎日新聞 12月15日)
 政府は15日、タウンミーティング(TM)問題を受けて、TMを所管する内閣府と「やらせ質問」にかかわった文部科学、法務両省の担当者と幹部の計26人の処分を発表した。内閣府関係の処分は16人で、タウンミーティング担当室の谷口隆司室長を国家公務員法で定める4段階の懲戒処分で最も軽い戒告とした。内田俊一次官と山本信一郎大臣官房長や問題があった当時の担当者ら計15人は同法の懲戒には至らないと判断、内規に基づき訓告や厳重注意とした。また、内田次官は12月の俸給月額の10%1カ月分(約13万円)を国庫に自主返納する。
 教育改革に関するTMで「やらせ質問」などが発覚した文科省関係では、銭谷真美初等中等教育局長(当時・生涯学習政策局長)や白間竜一郎内閣参事官(同広報室長)ら8人を訓告や厳重注意。司法制度改革TMを扱った法務省は大林宏事務次官(同刑事局長)、小津博司刑事局長(同官房長)を厳重注意とした。
 塩崎恭久官房長官は同日午前の記者会見で「国民の信頼感を失わせたのではないか。大変残念だ」と陳謝した。また、内閣府タウンミーティング担当室を16日付で廃止することも明らかにした。
=安倍首相はタウンミーティングの今後について、これからは「質素でも中身のあるもの」に変えていくと言ったが、これまでは「派手で中身がなかった」ということか。=