NO.155
2004年 12月15日
アクセス教育情報センター
目次
学校情報 |
公開模試情報 | 教育情報 | 教育情報 | その他 |
学習院中等科
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日能研模試12月 | 奉仕活動の義務化 | 京都大後期入試廃止 | 進学塾の歴史的曲がり角 |
学校情報
学習院中等科
一般入試問題に関して(学校配布資料より)
国語
平成16年度一般入試問題の概要
例年のように、一題が文学的な文章、一題が説明文的な文章という構成で、長文を二題出題した。一の筆者は大江健三郎、二は中西進である。漢字の書き取りは学年別漢字配当表から15題を出題した。その他、記述式の問題、文章中の空白を埋める問題、文章中から抜き出す問題、選択肢から選んで解答する問題などの形式で設問を作成した。設問の種類はいくつかあるが、いずれも文章の内容を読み取る力や自分で考える力を問うような出題となっている。
採点を終えて
漢字の書き取りでは、合格者は高得点の者が多い。基礎的な部分の学習を大切にしている受験生には、さほど難しい出題ではない。選択肢を選ぶ問題や抜き出して答える問題などは内容を正確に把握していないとなかなか得点に結びつかない。一の問四、五、九、二の問二、五、七、八などは、いずれも受験生の多くが正解を出しているが、一の問八、二の問六は正解率が低くなっている。
記述式の問題では、一の問二、三、は満点の受験者が多くいたが、問十は満点の受験者が少なく、部分点で救われていた。空白の解答も全体の約2割いた。二の問三は満点の受験者が多くいた。問四は部分点で救われる受験者が多く、問九では全体の約3割の正解率になっている。字数が多い記述式問題でも、あきらめずに取り組んだ受験生の解答は、やはり高い得点率であることが多い。
平成17年度入試について
例年、大問は二題で、文学的な文章と説明的文章という構成で出題することが多い。
漢字の問題は毎年必ず出題される。10題から20題くらいの書き取りであることが多い。学年別漢字配当表に載っている漢字しか出題しない。小学校で学習する漢字は、知的活動の基礎であると考えている。習得した漢字の量と語彙とは比例する。基礎力がなければ、読解力、表現力とも伸長はあまり期待できないので、漢字の学習を大切にするとよい。
文章は児童向けのものから選んでいるわけではなく、新聞・雑誌・単行本等一般向けの文章から選んでいる。設問の仕方も、新聞の投書やコラムを複数示してその内容の差異を問うなど、工夫することを心掛けている。内容を正確に読み取れるかどうかは、日ごろの読書量によるところが大きい。迂遠なようだが、読書の習慣を身に付けることが、読解力を養う最良の道である。本を読むことで、漢字・語句の知識も増え、知的好奇心・社会的な視野も広がりをみせる。新聞記事を読むことも有効であろう。
本校の国語科の問題の特徴の一つに、記述式の問題が多いことがあげられる。20字・30字・50字など、字数を決めて文章を書く練習をするとよい。各段落の要旨を○○字以内でまとめる、文章の題名を○字以内でつける、などの練習も(そのような問題が出題されないとしても)短い時間で自分の考えをまとめるためのよい訓練となる。
算数
平成16年度入試結果の概評・分析
問題数は昨年と同様、6題で、計算や簡単な文章問題(1・2番)と、基本的な文章問題(3・4番)と、応用問題 (5・6番)の構成で出題しました。全受験者の平均点は65点で昨年と比較して大変よくできていました。これは予想より1・2番の問題の正答率が高かったためだと思います。
計算や簡単な文章問題は、約9割の正答率で昨年と比較して大変よくできていました。
基本的な文章問題の3番では約7.5割の正答率でしたが、4番では約4割の正答率でした。
応用問題では5・6番の正答率はそれぞれ2割・6割でした。
平成17年度一般入試の出題方針
基本的に6年生までの教科書の内容を逸脱しないよう努めています。
出題の問題数は例年と同様、6題(または5題)で、計算や簡単な求積問題と、基本的な文章問題と、応用問題の構 成で出題するつもりです。
計算問題や簡単な求積問題は解答だけですが、その他の文章問題は答えだけでなく、途中の式あるいは説明がないと ほとんど点数が得られません。逆に、答えが間違っても途中の段階や途中の式が正解ならば部分点が得られます。また、設問の答えが出なくても、途中のところまで出来ていれば部分点が得られますので、面倒がらずに普段から途中の式を書く習慣を身につけるよう努めてください。
平成17年度一般入試対策
1.計算問題は必ず出ますから、正確かつ迅速にすること。そのためにはどこで間違えたかを確認することが大切です。
2.できる問題から解くようにしましょう。特に、得意な問題は絶対に得点しましょう。
3.全部の問題ができなくても図や式を書いてみましょう。
中等科の授業の特色
数学に関する基本的な概念や法則を理解し、基礎の力を養成することを主眼として授業を行っています。
また、一つの事柄を数学的に表現し、論理的に処理する能力をつけ、それぞれの生徒が数学に興味を持つよう、より繊細な指導を心がけています。また、1年生では図形、2年生・3年生では数量の時間を分割授業にしています。そのうち3年生の数量の時間は習熟度別に分割授業しています。
社会
平成16年度入試分析
基本的な問題を出題したため、全体とすると記述問題を含め、かなりできていた。(7割以上)
平成17年度入試出題の方針
@ 地理的分野・歴史的分野・公民的分野とも基礎的知識を問う。
A 地図・統計・史料などから多角的に社会的事象をとらえる。
B 地理的分野・歴史的分野・公民的分野からほぼ均等に出題する。
C 試験は40分間・80点満点で配点は3分野がほぼ均等である。
D 現代(社会現象)に関わる問題が出る場合がある。
E 歴史的分野の出題範囲は応仁の乱以降、現代まで(1980年代)
小学校で習うべき42名のうち、応仁の乱以降登場する以下の26人は必須である。
足利義政・雪舟・ザビエル・織田信長・豊臣秀吉・徳川家康・徳川家光近松門左衛門・歌川(安藤)広重・本 居宣長・杉田玄白・伊能忠敬・ペリー・勝海舟・西郷隆盛・大久保利通・木戸孝允・明治天皇・福沢諭吉・大隅重信・板垣退助・伊藤博文・陸奥宗光・東郷平八郎・小林寿太郎・野口英世
解答の際の注意
@ 地名・事件・人物などは原則として漢字で書く。
A 説明に関しては漢字で書けなくても採点の対象とする。
B 設問に字数制限がある場合は、その+−10%くらいの範囲で答えるように。
中等科の授業の特色
@ 授業時間 地理的分野を1・2年生で各2時間(1週間あたり)
歴史的分野を1・2・3年生で各2時間( 〃 )
公民的分野を3年生で3時間 ( 〃 )と、十分な時間をとっている。
A 各分野とも専門の教員が授業を担当している。
B @・Aから、より深い内容をじっくりと学習できるようになっている。
C 各分野の教員が随時、工夫して資料集・プリント資料・ビデオ教材などを授業に利用し、またノートやレポートの点検を行っている。
理科
平成16年度入試結果の概評・分析
全体として、知識を問う問題では正解率が高いが、思考力が必要な問題では正解率が低くなる傾向があった。
設問別の概評・分析
1(最近話題になった自然科学に関する出来事について)いろいろな分野からの出題のため、正解率の極めて高い問題から低い問題まであった。
2(昆虫の1年間の体の移り変わりについて)9割近い正解率となり、各小問ともよくできていた。
3(植物について)観察結果から推論する必要がある。約6割の正解率だった。
4(植物を題材にした問題)植物を題材にして、実験条件を考える問題。正解率の高い問題と低い問題が分かれた。
5(水の状態変化について)氷が融けて水になるときの性質を問う問題。8割近い正解率の小問もあったが、その他の小問は3割程度の正解率だった。
6(液体の性質について)実験を進める場面における内容を出題。知識を問う問題は正解率が高いが、観察結果を問う問題の正解率は低かった。
7(上皿てんびんの使い方)ほとんどの小問が8割近い正解率であり、よくできていた。
8(てこのつり合いと電磁石について)てこと電磁石を組み合わせて出題した。組み合わせて考えなければならないためか、5割以下の正解率だった。
9(月と星について)各小問とも約7割の正解率であった。
10(川の性質について)川の性質に関して出題。記述問題も含まれる。ほとんどの小問が8割を超える正解率であり、よくできていた。
平成17年度入試出題方針と対策
出題方針
1.物理・化学・生物・地学の各分野からほぼ均等に出題する。
2.小学校の教科書に掲載されている内容を基礎として、知識だけでなく思考力と応用力を問いたい。
3.実験、観察、観測を重視して出題する。
4.そのほか、最近話題になった自然科学に関係した出来事からも出題する。
以上の出題方針に対して次の(1)〜(5)について留意され、対策・準備して頂きたい。
対策
1.理科にはいろいろな分野がありますが、どの分野にもむらなく力を入れて学習すること。
2.教科書は内容に充分に目を通して、よく理解しておくこと。
3.実験、観察、観測には特に注意し、その手順や結果など順を追ってよく理解しておくこと。
4.実験等の結果、得られたデータや表、グラフをもとに考察したり、計算したりすることにも慣れておくこと。
5.日頃から自然科学の話題について、聞き流すことなく関心を持つこと。
http://www.gakushuin.ac.jp/bjh/
玉川学園 新世紀を拓く教育
(全私学新聞 12月3日)
生徒たちが「玉川の丘」と呼ぶ広大なキャンパスのほぼ中央部にある経塚山の斜面に、一見アスレチックのような施設、ロープスコースがある。そこが玉川学園(小原芳明学園長、東京都町田市)のTAP(玉川アドベンチャープログラム)のフィールドである。秋晴れのその日、中学1年生がTAPに挑戦していた。指導にあたるのは玉川大学学術研究所・心の教育実践センターの若いスタッフたち。
ロープや丸太で作られたローチャレンジコースの1つ、「Nitoro crossing」で行われたのは島のゾウ救出作戦=B棒で仕切られたこちら側陸地≠ゥら、5メートルほど離れた約1メートル四方の板ゾウのいる島≠ワで、ターザンのようにロープにつかまって飛び移るというもの。ロープは陸と島の真ん中、手を伸ばしても届かない位置にぶら下がっている。まず、スタッフがルールを説明する。全員が島へ渡らないとゾウは救出できないこと、ロープにつかまって島へ飛ぶこと、そのロープは今持っている物を使って工夫して手繰り寄せること。海(地面)に体の一部が触れたらやり直し。
スタッフの説明と質問の後は、子供たちだけで、3分間の作戦会議が始まった。3分たたないうちに、数人の子供が上着を脱ぎ、そのうち1人が脱いだ上着を手に持って、ロープへ向かって振り回すが、残念ながら届かない。別の子が自分の上着をその子に渡すと、その子は2つの上着を結び合わせて振り回し、今度は無事ロープに引っ掛け、手繰り寄せた。次に1人ずつ、ロープの反動で、島へ飛び移って行く。「ロープの輪に足を入れない方がいいよ。降りる時、引っかかるから」、島に着いた子が後の子に声をかける。半数以上の子供が島へ移ると、小さな島は満杯状態。そこで、子供たちは、端に寄って互いに体を支えあい、場所を空けて次の子を待つ。最後の子が飛んでくると、島側の子供が最後の子を助け降ろして、無事、作戦終了。この間、スタッフは声をかけるだけ。指示や命令はしない。そして、必ず「振り返り」を全員で行う。
こうしたプログラムがたくさん用意されているTAPは、玉川学園の21世紀プロジェクトの1つとして平成12年春から導入された。基になったのは欧米やオセアニアで効果を上げているプロジェクト・アドベンチャーやオレゴンアドベンチャーという体験型教育プログラム。それを「行動する全人教育」として独自のプログラムに作り上げた。大きな特徴は、遊びながらやること、心理学やグループカウンセリングの手法を取り入れてることだ。それぞれのプログラムは、例えば問題解決、協調、信頼、決断力、チームワークといったテーマを持っている。プログラムの種類は、大きく分けて、5つ。「協力ゲーム」では、比較的簡単に協力しあうことの重要性を体験できる。「イニシアチブ」は、簡単な道具を使って、問題解決を求める活動。「トラスト」は、身体的・心理的リスクのある活動を通して仲間との信頼関係を築くもの。「ローチャレンジコース」は地上30センチから1メートルくらいの高さに張られたロープや丸太を使い、活動の到達目標を決めて行う。「ハイチャレンジコース」は、地上7メートルから11メートルの高さのロープや丸太等を使うもので、達成感や協力、共感、コミュニケーションなどを体感する。いずれも、10人から14人くらいのグループで行う。この人数だと、中に1人くらいは必ず異なる意見や反対意見を言う者がいる。誰かがイニシアチブをとって全員の合意をとらないとうまくまとまらない。そういうことが大事なのだ。
玉川学園中学部・高等部の授業としては、中学1・2年(年に4回)と高等部2年(同10回)で取り入れている。このほか長期休暇中に特別プログラムも実施する。担当する石塚清章教諭は「中学1年生のこの時期には、まず楽しくやりましょう、安全にやりましょう、積極的にやりましょう、否定的な言葉を使わないでやりましょう、友達の言葉にはあいづちを打ちながら話を進めましょう、という5つの約束を与えます。遊びを通して、それらをトレーニングしながら、そこの意識を子供の中に植えつける。これは、生徒たちが仲間意識を持つための、そして自分たちの意思で共同作業をするということを認識させるための重要な導入部分です」と話す。
中学2年生になると、どうやって仲間の意見を拾いあげるか、どうやって協力するか、グループの人材をいかに活用するか、といったことをテーマにする。高等部2年生ではより難度の高いハイチャレンジコースを使ったプログラムを行う。高所での活動となるため、チャレンジする子供の中には不安にかられて泣きだす者もいる。支援するメンバーは、命綱をしっかり支える、声をかける、安全について陰で支援するなど、具体的な行動で共にプロジェクトを達成していく。仲間が共有するのは達成感と感動だ。
「教室で道徳の本を開いても、やはり行き詰まりがあります。TAPはそれを、体を通して知ることができる。いままでの道徳のやり方とは違う、ソーシャルスキルの育て方がここにあると思います」と石塚教諭。従来、子供たちは子供同士のさまざまな遊びの中から、社会性や人間関係を学んでいた。そういう遊びをなくしてしまった現代っ子に、複雑化・国際化する21世紀に挑戦していく勇気、生きていく<Xキルを育てようとしている。
http://www.tamagawa.jp/k12/index.html
獨協埼玉 訪問報告(04年10月14日)
村岡先生、堀口先生
1. 中学開設4年目。
今年、1期生が高1に。
中学から高校に上がる際13名(225名中)が外部に進学。
スポーツがやりたい、お金の面で公立に、芸術コースのある学校に、女子校に、友人がいる学校に等の理由だった。指導が物足りないからという生徒はいなかった。中位の生徒で城北高校に合格している。
1期生では河合塾の模試で偏差70をとる生徒もいる。成績の幅が大きいが面白みのある生徒が多い。できるだけ成績面で差がつかないように手をかけてはいるが。
2期生以降は成績の幅が小さくなっている。入学者の質が徐々に同じになってきている。
シラバスは毎年手を入れている。
中学からの生徒は高校入試がないので英語が弱い。
現在、無試験で高校に上がっているが、形だけでも進級試験をやった方がよいのではと検討している。
中学生の方が高校生に比べ通学エリアが広い。館林や宇都宮から通学している生徒もいる。
中学生は東京40%、千葉20%、埼玉40%の比率。
今年の中1は1クラス増に。女子の手続が多かった。
中3・・160名 4クラス
中2・・160名 4クラス
中1・・185名 5クラス
2. 朝学習
火曜日は新聞を読む。週2回は小テスト。その他は朝読書。
小テストができていないと、2・3日後に指名補習。
3.補習
定期考査の成績不振者にも補習を行う。
かなりていねいに補習をやったら、補習に甘えるメンバーが出てきてしまった。
そうしたメンバーは課題補習に切り替え、与えた課題をチェックするようにする。
手をかければそれなりに伸びる生徒に時間を割くようにする。
長期休みには講習を実施。
講習は希望者対象だが、英語、数学とも100名程度が参加。講習はグレード別に3クラス編成で実施。
4. 授業に関して
各授業の終わり5分はサポートタイム。生徒の質問を聞きながら授業のまとめを行う。
独自プリントは作成しているが自主教材まではいっていない。基本のプリントは各教科で共有している。
中学からの生徒と高校からの入学生とは高1・高2では別クラス。
高校からの入学生は文系志向が強い。理系志望は2から3割。
内部進学生は文系志望、理系志望が半々。中学のときから理系の授業に力を入れてきた影響だと思われる。この学年が大学を受験するときは獨協医大の希望者がかなり増えるのではないかと思っている。
現在のところ、各教科ともグレード別授業は行っていない。放課後の補習で対応している。
今後、グレード別を取り入れるか、検討していく必要がある。
現高1が高3になるときに高3はコース制に。
コース制にして授業科目をパックにする。どのコースを選択するかを高2でじっくり考えられるようにする。文系、理系を早く決めてしまう学校と比べ効率は悪いが、一人一人の要望に応えられるようにと思っている。
5.中学卒論
中3の夏休みに自分でテーマを選ぶ。2学期に担任とテーマについて検討。9月末に決定。
テーマによって、担当の先生を振り分ける。
1人の先生が10〜15人を担当。先生が様子を見ながらアドバイス。
冬休み中に原稿を仕上げ、年明けに提出。最終チェックをして2月に完成。提出はフロッピーディスクで。
6.獨協中との関係
目白の獨協と相談しながらやっている部分もある。
獨協の卒論のやり方を獨協埼玉が参考にしたり、獨協埼玉の田植え・稲刈りのノウハウを獨協が聞きに来る。
7.水田学習
中学の総合学習の一環として中1で実施。
学校の隣に水田がある。
稲の品種をユメツクシからアオイノカゼという晩稲のものに変える。
稲刈りをした後の籾は農家で保管してもらい、使う前日に精米してもらう。
教員や生徒の家庭に配るほか、入学式の時入学生にも配る。
月に1回水田の観察会を行っている。
8.その他
学校の中でカブトムシが捕れる。
放課後ザリガニ取りをしている生徒もいる。
カルガモが中庭で繁殖していた。
雉のつがいが10数年棲みついていて、姿をよく見かける。
80,000uの敷地に野球場、サッカー(ラグビー)コート、300メートルトラック、テニスコート6面が独立して存在している。現在、第二体育館を新設中。
スポーツ系の部活は弱いが充分に体を動かすことができる。中1は17:00に完全下校。
獨協埼玉の一番の売りは、生徒自身の満足度の高さではないか。
自分を発揮する場がさまざまにある。
公立中学校の実質的なゆとりのなさと比べるとはるかに豊かな学校生活が送れるのではないか。
卒業生は約300名。そのうち約100名が獨協大学に、200名が他大学受験をしている。
昨年から行っている三校(開智、春日部共栄、獨協埼玉)合同説明会に、今年は800組が参加。中学受験だけで600組が参加。何とか東武線沿線の中学受験の底上げを行っていきたい。
施設案内板からも敷地の広さがうかがえる。
10.図書館
蔵書は50,000冊。
図書館の利用は中学生が多い。
以前は司書(2人)の勤務は8:30からだったが、中学生が7:30には登校してきて図書館が開くのを待っている。そこで、司書も7:30に来て図書館を開けてくれるようになる。
入学後に図書館ガイダンスを行う。授業の内容に合わせたコーナーや、行事に合わせたコーナーが設けられている。司書の人が手をかけているのが感じられる図書館。
中学生の一人平均貸し出し冊数は年30冊。
図書館の司書の方がケニア大使館とつながりがあり、その関係でケニア大使館の人に学校に来てもらい、ケニアについての話をしてもらう。生徒達は、ケニアというと昔ながらのマサイ族の生活を思い浮かべていたようだが、ケニアの写真を見て獨協埼玉の周りよりはるかに近代的なことや、携帯電話が普及している話(普通の電話より携帯電話の方がインフラの整備がはるかに簡単)や通信料金の安さを聞いて驚いていた。
11.05年入試要項
1回 1月12日 男子50名 女子50名 2科4科
2回 1月24日 男子20名 女子20名 2科4科
3回 2月 4日 男子10名 女子10名 2科4科
04年は5クラス編成になってしまったので、05年入試では合格の出し方がやや厳しくなるかもしれない。適正人数を維持したい。
1期生を見ていると、毎回、定期試験の上位20名のうち半分は2科受験での入学者。
4科目入試に移行している学校が多いが、2科目での入試を続けていく意味はある。
とくに国語の力が定着していないと他の力も伸びない。
http://www.dokkyo-saitama.ed.jp/
公開模試情報
日能研模試12月 合格判定テスト(12月5日)
今年は首都圏模試と日程が重なる。前年比7.5%の増加。男子は5.4%の増加に対して、女子は9.8%の増加。03年は四谷大塚と同日程。02年、01年は単独。00年は四谷大塚と同じ日程。
04年 03年 02年 01年 00年
男子 4科 8126 7510 8175 7332 6730
2科 743 905 677 956 977
女子 4科 6757 5806 5929 5113 4722
2科 1373 1599 2184 2701 2872
合計 16999 15820 16965 16102 15301
首都圏模試12月 統一合判テスト(12月5日)
今年は日能研模試と日程が重なる。前年比0.2%の減少。男子は1.0%の減少。女子は0.6%の増加。
03年は単独での実施。01年、02年は四谷大塚と同日程。
04年 03年 02年 01年 00年
男子 4科 5798 5701 4481 4005 4603
2科 1283 1455 1530 1610 1852
女子 4科 4965 4718 3281 2676 2691
2科 2992 3192 3457 3610 4399
合計
15038 15066 12749 11901 13545
教育情報
奉仕活動の義務化 都教委は腰据えて議論を
(朝日新聞 12月4日 重松 清)
最初に確認しておきたいのだが、都立高校での「奉仕体験活動」必修化に反対するひとも、「誰かのためになにかをする」ことの意義そのものについては認めるだろう。
僕だってそうだ。だからこそ逆に、今回の報道に接したとき、「必修」の是非や「奉仕」という言葉にまつわるキナ臭さを問う以前に、なにか釈然としないものを感じた。
「奉仕体験活動」の必修化は、今年4月に都教委がまとめた「教育ビジョン」に基づくものだとされている。具体的には、こんな文言である。〈多感な時期の子どもたちに対し、規範意識や公共心を育成していくには、単に守るべき社会のルールやマナーを言葉で教えるだけはなく、実際の社会の中で、体験的に学ばせていくことが必要である。そこで、学校教育において、児童・生徒に対して、長期の社会奉仕体験や勤労体験等を義務付けることも検討すべきである〉
「教育ビジョン」では、「社会奉仕体験」と「勤労体験」が2本の柱として対等に扱われている。ところが、実際にはそこから「勤労」が消えて、「奉仕」だけが残ったわけだ。
都教委は「勤労」よりも「奉仕」を優先した−−?しかし、「奉仕」の必修化をめぐる取材に対し、都教委の幹部は導入の狙いをこう答えているのだ。(11月11日付本紙朝刊)。〈生徒がいろいろな人と交流し、活動を通してより広いものの見方ができるようになることを期待する〉「奉仕」を教育現場に導入する最も大きなポイント−−他者への共感や思いやり、あるいは無償で社会に尽くすことの意義といったものが、このコメントにはいっさい出ていない。むしろこれは、「勤労」を語るときにこそふさわしいコメントではないか。
いや、「勤労」を消し去ったわけではなく、2本の柱を1本にしただけだ、と都教委は言うだろうか。だとすれば、それをまとめて「奉仕」と名付けることははたして妥当なのか?こうした議論のときに必ず引き合いに出される兵庫県の「トライやる・ウイーク」では、公立中学の2年生が、福祉施設も含む職場体験をしているが、それは「社会体験学習」と銘打たれている。その呼び名が、なぜ東京都では踏襲されないのか。また、「教育ビジョン」には、「社会奉仕体験」「勤労体験」実施の枠組みづくりとして、次のようなことも記されている。〈今後は、学校が地域と連携し、児童・生徒の奉仕活動・勤労体験活動を地域の中で意図的、計画的に行っていけるような仕組みをつくっていく必要がある〉
都教委は来年度に20の研究校を指定し、07年度から全都立高校で必修教科として導入する方針だという。わずか2年で「仕組み」はつくれるのか。「教育ビジョン」策定から半年余りでGOサイン。ずいぶん短い助走である。さらに報道によると、研究校が指定される来年度、都教委が財政当局に要求した予算は300万円。これは「総額」なのか。だとすると、研究校1校あたり年額15万円で、それを年間35時間の授業数で割り、生徒数で割ると……「ほんとうにやっていけるのか?」と言いたくなるのは僕一人ではないだろう。
「奉仕」の理念や意義は認める。教育現場にうまく導入できれば、きっと大きな効果を生むだろう、とも期待している。しかし、あまりにも事を急ぎすぎてはいないか。このままでは、とにかく「奉仕」の一語を時間割に組み込むことこそが目的なのではないか、という疑念さえ湧いてしまう。どうか腰を据え、議論を重ねながら、取り組んでほしい。「教育ビジョン」の方向や提言は、序文によると、あくまでも〈中長期的展開に立って〉示されたものなのだから。
「つくる会」前副会長 埼玉県教育委員に起用へ
(朝日新聞 12月6日)
埼玉県が「新しい歴史教科書をつくる会」(つくる会)の前副会長である高橋史朗・明星大学教授(54)を県教育委員に起用する方針を固めたことが6日、分かった。高橋氏は朝日新聞の取材に就任要請を受け入れる意向を示した。つくる会によると、同会の幹部経験者が都道府県教育委員に就任するのは全国で初めてという。
つくる会の歴史教科書を「新しい試み」と評価する上田清司知事の人選で、20日にも県議会に人事案が提出される見込みだ。
高橋氏は早稲田大大学院を修了。専門は教育学で、政府の臨時教育審議会の専門委員も務めた。つくる会によると、97年の結成時から同会に参加し、副会長を務めていた。しかし、今年11月の理事会で「一身上の都合」を理由に辞任を申し出たという。
上田知事は歴史教科書問題について、「これまでの教科書は自虐的な史観で物事が見られているきらいがある」などと発言。つくる会の教科書は「極めて新しい試み」と評価し、検定段階で中国や韓国から修正要求があったことについては「内政干渉だ」と批判していた。
高橋氏は「知事とは以前から親交があり、2カ月ほど前に打診があった。承認されれば現場からの教育改革のモデルを埼玉で作っていきたい。知事と会って話したが、教科書問題やつくる会の話は一切していない。つくる会の副会長・理事を辞めてけじめをつけている」と話した。
上田知事は「つくる会にいるという経歴にとやかく言う人もいるかもしれないが、彼の実践活動を評価した」と述べた。
OECD学習到達度調査 文章などの読解力で日本は14位
(毎日新聞 12月7日)
経済協力開発機構(OECD)は7日、各国の15歳(日本では高1)の総合的学力を測る学習到達度調査(PISA)の03年実施結果を公表した。初回の00年より9多い41カ国・地域が参加した。文章やグラフの読解力で日本は14位(498点)と、前回の8位(522点)から順位も平均点も下がり、加盟国の平均(500点)水準に落ち込んだ。科学的活用力と数学的活用力は2位、6位と上位を維持し、初めて実施した問題解決能力の4位と共に「1位グループ」(文部科学省)とされた。文科省は「(読解力をはじめ)学力は最上位(世界トップレベル)とは言えない」と前例のない表現で危機感を示し、読解力の向上プログラムを来夏までに作る方針。
調査は知識・技能を実生活で活用する能力を測る。加盟30カ国と非加盟11カ国・地域の約27万6000人が参加した。分野ごとに加盟国平均が500点となるよう統計処理して各国の平均点を算出。実施基準を満たさなかった英国を除く40カ国・地域を比較した。
4分野のうち、読解力の得点を「レベル5」(626点以上)〜「1未満」(335点未満)の6段階に分けた場合、日本は1未満の生徒が全体に占める割合が前回の2.7%から7.4%に増え、加盟国平均の6.7%を上回った。生徒を得点順に並べて、下のほうから1割以内に位置する生徒の点数も加盟国平均より低かった。分析を担当する国立教育政策研究所国際研究・協力部の渡辺良部長は「できる子とできない子の格差が広がったとまでは言えないが、下のレベルの生徒の割合が増えた」とみる。
数学的活用力は前回の557点(1位)から534点へ、前回と同じ2位の科学的活用力は550点から548点へ下がったが、文科省は「統計的には前回同様、上位の他国と共に『1位グループ』だ」とみる。問題解決能力は547点。同時に実施した生徒へのアンケートで、学校以外での勉強時間は週平均6.5時間と加盟国平均の8.9時間より短かった。数学の学習内容に興味があったり得意と感じる割合も平均より低かった。
【ことば】OECD学習到達度調査 知識量や計算力を測る国際教育到達度評価学会(IEA)の国際数学・理科教育調査と違い、実生活への応用力を測る。00年から2年おきに実施。重点的に調べる分野を毎回変える(前回は読解力、今回は数学的活用力)ため、分野別の問題量も毎回違う。対象は無作為抽出。今回、国内で約4700人が参加した。
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「学力の低下を認識すべきだ」中山文科相(毎日新聞 12月7日)
学習到達度調査の結果について、中山成彬文科相は7日、「学力が低下傾向にあるとはっきり認識すべきだ。文科省はショックかもしれないが、大臣就任前からそう考えていた。中央教育審議会で分析・検討してもらう」と話した。90年代後半に「学力低下論争」が起きて以降、旧文相・文科相が学力低下を認めるのは異例。
「悲惨な結果」と専門家 OECD調査(毎日新聞 12月7日)
日本の15歳(高校1年生)の読解力低下をあらわにした経済協力開発機構(OECD)の03年学習到達度調査(PISA)。読解力だけでなく、「1位グループ」(文部科学省)とされた数学的活用力でさえ「明らかに低下している」ととらえる教育関係者も少なくない。試験と同時実施の意識調査からは、成績はよくても勉強への関心が低い生徒像や、生徒から当てにされない学校像も浮かび上がった。
◆数学的活用力は1位から6位に後退
前回00年の調査で1位だった数学的活用力は6位に後退し、得点も前回の557点から23点下がった。出題された4分野のうち、特に計算などの「量」分野が11位、確率・統計など「不確実性」分野が9位と香港など上位国に引き離された。
「他の上位国と統計的な有意差はない」と文科省は分析する。だが岡部恒治・埼玉大経済学部教授(数学)は「明らかに成績が落ちたととらえるべき結果だ。計算など量分野は本来得意分野だったので、深刻な状態。読解力の低下は(数学の)文章題が解けない子どもの増加にも影響を与えている」と分析する。
数学で初めて実施した生徒への意識調査では、勉強への否定的な反応が大半を占めた。「数学の本を読むのが好き」12.8%(参加国平均30.8%)▽「数学を勉強するのは楽しいから」26.1%(同38.0%)▽「将来の仕事の可能性を広げてくれるから学びがいがある」42.9%(同77.9%)。「学んだ数学を日常生活にどう応用できるかを考えている」にいたっては12.5%とニュージーランド60.5%の約5分の1だった。
日本学術会議数学教育小委員会が昨年、全国の大学教員を対象にした「大学生の数学学力に関する調査」では、計算力の低下や教員養成課程の学生の学力低下を感じる教員が増加。「世界トップレベル」とされてきた高校生以下の学力低下も目前に迫っている状態だった。
上野健爾・京都大大学院理学研究科教授(数学)は「悲惨な結果だ。勉強の面白さを理解できなければ、知識が頭の中を通過するだけで、分数も分からない大学生を生むことになる。学習指導要領改訂で教科書が薄くなり、子どもの関心を呼び起こす内容が削られてしまったことも一因だ」と話す。
◆低い学校への信頼、満足度
授業で先生が支援してくれていると生徒はどれぐらいみているか。生徒への意識調査結果を13カ国(欧米など主要7カ国と今回成績のよかった香港など)で比べると、日本は「(先生は)生徒一人一人の勉強に関心がある」「意見を発表する機会を与えてくれる」など数学教師による支援度を問う5項目のいずれでも、「いつもそうだ」と全面肯定する生徒の割合が平均より低かった。5項目を平均すると13カ国で最低だった。
特に「意見発表の機会を与えてくれる」では、「いつもそうだ」「たいていそうだ」を合わせても肯定派は46%と半数に届かず、OECD加盟国平均を12ポイントも下回った。逆に「ほとんどない」は平均を7ポイント上回る20%だった。生徒と教師の関係を問う質問「多くの先生は、生徒が満足しているかに関心がある」も肯定派は45%にとどまり、平均を20ポイント下回った。
学校への信頼感も他国より希薄だ。「(学校が)仕事に役立つことを教えてくれた」に肯定的に答えた生徒は59%と加盟国平均より28ポイントも低く、13カ国中で最低。「決断する自信をつけてくれた」も52%と18ポイント下回った。
◆教師の質や充足度も見劣り
前回に続きトップクラスの成績だったフィンランドや韓国は日本とどこが違うのか。両国はともに「教員の質」を重視している。文科省によると、フィンランドは教員資格の基準を大学院修士課程修了以上としている。今回の学校長らへの意識調査でも、教師の充足度を示す指標(加盟国の平均値は0)は韓国の0.64とフィンランドの0.56が飛び抜けて高い。日本は0.04で平均水準だった。
「生徒に対する教師の期待が高い」「生徒と教師の人間関係がよい」など教師による学級雰囲気作りを示す指標でも、総合的に見ると韓国、フィンランドが上位1、2位を占めた。日本は悪い方から3位で、前回00年調査から悪化していた。
OECD学習到達度調査読解力出題例
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/etc/oecd2004/
東大生 公立出身者が増加−03年の学生生活実態調査
(時事通信 12月8日)
年々増え続けているとされた中高一貫私立校出身の東大生の割合が減り、公立校出身者が7ポイントも増えたことが、同大の2003年の学生生活実態調査で分かった。学生生活調査室室長の池田謙一文学部教授は「地方出身の女子学生が増えたことが影響しているのでは」と分析している。
学生に占める中高一貫私立校出身者の割合は、1988年には37.2%だったのが、02年には50.3%と半数を超え、逆に公立校出身者は47.6%から33.3%まで落ちていた。ところが03年は、公立出身者が40.3%に7ポイントもアップ。中高一貫校出身者は3.5ポイント減って46.8%となった。
98年調査までは7割以上を占めた都内と関東出身の女子学生が00年ごろから6割程度となり、女子学生の数自体も増えた。首都圏に多い中高一貫校の出身者が相対的に減ったためとみられる。
また、これまで平均値を取って「1000万円以上」といわれてきた保護者の年収が、年収別の分布で詳細に見ると、1050万円未満の層が7割程度(03年は72.7%)だったことも判明。450万円未満の層も03年で13.9%で、池田教授は「東大生の親に高額所得者が多いというのは間違い」とした。
センター試験 確定志願者数は56万9950人
(朝日新聞 12月8日)
大学入試センターは8日、来年1月にある05年度センター試験の確定志願者数を発表した。56万9950人が出願した。前年度に比べて1万7400人、3.0%減った。内訳は現役高校生42万1830人▽高校既卒者14万1544人▽その他(大学入学資格検定合格者など)6576人。
京都大後期入試廃止 基礎学力が低下、受験機会奪う懸念も
(毎日新聞 12月8日)
京都大が7日、全学統一で行っている後期入試を07年春入試から廃止する方針を決めた。今年3月から入試のあり方を検討し、廃止方針を盛り込んだ最終報告をまとめた「入学者選抜方法研究委員会」委員長の西田吾郎・理学部教授と東山紘久副学長が会見。多様な学生受け入れをうたった「後期入試」が形がい化していることを強調した。
京大は現在、全学部で定員を前後期に分けている。委員会報告は「後期の全学共通問題を廃止し、後期入試を実施するかは各学部に委ねる」との内容。ただ、7割以上に及ぶ前期との併願率などを理由に「前期と同じタイプの学力試験を行うのは問題」と疑問視し、各学部は後期入試を廃止する可能性が高い。
だが、前期一本化は受験の多様な機会を奪うことにもなる。西田委員長は「単純な一本化は考えていない。推薦入試で代替することもある」と説明する。
「後期廃止」が浮上した背景は、数学・理科や英語など限られた教科で受験できる後期入試で入った学生の学業成績だ。西田委員長は留年率や大学院進学率に差があると指摘。「理学部の場合、前期で落ちても、併願した英語のない後期で合格できる。基礎学力があることが大前提で、学生の多様性もその上にある」と強調した。
都内私立高初年度納付金 平均83万7669円に
(毎日新聞 12月10日)
都生活文化局は9日、05年度の都内私立高校の学費を発表した。授業料や入学金、施設費などを合わせた初年度納付金の平均額は83万7669円で、前年より6940円アップした。
平均納付金の内訳は、授業料40万2399円、入学金24万3855円、施設費5万4626円、その他13万6789円。初年度納付金を値上げしたのは50校、据え置きは181校、値下げしたのは3校だった。
君が代問題 職務命令指示撤回を都教委に申し入れ
(毎日新聞 12月10日)
都教委が、学校式典で生徒が日の丸に向かって起立し、君が代を斉唱するよう教職員に指導を義務付ける職務命令を出すよう指示したことについて、小森陽一・東京大教授や西原博史・早稲田大教授らが9日、指示を撤回するよう都教委に申し入れた。「内心の自由を押しつぶそうとするものだ」と指摘している。
教育界や宗教界、市民運動などから859人が賛同した「日の丸・君が代の強制に反対するアピール」も提出した。
公私立高共通テスト検討 神奈川県内学習塾団体
(毎日新聞 12月11日)
高校入試資料に−−絶対評価に代わる“ものさし”目指す
県内の学習塾関係者らでつくる社団法人「かながわ民間教育協会」(中村弘道理事長)は、中学校間格差が著しい絶対評価の内申書に代わる高校入試の選抜資料として、公私立高で使える共通テスト導入の検討を始めた。学習目標に対する生徒の到達度をみる絶対評価の趣旨は尊重するが、公平を期すべき入試に用いるの好ましくないと判断。06年度入試で試行し、07年度の本格導入を目指す。横浜市内で9日開かれた協会の研修会でも、新たな「ものさし」を求める意見が相次いだ。
協会は第三者の立場で共通テストを実施し、公私立の高校に利用を呼び掛けたい考え。今後、県教委や私学など関係者との話し合いを進める。
県教委の職員や東京私立中学校高等学校協会の役員が講師を務めた研修会では、県内の塾や私学関係者から「中学校間で評価にばらつきがある。県全体の試験づくりが必要」などの意見が出た。
協会幹部は絶対評価のバブルについて、「バブルのおかげで、上位の高校に入学して苦労する生徒もいる。客観的なものさしは子供たちのためにもなる」と指摘する。
県内では、県が実施する公立中2年生対象の9教科の学習検査(アチーブメント・テスト)が、96年度までの公立高入試の選抜資料として使われていた。業者テストと同様に進路指導の資料にもなっていた。
また選抜資料としての絶対評価には、02年度の導入当初から不信感が根強かった。東京私立中学校高等学校協会が03年度入試に向けて共通テストを検討したが、協会内の意見の相違や公立中の反発などで断念した経緯もある。
=少なくとも私学が共通テストを利用するようになったら、それは自殺行為ではないのか。入試問題には、学校としてどういう生徒を望むのかという意志が表明されるべきである。私学にとって入試はその学校の独自性を表明する一つの手段であるはず。他人が作ったテストの結果を利用する入試と絶対評価の内申点を基準とした入試とどこが違うのか。他人の評価を自校の入試判定に使う点では同じではないのか。しかも、共通テストの成績で学校の序列を位置づけられたら、そこから抜け出すことは困難になるだろう。そんな共通テストを利用した入試を行うなら抽選でも充分ではないのだろうか。=
その他
《連載9回・・・最終回》
進学塾の歴史的曲がり角 〜日能研と私の「罪と罰」〜
海風荘主人 三渕衡一 (元日能研取締役・前センター通信社代表)
10 辞任(退職)
1984年の秋から1991年の夏まで、私は日能研の最後の7年間は同社の(ヒラ)「取締役」だった。しかし肩書きは「ヒラ」でも私は役員就任後半年足らずで取締役会(毎週水曜日の幹部会)の「議長」となった。「議長」といえば英語で「チェアマン」、中国語・朝鮮語では「主席」である。随分エラかったのだなと今にして思う。
私が「議長」になった理由は簡単で、会長が死んだ後、当時「ナンバー2」の小嶋理事長(彼は本部の株も相当持ち、本部役員も兼務していた)に「口八丁、手八丁」で対抗できる役員が他にいなかったからである。つまり私の役目は、またしても「かませ犬」である。それに私を議長にしておけば、私自身の主張をかなり封じ込めることが出来るという思惑もあったのではないか。
役員会の構成は全部で「8」票。代表・専務・運営部長(故人)・企画部長・教務部長が「主流派」、私(議長)と常務(東京本部長)が「反主流派」、理事長が「中立派」である(経理部長の女性役員(今は退職)は常に役員会には欠席した。しかし大変な実力者だったので、私は出張のたびに700〜1000円の「おみやげ」を買って、経理部の女子社員にこまめに届け、彼女らの反感を買わないようにしていた)。
しかし実際の役員会では、この「5対2対1」の票数はたびたび大幅に崩れた。1つには「中立派」の理事長が「反主流派」の提案に賛成した時だ。彼は愚図々している「主流派」を一人一人怒鳴りつけた。そもそも東京本部開設(高田馬場校開校)にしてからが、理事長が最後に「お前ら(本部系)が出さないのなら、オレ(関東系)が出すよ」と怒鳴ったので「逆転勝利」した。もう1つは理事長の提案に「反主流派」が反対したときだ。賛成しかかっていた「主流派」が反対にまわった。日能研の卒業生や塾生の名簿を広告業者等に売りつけようという提案はそうやって否決された。3つ目は「主流派」内部が分裂したときだ。前述の「600人作戦」の評決がそうだったし、代表が「会長」と名乗りたいと言い出したときもそうだった。誰かが「そんなもの10年早い」と言い、ほとんど満場一致で否決された(あれから20年くらい経ったが、高木代表は今なおこの議決を順守している)。
会長が死んだ時、塾業界では「これで日能研はダメだ」と言われた。それが実際にはその直後から目覚ましい大発展をした。ある人はそれを小嶋理事長の功績とし、別の人は高木代表の殊勲だとしている。しかし躍進の真の原因は、両者の全く感情的なすさまじい対立抗争であったと私は考える。確かに初代の高木会長はこの「躍進」の基礎を強力に作り上げた。しかしその作り方はまことに強権的・暴力的なものだった。その主たる被害者はもちろん正規・臨時の教職員(労働者)たちであったが、「側近」の「役員」といえども大差はなく、無茶苦茶な奴隷的屈服を強いられた。(パートナーの)小嶋理事長や(実の息子の)高木代表でさえ例外ではなかった。見ていて可哀想なくらいだった。会長が死んで、抑圧されていたものが一挙に吹きだしたのである。その「吹き出し」の先頭には小嶋理事長と高木代表が立っていたし、両者の激しく深刻な対立を水路に、他の役員や教職員(労働者)の抑圧されていたエネルギーが激流となってほとばしり出た。四谷大塚の元教務部長の迫田文雄氏は「日能研は高木会長が死んだ後に、新しい人材が次々に表に飛び出してくる。こんなことは四谷大塚の鈴木仁治氏が死んだ後には起きなかった。全く信じられない。高木会長はよほど優れた『人材育成法』を心得ていたのだろう」と美化してくれた。しかし真実はそんなキレイゴトではない。
この「理事長VS代表」の対立の積極的・前進的効果は大体02年〜03年ごろまで続いていたようだ。それが明らかに消極的・後退的なものに転化したのがハッキリしたのは、遅くとも04年春からである。その原因は社内的には両者それぞれが教職員(労働者)への独裁的支配体制を一応完成したことである。だが最大の要因はむしろ外部的なもので、03年12月からの小泉内閣によるイラク派兵の強行にあると思う。日本社会は「戦時下」に入り。「受験」も「戦時下の受験」となった。今では両者ともかなり露骨に「戦争と反民主主義」をうたい、互いにその反動性・暗黒性を競い合い始めている。
「言論弾圧」で私が辞意を固めた頃、高木代表らは常務(東京本部長)をクビして、傍系の「みくに出版」の副社長に追い出した。これで役員会の票数は「5対1対1」となった。もう身動きがとれない。私は「三項目」の要求を文書で出し、それが受け入れられなければ辞任・退職すると宣言した。「三項目」の@Aは商法・会社法上のもので「決算の役員会への報告」等を求めたものである。Bは「労働組合の結成の支援と育成」である。私としては「御用組合」でも良いから、ともかく組合を作らなければどうしようもないという、まことに「愛社精神」に満ちた提案だった。3つとも否決された。私は退職期日を「8月31日」と決めた。「合格レーダー」に連載していた文部省の「難問・奇問非難」への大反論がそのころまで完成しそうになかったし、前年入試の「ダウン」を取り戻すために、夏の間にやっておくべきことがかなりあった。
高木代表らは必死で引き止めにかかった。6月のボーナスもむしろ例年より多めのすごい額が出た。しかしわたしは考えを変えずに予告通り退職した。
退職金は「自己都合退職」ということでゼロだった。しかし私は役員就任時に日能研の株式の額面「10万円」分(全体は当時3000万円)を100万円を払って購入していた。毎年の利益配当は30万円前後(つまり配当率300%)のすごい株だった。「これはどこに売ろうが私の自由だよねぇ」と私は言った。すると会社の弁護士が飛んできた。四谷大塚等、他塾に売ると思ったらしい。こちらも弁護士を立てて交渉し、結局900万円くらいで買い取ってもらった。これは「次の仕事」の立ち上がり資金にした。(完)
=「進学塾の歴史的曲がり角」の連載が今回をもちまして完了しました。躊躇しながらも連載を引き受けていただいた三渕さん、連載に関してさまざまなご意見、ご感想をいただいた皆様にお礼を申し上げます。担当者としてはここまでを第一部として、1992年以降の第二部を期待したいところです。=
<問題>
赤のカードが116枚,青のカードが77枚,黄色のカードが129枚あります。それぞれの色
のカードをある人数で同じ枚数ずつ分けたところ,どの色も同じ枚数が余りました。この
カードを分けた人数は何人ですか。
(04年豊島岡女子)
入試問題に挑戦第134回解答編
<問題>
下の図のような道路があります。A地点からB地点まで最短の道のりで進むことにします。次の問いに答えなさい。
(1)曲がり角を3回曲がる方法は何通りありますか。
(2)曲がり角を4回曲がる方法は何通りありますか。
(04年頌栄女子学院)
<解答>
あわてて考えようとすると方針が立たずに、ただひたすら数えることになりそうな問題です。順序を決めて、通る交差点を絞り込んで数えていく方法もありますが、ここでは「道順の問題」と「順列」の関連性を意識しながら解いてみましょう。
まず、AからBまで最短の道のりで進む方法は全部で70通りあります。これは図の中の交差点に数字を書きながら足し算を繰り返すことでもとめることもできますが、順列と組み合わせを使うと、
「右」方向へ4回、「上」方向へ4回進めばBに着くことから、「右・右・右・右・上・上・上・上」という8文字の並べ方が何通りあるかという問題になります。8個の順列から、右4個、上4個のダブり分を除けばよいので、
(8×7×6×5×4×3×2×1)÷(4×3×2×1)÷(4×3×2×1)=70(通り)
この考え方をもとに問題を解いていきます。
(1)3回曲がるということを最も簡単に表すと「右→上→右→上」(右から始める場合)です。AからBに行くにはあと「右」「上」が2個ずつ必要です。
そこで、残りの「右」と「上」をはじめの4個の「右」や「上」のところにつけてやれば、同じ「右→右」なら曲がらないので大丈夫です。
つまり、
右 | 上 | 右 | 上 |
この4つの箱を用意して、残りの「右」2個は青い箱、「上」2個は赤い箱に入れる入れ方を数えればよいことになります。
ここで、「右」2個の入れ方は、下の表のように3通りあります。
右 | 上 | 右 | 上 |
右・右 | × | ||
右 | 右 | ||
× | 右・右 |
「上」2個の入れ方も同様に3通りあるので、全部で 3×3=9(通り) あります。
これは、「上→右→上→右」(上から始める場合)でも同じだけあるので、
3回曲がる方法は、 9×2= 18(通り)
(2)(1)と同じように考えると、4回曲がるのは「右→上→右→上→右」です。
残りは「右」1個、上「2個」です。「上」2個の場合は(1)と同様に3通り、「右」1個については下の表のように3通りです。
右 | 上 | 右 | 上 | 右 |
右 | × | × | ||
× | 右 | × | ||
× | × | 右 |
つまり、 右から始める場合が 3×3=9(通り) なので、
4回曲がる方法は、全部で 9×2= 18(通り)