NO.119

2003年 12月15日 
アクセス教育情報センター

目次

学校情報

学校情報 教育情報 教育情報 その他
開成中

攻玉社

桐朋中

共立女子中

品川女子学院

松蔭中

フェリス女学院

麗澤中

公開模試情報

日能研模試12月

四谷大塚模試12月

新都立大1

新都立大2

都立大法科大学院

保護者が学校評価

府立高校将来像公開

センター試験

前納金返還

 

入試問題に挑戦第99回

学校情報

開成中 学校説明会報告(03年10月18日)
1) 校長 芳野先生
創立132年目に入る。
質実剛健、自由な精神、向学心を建学の精神として、時代をリードする人を育ててきた。
この間校風は全く変わらず、一言で言えば立派な人間の芯を作ることにある。
中高のこの時期にその人の長い人生を支える知、心、体をしっかりと根付かせる。
知・・受験勉強という短期的なものではなくて、学問をするという長期的な視点にたって指導する。学習に際しても表面的な知識を鵜呑みにするのではなく、自分で考え、自分の言葉で発言できる指導を行う。
心・・一番大切なもの。たくましい心と優しい心の両方を併せ持つ生徒を育てる。
開成は伝統として、生徒一人一人をできるだけ大きな器で包み、長期的な視点で見るようにしている。生徒は伸び伸びと学校生活を過ごす中で自分を作っていく。
文化祭や運動会等の諸行事は生徒の自主性に委ねられている。
そうした中で自由には自制心や責任感、協調心が必要だと学んでいく。
体・・社会に出た時に、実行力や忍耐力がないと活躍できない。
開成はスポーツ、体育に力を入れ、部活動も活発。
ほとんどの生徒が開成に来てよかったとアンケート等に答えている。
開成が生徒一人一人にとっての心のふるさとになるように心がけている。
社会に出て荒波にもまれ山あり谷ありの人生を送る中で、生徒の心の支えとなる存在感のある学校でありたい。
2) 高校入試委員長 渕上先生
1 カリキュラムについて
02年から新学習指導要領にそったカリキュラムに。
芯を作るためにゆっくりと時間をかける必要がある。
基礎学力を養成した上に思考力、想像力を育成する。そのために週6日制、34時間授業を堅持している。今後も変えない。
カリキュラムの数字より普段の授業にどう生かされているかが大事。
世の中では少人数学級への流れがあるが、
中学は1クラス43名(1学年300名、7クラス編成)
高校は1クラス50名(1学年400名、8クラス編成)
集団を形成する生徒の質の差があるので学級の適正な規模というのは簡単には決められない。
各教科の特性を生かして各教科毎に様々な工夫がなされている。教科の工夫に開成の教育の土台がある。説明会資料の14P〜19Pにある各教科の方針に目を通して欲しい。
2 04年入試に関して
大きな変更点はない。
03年入試から願書の出身学校の公印を廃止している。保護者が確認した事項を記入して捺印する形になっている。
年齢が小学校6年の該当年齢を超えている人は卒業見込み証明書を添付する。
出願受付時に入試当日の注意に関するプリントを配布。
繰り上げは辞退者が出て定員に欠員が生じたときに行う。合格者説明会(04年は2月8日13:00)以降2月末くらいまでの間に電話で。
合格者説明会には生徒本人と保護者が出席。欠席の場合は入学の意志がないものと判断する。
出願初日は6:00開門。8:00受付開始。徹夜して並ぶことのないようにお願いしたい。
開成の6年間で生徒はらせん階段を上るように成長していく。
中1から高3までの成長段階を異にした者が一つの空間に集まって過ごしていることに大きな意味がある。
3) 学費、奨学金に関して 大野事務長
受験料は25,000円。一度納入された受験料は都合で受験されなくても返金できない。
学費等は前年度と同額。据え置き。
2月27日15:00までに入学辞退をされた場合、手続き時納入金(入学金300,000円、施設費200,000円)のうち施設費を返還。
初年度納入金は998,000円。首都圏の私学の中では平均よりやや上。
費用はできるだけ低く抑えたい。2人の子供を開成に通わせられる水準を維持したい。
6年前に中学校舎が新しくなる。地下に雨水の貯水槽を作り、通常はトイレ用の洗浄水として利用し、経費を節約している。
奨学金制度があり、家計急変の場合に中1の2学期から授業料を援助できるようにしている。その他にPTAによる奨学金制度やOB会による奨学金の貸付制度もある。
4) 生徒の学園での様子 ビデオにて
ビデオは教員が作成。
入学式
ボートレース
授業風景
生徒の声(中学生)
運動会風景
校外研修
文化祭風景
生徒の声(高校生)
保護者の声
5) 組主任(クラス担任)から
1 中1数学 井手先生
中学を担当するのは久しぶり。
今年の中1生の印象は明るく楽しそうに学校生活を送っている。
開成は生徒が好きになれる学校。男子校でバンカラな雰囲気が残っている。
開成に入って最初に待ち受けている通過儀礼は運動会。運動会に際して各色の顔合わせがあり、そこで高3が中1に気合いを入れる。中1にとって高3はおじさん。威厳をもって気合い入れを行うので、怖くて泣く生徒もいる。
放課後に高3が運動会の競技の指導も行う。体の接触の多い激しい競技が多いので指導も厳しいが、それが開成の生徒の強いつながりの基礎になる。
開成は濃密な人間関係に支えられている。
2 高3英語 桜井先生
中1からこの学年を担当。
5月の運動会まで高3が中心になって練習、準備を行う。
運動会の準備では各自が自分に適した仕事を分担して実行する。こうした自主的な活動を通じて人をまとめたり指導していくことの難しさや、協力することの大切さを学んでいく。同時にクラスの団結や友情が深まっていく。卒業後の同窓会でまず最初に出る話題は運動会のこと。
運動会が終わると大学入試に向けて集中していくことになる。
高3の授業は実質的には2学期で終了する。高3では定期試験が4回、模擬試験が4回ある。学内で行っている独自の模試は大学入試の判定に対する信憑性が高い。
6) 中学教務委員長 斉藤先生
1 開成の授業
入ってから授業についていけるかという質問があるが心配ない。
専門性の高い授業を行っている。たとえば理科では中1から1分野、2分野という分け方でなく、物理、生物、化学、地学の分野ごとに専門の教師が授業を行っている。ただし授業は基礎基本を重視した丁寧な授業を心がけている。
校内見学の際、食堂に生徒の作品や授業で提出したプリントが展示してあるのでそれを見ていただければ基礎基本から学習していることがわかっていただけると思う。
2 生活指導
進学校なので勉強ばかりやっているのではという質問も多い。
開成の生活指導のスタンスは手を離すが目を離さないという方針。
学校生活は勉強だけではない。
少子化で過保護、過干渉に慣れている生徒を6年間でどれだけ自主性を持った自立できる子にできるか考えている。
教師の面倒見は非常によい。先生は一人一人のプリントを添削したり、自主教材を作成したりと生徒に手をかけている。
校内見学の際、教員に話しかけてみてください。教員の人となりをおわかりいただけると思います。
運動会をあまり心配しないでください。開成に入ってくる生徒で体育会系の運動の得意な生徒は少ない。そういう生徒が6年間であの運動会ができるようになることを見て欲しい。
開成には6年間で生徒を育てる仕掛けがいろいろとある。運動会もその一つ。
7) 校内見学
希望者対象に約30分。教員が各グループ(20名から25名)について説明しながら引率。
解散場所の食堂で個別相談や自主教材、プリント等の展示あり。
http://www.kaiseigakuen.jp/

攻玉社 学校説明会報告(03年11月30日)
日曜日の説明会とあって、父親の姿が目立つ。
会場の講堂兼体育館がほぼ一杯に。500組1300名近い参加。
1. 攻玉社の教育について 校長 大野先生
日曜日に雨にもかかわらず大勢の方にご参加いただいたお礼として、各教科の主任には入試問題のヒントになる話をするようにと伝えてある。
創立140周年にあたり、新校舎(教室棟)建設と校庭の整備を行う。
グランドは狭いが吸水性のよいラバーで、生徒が転んでも大丈夫。
体育館、柔道場、剣道場、室内温水プール、卓球場、ウェイトトレーニング場など体を動かせる施設を用意している。
新入生は塾通いに忙しかったせいか、体験不足。中学3年間かけてその穴埋めを行う。
各学年に3泊4日の宿泊行事を設定。
中1・・林間学校(裏磐梯)
中2・・臨海学校(伊豆)1.5kmの遠泳を行う。
中3・・スキー教室
中1は入学後に校外オリエンテーションで2泊3日の合宿を行い、まず友達作りをする。
学年行事以外にもクラブ活動を奨励している。クラブで友達や先輩とのつきあい方を学んでもらいたい。
耐久歩行大会では中学生は20km、高校生は34kmを踏破。歩いても走ってもよい。
6年間で親離れのした、自立した生徒を育てることを目標にしている。
学習内容
6年間を2年間ずつに分け、中1、中2は学習の基礎固め。中3で教科によっては高校の内容に。高2、高3は自分の進路に向かって邁進。
教師が教えるのを静かに聞くという受け身の授業ではだめ。欧米の知識を吸収する段階はそれでよかったが。今は創造性、独創性が求められる。
6年前に攻玉社に来て、行事はよいが授業内容をよくしなければと思った。
生徒による授業評価を提案。先生達はほとんど反対したが、攻玉社が生き残るためにはこれをやらなければと実施。授業は前よりよくなってきた。
都立高校も来年から全校で授業評価を行うが、評価項目は攻玉社のものとほとんど同じ。
今は反対した先生も納得しているのでは。
進路
今年は結果がよかった。
235名卒業で、71%が大学に合格。63%が進学。32%が東大、一橋、東工大、早稲田、慶応に進学。学年で真ん中より下でも早慶上に合格できるようになった。
大学入試結果と中1の入学時の成績とはあまり関係がない。上位で入学しても伸びない生徒もいるし、下位で入学しても伸びる生徒もいる。中学入試は将来の素質まで見越した試験をしているわけではない。
上位の成績で入学しながら成績が落ちる生徒は攻玉社に対する思いや柔軟性がない生徒。攻玉社にしか入れなかったという思いをもったままで、特に(母)親の意識の切り替えができない。学校には長所もあれば短所もある。落ちた第一志望の学校の短所はわからない。
入った学校が第一志望と思うことが大事。
今年の卒業生が入学した98年入試では受験生が多く、合格判定を強気で絞ったところ定員割れになり、2回受験者の中から繰り上げを行う。そのうちの1人は大学付属校に手続きを済ませ制服も作っていたのに、本人がどうしても攻玉社に行きたいと言って入学。今年、理科大、早稲田工、慶応工、東工大に合格。別の一人はどうしても早稲田に行きたいということで早稲田しか受験せずに合格。
6年後は予測できないが誰にでも可能性がある。
今年の結果はよかったが来年はどういう結果になるかわからない。よい結果になるように努力しているが。
外部講師による放課後の特別講習(希望者対象)を2年間行った学年が今春の卒業生。
入学者の1割(20名)を東大に、早稲田、慶応でのべ200名合格させるのが目標。
上位生には特待生制度がある。入学後も成績がよければ継続する。
今年、6年間特待生だった生徒がいて、東大理Vの合格を期待していたがセンター試験で失敗し千葉大医学部に進学した。東大理Tや理Uに合格できたと思うが本人が医学部志望なので、それでよいと思っている。
攻玉社の生徒にもっとハングリー精神があれば東大20はいく。
浪人しないし、慶応で満足してしまう生徒が多い。
攻玉社は1学年6学級の小規模校。その分面倒見がよい。
これまで校舎が古いのを面倒見でカバーしてきた。校舎が新しくなったからといって、面倒見のよさを止めることはない。
学校週5日制は採っていない。中1、中2、高2、高3は土曜日も通常授業。
中3、高1は土曜選択講座を実施。先生が設定した講座を生徒が選んで受講。全学年とも土曜日に選択講座をおきたいのだがそれだけの部屋数がない。
学校の欠点を直しながら学校経営をしていく。
2.ビデオ 卒業生が語る学校生活
今年の卒業生が先生、クラスの雰囲気、男子校、クラブについて語る。
先生が上から押さえ込もうとしないで、生徒の目線でつき合ってくれた。男子校だったので余分なことを意識しないで学校生活が送れた。
3.入試問題について 各教科より
1)国語
1回入試、2回入試とも形式、傾向は同じ。
1、2・・漢字の読み、書き。配点は20点。最近は正答率が高い。ここで落とさないように。
3・・国語常識(文法、語句、文学史)。配点は10点。問題の聞き方を工夫している。
4・・小説。配点は35点。小学生に興味のもてる主題のもの、できれば同じ年頃の主人公のものから出題したい。
5・・評論。配点は35点。
文章中に接続詞や副詞の呼応などの穴埋め問題もあるが、ストレスなく読める程度にしている。
設問や選択肢の中に考え方のヒントがあるので設問順に解いていくほうがよい。
特選入試
前半・・聞き取り(ヒヤリング)。最近の子供は人の話が聞けなくなっているので聞く力を試したい。ただ聞き取りではあまり差がついていない。
後半・・作文。500〜600字。資料(データー)をもとにして書く。自分達の身近にある問題を取り上げている。過去問で傾向や出題のねらいを見ておくとよい。
2)算数
1回入試、2回入試とも形式、傾向は同じ。
2回の方が1回よりやや難度が高い。
大問5題・・計算、場合の数、平面図形、空間図形、グラフを使った問題。
大問の最後には必ず考えさせる問題がある。その前の小問の応用として。
平均60点を意図して出題する。
問題をよく読まないで解いている人がいる。
特選入試
その1・・1問1答形式。短時間での計算処理能力を見る。
その2・・大問3題。途中の考え方を見る記述式。何か書いてあれば採点の際に見る。途中の考え方を整理してかける練習をしておいて欲しい。
3)社会
1回入試、2回入試とも形式、傾向は同じ。
形式(穴埋め、下線部の説明、選択等)については過去問を参考に。
大問3題。
1.日常生活と地球環境・・地球環境といっても小学生が勉強している内容の範囲で。日常生活は衣食住をテーマに出題。
2. 身近な地域の歴史、総合問題・・東京・神奈川を題材にして発展させた問題。
3. 日本の都道府県の特徴・・47都道府県の農業、工業、伝統的工芸等。
歴史上の人物や事柄、都道府県名では漢字指定の場合がある。
問題量を多く感じるかもしれないが、得意な分野から手をつけて。
4)理科
1回入試、2回入試とも例年通り。
5問×10点
総合問題、物理分野、化学分野、生物分野、地学分野から。
各分野の基本的な知識が身に付いているかを判断できる問題を出題。
総合問題は日常の体験をもとにして作問する。
全体的に実験、観察をもとにした出題が多い。
小学生が知らない事柄でも、文章をよく読めば小学生の知識で考えてくれればわかるように作問する。
過去問を参考にしてもらえれば。
1回入試、2回入試を通して全単元から出題しようとしている。
総合問題は1回入試と2回入試のテーマが対になっている。(例えば林間と臨海)
1回入試の問題を2月1日の12:00すぎに配布する。それを見れば2回入試の対策が立てやすいのでは。
4.入試に関して 教頭 岸川先生
1)03年入試結果
      国際学級    1回     2回   特別選抜
募集人数    40    80     90      30
応募者数   153   441    722     382(国語136、算数246)
受験者数   152   402    559     304(国語117、算数187)
合格者数    83   154    205      61(国語 22、算数 39)
補欠合格     0     5      7       6(国語  2、算数  4)
受験者平均        1回     2回   特別選抜
国語(100)      58.4    61.1  117.8(特選の国語は200点満点)
算数(100)      39.5    42.5   50.7(特選の算数は150点満点)
社会( 50)      27.4    27.3
理科( 50)      32.1    28.1
募集人数と合格発表数は違う。03年入試でも1回は80名の募集人数に対して154名の合格を発表。2回も90名に対して205名発表。04年も同じくらいの発表数を考えている。
1回、2回とも300点満点で60%程度が合格ライン。教科の点数による足切りはない。
特別選抜は国語か算数の1科目を選択。国語と算数での受験生の割合に合わせて合格を出している。
各回を通じて科目別では算数の平均点が低かった。外部(塾関係者)から算数のできる生徒が採れないと言われた。04年はもう少し算数の平均点が上がるように工夫している。
特別入試では塾やテスト会の出している偏差値はあまり役に立っていない。
2)04年入試要項
国際学級 1月10日 男子40名 2科、または英語 面接
1回    2月 1日 男子80名 4科
2回    2月 2日 男子90名 4科
特別選抜 2月 6日 男子30名 国語または算数
インターネットによる発表はない。
申し出のあった塾にはFAXで合格者の番号一覧を送信。
1回、2回入試とも入学手続きは2月5日15:00まで。
1回、2回両方受験して(熱望組と呼んでいる)両方とも合格点に達していなかった場合、一定の枠の中(点数で10点まではいかない)に入っていれば2回目で合格を出す。その対象者は例年30名近くいる。
繰り上げ合格(補欠合格)を出す場合も両方受験している受験生の中から。
特待生は入学金と1年次の授業料を免除。入学後も成績が上位であれば継続して中学3年まで授業料を免除する。
高校での特待生は中学3年間の成績を見てあらためて指定。
04年に入学金を245,000円から250,000円に改定。他は据え置き。
http://www.kogyokusha.ed.jp/m/

桐朋中 自由研究発表
今年は11月18日(火)〜21日(金)にかけて行われる。
中学生の夏休み自由研究の中から優秀作品が展示される。それまでは、学内の生徒と個人面談に来た在校生の保護者向けだったが、3年前から外部にも公開される。
各作品の前に椅子がおかれ、じっくりと読むことができる。
 発表会場風景

 美術部門銀賞の切り絵

http://www.toho.ed.jp/

共立女子中 新校長インタビュー
(全私学新聞 12月3日)
 「本校は『誠実、勤勉、友愛』という校訓のもとに、生徒一人ひとりの個性を伸ばし、自己の適性にふさわしい進路は開き自分色に輝こう≠ニいうことを生徒たちに言っています」
共立女子中学校(東京都千代田区)の平野英雄校長の生徒達に対する願いの込められたメッセージだ。共立女子学園に高校が平成十七年に、中学が十八年に新校舎が完成する。それを契機に共立独自の一貫教育を完成させる方針だ。
 共立では、六年という継続した教育期間で、効率的な一貫カリキュラムを確立するとともに、のびのびとした生活でも、中学時代は中学生としての期間に成し遂げられる自立意識を意図的に形成させる。単なる「経過点」で終わらせるのではなく中学生としての「到達」への意識が生み出す多様な能力を引き出すことが大切と考えているようだ。学年ごとに修学旅行を行うなど、生徒会や部活動は中高それぞれ独立した上で連携させるという工夫をしている。
 中学ではカリキュラムや授業面も考慮し、二期制を導入している。六年一貫の学習の継続性を強め、体系的理解を深める意図と、定期試験は必ず長期休み前に実施し、課題をもって休暇に入る体制とした。個々の特性を引き出し表現させる練習は各教科で熱心に行っている。例えば、国語科は作文教育を重視し、生徒にさまざまな全国コンクールへの応募を奨励し、その成果が表れており、また、六日制三十四時間を堅持し、深みのある授業を維持していく。中学では、生活指導に一層力を入れるが、礼法教育を軸に基本的な生活習慣を身に付けさせる。また、美術や音楽・技術・家庭などの教科も重視し情操面での表現力も行き届いた指導を行っている。「本校の美術はどういう構図で、どのように描くかという指導を通して、最終的には自分なりの表現方法(アイデンティティー)を身に付けることができるようになるのです。こうした基礎教育はしっかり行っていますので、文化的レベルは相当に高いです」と平野校長は誇る。
 新校舎は、新たに専用食堂やラウンジを設置し、オープンスペースなど、ゆとりとふれあいのある空間の充実が図られている。同時により深く個々の特性に目を向けた共立独自の教育が着実に進化していくだろう。
http://js.kyoritsu-wu.ac.jp/%7Echugaku/

品川女子学院 教科より受験生のみなさんへ
国語科より
 知識問題の全体比1割の出題。記述問題の配点の増加。この2点が大きな変更です。前者では日々の地道な学習の成果を見ますので、学習中にわからない語や漢字が出てきたら、必ず辞書を引いて確認する。そういった積み重ねが得点に結びつきます。後者は、問題の難化とも受け取れると思いますが、部分点を細かく設定しますので、わかる範囲でできるだけのことを書こうとする姿勢のある受験生が有利です。
数学科より
 算数の問題の傾向や難易度に大幅な変更はありません。大問を1題減らしました。今までは計算問題、一行問題、大問の中の小問、これらを確実に解くと合格点に達することがありました。つまり、本当に見たい記述の部分以外のところで合否が争われていた、ということになります。これは私たちからすると本来の入試ではありません。大問を1題減らし、受験生が記述部分にも十分手を回せるようにしました。その記述部分の書き方ですが、何を計算したのか簡単にことばや図で書いておくと見やすい答案になります。また、部分点を設定していますので、答えに行き着かなくとも過程を残しておくと得点につながります。
理科科より
 入試問題の出題傾向に関しては、昨年度から変更有りません。知識問題に関しては、基本的な問題のみの出題です。重要事項をきちんと覚えておくことが得点につながります。身の回りの現象に関してや実験・観察に関しても、多く出題します。日頃から身の回りの現象に関心をもつこと、また、データやグラフの読みとりも大切です。
社会科より
 地理分野の問題が40%、歴史分野の問題が40%、公民分野の問題が20%です。
学習するにあたって、地理分野では地形や地名、歴史分野では人物名や出来事など基本的な知識はしっかり漢字で書けるようにして下さい。また、地理分野ではグラフや表から読みとる問題、歴史分野では出来事の原因や結果を問う問題、公民分野では時事問題が出されますので、知識だけではなく、日頃から「なぜ」を追求するように学習して下さい。
http://www.shinagawajoshigakuin.jp/index.html

松蔭中 05年より共学に
(学校配布文書より抜粋)
 平成17年4月からの男女共学制への移行について
 さて10月の本校進学説明会においてもすでにお知らせいたしましたとおり、松蔭中学・高等学校は平成17年度から男女共学制へ移行することになりました。本学園では、以前より近年の少子化傾向に鑑み、学枚の将来、時代の趨勢等様々な角度から今後のあり方について検討、議論を重ねてまいりました。その中で「共学化」という方向性についても検討すべきであるという意見が出され、平成16年度から学園の「大学」に共学制が導入されることとなり、それに伴い中学・高等学校も「一貫教育」推進のため、平成17年4月1日より「共学制」に変更いたします。
 学園は創立以来60有余年、設立者の建学の精神を体して草創期・発展期・安定期と幾多の子女の育成に携わり、長い歴史を培ってまいりましたが、今ここに改革期を迎えようとしています。共学への移行は、学園の新生を図るために必要な改革であるとともに、社会における国際化の進展に呼応して推進されている「男女共同参画社会」ヘ向かう時代の要請に沿うものとの判断によるものでもあります。
 先生方には、突然の改変のお知らせにさぞや驚きの念を抱かれたことと存じますが、学園として検討を重ねてきた結果でもあり、関係機関との調整等がありましたのでこの時期になりましたことをご了承ください。
 以上の主旨をおくみ取りの上、何卒学園のこの決断をご理解いただき、今後ともいっそうのご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
http://www.shoin.ed.jp/

フェリス女学院 学校説明会報告(03年11月8日)
1)教育方針について〜「他人のために(For Others)」〜 中村校長先生
 フェリスは日本で最も古い女子の学校です。1870年(明治3年)にアメリカから来た女性宣教師メアリー・エディー・キダーによって設立され、今年で133年を迎えます。開校以来、今日まで時代の流れに左右されることなく、キリスト教の建学の精神を貫いてきました。
 日本は経済的に、物質的には豊かになりましたが、反面、精神的にはむしろ乏しくなり、道徳的な観念に欠ける青少年が増え、毎日のように社会にさまざまな問題が起こっているのは大変嘆かわしく思い、「心の教育」が必要であると考えます。
@キリスト教主義
 本校では、ずっと聖書の教えに基づいた教育を行っているので、「心の教育」もあわせてなされております。毎日礼拝があり、聖書の授業は全学年必修です。修養会などの行事の際には牧師先生の話を聞いてお互いに話し合ったり、相手の意見を聞いたり、自分の意見を述べ、考えることによって心豊かな人間に育っていくのではないかと思います。聖書の教えに基づいた人間観や世界観を教えられ、正しい価値観を持つようになります。本校は教会へ行くことやキリスト教の信仰を奨励はしていますが、強制はしていません、キリスト教を全く知らない人も大歓迎です。
A学問の尊重
 本校では学問を大切にしています。これは大学受験のためではなく、人生を生きるために必要な知識、あるいは正しい判断力や自制力を持つことができるように「清く」「深く」学ぶということです。生徒自身が積極的に学ぶので、その結果として大学への合格率はよいのですが、学校側が学校の評価を高めるために生徒に勉強させるということはしていません。怠けている生徒には指導しますが、成績ばかりを気にしている生徒には、人が生きていくのに大切なものは成績だけではないことを教えていきます。6年間一環の学習なのでゆとりを持って、継続的に、段階的に学習することができ、その結果が将来の進路へとつながっていくのです。日常の学習もテストのためではなく、広く、深く、しかも受け身的ではなく、自発的に、主体的に学ぶように配慮しています。そのため、図書館は大変充実しており、また、机に向かった勉強だけでなく、体験や講演も数多く取り入れています。
 子供の能力や資質はそれぞれ神から授かった、その子供独自の賜物であるというキリスト教の人間観に基づいて教育を行っておりますので、自分のためだけでなく、他人のために役立つものとなるように、「広く」「深く」学ぶようにしております。他人との比較は良いところを学ぶべきだとは思いますが、他人と比較して優越感を感じたり、劣等感を持ってはいけないので、学年での成績順位を出して知らせるようなことはしていません。生徒自身は他人との比較ではなく、各個人にふさわしい学習をすればよいと捉えています。
Bまことの自由の追求
 本校では生徒の自主性や自由を尊重しています。神の前では人間の価値は誰でも同じであるという考えに基づいて、教師も生徒の人格や個性を尊重しながら指導しています。自主性を尊重しておりますので、余り細かい規則は設けていません。「自由」とは、自分勝手に振る舞うことや、全く規制を持たないことを意味するのではありません。むしろ、自分の外からの規制や強制に頼らず、一人ひとりが自主的な判断で規則の意味を知り、他人への思いやりをもって行動することを意味します。この「自由」は他人への愛の関わりにおいてこそ発揮される自由です。他人とともに、また「他人のために」、それぞれが神から与えられた能力を活かして生きる共同社会・国際社会を造る責任に目覚めた人間、本校はそうした人間を育てることを目指しています。
 本校は6年間一環なので、高等学校での募集は行っておりません。中学校の卒業生は学習や生活面で特に問題がない限り全員高等学校への進学を認めています。また、本校へ入学した生徒は、保護者の転勤等で転出しても、戻って来た際の再入学を認めています。また、中学・高校とも開校以来週5日制を採用しており、土曜日は休養、日曜日は教会へ礼拝に行くことを奨励しています。
2)宗教教育について 宗教主任野田先生
 本校ではキリスト教に基づく人格教育を行っています。毎日の学校生活は朝の礼拝から始まります、これは通常授業のときだけでなく、校外行事の際にも必ず実施しています。また、各学年とも週1時間の宗教の時間があります。このほか、いくつかの宗教行事があります。
<年間学校行事(年度により実施時期が異なる場合もあります>
 4月・・・入学式 始業式 新入生オリエンテーション 健康診断 奨学会(保護者会)総会 授業参観
 5月・・・防災訓練 S2入学旅行(奈良・京都方面4泊5日) J3フィールドワーク(信州2泊3日) 遠足 体育大会
 6月・・・創立記念日(1日:式典、講演会) 前期中間試験 キリスト教教育週間 宗教講演会 S家庭科講演会歌舞伎教室 英語スピーチ・コンテスト
 7月・・・合唱コンクール 音楽鑑賞会 修養会(J1:1日、J2:2泊3日、S1:2泊3日) J補講 S補講 クラブ合宿
 8月・・・クラブ合宿 S夏期補習
 9月・・・漢字テスト 防災訓練 前期期末試験
10月・・・前期終業式 後期授業開始 球技大会
11月・・・フェリス祭 奉仕週間 感謝祭礼拝 J講演会 J3理科研修旅行(三浦1泊2日)
12月・・・後期中間試験 クリスマス礼拝 スキー教室
 1月・・・中学入学願書受付 スケート教室(〜2月) S1広島研修旅行(2泊3日)
 2月・・・中学入学試験 後期期末試験
 3月・・・送別会 卒業礼拝 終業式 卒業式 S2卒業準備の会(2泊3日)
入学するまではキリスト教に触れたことがないという人もたくさんいますが、様々な宗教行事は初めて経験される人を前提に説明し、準備をしていきます。また、教会での日曜礼拝に出席することを奨励しておりますが、これはキリスト教をよりよく知り、信仰の安らぎを受けるためです。フェリスが創立以来、週休2日制をとっているのは日曜礼拝を重んじているからです。
3)教育課程について 教務主任大塚先生
 6年間一貫教育の観点から、中学校では基礎的知識、高等学校ではその発展学習に努めています。中学では選択科目がなく全科目必修となり、また、習熟度別のクラス分けはありませんので、授業についていけないというような場合には、すべて個別に対応していきます。また、中間や期末試験の結果で他の人と比較できるようなもの(成績表)は、本人・保護者ともに一切お渡ししません。これは他の人との比較は考えない勉強法を身につけて欲しいという願いからです。高等学校では進路別コース設定はなく、生徒全員が広く、深く、自主的に学習できる、教養主義を高校2年まで実施します。高校3年では進路に合わせて授業を選択する体制をとっており、進路決定は高校2年の12月になります。高校の授業は大学受験のための勉強ではなく、フェリスで学んだことをしっかり身につけて欲しいです。フェリスは「受験校」ではなく「進学校」です。受験技術を身につけるのではなく、将来に向けて自らの進路を決定していくための知識と教養を身につけることを援助することを目的としています。
 カリキュラムは各教科とも6年一貫の観点から内容を見直した新しいカリキュラムになっています。重複を避けるために、内容によっては高校の内容を中学でやっている教科もありますが、それは先取り学習ではなく、フェリス独自の内容の精選です。
 また、行事が多いのもフェリスの特色で、教室の中の学習だけでなく校外に足を運んでの学習も大切にしています。
<生徒会・クラブ活動など>
「生徒会活動」
 本校の生徒会活動は、生徒の自主的な活動を基本とし、また中高一貫教育の点からも中学・高校の区別はなく、S2を中心とする常任委員会の下に運営されています。
 フェリス祭(文化祭)も、生徒からなる実行委員会を中心に企画され、実施されています。
「クラブ活動」
 クラブ活動には、以下のものがあります。いずれも顧問教師やコーチなどの指導を受けながら、生徒の自主的かつ自由な活動として行われています。
・キリスト教関連 青年部(YWCA) 聖歌隊 ハンドベル・クワイヤ
・文化系クラブ 生物部 化学部 天文部 写真部 美術部 管弦楽部 音楽部 英語部 料理部 茶道部 華道部 文芸部 新聞部 演劇部 アマチュア無線部 ポピュラーミュージク部
・運動系クラブ バレーボール部 バスケットボール部 テニス部 卓球部 体操部 バトミントン部 ハイキング部
中学・高校の区別はなく、参加率は中学が100%、高校も2年生までは80%です。高校生は、クラブ以外に同好会や有志のグループが(今年は29)あります。
<高等学校卒業生の進路(進学実績・推薦制度など)について>
 「広く深く自ら学ぶ」という姿勢が高い進学実績につながっています。高校3年生のほぼ全員が4年生大学への進学を希望しており、センター試験の受験率は97%(174人中168人)です。また、現役進学率は75〜80%、進学状況は国公立4割:私立6割で、国公立が増加の傾向にあります。分野別では、文系6割:理系4割となっています。
 本校では、個々の生徒の「主体的な進路の選択」を基本とし、進路指導室や担任を中心に、各自の適性にふさわしい進路指導に努めています。
(1)卒業生の進路及び進路概要
             2000年度  2001年度  2002年度
卒業生数        174名    172名    175名
4年生大学進学者   137名    127名    133名
短期大学進学者     0名      0名      0名
専門学校進学者     1名      1名      0名
就職者           0名      0名      0名
その他            1名      1名      1名
進路未定者        35名      43名     41名
 ※その他には海外の大学を含みます
 ※進路未定者は全員次年度大学受験希望者
(2)推薦制度について
@フェリス女学院大学への内部推薦制度
同大学の文学部(英文科・日本文学科)と国際交流学部(国際交流学科)への内部推薦入学制度があります。なお、同大学音楽学部へは一般推薦となります。
推薦基準…同大学のいずれかの学部・学科を第一志望とする者が、大学の実施する推薦試験を受け合否が決定する。学部・学科の人数枠がある。又、本制度により合格した者は、他の大学の受験は認めない。
A指定校推薦
指定校推薦とは、大学が高等学校を指定し、原則として同高等学校長の推薦に基づき入学を許可する制度です。なお、年度によっては推薦の有無・学部・推薦条件が異なります。本校が現在、受けている指定校推薦の数は次の通りです。
大学  37校 71名+若干名
短大   7校 12名+若干名 (若干名とは人数指定なしを意味します)
青山学院大 学習院大 北里大 慶應義塾大 国際基督教大 上智大 聖マリアンナ医科大 中央大 東京女子大 東邦大 明治学院大 早稲田大 その他
今年の指定校推薦による進学は、お茶の水女子大1名、共立薬科大1名、名古屋大1名、慶應義塾大4名、青山学院大1名です。生徒の進路の希望が多様化してきていることや、いくつかの大学を受験してみたいというチャレンジ精神から、推薦制度利用は減っています。
<2004年募集要項>
募集人員 女子180名
受験資格 2004年3月小学校卒業見込みの者
願書受付 2004年1月10日(土)・13日(火) (11・12日は受付を行いません)
 受付時間 午前9時〜午後3時(11時30分〜12時30分を除く)
 本校窓口でのみ受付(郵送での出願はできません)
試験日  2004年2月2日(月)
試験内容
 午前:学力試験 
 @国語(100点45分)A算数(100点45分)B社会(100点40分)C理科(100点40分)
       (各試験時間の間に、10分間の休み時間があります)
 午後:人物考査…面接 受験生のみグループ面接
     開始時間 午後1時(予定) → 最終でも午後3時前には終了予定
     各受験生の面接開始時間(集合時間)は、2月2日の試験日当日の受付時にお知らせいたします。
     (面接時間の指定ならびに事前の電話での確認などは一切できません。)
合格発表 2004年2月3日(火) 午後4時(予定) 本校体育館中庭側に掲示
入学受付 2004年2月4日(水)
     受付時間 午前9時〜午後3時(11時30分〜12時30分を除く)
繰上合格 合格者より入学辞退者がでた場合、順次、繰上合格者とし、直接保護者あてにご連絡いたします。
その他  @試験当日の登校時間(受付時間)、持ち物などの詳細については、願書受付時に配布するプリントにてご確認下さい。
A試験当日、付き添いの方の控え室(受験生控室と同室)があります。なお、付き添いの方は、1名までとさせていただきます。
過去3年間の志願者・受験者数(いずれも)、募集人数180人)
         2001年度 2002年度 2003年度
志願者数    501名    407名    429名
受験者数    487名    400名    415名
過去2年間の受験生平均点
         国語   算数  社会   理科
        (100) (100) (100) (100)
2002年度  55    47    75   65
2003年度  47    45    68   62
 ※合格者平均点、合格最低点は、非公表。
 今年は2月1日が日曜日なので、試験日を2月2日にしますが、合格発表は翌日の2月3日に行います。これまでは合格発表が試験日の翌々日でしたが、来年以降は試験日の翌日(2月1日試験・2月2日発表)としていきます。
 面接時間については、最終面接者の終了時刻が午後3時を過ぎないようにしていますので、早い人と遅い人で1時間〜1時間半程度の差になります。番号の早い人は学力試験終了後、面接時間までの間がないので昼食の時間が少なくなってしまいますので、むしろ後の方がゆっくりできると思います。出願初日の早朝から、校門前に並ぶことはご遠慮下さい。また、面接のために練習したり、着替えたりすることも必要ありません。
 合否の判定は、学力試験の4教科の得点、面接、報告書を総合的に判断して行います。また、辞退者が出た場合は、随時繰上合格を電話にてご連絡差し上げますので、願書には日中でも連絡のつきやすい番号をご記入下さい。例えその場で連絡がつかなくても、とばして次の人に行くようなことはしませんのでご安心下さい。尚、繰上合格は2月20日を目処とし、それ以降は行いません。
雑感
 新校舎には@まっすぐにA美しくB堅固なフェリスの3つの精神がしっかりと盛り込まれていて、やみくもに近代化していないところが、いかにもフェリスらしい。また、これまでのフェリスの印象はとにかく融通が利かないという感じであったのだが、合格発表を早めたり、面接時間への配慮をするなど、受験生のことをずいぶん考えてくれるようになったと思う。
 ただ、進学指導については、正直なところ疑問が残る。進路状況の説明にもあった通り、ほぼ全員が4年生大学へ進学を考えている中で、校内での受験指導体制が確立されているとは言えない。「進学実績を期待すると失望します」と言われても、生徒にとっては切実な問題であり、予備校等で受験のための勉強をせざるを得ないのが現実の姿であることは十分に理解しているはず。せめて春・夏休み期間を利用した講座を設置するといった、他の進学校が実施している対策を考えてみてもよいのではないだろうか?
http://www.ferris.ed.jp/indexf.html  (フェリス女学院のホームページはリンク禁止になっていますので、アドレスだけ載せておきます。)

麗澤中 新世紀を拓く教育
(全私学新聞 11月23日)
 平成十四年に開校した麗澤中学校(竹政幸雄校長、千葉県柏市)は、将来の自分の夢を発見し、その夢の実現を目指す「自分(ゆめ)プロジェクト」を第一期の入学と同時にスタートさせた。麗澤高等学校との中高一貫教育の一つの柱として六年間のプログラムを実施していく。
 導入のきっかけとなったのは、平成十四年度から始まった総合的学習の時間である。取り組むからには、進路発見につながるプロジェクトにしたいと議論を重ね、立ち上がったのが、実力に裏打ちされた実現できる夢をつくっていけるようにと「自分」と書いて「ゆめ」と読ませる「自分(ゆめ)プロジェクト」である。
 中学高校六年間を二年ずつ三つのステージに分け、中学一・二年は基礎を作るファーストステージ、中学三年・高校一年は実力を造るセカンドステージ、高校二・三年は夢を創(つく)るファイナルステージとしている。さらに大学・大学院から社会へとの流れを未来の自分(ゆめ)をつくるアドバンスステージと位置づけ、十年後、二十年後の自分につながる進路計画を強く意識したプログラムである。
 学習は大テーマの下に、それぞれが小テーマを決め、研究の企画、情報収集、調査、整理、そして発表、評価という流れで行われる。中学段階はグループ研究を主体にし、高校段階では個人研究に移行し、高校二年生終わりに卒業論文にあたる研究発表を行う。現地調査を重視し、本やインターネットだけの知識でなく、体験を経て得られる成果を大切にしている。情報収集から評価までの内容は「自分(ゆめ)ファイルと呼ぶクリアファイルにストックしていく。生徒は、大テーマが終わるごとに一つの「自分(ゆめ)ファイル」でき、それが積み重なっていく中で自分の興味関心が見えてくる。
 昨年四月、新中学一年生の「自分(ゆめ)ファイル」のトップページを飾ったのは、十年前の生徒自身の写真てあった。この写真をOHC(書画カメラ)で見せながら、生徒たちは最初の発表として自己紹介を行った。これは、「自己紹介:友達に自分を知ってもらおう」というテーマに基づくものである。五月にかけては、「マイキャンパス:学園の素晴らしさを体感し表現しよう」を次のテーマとした。広々とした学園内でウォークラリーを行った後、興味を持った内容を掘り下げてポスターセッションで発表した。続いて、中学一年生の最大のテーマ「水源の森フィールドワーク:水源の森の素晴らしさを体感しみんなに伝えよう」に入った。まず、準備としてキャンパスの自然を活用して、ネイチャーゲームや樹木観察を行った。樹木観察では、インストラクターに日本大学生物資源学部の学生の協力を得て、五感で樹木に触れて親しみながら興味と関心を持ち知識を深めた。そして、宿泊研修でのフィールドワークのテーマをグループごとに決めて調査の企画と情報収集を行った。七月には群馬県奥利根水源の森での「フィールドワーク」が予定されていたが、台風のため延期となったものの無事に九月に実施することができた。共通テーマは「水源の森の素晴らしさを体感し、みんなに伝えよう」。インストラクターとして主に指導にあたったのは水源の森を管理している営林署の人である。教員は裏方に回ってこれを支えた。これは生徒たちがその道のプロや地域の人たちと直接触れる中で、知識を実感をもって理解してほしいという意図からである。フィールドワークの成果は九月の文化祭で発表した。生徒、保護者、見学者の前でのプレゼンテーションは、緊張しながらも内容の濃い発表となり、生徒たちは大きな達成感を持ったという。
 九月以降の大テーマは「地域研究:住みやすいマイタウン作りのための提言と実践」。学校近隣の町会を訪問調査して、優れている点、改善すベき点を見つけ、住みやすい街づくりの提言として発表するというものだ。生徒たちは十三の町会に分かれて現地調査を行い、町会長にインタビューも行った。各町会には、事前に学校からお願いをしたが、町会長は中学生が地域の活動に興味を持ってくれるということで喜んで応じてくれた。
 「地域研究」の成果発表は、十二月にクラス発表を行った後、翌年の二月に保護者やお世話になった町会長を招いてパワーポイントを用いて行った。発表内容は、防犯灯の設置に関すること、ゴミだしの問題、ゴミのリサイクル・分別の問題、交通問題、街並みに対するものなどさまざまであった。私学はややもすると地域の人とのつながりが薄くなりがちだが、この研究活動をとおして、生徒たちが地域の人たちとのつながりを感じたことも大きな収穫であった。
 一年間のプロジェクトの中で、生徒たちは自ら課題を見つけ出し、より良く解決する力を着実につけてきている。また、人とのコミュニケーションを通して生きた情報を学ぶという姿勢が出てきたことも大きな変化だ。学校外の多くの人からの支援は、生徒たちの目を実社会に開く上でとても大きな効果があると窪田浩実教頭は言う。
 平成十五年度の一学期、一年生は前年どおりのプロジェクトで調査研究を行ったが、今年は、二学期以降も自然という観点を延長させたいと考え、下田の森≠ナ里山の保全をテーマに「自然研究」を行う。二年生は「環境問題研究」の成果発表を文化祭で行い、続く「日本文化研究」の中での関西研修旅行も実施された。今は「日本文化研究」の成果発表に向けての整理を行っている。来年度、新中学三年生にニュージーランドへの約二週間の研修旅行を計画しているため、それに向けて異文化理解やコミュニケーション、日本文化の紹介と
いった内容を計画している。
 「子供たちは期待した以上の成果を見せています。麗澤の教育は、道徳心を育てることを中核におき、『知徳一体』の教育の実現を目指しています。従来の麗澤教育の特色である国際教育、情報教育に加えて『自分(ゆめ)プロジェクト』をもう一本の経糸(たていと)として通し、各教料の学習が緯糸(よこいと)となり、一枚の織物ができていくような教育を展開していきたい。非常にやりがいのあるプロジェクトだと思っています」と窪田教頭は話している。
http://www.hs.reitaku-u.ac.jp/


公開模試情報

日能研模試12月 合格判定テスト(12月7日)
今年は四谷大塚と日程が重なる。前年比6.7%の減少。男子は4.9%の減少に対して、女子は8.7%の減少。01年、02年は別日程。00年は四谷大塚と同じ日程。
          03年    02年    01年     00年
男子 4科   7510    8175    7332    6730
    2科    905     677     956     977
女子 4科   5806    5929    5113    4722
    2科   1599    2184    2701    2872
合計      15820   16965   16102   15301

四谷大塚模試12月 合不合判定テスト(12月7日)
前年比10.7%の増加。男子は10.9%の増加、女子は10.4%の増加。
今年は日能研と同日程。01年、02年は首都圏模試と同日程。
          03年     02年    01年     00年
男子 4科   8405    7403    6966    7507
    2科    613     728     834    1071
女子 4科   5984    5091    4367    4605
    2科   1425    1620    2030    2816
合計      16427   14842   14197   15999


教育情報

新都立大1 理念づくり、河合塾に調査委託 
(朝日新聞 12月5日)
以下すべて朝日新聞
 東京都立大学など4大学を廃止し、大都市問題に取り組む新大学を発足させる東京都が、目玉となる都市教養学部のコースについて、理念づくりの補強などを大手予備校の河合塾(本部・名古屋市)に委託する。「大学の先生に検討をお願いしたが、旧来のタコツボ型の発想しか出てこなかった」と都は説明する。大学側からは「大学の理念を、受験産業に外注するのは信じがたい」という声が上がっている。 
 河合塾によると、国公立大で学部やコースの設置趣旨など理念の部分について調査を委託されるのは初めてという。 
 新大学は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命に掲げ、05年春の開校を目指す。この8月、石原慎太郎知事が構想を発表。学部長らを中心に準備委員会をつくり、カリキュラムなどの検討を進めている。 
 河合塾に委託するのは「都市教養コース」「国際文化コース」の理念の補強。「社会学コース」など人文・社会系各コースの授業科目名を提案してもらったり、都市教養学部全体の設計、教養教育の英語、情報教育プログラムの設計なども補足してもらったりする。 
 都は、今週中にも約3000万円の資料作成委託の契約を河合塾と結ぶ。委託書では、先進的な事例として国際基督教大(東京都三鷹市)、立命館アジア太平洋大(大分県別府市)などをあげ、これらの大学の調査分析も加味して、基礎資料をつくるよう求める。 
 都の大学管理本部は委託した理由について、「大学の先生方は法学、経済学などの既存の学問分野での縦割りの検討は得意だが、学際的に横断するのは苦手。河合塾は大学評価手法の調査を経済産業省から委託された実績もあり、お願いすることにした」と説明する。 
 一方、準備委員会の一員でもある都立大の南雲智・人文学部長は「横割りだから十分な案が書けないのではない。構想自体、都が勝手につくったもので、特に新しい都市教養コースは内容さえわからない。大学の理念を予備校に外注する発想は信じがたい」と言っている。 
 石原知事の新大学構想は都市教養、都市環境、システムデザイン、保健福祉の4学部を設け、「単位バンク」で国内の他大学や海外の大学の単位を大幅に認める。新大学発足に伴い、都立大(八王子市)、都立科学技術大(日野市)、都立保健科学大(荒川区)、都立短期大(昭島市)は廃止になる。 
 もともと都と4大学の関係者は昨年から新大学の内容を検討する会合を始め、カリキュラムの検討段階まで進んでいた。石原構想は、これを事実上白紙に戻した。 
 このため、都立大の関係者らは石原流のトップダウンの手法に対し反発。都立大は茂木俊彦総長が批判声明を発表するなど、人文学部を中心に抵抗を続けている。

新都立大2 英会話学校で単位取得も検討
(毎日新聞 12月11日)
 05年4月に開校予定の新都立大が、語学の授業を民間の英会話学校に委託することを検討している。英会話学校から非常勤講師を派遣してもらう方法は私立大を中心に広がっているが、英会話学校に学生を行かせて単位を取らせることも検討中で、「授業外注」が実現すれば全国初の試みになる。一方、語学を必修科目から外し、語学に堪能な学生は受講しなくても卒業できるようにする。これらの取り組みは「大学教育での語学とは何か」を問いかけることになりそうだ。
 東京都大学管理本部によると、英語、フランス語、ドイツ語などの外国語科目を民間の語学学校で学ばせることを計画している。これまでは、文学や言語学を専攻する教授らが語学を担当することが多かったが、「文学者としては権威でも、必ずしも語学教育が上手とは限らない」と判断した。民間の英会話学校には「生きた英語」を教えるノウハウがあり、音響機材も充実しているため「外国人の講師を派遣してもらうか、学生を行かせるか検討している」という。教授を多く雇うより人件費が安くつくメリットもあるとみられる。 
 ベルリッツやECCなどの大手英会話学校は、私立大など数十校に外国人講師を派遣し、専門的な実践英語を教えている。文部科学省は「講師を招くのはいいが、授業の内容や成績評価まで丸ごと外部に委託すれば、大学の授業とはみなせない」(高等教育局大学課)と懸念しており、教授らからは「語学教育の軽視」と批判の声も出ている。 
 新都立大は、卒業要件の一つを「外国語のスキル(技能)」としている。一般学生は、選択科目から外国語を選んで学ぶが、海外在住経験者など卓越した語学力を持つ学生は、授業を受けずに、他の科目に振り向け、有効に活用することができる。入学時の語学力に限らず、在学中に海外留学したり、自力で英会話学校に通って語学力を身につけたりした学生は、英検などで一定水準の語学力を実証できれば、卒業要件を満たしたとみなす。 
 新都立大は、現在の都立大(東京都八王子市)など4大学を廃止し、学部を再編して設置し直す。

都立大法科大学院 教員4人辞退で東京都立大が入試延期
(毎日新聞 12月11日)
 東京都立大学(東京都八王子市)は11日、来春開校予定の法科大学院(ロースク ール)の入試を「当面延期する」と発表した。専任教員になる予定だった4人が就任 を辞退し、文部科学省の設置基準を満たせなくなったのが理由で、24日からの出願 受け付けと来年1月24、25日の2次試験を取りやめる。同省の認可後に試験日程 を延期した大学は初めてで、今後の日程は「1月中旬以降に改めて案内する」として いる。  大学関係者によると、法科大学院は今年11月に設置認可を受けたが、民法などを 担当するはずだった法学部教授ら4人が、「健康上の理由」などにより、12月上旬 までに辞意を表明。このため、専任教員に欠員が生じ、認可を受けるための必要人員 に届かない事態となった。辞退した背景には、2005年4月に開校する新大学構想 への反対があるとみられている。  都は専任教員の欠員分を補充し、設置認可を再申請する方針で、大学側は11日、 「受験予定者には多大な迷惑をおかけし、深くおわびします」とホームページで謝罪 した。

保護者が学校評価 目黒区教委 
(朝日新聞 12月5日)
 目黒区教育委員会は今年度から、区立の全34小・中学校を対象に、保護者による「学校評価」を実施することを決めた。来年度からは子どもや地域の第三者などによる「評価」も新たに採り入れる予定。教育目標の理解度や学習指導など全校共通の項目に加え、各学校独自の項目も設定する。今後、各児童の保護者に「評価シート」を配り、各学校が回収・分析。結果を今年度末までに公表後、次年度の教育活動方針に反映させる方針。
 区教委指導課によると、区立全学校で統一的に保護者による評価を実施するのは、23区内で極めてまれという。
 区内共通で評価する項目は(1)学校の雰囲気など全体(2)指導法や進路指導などの教育目標(3)クラブ活動など特別活動(4)生活指導など学校生活全般(5)PTA活動など家庭・地域との連携など計5分野。このほか、指導重点科目や国際理解など学校独自の分野についても、各校で対象にする。
 こうした分野の各設問について、保護者側がAからDまでの4段階で評価し、学校側に提出。共通の評価項目については区教委が学校側から集めたデータを集約し、3月ごろをめどに公表する。
 その上で各校は、結果を新年度の「教育課程」の編成に反映させるとともに、教職員一人ひとりが、日常的な教育活動の見直しに向けて役立てる方針。
 区教委は11月半ばに各学校にすでに「評価シート」を配布。各学校が独自の設問を加えた上で、今月から、シートを各家庭に配り始めた。
 区教委指導課の担当者は「保護者たちの評価を採用することで、各家庭や地域のニーズに対応でき、家庭と地域が一体となって、より良い学校をめざすことにつながる」と話している。

府立高校将来像公開 府立の58校長、学校の将来像を公開
(京都新聞 12月8日)
 「国公立大学へ現役合格50人以上」「野性的知性を追求する」−。目指すべき学校の将来像を、京都府立高校など府立学校58校の校長が8日から、府教委のホームページで公開している。教育指針に共鳴し意欲のある教職員を公募異動制度に基づいて募る目的だが、受験を控えた中学生や保護者らにとっては校長の「公約」にもなっている。 
 南陽高(木津町)は「ハイレベルな進学校」、嵯峨野高(京都市右京区)は「現役進学を目指す進学校」、西城陽高(城陽市)は「部活動が盛んな進学校」を、それぞれ掲げる。 
 亀岡高(亀岡市)は唯一、国公立大学の現役合格者数を50人以上と具体的に設定し、週34時間授業など、それに向けた方策を示した。山内彰校長は「数字は最後まで迷ったが、一種の公約として決意を込めた。部活動の中核校になることなどとともに、2、3年後に実現すべく取り組んでいる」と話している。 
 目標で目立つのは、勉強と部活動の「文武両道」で、乙訓高(長岡京市)や城南高(宇治市)などが掲げている。一方で特色ある教育指針を打ち出す学校もある。北稜高(左京区)は「地球と人間」がテーマの一つで国際理解と環境を重点に国際人の育成を目指す。南八幡高(八幡市)は「共生」を基本に福祉を学ぶコースなどを紹介している。 
 個性的なキャッチコピーでは、「野性的知性を追求する学校」の鳥羽高(南区)や「めんどう見のよい学校」の洛水高(伏見区)、「生徒の夢と教師の夢が一つになる学校」の莵道高(宇治市)。北桑田高(京北町)は「小さいながらも元気な学校」で、地域発展のために地元を背負って立つ指導者の育成を目指す。 
 府教委教職員課は「特色ある学校づくりを実現するため、校長が学校の経営方針などを明確にし、責任を持って取り組むことが求められている」としている。 
 府教委のホームページは http://www.kyoto-be.ne.jp/kyoto-be/
 ▽教職員の公募異動制度 京都府教委が本年度の人事異動から始めた。府立学校長が教育方針を示し、それに賛同する教職員を1校あたり2名程度募る。本年度は68人が希望し、32人が異動した。

センター試験 確定志願者数は58万7350人
(朝日新聞12月8日)
 大学入試センターは8日、来年1月に行う04年度センター試験の確定志願者数を発表した。58万7350人が出願した。前年度に比べて1万5537人、2.6%減少した。内訳は現役高校生42万6839人▽高校既卒者15万3622人▽その他(大学入学資格検定合格者など)6889人。

前納金返還 私大の9割強が返還
(毎日新聞 12月8日)
 入学を辞退した後の入学金や授業料など私立大の前納金について、来年度入試で全国の私大の9割を超える494校が返還することが、予備校の代々木ゼミナールのアンケートで分かった。うち480校は入学金を除いた金額の返還で、入学金まで辞退者に返すのは少数にとどまっている。 
 調査は今年10〜11月にかけて来春開校予定も含む532校を対象に実施し、528校から回答を得た。 返還制度のある大学のうち、全学で一般か推薦かなど入試種別を問わずに返還するのは238校で、残りの256校は対象を特定の学部や一般入試に限定している。このほか入学手続きの際に入学金のみを納入し、残りは入学後に納めるのが15校で、返還制度がないのは18校、検討中が1校だった。昨年の調査と比べると、何らかの形で返還する大学は38校増え、返還制度がない大学は、ほぼ半減した。ただ返還しない大学の中には、納入期限を3月下旬に設定し、第1志望の大学の合否を確認してから手続きできる例もある。 
 入学金を除外する大学が多い中で、入学金を含む前納金すべての返還に応じるのは10校。このほか4校はもともと入学金制度がなく、全額返還している。 
 入学辞退の申し出期限は、学部や入試方法によって複数の期限を設定する大学もあるが、3月31日が延べ206校で最も多く、4割近くを占める。昨年よりは全体的に遅い。消費者契約法に基づく各地の前納金の返還訴訟では、入学金以外の返還を命ずる1審判決が定着している。


その他

入試問題に挑戦第99回

<問題>
 整数を2で割ったときの商と余りを考えます。たとえば,14を2で割ると,商が7,余りが0その商7を2で割ると,商が3,余りが1さらにその商3を2で割ると,商が1,余りが1となります。これらの余り0,1,1を左から順に並べて得られる011を,「14を2で3回割って余りを並べた数」とします。同じように「20を2で4回割って余りを並べた数」は0010となります。

(1) 「21を2で5回割って余りを並べた数」を答えなさい。

(2) 「53を2で5回割って余りを並べた数」を答えなさい。

(3) 「ある整数を2で5回割って余りを並べた数」が(1)の答えと同じになりました。このような整数のうち,100以上200以下のものをすべて答えなさい。

(03年桐蔭学園1次)

 

入試問題に挑戦第98回解答編

<問題>
 図のように,3種類のおもり●,■,▲をのせたてんびんがつりあっています。▲の重さを求めなさい。(03年西南学院)

  

<解答>
 てんびんを利用した消去算です。
 まず、1つ目と2つ目のてんびんの左右の皿をそれぞれ合わせてひとつのてんびんにします。次に、左右の皿に同じものがある場合には取り除いてもつり合いは変わらないので、取り除くと、次の図のようになります。

  

 上のてんびんからは、●3個と■2個で70gということがわかり、下のてんびんからは、■1個と●2個の重さが等しいことがわかります。
 そこで、上のてんびんの■2個を●4個に交換すると、●7個で70gとなるので、「●=10g」となります。
    ■ = 10×2 = 20g
 これをはじめのてんびんに入れて考えれば、
    ▲ = 60−(10+20) = 30g
 よって、▲の重さは、30gです。