NO.109
2003年 9月5日
アクセス教育情報センター
目次
学校情報 |
学校情報 | 教育情報 | 教育情報 | その他 |
栄光学園 | 玉川聖学院 | 04年国公立大学入試 | 全校を2期制に | 女性管理職ゼロ |
学校情報
栄光学園 惜しくも逆転負け、全国高校軟式野球選手権大会
(毎日新聞 8月27日)
栄光学園 100 000 000 000 01=2
鹿児島実 000 000 010 000 02=3
「よくやった栄光学園」
栄光学園は初回、四球で出た飯田真吾主将(3年)が犠打で進塁。暴投で三塁に進み、3番・篠澤洋太郎選手の投ゴロの間に還り先制した。スタンドを埋める黄色のTシャツ姿の生徒、選手の父母りが沸いた。先発の加藤投手は立ち上がり、出塁は許すものの後続を断つ投球。春江尚彦選手(2年)の父守彦さん(48)は「先に点を取って守りきるのがうちの形。何とか守りきってほしい」と期待を込めた。
プラスバンドや応援の生徒は約120人。引率する飯野習一教諭(51)は、以前に延べ10年ほど軟式野球部の部長をした経験があるだけに、感慨もひとしおだ。「ここに来るのが目標だった。出場できたのだから、楽しんでほしい一と選手らを見つめた。同校は2年前南関東大会決勝で敗れ、全国大会出場を逃した。当時の一部のメンバーもスタンドに集合。三塁手だった岩宮賢さん(19)は「1点取ったけど、好機をつぶしている。試合の流れを引き寄せて」。
八回裏、鹿児島実は四球で出た走者が進塁後、右前打で生還し同点に。「ドンマイドンマイ」の声が応援席を包んだ。試合は延長に突入し、十四回表、内野安打で出た中村敏和選手(3年)が、篠澤選手のバントなどで三塁まで進塁。敵失で還りついに勝ち越した。篠澤選手の母恭子さん(45)は「ドキドキした。相手も立派です」と胸がいっぱいの様子だ。その裏勝利を信じる応援席は「加藤頑張れ」の大声援。しかし借しくも勝利は手をすり抜けた。急造の応援団長としで懸命に声を上げた野球部員の福井一弥君(3年)は「全国大会まで来て、一番いい試合も見せてもらった。ありがとうと選手に言いたい」と晴れやかな表情だった。
「力尽きたエース・加藤」
1点を迫う十四回、鹿児島実は二見が敵失で出塁。2死となってから、池澤の四球、本越の左前打で満塁の好機を作り、白澤が三塁に内野安打を放ち、同点。さらに敵失で勝ち越し点が入り、サヨナラ勝ちした。栄光学園は一回に無安打で先制。延長に入っても十四回に中村の内野安打を足掛かりに相手守備の乱れもあって1点を勝ち越したが、一人で投げぬいた加藤が最後に力尽きた。
「和製・アボット」222球の熱投
夏の全国高校軟式野球選手権大会2日目の26日、左手に障害があり、左足に義足を着けた栄光学園(南関東、神奈川)の加藤善之投手(2年)が、兵庫県明石市の明石公園球場であった鹿児鳥実(南部九州、鹿児島)戦に登板。延長十四回の熱戦を繰り広げ、222球を一人で投げ抜いたが、2−3で惜しくも逆転サヨナラ負けを喫した。
「障害は意識していない。野球は、自分が一番自信を持てるごと」と言い切る加藤君だが、同じように障害を持つ子どもの親などから「励みになる」との手紙や電話も寄せられている。(自分が楽しんでいる姿を見て励まされるという人がいれぱ、それはそれでうれしい」と激戦を終えて、充実した顔で語った。
加藤君は生まれつき左足の甲から先がなく左手は親指と小指しかない。足にはひざまで固定する義足を着けている。左手にクラプをはめて投球し、投げ終わると素早く右手にクラプを付け替え、打球に備える。この動作をこの日も繰り返した。サヨナラ負けの瞬間は、がっくりひざをついだが、その後は、涙を流すチームメートを慰める強さも見せた。「本当に頼れる後輩」と捕手の飯田真吾主将(3年)。「彼のカなしにはうちの野球は考えられない」と、壱岐太監督(37)が話す通りの姿だった。
http://www.eiko.ed.jp/index-j.html
芝中 教育懇談会要旨(03年7月18日)
入試委員長 石川先生
懇談会の様子
1) 芝の宗教色
宗教色は薄い。
普段、仏教校に通っていることを意識することはない。
校舎の中に仏像もない。
入試や入学後ともに宗派による差別、区別はない。
宗教との関わりは以下の3点
1 宗教行事として年3回増上寺に参詣
1時間程度の法話、説法を聞く。
内容は宗教を通して人としてどう生きるかの話し。
手を合わせてお経を唱えるのはその時だけ。
2 中1の道徳(週1回) 校長が担当
宗教的なことに多少触れることがある。
3 校訓から
遵法自治・・法は仏教の教えの意味。
仏教の教えでは共生を大切にしている。共生に反することには厳しく対処する。
2) 生活指導
芝では規則によって生徒を縛ることはしない。
服装は学生らしく華美にならないこと。
制服、カバンのみ指定がある。肩掛けカバンは少ないが変えるつもりはない。
コートやワイシャツの指定はない。
芝では穏やかなキチンとした生徒が多い。
1700名の中に茶髪の生徒も10〜20名はいる。
茶髪を強制的にやめさせるようなことはしない。芝で生活していく上で必要なのか話し合う。
携帯電話を持つことは禁止していない。ただ使い方のマナーに関してははっきり言う。
中学生では年1回程度はいじめ的な事件が起こる。
生徒の様子を見ていればわかるし、周りの生徒がいってくる。その場合は学校としてすぐ対処する。
1:多はダメ(1:1はケンカ)。
長期間はダメ。
本人が嫌がっていたらダメ。
人を大切にするという芝の校訓からそれには厳しく対処する。
3) 自治
学校行事は生徒中心で行われる。教員はサポート役。
昨年、学園祭の前の朝礼で、実行委員長が「茶髪にしている君たちはいいかもしれないが、嫌がる保護者も多い。学園祭には辞めて欲しい」旨の話をする。学園祭の時には茶髪にしている生徒がいなくなる。
4) きめ細かな指導
面倒見がよいと言われるが当然のことと思っている。
制度をたくさん持っていれば面倒見がよいとは思わない。
学習指導表でもわかるように、補習や講習は学力差に応じて学年が上がる毎に増えていく。
(学習指導表は校長が毎年作成している)
補習をやっても理解の遅い生徒もいれば、確認テストがあっても復習してこない生徒もいる。そういう生徒にとことんつき合っていけるかだと思っている。
1 進級基準
全教科60点以上。
ギリギリの生徒に対しては教員が責任を持ってフォローする。
塾に行きなさい、家庭教師をつけなさいとは言わない。
入試を行って預かった生徒は学校の責任。
中1→中2、中2→中3で進級できなかった生徒は10年近く0名。
中3→高1では2〜3名が留年や他校に進学している。その場合でも手を尽くした結果として。
2 相談室
芝の相談室は教員が運営。
相談係として15名程度でチームを作る。
チームで児童心理やカウンセリグの研修を行う。
2人はカウンセラーの資格を持っている。
外部の人に週何回か来てもらうという対応では画一的な取り扱いになってしまうのではないかと思っている。
常に側いることが重要。相談室には8:00〜16:00の間、必ず誰かがいる。
生徒だけでなく保護者の相談も受ける。生徒よりそちらの方が多い。
昨年は1200件の相談があり3/4は保護者からの相談。年々増えている。
中1は勉強方法や友人関係の相談が多い。
中学後半から高1にかけて精神的に大きく変化する時期。
人によっては卒業した後も相談に来る人もいる。ご家庭が納得するまでつき合う。
不登校の生徒が現在6名いる。
1年間不登校だから他の学校に移ってくださいとは言わない。
5) 学習指導
1学年280名。7クラス編成。
中1〜高1は均等割りクラス編成。選抜クラスや習熟度別クラスはない。
高2で文系、理系分け。それぞれに選抜クラスが1つ。
高3では文系、理系に国立コース、私立コース、(理系は医歯薬コース)を設置。コースは希望で選択。違いは必修科目の差。
芝は進学校ではあるが勉強には片寄らない。
勉強は1つの柱で、他にも大切な柱があると思うから。
入学者は2〜3年塾に通って入ってくる。
芝ではテストの点数で輪切りにしたくない。点数は1面に過ぎない。
点数が全てという価値観を持って成長して欲しくない。・・家庭の考え方が影響してくる。
教材は自主教材、サブテキスト、プリントが主で、教科書はほとんど使っていない。
授業の進度は速い。高2でほとんどの科目のカリキュラムが終わる。
でも勉強に関してはゆったりしている。
わからない生徒、ついて来られない生徒を出さないように配慮している。
宿題もそれほど多くなく、普段の生活の中でこなせる程度。
学校の勉強だけで充分。
中学で塾に通う必要はないし、通っている生徒はほとんどいない。
高2くらいから予備校を利用し始める。
高3では7割くらいが利用している。
予備校に通う通わないと大学合格とは関係ない。
カリキュラム表に学校の考え方が表れてている。
中1 中2 中3
数学 5 5 6
英語 5 6 6
進学校としてはそれほど多い方ではない。
その分、体育、音楽、美術、技術の時間を多くしている。
バランスの取れた人間として成長するために必要と考えている。
頭、心、体のバランスのとれた成長。
理科は実験室が7教室。
中学は実験を中心としたカリキュラムになっている。
技術では物作りを。今の子どもはあまり物作りを経験していない。
中1では木箱を。釘を使わずに作る。
中2では下駄を。カンナの研ぎ方、ノミの研ぎ方から教える。
高3でも体育が3時間ある。受験体制に入ると体を動かすことがない。一番体ができる時期にせめて体育の時間を確保しておく。
6) クラブ活動
中1、中2は95%近くが参加。中3で80%近くが参加。
中1から高3までが一緒に活動。
先輩の後輩に対する面倒見がよい。それが次に受け継がれていく。
クラブ活動を通して先輩から学ぶものが多い。
活動日の日数の制限はない。
成績が悪いからといってクラブを中止させることはない。クラブをやりながら成績を上げることを考えさせる。
硬式野球部が中学からある。
7) その他
芝は朝が早い。1時間目は8:00開始。
朝のHRはない。HRは4時間目終了後に。
中1も5月の中頃には通学に慣れてくる。
50分、6時間(土曜日は4時間)授業。14:30終了。放課後の使える時間が多い。
弁当持参。売店はあるが食堂はない。
6年皆勤の生徒が例年20〜30名、精勤(1日休み)の生徒が10名程度いる。卒業式の時に保護者も一緒に表彰される。
現在、宇都宮から3名通学している。
新校舎になって6年目。
芝公園に隣接しており、周りの環境がよい。静か。
8) 大学合格実績
03年大学入試結果
東大 京大 一橋 東工大 東北 千葉 筑波 国公立計
総数 7 3 3 8 1 5 5 67
現役 5 1 0 6 1 4 3 45
早大 慶大 上智 明治 青山 立教 中央 法政 理科大
総数 69 54 24 44 20 29 24 19 59
現役 38 35 12 21 10 10 14 7 40
=卒業生277名に対する東大、早慶上への現役合格者数の割合(A率)は32.5%。MARCHへの割合(B率)は22.4%。昨年のA率は35.3%、B率は25.4%。=
現状で満足しているわけではないが、進学実績だけをあげればよいとは思っていない。
大学卒業後、企業の研究所や大学教授になっている人が多い。大学教授は420名いる。
自分の分野を究めたいというタイプが多いのかもしれない。
画家や作家もいる。
芝の生徒は穏やか、のんびりしている、優しいと言われる。
6年間なるべく競争的なことは意識させずに過ごさせてあげたい。
中1生のアンケートによると、入学を決めた理由として学園祭を見てという答が多い。
入学金は高校進学時にも必要。
9) 入試に関して
03年入試結果
1回 2回
入試日 2/1 2/4
募集人数 150 130
応募者数 713 1380
受験者数 654 888
合格者数 195 261
繰上合格 0 若干
合格者平均
国語(100) 70.2 67.5
算数(100) 41.7 66.0
社会( 75) 47.9 50.9
理科( 75) 39.2 54.1
合格最低点 183 217
2月1日の1回入試で模範解答の間違いによる採点ミスがある(4点分)。
4月18日に判明。答案を見直して採点をやり直したところ、3名が合格圏内に。
いつでも希望の時期に入学を引き受ける旨連絡。
3名とも芝に入学。すでに所属していたそれぞれの中学校に了解をもらう。
芝の配点は4教科合計350点満点。合計点で判定し足切りはない。
1回、2回とも同じ傾向、難易度で作問を心がけている。
03年入試では両方受験した生徒のうち40名が2回で合格している。
受験生は毎回同じ力が発揮できるとは限らない。
繰り上げ合格は10点の幅くらいで出ている。03年入試では17名が繰り上げ合格に。
(報告 A.A)
http://www.shiba.ac.jp/
女子学院 訪問報告(03年8月26日)
1) パイプオルガンの設置
夏休み中に講堂にパイプオルガンの設置工事を行う。
パイプオルガンの設置は新校舎建築の時からの懸案だった。
これまでは礼拝の時も普通のオルガンを使っていた。
ドイツから職人の人が来て泊まり込みで設置。組み立てに4人、整音に2人。
大枠を組み立てた後に、音を調整しながらパイプを1本1本組み込んでいく。
費用は約6千万円。これまでの献金や募金であるていどの目処が立つ。
2) 04年入試
04年は2月1日が日曜日のため2月2日に移るが、1000名程度の受験生を見込んで、面接や採点、合格発表の対応を考えている。
3回前に2月2日に移行したときは入試や入学者の対応が大変だったらしいが、2回前の時はその経験を踏まえて対応ができており、前回の時(98年)は何も問題なかった。
3) 授業参観の実施
中1、中2の学年が7月に実施。
その学年の教師集団がまずやってみようということで実現。
以前行ったことがあるが、見学者がうるさくて授業に支障があるということでしばらく行っていなかった。静かに見てくださいということをいろいろな機会を通じて伝えたこともあり、大勢の保護者が来られたが、静かに見てもらえた。
保護者に見てもらえばわかってもらえることや安心してもらえることがある。
9月1日の教職員研修会で今回の授業参観の是非について話し合いを行う予定。
来年以降も必ず実施するかは未定。
この2年間、中1の保護者に校長からのアンケートを実施。集計を学年の先生に手伝ってもらうことで保護者の声を感じてもらっていた。最初から保護者の意見に耳を閉ざすのではなく、保護者の感じていることを知った上で、やれることとやれないことを判断すればよい。
中高の専任教員は62名。学校の方向性に関しては概ね一致している。
4) 学校説明会
今年も土曜日実施は実現できなかった。
今年はパイプオルガンの工事の日程がずれたため、それに合わせて、生徒の文化祭準備のための講堂使用の日程がずれ込み、講堂の土曜日の都合がつかなかった。
内部でも土曜日の説明会をやってもよいのではという声は上がってきている。
5) カトリック学校の学校長・理事長の集いで講演
カトリック協議会の人と何度か会う機会があり、そこでプロテスタント校の実践を聞きたいという話が出ていた。自分はプロテスタントを代表しているわけではないので、一つの学校現場の報告として話をする。
キリスト教学校教育同盟(プロテスタント)とカトリック学校連合会の組織同士の交流が昨年から始まっている。
プロテスタントとカトリックの学校が6校集まってキリスト教主義の女子教育について話し合う機会を持つ。今年の5月に第1回が行われ、9月に第2回を予定している。
キリスト教という点でお互いに協力できたらと考えている。
礼拝のあり方についても、プロテスタントではクリスチャンの教員も担当するが、カトリックでは礼拝を執り行う資格が必要。カトリック学校ではシスターや神父が少なくなっており、このままでは礼拝が行えなくなる可能性があると心配されていた。
6) 学校説明会での相談等から
合同説明会等で保護者からの相談を受けていると学校教育に精神的な土台が求められていると感じる。各学校には建学の理念があるが、宗教のない学校は何を精神的な土台とするかが難しいのではないか。
キリスト教学校においても何を精神的な土台とするかは難しい問題だが、キリスト教に基づいているという点で何となく了解が得られる部分がある。
7) 自由、平等、平和という言葉が危機に瀕している
自由、平等とは何かということが問われている。
自由、平等を6年間の学校生活を通じて実体のあるものにしていく(経験、体験を通して感じ取っていく)ことが必要。そのためには普段から教員がいかに自由や平等ということを意識して実体のあるものにしていくかが課題。創立以来、学校を支えてきた精神を教師が自覚して深めていく必要がある。それでも生徒は自由や平等というものを卒業する頃にうっすらと気がついていく程度ではないか。
イラク戦争では自由を御旗にして戦争が行われる。それぞれの国家にとって都合のよい自由や平和があるということ。それをどう受け止めるかは、最後は個々人の判断による。
生きていくと言うことは相対的なものの中からよりよいものを求めて選んでいくこと。
現実には絶対的な自由、平等、平和というのはあり得ない。教師がそれぞれの思いをなげかけ、そこから生徒が自分なりの自由、平等、平和というものを感じ取っていくしかない。
神の正義、神の平和と言うとそこに絶対性が入ってくる。自由のために人を殺す、平和のために戦争をするということはキリスト教の考えではあり得ない。
8) 校長として生徒と接する機会
礼拝や修養会、御殿場教室、運動会等の行事でフォーマルな話をすることが主だが、行事のフリータイムにフランクに話す機会もある。
授業で接していないので片手落ちという気持ちもあるが、女子学院は教頭職がないので院長の負担が大きい。実際、授業を持つ余裕がない。決定機関が院長一人。
主事(教務主事、生徒指導主事、宗教主事、校務主事)がいるが、選挙で選ばれ2年任期。
外の会合にはそれぞれが分担して出かけて行く。
9) 災害対策
各教室に生徒の分のヘルメットが用意されている。
校庭に防災倉庫を置き、水、保存食、毛布、簡易トイレ、救急用品、衛生用品等をまとめて保管している。生徒全員が2日間は学校でしのげるようにはなっている。
今年は防災訓練の時に、通学経路別のグループで校庭に集まろうと考えている。どんな人が同じ方面にいるのかを知っておいたほうがよいので。
緊急時のマニュアルを各家庭に1部ずつ配布してある。各家庭の対応も学校に出してもらっている。
学校がダメなときの避難場所は国会周辺になっている。
10) その他
@ 定員は240名だが、今年度の入学者は230名(昨年は228名)。1クラスの人数をなだらかに減らして220名(1クラス44名)までにしたいと思っている。
A 現在の高1が高2になるときから文系・理系のコース分けをやめ、HRは文系志望者理系志望者を混合にして、選択で対応するようにしていく。
講堂の上部を生かした屋上庭園
(報告 A.A)
http://www.joshigakuin.ed.jp/
清泉女学院 04年入試日程
1期を2月1日から2日に。
1期 2月2日 女子70名 4科 面接
2期 2月4日 女子20名 2科 面接
1期の面接は受験番号順に1月11日(日)、12日(祝)、17日(土)、18日(日)に実施。
2期の面接は受験番号順に1月24日(土)、25日(日)に実施。
http://izumi.seisen-h.ed.jp/
玉川聖学院 教育懇談会要旨(03年7月30日)
水口教頭先生
1) 今年度の入学者数とその対応
今年の入試では定員160名のところ177名が入学。抜ける生徒が少なかった。
日頃、子供たちに届く教育をと言っているので、HRの4クラス編成は変わらないが、人数が多いからできることはないかと対応を考える。
英語・・もともと1クラスを2つに分割して授業。
数学・・中1から2クラスを3つに分割した授業に。
国語・・添削が多いのでチームティーチングに。
補習・・中1の補習の手伝いを卒業生に。
今まで以上にきめ細かい対応ができるようになり、かえってよかったと思っている。
生徒数は少なければいいというものではない。いろいろな生徒がいる中で切磋琢磨したり、集団として何かを作り上げていくことも大切。それを学年として、学校としてどうケアしていくかが重要。1学年を8名のスタッフで担当している。
2) 玉川聖学院の考え方
生徒が真ん中にいるというのが玉川聖学院の基本的な考え方。
学校は一人一人の生徒がその子らしく成長していくのを助ける。
生徒は一人一人発達の度合いや性格や家庭環境が違うが、それぞれが中心となって6年間の学校生活を送れるようにするのが学校の使命。
基本的な考え方=キリスト教の人間観に基づく教育
1 自分は世界でたった一人のユニークな存在であり、生きる意味と目的を与えられた独自性を持っている。
これが学校として一番伝えたいこと。
子どもはその子にしかない良さを持っている。まず自分でそれをわかることが大切。
人と比較して自分を位置づけるのではなく、一人一人が大切なものを持っているということを伝えていく。私は私でいいんだという自信を持たせてあげる。
2 人格の成長のために人との関係性を大事にして、あなたと共に生きているという感覚を育てる。
私が大事なようにあなたも大事なんだと思えること。
戦後の教育は比較が中心。比較の中で自分が位置づけられてきた。人との関係が常に比較になっている。対等の関係になっていない。
一部のエリートを除き、多くの人の自己評価が低い。
自己評価が低いと、どうせ自分なんか、私なんてと思ってしまう。
それを他者との関係性の中で癒していく。6年間かけて、お互いが協力し合っていい友達関係を築いていくなかで友達の大切さを知っていく。
今、日本の中高の中で必要とされているのは友達との関係性を作ること。
都立高校では昼休みの時間が静か。なぜかというと携帯のメールに熱中している。目の前の友達と話すより遠くの人間とメールを通じて繋がろうとする。顔を合わせて話すことができない。
生身の人間関係の中で辛い思いをしたあと修復できない。傷つきたくない。
学校が人間関係を作る場をたくさん用意してあげる必要がある。
3 自分に与えられた潜在的能力を開発していく。
それぞれに与えられた能力、個性を伸ばしていく。
3) 校舎建築
50周年を機に5年かけて校舎の建て替えを行う。12月に全て完成する。
空間を広くとった校舎になっている。
21世紀の教育に必要な設備を備える。
安全性への配慮が建て替えのきっかけとなる。学院長が神戸の震災を経験しており、子供たちが学校にいるときにあのような地震が起きても大丈夫のようにと建て替えに着手する。
4) 学習指導
高1までは共通履修。高2から文系、理系、文理系のコースに分かれて選択が多くなる。
30名弱の高入生がいるが中学からの生徒と一緒にクラス編成をする。
いわゆる先取りはせず、その学年のものをしっかりやっていく。
課題学習が多い。学習内容は旧課程の内容で行っている。
中2ではコンピューターを使ってのプレゼンテーションができる力を全員につける。
中3では自分の決めたテーマに関して1年かけて修了論文を作成。修了論文はCD−ROMで提出し、情報センターに保管され下級生がそれを見ることができる。
学校で授業を行える日は1年間の約半分。自学自習の動機付けを与えて、残りの半分の時間をどう使えるかが重要。それが将来の学習に役立つ。
総合学習として10年前から高1で総合科人間学を行っている。人間とは何か、生きていくとは何かを考える。今年の高1からは高1、高2の2年間行う。本を読んで発表する授業だったり、調べてまとめて発表する授業だったり、パネルディスカッションを行ったりと双方向の授業になっている。問題を設定して調べて、まとめて、発表する力がつくので大学に行ってから全然違う。
もちろんその前提として基礎学習は必要。
英語は来年から1クラスを3分割で行う。
英語、数学に関しては試験結果で遅れ気味の生徒には指名補習を行う。卒業生が来てティーチングアシスタントとして補習を行う。
5) 進路指導、大学入試
進路も一人一人の持っているものが引き出されるような進路を見つけられればと思っている。
中1から高3まで進路の学習をしていく。
中学生に対して、働いている保護者や卒業生に来てもらい講師として話をしてもらう。
一般推薦入試、AO入試、自己推薦入試といった論文入試が増え、論文の重要性が今後大きくなっていく。上智大学も指定校推薦を減らして論文入試に変えてきている。
玉川聖学院の生徒は論文入試で入っていく生徒が増えてきている。
今年の大学合格者のうち、お茶の水女子大、筑波大、上智大、慶応大といったところには論文入試で入っている。その意味では総合学習や修了論文で書くことに慣れている玉川聖学院の生徒は評価されやすくなっている。
現在の実績は7年前に入学した生徒によるもの。今の入学者はその時の生徒と質が違ってきている。あと3年たてば出口の数字もだいぶ違ってくるはず。
これからは大学で何を勉強し、何がしたいのか、そのためにどんな準備をしてきたのかが問われる。
中高6年間の中で、自分の特性は何か、自分が将来何をやりたいのか、どうやって生きていくのかの関係で進路をしっかり考えられるかが重要になってくる。
6) クラブ活動
基本的には中高別々で活動。中高のそれぞれの発達段階に合わせて分けている。
中学は中学で高校は高校でリーダーシップを取らせたい。
合宿は中高一緒に行っている。
中学生はクラブ活動が必修になっている。
最終下校時間は中学生が17:30、高校生は18:00。
7) 生活指導
学校は集団で生活をする場。その中で、自我をどう押さえられるか、我慢できるか、協調できるかによって社会性が身についていく。
そのために、学校としてはみんなで一緒にやることをできるだけ多く用意する。
また、わがままが通らない環境を作る。
締め付けることはしないが、キチンとやっていこうとか、ダメなものはダメとはっきり言う。生活指導と言ってもただ禁止するとか、締め付けるとかではなく、明るい中である節度を持って学校生活を送るためのもの。
玉川聖学院は生徒の自尊感情を大事にしている学校。特別に何かがあるわけでもなく、華々しいものがあるわけでもないが卒業生一人一人が満足して卒業していく学校だと自信を持って言える。
教育は保護者と学校が同じ価値観・教育観を持たなければできない。
玉川聖学院は生徒を競わせて力をつけるようなやり方はとらない。それをわかっていただけるご家庭の方に選んで欲しい。何でも自由で子供たちの自主性に任せることが子供たちを伸ばせるという考え方だと玉川聖学院の校則や校風はきつく感じられるかもしれない。
年4回の保護者会、1回の三者面談がある。それ以外に保護者の方を束縛することはないが、おりにつけ学校行事にかかわってくださったり、学校に対しても一緒に教育をしていくという姿勢を持っておられる方々とともにやっていきたい。
そのためには学校の裏も表も見ていただき、納得して入学してきて欲しい。
新校舎の返済がこれから15年かかる。最低15年間は定員を確保するためにいい教育をしていかなければと先生方と話をしている。(返済のための寄付を募るということはない)
8) 入試に関して
第一希望の生徒が多い。
入試問題は例年同じ傾向。過去問題に慣れておくとよい。
問題は基礎的な問題を出題。
2月1日が日曜日のため1回を2月2日に。
04年入試要項
1回 2月2日 女子100名 2科 面接
2回 2月3日 女子 60名 2科4科 面接
1回は120名〜130名の合格者を予定。
2回は100名程度の合格者を予定。
面接は落とすためのものではない。面接で問題になるとすれば、自分は受けたくなかったのだが親が受けろと言うから仕方なく受けたというような受け答えがされる場合くらい。
小学生らしい子(充実した小学校生活を送ってきた子)であればよい。
原則として日曜日に教会に行けるかを聞く。日曜日の家庭の用事がある場合にそれを優先することは構わない。
不登校や家庭の事情がマイナスになることはない。これからしっかりやっていこうという気持ちがあれば充分。
小学校時代に不登校だった生徒が例年何人か入学している。
中には集団生活が上手く行かない子どももいるが、玉川聖学院はカウンセリングがしっかりしているので、子どもの状況に合わせた対応ができる。カウンセリング室は20年前からある。教員は全員がカウンセリングの研修を受けており、全てカウンセラーといってもよい。
今春の繰り上げ合格は0名。昨年は15名。一昨年は1名。
繰り上げ合格を出す際は必ず連絡が取れるまで連絡を入れる。
繰り上げは原則として重複受験の生徒から。
9) 玉川聖学院の総合学習
総合学習は先生が面白いと思うことと、創意工夫がなければ上手くいかない。それがあればとても可能性のある授業になる。
中1・・人間関係作り
今の子どもは友達関係を作るのがうまくない。中1の時にいろいろなところから入学してくる。最初に人との関係作りのための学習を行う。
週2時間。
人との関係を作るための言葉、手紙の書き方、電話のかけ方、礼儀作法等の学習やキャンプ、老人ホームへの訪問等のプログラム。
あえてコンピューターは使わずに自筆で手紙が書けるようにする。
中2・・環境・情報
情報ではコンピューターの基本的な使い方を身につける。
中3・・人権・平和・国際
総合学習では自分の体験を整理することで学習として自分の中に蓄積していく。そのためにレポートや論文作成が多い。
修了論文は自分でテーマを決める。1人の先生が2〜3名の生徒を担当。全ての先生が自分の専門に近いテーマの生徒を担当する。年10回は先生との間でやり取りがある。
20年続いている。
高1・・人間学
チームティーチングで授業を行う。6人の先生がかかわる。1時間の授業に3人の先生が入る。
年間40本近いレポートを作成。
この経験が大学を選ぶときの土台になっていく。
人間学の授業を通じて生徒に窓をたくさん作ってあげる。
10) その他
専従のカウンセラー(臨床心理士)が2人。月〜金のうち3日ずつ学校に。1日は2人が重なる。2人が重なる日に養護の先生2人と水口先生を入れてケース検討会を行う。
教員は事例研究会を年6回行っている。日常的には教員室が学年毎の机の配置になっており、そこで生徒の情報が話し合われ共有されている。
教師は生活指導とカウンセリグの両方ができなければいけない。
入学時にキリスト教の体験のある人(信者、教会に行ったことがある)は100名のうち5名程度。
日曜日に教会の礼拝に行くのは中学生は義務。中2で7割くらい中3で5割くらい出席。
高校生は自由。
教員の中でクリスチャンは8割。クリスチャンでない先生もキリスト教の人間観や考え方を理解してくれている。
先生たちの仲がよい。自分のクラスは自分のものという感覚はなく、全てがオープン。1つの事柄がみんなのものとなっている。一人の苦しみはみんなの苦しみになっている。
玉川聖学院では式典等の行事は全て礼拝形式で行う。
毎朝の礼拝もチャペルで。
バートン校長は5年目。以前は神戸で宣教師を。日本に来て20数年。生徒の中に積極的に入っていく。
高校の修学旅行は韓国へ。現地の高校生と交流。会話は英語で。帰ってくるとメールの交換をしている。
夏休み中もお盆時期の学校閉鎖期間を除いて学校見学は自由にできる。
ただ夏休み中はクラブ活動の生徒しかいないので、生徒の様子がよくわからないかもしれない。生徒のいる普段の時の方が様子がよくわかると思う。
普段も学校見学は可能。授業も全ての授業をオープンにしているので、見たい授業を見てもらうことができる。学校説明会の際も授業見学が組まれている。
(報告 A.A)
http://www.tamasei.ed.jp/
東京女子学院 英語教育
(全私学新聞 8月13日)
「使える英語、考える英語」
礼法・弦楽・華道などの感性教育や、英語・中国語・フランス語も含め充実した外国語教育を行い、国際的に活躍する女性リーダーの育成を行ってきた東京女子学院中学校・高等学校(酒井A校長、東京都練馬区)は、それをさらに推し進め、海外大学への進学なども見据えつつ、今春、「使える英語」「考える英語」の習得を掲げて中学校に新しい英語教育を大胆に導入した。
この新しい英語教育とは、週六時間の「英語」の授業をすべて、ネイティブの教師が英語のみで行い、教室内に海外留学と同じ環境をつくり、そこで生徒たちに英語を学んでもらおうというものである。むろん、日本人教員のアシスタントなども付かない。授業を行う外国人教師は、「オセアニア教育財団法人」の指導のもとに授業の運営にあたる。「オセアニア教育財団法人」は、英語が母国語ではない外国人学生に英語を習得させる教授法をケンブリッジ大学から保証されている団体。単なる英会話ではなく、英文法も含めた総合的な英語教育となっており、新しいカリキュラムによって、中学校三年間であまり複雑ではない英語の映画やニュースをある程度理解でき、英語の本を読むことや簡単な議論ができる能力を開発していくことができる。
具体的には、授業の進行を英語で行うだけでなく、テキストも英語だけで書かれている「SIDE BY SIDE BOOK」を使用。さらに自分の考えを英語で表現できる力を養うため、各学年ともテーマを決めて学習する。
中学一年では、初めて英語に接する生徒のために英語がわからなくても理解できる身近な事柄を使い、5W1Hの質問と回答の連鎖で授業を展開させていく。まず、たくさん英語を聞いて、まねをするところから入り、話すという道筋をたどる。授業の中心となるのはネイティブ教師との対話や活動であり、テキストはあくまで一つの指針として使用する。学習の目標は、身近な生活を素材としながら簡単な英語表現ができることと、文法事項は中学三年間の約六〇%を使えるようにすることである。学習テーマとして予定されているのは「トピック」「世界の食物」「世界の料理」「世界のスポーツ」である。
中学二年の授業では、ネイティブ教師との対話が中心となる。一年次と同じく5W1Hの質問と回答の連鎖で授業を展開していく。学習テーマは「トピック」「音楽」「美術」「時事問題」が予定されており、簡単な英語表現で、話す、聞く、読む、書くことを行う。学習の目標は、英語を通じて外国の文化を学ぶとともに、文法事項は中学で学ぶ項目のすべてを使えるようにする。
中学三年では、学習テーマを「トピック」「環境問題」としており、ネイティブ教師と日本および世界レベルの時事問題や環境問題について調べて対話したり、聞く、読む、書くといったことを行う。同時に外国の文化を学ぶことによって視野を広め、コミュニケーションの大切さを体験する。またテキストとして海外のペーパーバックなどを原文のまま使用する。学習目標は、ペーパーバックが原文で読めるようになること、文法事項として英語検定二級へのチャレンジである。
学習の評価は、小テストと定期考査の成績、オックスフォード・ケンブリッジテストによるレベル評価、授業協力度、発言の内容と積極性、Diaryの提出、小論文の内容などによって行う。
こうしたカリキュラムによって、毎日英語を聞き、使う環境の中から、生徒たちは短期間のうちに英語を聞き取り、英語で考え、英語で話し、英語で書くという力がつき、自然に英語能力を向上させていくという。中学二・三年生はすでに従来の方法で英語の授業を受けていたこともあって、新しい方法になじめない生徒には、放課後、OGチューターによるサポートも行っている。
中学校では新しい英語教育が全面的に導入されたが、高校でも徐々にこの英語教育を実施していく方針である。今年度は通常行われている英語の授業とは別に、七、八時間目に「Talk Talk」というネイティブ教師による英語クラスを設けた。この「Talk Talk」では使える英語力を育成するが、クラブ活動に近い、よりフランクなスタイルでの英語教育となっている。対象は高校生だけでなく中学生も含めた全生徒としている。ただ、中学生は必修だが、高校生は希望者のみ。クラス分けは学年の枠を取り払い、習熟度別に八グレードに分けている。教材はネイティブ教師が独自のものを用意する。クラスは固定化しないため、生徒たちのがんばり次第でどんどん進級するシステムだ。すでにあるクラスでは、ネイティブ教師のジョークに反応して生徒たちが笑うほどの進歩を見せているという。
今後高校でも、大学進学に配慮しながら、新しい英語教育を順次導入していき、将来的には卒業時にTOEFLのスコア600、IELTS7.0の取得を目指していく。また、大学入試センター試験に対応するだけの力を育成するだけでなく、海外の大学を志望する生徒のために、ニュージーランドのバーサリー(大学進学資格試験)にチャレンジできる力も養う。これを取得すればニュージーランドの大学はもちろん、英語圏の大学であれば入学が可能となる。バーサリーの合格レベルはAからCまであり、Aであればケンブリッジ大学への進学も可能だという。同校の新しい英語教育によって、グローバルアドミッション(海外大学への進路)の際の関門となっていた入学試験や、入学後に英語の授業についていけるかといった問題がかなり解消されるため、海外大学への道が大きく開かれることとなる。
文部科学省は今年六月、平成十八年度の大学入試センター試験の出題教科・科目の英語の中にリスニング(聞き取り)テストを導入すると発表した。図らずも十八年度は東京女子学院の新しい英語教育を三年間受けた生徒たちがセンター試験を受ける年にあたる。同校の英語教育はこのリスニングテストにも十分対応できるものである。同校としても、海外大学進学への道が広がることと併せて、生徒たちの成長が楽しみだという。
http://www.tjg.ac.jp/
教育情報
04年国公立大学入試 5教科7科目以上が大幅増
(朝日新聞 8月26日)
国公立大の来年度入試について文部科学省は26日、大学入試センター試験で「5教科7科目」以上を課すのは、91大学344学部にのぼると発表した。うち札幌医科大保健医療学部が6教科8科目で、あとは7科目。7科目以上は今年度入試より28大学231学部の増加で、全550学部の63%になる。
ここ数年、主流だった「5教科6科目」に対して、社会か理科のいずれかを2科目にする「5教科7科目」は、学力低下への対策として増えた。来春入試では、国公立大の入学定員計約12万人のうち、半数以上の約6万6700人(56%)が対象になる。
とくに国立大は、83大学のうち87%の72大学が導入。公立大の26%、19大学に比べ衣替えが進んでいる。
学力だけでなく、受験生の個性を重視して判断するAO(アドミッション・オフィス)入試を導入する大学は、新たに鳥取大(教育地域科、工、農)や東京都立大(法1、理1)などが加わり、29大学86学部になるという。
推薦入試は、144大学406学部が実施する予定で、人数は入学定員の13%にあたる約1万5000人にのぼる。
理数科の熟練教員支援 30人に各50万円補助、文科省
(朝日新聞 8月25日)
中学、高校の理科と数学の先生を支援しようと、文部科学省は来年度からサイエンス・マスター(熟練した理数科教員)育成制度を設ける方針を決めた。分かりやすい指導法や教材に工夫を凝らしている教員を公募し、約30人に各50万円程度を補助する。実際に成果を上げた人を表彰する制度も設ける。来年度予算で4100万円を概算要求する。
昨年度から始めた科学技術・理科教育の総合的な振興策「科学技術・理科大好きプラン」の追加策。2年間の試行後、対象者と額を増やしていく考えだ。
補助したお金は、先生に直接支給される。数学の模型や理科の実験の教材開発などに使ってもらう。
同省の担当者は「理科好きの子供を増やすには、分かりやすく教えてくれる魅力的な先生を増やすのが近道だ。具体的なプランを持っている先生に、ぜひ応募してもらいたい」と話している。
科学技術・理科大好きプランでは、第一線の研究者が中学、高校生を教えるサイエンス・パートナーシップ・プログラムや、実験や観察設備を重点的に整備して教材や指導方法を研究する理科教育推進校の指定、学習指導要領を超えた高度な科学教育をするスーパーサイエンスハイスクールの指定などが実施されている。
就職部からキャリアセンターに 入学から指導
(朝日新聞 8月30日)
私立大学を中心に、学生の就職活動の拠点である就職部(課)をキャリアセンターなどにつくり替える動きが目立っている。入学後の早い段階からの指導で、一人一人の「履歴書」を充実させるねらいだ。改組はここ3、4年で30校に及ぶとみられる。就職環境が厳しいことに加え、職業意識の未熟な学生の増加が大学を駆りたてている。従来の就職部門が主に3年生以上の就職活動を支援したのに対し、新組織はいずれも1、2年生も対象に加え、将来の職業、生き方にふれる指導でキャリアをみがく。
東京では早稲田大の就職課が昨秋、キャリアセンターに生まれ変わった。戦後まもなく職業紹介の窓口として発足して以来55年目の大幅改組だ。二松学舎大も同様に改称した。
今年は首都圏の中央、昭和女子、聖学院、独協、近畿地区の龍谷、追手門学院、帝塚山、東海地区の中京などの各大学が就職部門をキャリアセンター、キャリア開発部、進路支援センターなどに改めた。関西大は、就職部内にキャリアデザイン課を新設した。
背景には、多くの企業が「少数厳選」採用を打ち出しているため、3年生からの付け焼き刃の準備では通用しにくいことがある。フリーターが増加し、入社後短期間でやめる若者が多い問題も就職指導のあり方を問い直している。
中央大は今年から、1年生全員に、自分の能力や働く意義を考える手引書「キャリアデザインノート」を持たせている。「目的意識が薄く、自分に向いた職業がわからない学生が少なくない。『おとな』へ脱皮させるには、就職部では限界がある」(小林信武・同大キャリアセンター部長)
自己診断テスト、講演会、文章教室、資格取得講座……各大学は様々なメニューで1年生の意欲をかきたてる。授業の中に「職業」をテーマにした科目を組み込み、受講学生に単位を与える大学もある。
今春、理系ではめずらしく、東京電機大の就職課はキャリア支援センターに模様替えした。金子千枝子・同センター課長は「自信をもって自分を語れる学生を育てたい」と言う。
私立大は、卒業生の就職実績が入学志願者数―経営に響くため、就職指導に力を入れてきた。少子化で大学間競争が激化し、就職に強いかどうかが大きな意味をもつようになったことも、就職部からキャリアセンターへの流れを加速している。
全校を2期制に 横浜市、来年度から
(朝日新聞 9月1日)
横浜市教育委員会は1日までに、全521の市立学校を来年度から原則として2学期制とすることを決めた。今年度から試験的に59の小中学校などで2学期制を導入した結果、3学期制よりも授業時間が増やせるなどの利点があると判断した。
市教委によると、1学年を10月中旬ごろで1学期と2学期に分け、あいだに5日間の秋休みを入れる。2学期制にすると始業式、終業式などの行事や定期テストの回数が減り、その分ゆとりができるという。
現状では、7月は通知票の成績をつけることなどで忙しいが、2学期制になれば、夏休みを前にした苦手科目についての面談などを行うこともできるようになる。試験的に導入した学校では「より充実した夏休みを送るために役に立つ」と好評だった。
今後、各校が説明会を開くなどして保護者らの理解を得たうえ、校長が導入するかどうか判断するという。
文部科学省の03年度のまとめでは、2学期制を導入している公立の小中学校は全国で829校ある。小学校が519校(2.2%)、中学校が310校(3%)。仙台市、金沢市などで2学期制を実施している。
教育委員会は不要 鴻池担当相
(朝日新聞 8月30日)
政府の青少年育成推進本部の副本部長を務める鴻池特区担当相は30日、神戸市内のタウンミーティングで「教育は(学校経営に参入する)株式会社や都道府県、市町村が自由にやる。学校の先生は市長が気に入ったのを連れてくればいい。教育委員会なんか必要じゃない」と述べ、教育委員会不要論を展開した。
ミーティング後の記者会見でも「教育委員会の存在を検証する必要がある。教育を行政から独立させることが必要な時期もあったが、教育もスピードが必要になっており、行政が速やかに教育に対応できることが必要だ」などと述べた。
教育委員会の廃止をめぐっては、埼玉県志木市が「教育委員会は形式化しており、合議制のために決定の責任の所在も不明確だ」などとして、委員会設置を義務づけた地方自治法の運用を変える特区構想を提案。しかし、文部科学省は「廃止は認められない」としている。
関連記事
文科省教育委の廃止拒む 規制改革会議が意見聴取
(毎日新聞 9月1日)
政府の総合規制改革会議は1日、教育分野での新たな構造改革特区創設のため文部科学省から意見聴取した。市町村に義務付けられている教育委員会の設置規制をはずすことが主な議題になったが、文科省側は教育行政の中立性を理由に「認められない」と拒否した。教育委員会の必置規制撤廃は今年6月の特区第3次提案で埼玉県志木市が要望している。
その他
女性管理職ゼロ 自治体の4割で、内閣府調査
(朝日新聞 8月23日
全国約3200の市区町村のうち、女性管理職(課長相当職以上)が一人もいない自治体が全体の4割近い1272に上ることが22日、内閣府の調査で分かった。一方、女性管理職の割合が10%を超える市区町村も800を超え、自治体間に大きな格差が出ている。
4月現在の調査で、女性管理職がゼロの市区町村は39.6%。登用率が5%未満の自治体も含めると全体の51.5%に達する。
管理職に女性が占める割合は都道府県では4.8%、政令指定市では6.3%、市区町村では7.2%だった。市区町村で高いのは、管理職に保育所の園長なども含めているためという。
一方、厚生労働省の調査では、民間事業所の女性管理職の割合は8.7%(01年)。民間に比べて行政の女性登用は遅れているといえそうだ。
<問題>
1g ,3g ,5g ,7g の4個のおもりがあります。これらのおもりを使って,重さをはかるとき,次の問いに答えなさい。
(1) 上ざらてんびんの左側のさらの上だけにおもりをのせてはかることができる重さは何通りありますか。
(2) 右側のさらの上におもりをのせてもよいことにするとき,(1)の重さのほかに何gの重さをはかることができますか。すべて答えなさい。
(03年サレジオ学院)
入試問題に挑戦第88回解答編
<問題>
A ,B ,C ,D ,E ,F ,G ,H ,I は,1 から9 までのすべて異なる整数で,次の(ア)から(エ)の4つの関係があります。
(ア) A ×A =B
(イ) B −A =C
(ウ) D ÷E =F
(エ) G +H =D
このとき,I はいくつですか。(03年國學院久我山)
<解答>
この問題は(ア)の条件から順に考えて行けばよいので、かなり親切な問題です。
(ア)より A×A=B は 「2×2=4」 または 「3×3=9」
(イ)より B−A=C は 「4−2=2」は不適切なので、「9−3=6」
ここまでで、A=3、B=9、C=6。
残りは、1,2,4,5,7,8。
(ウ)より D÷E=F は 「8÷4=2」 または 「8÷2=4」
ここまでで、D=8、EF=2or4。
残りは、1,5,7。
(エ)より G+H=D は 「1+7=8」 または 「7+1=8」
ここまでで、GH=1or7。
以上から、残った I=5。